吉川徹のレビュー一覧
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子供とゲーム・ネットの付き合い方について話す本
理解ありつつもある程度ルールはつけたほうがいいよという姿勢でまっとう感がある
実際高学歴の人も殆どゲーム好きなので、ゲームしつつも大事なときに勉強できるかが大事なんだろう。ネットは言わずもがな
キラー、アチーバ、エクスプローラー、ソーシャラタイプ
リアルの知人、ネットの知人、不特定多数の人
ソロ、即席チーム、恒常チーム、大規模チーム
プリペイド、クレカ、電子マネー
ハマることが問題ではなく、他に原因が合ってそれがハマるという結果を起こしている
一緒に約束を決める、厳しい制限からゆるい制限に
①始める前に作る②所有権は大人③おしまいを身につける④やることをやってからは難しい⑤短過ぎは良くない⑥次いつ使えるかを明確に⑦ゲーム時間を交換可能に⑧取り上げる基準⑨ネットから離れる⑩睡眠時間確保
子育て:指導的、許容的、権威主義的、放任的 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日経での吉川さんのコラムより興味を持ち、この本にたどり着きました。
まず、自己紹介の話がなるほどなと思いました。
確かに、何かしらの場で自己紹介をする時、何を話そうかと迷います。趣味といっても今と少し前では違うし、仲よくしている集団も色々で、なにか出身などの固定的なものを話すとそれはそれでありきたりで...みたいな感じで。
このアイデンティティが流動的であるということは現代を、特に若者の現状をよく表している語であると思いました。若者はアイデンティディが「無い」のではなく、誇張するとすれば「ありすぎる」のではないかなと思いました。
再帰的近代は、非○○が増えていく時代ということから、たしかに「否定+○○」の単語は単語でしかないが、そのような単語が生まれてくるのは、それ以前にあった概念では表現できないものであったということの証明でもあるんだなと。そして逆に、「否定+○○」を単なる単語として見て、特にその本流を直接は知らない人達は、その「否定」に含まれる意味を理解せずにその単語を理解することになると。この「否定+○○」という概念を生活の中で少し気にしてみたいと思いました。
また全体を通して、日本で起こっている分断を、8つに分類し主に学歴の分断という視点で見ていく考え方は面白いと思いました。社会学での「主体性」と呼ばれる視点からの「ソフト」の面からの考察を見ると、若年非大卒男性(女性も含む)が、文字通り「サイレントマジョリティー」であると感じました。このような状況は、国際的な事柄や、政治に無関心な若者が多いということであり、今世界で起こっているナショナリズムや保護主義、自国第一主義のような考え方が支持されることにも繋がっているのかなとも考え、現在のフランスやイタリアなどでこの調査を行うとどのような結果になるのかに非常に興味を持ちました。かなり興味を持ちました。
政策を考えるにしても、どのセグメントの人達をターゲットにして解決を目指していくのかという細かいところまで考えていく必要があることも理解しましたし、
学歴は、生まれなどといった固定的なものではなく、自分の力で掴み取れる地位としての意味合いが強いと自分自身は考えていたので、そうではない部分も多いということが認識でき、いい学びができたと感じています。
学歴が認識され始めたのはいつの時代からなのか(日本ではなく、アメリカやイギリスなどで)についても興味を持ち、さらにその観念を広めようとした人は、本来はどのような意図だったのか、つまり、その人(人達)は生まれや人種的に元々地位が低く、その状態を改善する一つの方法としてより学歴を強調するような社会を目指したのか、それとも、たまたまこのような社会になっていったのか、また、逆に、比較的生活に余裕があるような人達が、その社会的地位をより良いものとするための権威づけの一つとして強調していったのか、はたまた、純粋に人類の学術的な発展を求めた末にこのようになったのかなど、歴史から見えてくることもあるのかなとおもったりしました。
そして、若年非大卒の人たちにあまり目が向けられていない社会だからこそ、今後そこに目を向けたサービスなどが発展していく可能性は大いにあると思いました。
文化の再生産についての本も読みたいです。確かブルデューがそんなことを言ってた気がしますね...そしてマルクス主義についてももっと深く知りたいと思いました。よかったです -
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日本で現在働いている、現役世代について、
