吉川徹のレビュー一覧

  • 学歴分断社会

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    親の学歴が子供の学歴に影響するー、格差の再生産として多くの教育社会学者が問題視するのはなぜか?大卒か非大卒かで収入や職業的地位、果てはその人の格のようなものまでそこに見出し、その後の人生に大きな差異をもたらすからだろう。ならば、再生産をけしからんというよりも、学歴が必要以上に大きな影響をもっていることをいかに見直すのか、著者のいうように、高卒か大卒かは「上下ではなく質的な違い」とし、その分断を滑らかなものにするにはどうしたらよいのだろう、ということを考えさせられた。

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    2019年03月04日
  • 日本の分断~切り離される非大卒若者(レッグス)たち~

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    ネタバレ

    日経での吉川さんのコラムより興味を持ち、この本にたどり着きました。

    まず、自己紹介の話がなるほどなと思いました。
    確かに、何かしらの場で自己紹介をする時、何を話そうかと迷います。趣味といっても今と少し前では違うし、仲よくしている集団も色々で、なにか出身などの固定的なものを話すとそれはそれでありきたりで...みたいな感じで。
    このアイデンティティが流動的であるということは現代を、特に若者の現状をよく表している語であると思いました。若者はアイデンティディが「無い」のではなく、誇張するとすれば「ありすぎる」のではないかなと思いました。

    再帰的近代は、非○○が増えていく時代ということから、たしかに

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    2019年01月05日
  • 日本の分断~切り離される非大卒若者(レッグス)たち~

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    日本で現在働いている、現役世代について、
    2015年の調査を元に学歴・世代・性別で8つに分けて考察したもの。

    若年の非大卒男性をLightly Educated Guysレッグスと呼んで、
    今後の世代の主要な担い手として支援・協力していくことを重要視する視点は、とても新鮮だった。

    学歴社会はもう終わったとか、ほとんどが大卒だというような話をよく聞くが、実際は(意外と)そうでもなかった。そのくせ、じぶんの周りには同程度の学歴の人しかいない、ということを意識している人は少ないと思う。
    私自身、その通りで、特に働き出すとその傾向は強いような気がする。
    だから?収入面でも世代・性別・学歴でかなり明

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    2018年05月15日
  • 日本の分断~切り離される非大卒若者(レッグス)たち~

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    日本の社会構造に関わる最近の統計調査を、きっちりした手法で分析し、そこから得られる示唆を一般読者にもわかりやすい譬えで示す。特に、大卒/非大卒の「分断」が最も大きな裂け目であり、今後の政策設計においてきめ細かな検討を要すとのこと。

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    2018年10月14日
  • 学歴分断社会

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    ネタバレ

    格差を論じるにあたり、なかなか表面に出てこないもの、それが学歴。
    「格差」ならぬ「学差」という言葉に著者の主張がこめられている。

    学歴をまっこうから扱うのは勇気がいるし、普段の会話でも話題にしにくい。
    しかし、ニートやフリーター、非正規雇用などなど、現在の雇用問題を扱う際に、大卒か非大卒かで考えるとクリアに理解できるというのも本当だと思った。
    先行き不透明な社会で、子どもは長期的な視野で行動するのは難しい。
    でも、大卒か非大卒かでどのようにその後の人生が変わってくるのかは、教える必要があるのではないかと思う。

    マーケティングなどにも応用できるっていうのは、なるほどと思わせられた。

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    2012年08月31日
  • 学歴分断社会

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    大阪大学大学院人間科学研究科准教授(計量社会学)の吉川徹(1966-)による、学歴社会の社会学的考察。

    【構成】
    第1章 変貌する「学歴社会日本」
    第2章 格差社会と階級・階層
    第3章 階級・階層の「不都合な真実」
    第4章 見過ごされてきた伏流水脈
    第5章 学歴分断社会の姿
    第6章 格差社会論の「一括変換」

    本書で論じられている学歴とは、有名進学校の受験競争や国公立や有名私立大学間の優劣を問題にする「学校歴」とは一線を画している。端的に言えば大学卒と非大学卒の間に横たわる大きな溝としての学歴分断が主題である。

    昭和から平成にかけて起こった学歴社会における大変化とは、大学進学率の絶対値が上

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    2012年02月18日
  • 学歴分断社会

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    人は生まれながらに平等ではない。学歴は再生産され、高卒層と大卒層の格差は広がって行く。日本社会が学歴分断線によって構成されていることを様々なデータを用いてわかりやすく説明してくれる本。

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    2010年10月04日
  • 学歴分断社会

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    データに基づいた社会学者の格差論。
    GCOEかなんかのプロジェクトの成果の一部が本にまとめられたもので,こうやって社会に還元されるのは,いいことだ。
    学歴で格差ができるというのは,分かっていても大っぴらには言いにくい現象だけど,データを使って淡々と今の社会状況が説明されている。
    「そもそも学校制度とは,子供を学校で教育した結果としての本人の能力や適性に応じて職場に送り込むパイプシステムであり,学歴に応じて職が決まってしまうのというのは,学校制度にそもそも期待されていた機能である。ただ,そうやって決まった職によって,ステイタスや報酬が大きく異なり,その後の人生が大きく影響されてしまうという現象が

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    2010年11月14日
  • 学歴分断社会

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    とちゅうから、道を外しているように思う。もう1つ、高等教育の学費負担が、現状を現状のままにすることに与しているんじゃないのかなあと思うんだけど、どうなんだろ。

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    2009年10月04日
  • ひのえうま~江戸から令和の迷信と日本社会~

