鈴木一人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
現在のウクライナ戦争、最近の米中対立と中国の台湾侵攻のリスクを中心に、国際政治的、軍事的、地政学的な観点で分析されている本
中長期的な課題として、プーチンロシアとウクライナ戦争の影響は大きいものの、日本•世界にとっての最大の脅威は中国だと指摘する。
中国は情報公開が不十分で得られるものは限られているとは言え、近年の軍拡は明らかで、台湾侵攻に関して説得力のある蓋然性が高いリスク分析がされている。
(なお、個人的にはウクライナ戦争はそのリスクを増大させるのではないかと思っていたが、ほとんどの中国政府や軍関係者は「ウクライナと台湾は別問題」と考えているとのことであった。)
また中国や欧米の強かさに比べて日本は個人レベルでも企業レベルでも国家レベルでもナイーブで楽観的で強かさがなさすぎるとの指摘が強調されている。心理戦や世論戦や影響工作への低い防御力•レピュテーションリスクの認識不足や安全保障の観点が欠如した国際的活動•中国の軍事演習への甘い対応。
そんな予測困難だが蓋然性のある紛争リスクと世界各国や国連のパワーバランスの変化に対して、憲法9条と日米安保を有する日本が今後どのように対応していくのが望ましいかについても記されている、
対談形式の本である。
やや専門的な言葉も出てきたり、戦争の話題の時に(笑)が出てくるのは不快だったが、皆さん穏やかな語り口なのはよかった。