2015年の調査を元に学歴・世代・性別で8つに分けて考察したもの。
若年の非大卒男性をLightly Educated Guysレッグスと呼んで、
今後の世代の主要な担い手として支援・協力していくことを重要視する視点は、とても新鮮だった。
学歴社会はもう終わったとか、ほとんどが大卒だというような話をよく聞くが、実際は(意外と)そうでもなかった。そのくせ、じぶんの周りには同程度の学歴の人しかいない、ということを意識している人は少ないと思う。
私自身、その通りで、特に働き出すとその傾向は強いような気がする。
だから?収入面でも世代・性別・学歴でかなり明確な差があるし、夫婦構成も同世代・同学歴でくっつきがちだから世帯毎にみても若年非大卒が低くなる。
その若年非大卒女性が子どもをもち、それを支える若年非大卒男性が
社会からの保護も手薄で取り残されているような現状は、
ここまでかみ砕かないと見えてこなかった。
各世代で協力しあって、次の社会をつくっていくことが大事というが、
そういう世代間や階層のような分断を超えた交流が自然に出来る社会は楽しそうだと思う。 -
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ネタバレ格差を論じるにあたり、なかなか表面に出てこないもの、それが学歴。
「格差」ならぬ「学差」という言葉に著者の主張がこめられている。
学歴をまっこうから扱うのは勇気がいるし、普段の会話でも話題にしにくい。
しかし、ニートやフリーター、非正規雇用などなど、現在の雇用問題を扱う際に、大卒か非大卒かで考えるとクリアに理解できるというのも本当だと思った。
先行き不透明な社会で、子どもは長期的な視野で行動するのは難しい。
でも、大卒か非大卒かでどのようにその後の人生が変わってくるのかは、教える必要があるのではないかと思う。
マーケティングなどにも応用できるっていうのは、なるほどと思わせられた。 -
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大阪大学大学院人間科学研究科准教授(計量社会学)の吉川徹(1966-)による、学歴社会の社会学的考察。
【構成】
第1章 変貌する「学歴社会日本」
第2章 格差社会と階級・階層
第3章 階級・階層の「不都合な真実」
第4章 見過ごされてきた伏流水脈
第5章 学歴分断社会の姿
第6章 格差社会論の「一括変換」
本書で論じられている学歴とは、有名進学校の受験競争や国公立や有名私立大学間の優劣を問題にする「学校歴」とは一線を画している。端的に言えば大学卒と非大学卒の間に横たわる大きな溝としての学歴分断が主題である。
昭和から平成にかけて起こった学歴社会における大変化とは、大学進学率の絶対値が上昇したということではなく、進学率が現状の50%より増えることなく横ばいとなったことである。
これは、大学全入と言われ進学について広く門戸が開かれているにもかかわらず、高校生の半数は大学進学を希望していないことを意味し、それは家庭の経済的な理由ではなく、親子共々大学進学を希望しないという家庭が再生産され続けるということである。
そのような学歴分断社会の中においては、子は親の学歴を追い越したりせず、学歴間の上下が親子世代で解消されることのない社会ができあがっている。親から子に学歴が受け渡される社会の成立である。
これにより、大卒再生産家族(35%)、学歴上昇家族(15%)、学歴下降家族(15%)、高卒再生産家族(35%)という比率で社会が分断され、そのうち下位50%の高卒家族が世帯収入550万円以下の下流社会に分類される。これらの非大卒層は諸々のアンケートで示される文化水準においても大卒家庭との文化資本の差が歴然となっている。
新書というある種啓蒙的な媒体に拠って、これほどまでに学歴格差が固定化していることを明示した書籍は無いであろう。日本社会の大きな転換点としての学歴分断社会の成立を説得力を持って説明する本書の主張に反論する有効な術を評者は知らない。 -
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データに基づいた社会学者の格差論。
GCOEかなんかのプロジェクトの成果の一部が本にまとめられたもので,こうやって社会に還元されるのは,いいことだ。
学歴で格差ができるというのは,分かっていても大っぴらには言いにくい現象だけど,データを使って淡々と今の社会状況が説明されている。