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    ネタバレ

    迷信が社会通念に及んで結果として人口減少まで至るなんて何とも奇妙だし不思議だ、と思い読んでみた。

    元を辿ればメディア発信だったと知ってとても驚いた。SNSでも反証記事が逆に炎上して拡散されるケースはあるからそれと同じことなんだろうなぁ。拡散されたデマが時代時代で良いように捉えられ使われた、と。(別軸だけど「夜桜お七」の元ネタがこれと知ってへぇ〜となった)

    この本にも書かれていたけどこの年に産むことを恐れているのではなく社会的不利益を被ることを恐れているのだから、データを解析し昭和のひのえうまで不利益を被った人はほとんどいなかった、むしろ得した人もいたと結論づけたこの本は重要だと思う。

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    2025年11月29日
  • ひのえうま~江戸から令和の迷信と日本社会~

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    1906年明治の丙午
    1966年昭和の丙午
    そして、来年が2026年令和の丙午

    「丙午」は、何の根拠もない迷信や陰謀論的なものなのですが、来年はどうなるでしょうか。

    日本は既に少子化が根付いています。
    川柳にするなら「毎年が ひのえうまかな 令和の世」とは、言い得て妙です。

    1966年昭和の丙午の時は「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく、夫の命を縮める」という迷信をマスコミなども流していたようです。
    信じていなくても、周囲からの同調圧力に逆らえない社会だったのでしょう。

    60年経って、当然そのような事実はないことは皆わかっています。
    今こんなことを言おうものなら、○○ハラ

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    2025年10月11日
  • ひのえうま~江戸から令和の迷信と日本社会~

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    普通に面白かった。
    文章も平易で読みやすく、図解やグラフもわかりやすい。
    サブタイトルが『江戸から令和の迷信と日本社会』とあったので、てっきり民俗学的な話かなと思ったら、違った。
    社会学の本だった。
    ひのえうまについての基礎知識と、60年ごとにあるこの年に生まれた女性についての理不尽な言説についての解説と、来年はこのひのえうまだけど、どうなるかなって感じの展開。
    ひのえうまの女が云々かんぬんは、腹立ちしかないのだけれど、それが生じた背景についての丁寧な洗い出しは実に面白かった。著者自身がひのえうまの生まれということもあり、本人は『やや好事家的な蓄積の総まとめ』とのことだが、今の時代必要なもので

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    2025年08月09日
  • ひのえうま~江戸から令和の迷信と日本社会~

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    ひのえうまがどのように社会に浸透したかをデータから検証する本。
    前半の検証は面白かったが、後半はデータの紹介は退屈だった。研究者にとっては重要なデータなのかもしれない。

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    2025年07月23日
  • ひのえうま~江戸から令和の迷信と日本社会~

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    丙午とは、干支の組み合わせで60年おきにやってくる。この年生まれの人は気性が激しいといった民俗的迷信によって出生数が減る傾向にあり、実際に1966年には前年比で40万人もの減少が見られた。そして2026年がその年に当たり、明治・昭和と続いた出生数減少の影響が発生するのだろうか。

    丙午生まれの女性は気が強く嫁の貰い手がいない―という根拠のない迷信によって、この年の出生数は10-20%程度減少してきた。そして明治の丙午(1906年)、昭和の丙午(1966年)を詳細に紐解いていくことで、それぞれの社会情勢に合わせた現象が見えてくる。それは家父長制のイエ本位の結婚から、個人の自由が高まってきた時代の

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    2025年07月07日
  • ひのえうま~江戸から令和の迷信と日本社会~

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    ひのえうま迷信の始まりから、過去この干支はどのように社会的に扱われてきたのか、1966年生まれのひのえうまの人達の人生は他と比べて得だったのか損だったのか等をエビデンスを元に説明されている。そして2026年はどうなるか、の予測も。

    1966年の狂乱に関するところが、ザ・昭和という感じでおもしろい。

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    2025年05月24日
  • ひのえうま~江戸から令和の迷信と日本社会~

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    自身が丙午生まれなので、個人的にだけどこんな一冊を待っていた。小学校に入学してから自分たちは特別な学年だな、と思い続けてたのでその疑問が解消できた。
    内容自体は新発見は少なく当たり前の事が多かった。

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    2025年04月11日
  • 分断社会と若者の今

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    若者に関する定量的調査からみた分析は珍しく、興味深い。ただし、調査対象や範囲が限られることから、因果関係が正確に分析できていない懸念を感じる。本書では学生が範囲外になっているが、「学歴」が確定する前の小学生にもすでに「若者の特徴」がみられることから、それらの現象の理由を「学歴」にもとめるのは間違いであるように思う。

    むしろ因果を逆にした方が納得しやすいがどうか。セルフディレクションが強い人は前向きな好奇心が功を奏し高学歴になる。コンベンショナリティを持つ人は学ぶことに好奇心をもてず低学歴になる、など。

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    2022年12月07日
  • 分断社会と若者の今

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    2022.16
    ・若者論を抽象的に捉えるのではなく社会統計調査をもとに捉えるところが新しい。
    ・20年前と比較してコンサマトリー思考は強くなったわけではない。
    ・大卒と非大卒での分断が大きくなっている。

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    2022年04月06日
  • ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 子どもが社会から孤立しないために

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    ゲーム依存はある程度のチェック項目があるが、インターネット依存はまだ明確な基準がない

    ゲームやインターネットの他にも楽しいことがあると知ってもらうこと
    それには大人が趣味をたのしんでいるのがいちばん

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    2021年03月04日
  • 日本の分断~切り離される非大卒若者(レッグス)たち~

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    日頃あまり意識していないが、確かに非大卒の方と日常話す機会がないなと思いました。両親や妻も大卒だし。近所の祭りや運動会などしかありません。気づくことなく分離されているのは怖いと思いました。

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    2019年10月09日