「そもそも学校制度とは,子供を学校で教育した結果としての本人の能力や適性に応じて職場に送り込むパイプシステムであり,学歴に応じて職が決まってしまうのというのは,学校制度にそもそも期待されていた機能である。ただ,そうやって決まった職によって,ステイタスや報酬が大きく異なり,その後の人生が大きく影響されてしまうという現象がもれなくついてきてしまうのが,問題を引き起こしているのだ。(意訳)」というのは,言われてみればナルホド!と,と納得がいっておもしろかった。 -
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ネタバレ迷信が社会通念に及んで結果として人口減少まで至るなんて何とも奇妙だし不思議だ、と思い読んでみた。
元を辿ればメディア発信だったと知ってとても驚いた。SNSでも反証記事が逆に炎上して拡散されるケースはあるからそれと同じことなんだろうなぁ。拡散されたデマが時代時代で良いように捉えられ使われた、と。(別軸だけど「夜桜お七」の元ネタがこれと知ってへぇ〜となった)
この本にも書かれていたけどこの年に産むことを恐れているのではなく社会的不利益を被ることを恐れているのだから、データを解析し昭和のひのえうまで不利益を被った人はほとんどいなかった、むしろ得した人もいたと結論づけたこの本は重要だと思う。
こういう切り口で解き明かすの面白い。読めるか自信なかったけど読んで良かった。 -
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1906年明治の丙午
1966年昭和の丙午
そして、来年が2026年令和の丙午
「丙午」は、何の根拠もない迷信や陰謀論的なものなのですが、来年はどうなるでしょうか。
日本は既に少子化が根付いています。
川柳にするなら「毎年が ひのえうまかな 令和の世」とは、言い得て妙です。
1966年昭和の丙午の時は「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく、夫の命を縮める」という迷信をマスコミなども流していたようです。
信じていなくても、周囲からの同調圧力に逆らえない社会だったのでしょう。
60年経って、当然そのような事実はないことは皆わかっています。
今こんなことを言おうものなら、○○ハラになるか、炎上するか、軽蔑されるかで、おかしな奴という烙印を押されてしまいます。
よって、2026年令和の丙午は、大規模な出生減は起きないでしょう。 -
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普通に面白かった。
文章も平易で読みやすく、図解やグラフもわかりやすい。
サブタイトルが『江戸から令和の迷信と日本社会』とあったので、てっきり民俗学的な話かなと思ったら、違った。
社会学の本だった。
ひのえうまについての基礎知識と、60年ごとにあるこの年に生まれた女性についての理不尽な言説についての解説と、来年はこのひのえうまだけど、どうなるかなって感じの展開。
ひのえうまの女が云々かんぬんは、腹立ちしかないのだけれど、それが生じた背景についての丁寧な洗い出しは実に面白かった。著者自身がひのえうまの生まれということもあり、本人は『やや好事家的な蓄積の総まとめ』とのことだが、今の時代必要なものではないかと思う。
今時ひのえうまがどうのこうのという話はないだろうが、似たような巷間が悲劇を生む可能性はあるし、今の時代だからこそ容易に生じる危険性は高いのだから。 -
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丙午とは、干支の組み合わせで60年おきにやってくる。この年生まれの人は気性が激しいといった民俗的迷信によって出生数が減る傾向にあり、実際に1966年には前年比で40万人もの減少が見られた。そして2026年がその年に当たり、明治・昭和と続いた出生数減少の影響が発生するのだろうか。
丙午生まれの女性は気が強く嫁の貰い手がいない―という根拠のない迷信によって、この年の出生数は10-20%程度減少してきた。そして明治の丙午(1906年)、昭和の丙午(1966年)を詳細に紐解いていくことで、それぞれの社会情勢に合わせた現象が見えてくる。それは家父長制のイエ本位の結婚から、個人の自由が高まってきた時代の出産調整といった結婚・出産にまつわる価値観の変化もあり、60年周期での調査検証はそれらを見る上で興味深い。
果たして2026年も出生数は減少するのか?それについてはすでに干支というものを気にする風潮はほとんどなくなりつつあり、また減少するための出生数全体が少子化によって危機的状況にあるため、有意に顕在化するとは考えづらい。むしろ社会としては逆の意味での迷信として、受験や就職といった面での競争率が低い丙午生まれは幸福であるといったキャンペーンを張るのが望ましいのではないか。