松岡亮二のレビュー一覧
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教育社会学の入門としても読めるし、東大生の実態への野次馬根的な本としても読める。本書内で学生が、知ることと実践することには乖離がありつつも、知ること自体に意味を見出しているのが素晴らしいと感じる。
自分が東大卒なので、学生の感想や議論には違和感を持たなかったが、他の人の感想を読むとそうではないようで...続きを読むPosted by ブクログ -
自分自身が首都圏の公立進学校出身で現在も都内の大学に在学中で、実際にこの講義を受けていた学生と環境が近く、語られる経験が似通っており、学生の意見に共感したりしなかったりしながら読んだ。
教育社会学をテーマとした本書だが、登場する学生の中には教育に関心があった訳ではなく、これからも教育関係の仕事に就く...続きを読むPosted by ブクログ -
出身地域・親の学歴によって子どもの最終学歴は異なり、それが収入、職業、健康等様々な格差の基盤となる、そうした教育格差はどの社会にもどの時代にも存在することをデータを基に立証しています。
日本では、1970年代半ばに高校進学率が9割を突破し、2009年には四年制大学の進学率が5割を超えました。しかし、...続きを読むPosted by ブクログ -
事実に基づいて、教育格差について知ることができる本。解決できた社会はないが、よりベターな方向に向かう作者の姿勢が好印象でした。
以前『教育という病』という本を昔読んだのですが、その本と共通して、データをとってちゃんと検証することが必要と書かれていました。当たり前だとは思うんですが、こと日本において...続きを読むPosted by ブクログ -
日本の教育が直面する問題について、「子どもの貧困」「国語教育」「英語入試改革」「共通テスト」「EdTech」「学費」など20の論点から概観することができる本。多くのデータが取り上げられており、説得力がありました。
教育政策は政権が「レガシー」を残すための「思いつき」。「大学入試英語」やコロナ禍で突...続きを読むPosted by ブクログ -
非大卒の友達と会って話しますか?
この問いに「あんまり、、、」もしくは「非大卒でくくるなんて差別的だ!」と思うのであれば
絶対にこの本を読んでください。
ただ、
大学にいった方がよい、偏差値の高い学校にいった方がよい、家庭教師をつけたり、塾に通わせた方がよい
というメタメッセージがある本です。
そこ...続きを読むPosted by ブクログ -
データ・数字・ファクトを基に、
日本に、いや社会に存在する教育格差の実情を露呈する良書。
本人にはどうしようもない、出身地域と家庭環境、生まれによって、その後の人生の可能性に大きなセーブがかかってしまっているという事実。
読後感はたしかに重いが、
これがあるがままの事実に目を向けるということなの...続きを読むPosted by ブクログ -
小中高と自分が僅かながらも感じてきた家庭間格差を如実に著していた本だった。過去の記憶を辿りグルグルと頭を巡らせながら、あの時の感覚は正しかったんだと認識するに至る。親が大卒かそうじゃないかでこうも子供の成長に影響を及ぼすとは何とも遣る瀬無い。社会的経済背景の格差をどうにかしないと教育格差に終止符は打...続きを読むPosted by ブクログ
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日本社会に存在する教育格差。
それは親の社会経済的地位(SES)によるものであり、身分社会として受け継がれているという現実を膨大なデータで証明している本。
第1章〜第6章まではデータ重視の繰り返しで食傷気味にもなったが、『第7章 わたしたちはどのような社会を生きたいのか」では執筆者の持つ怒りや苦悩...続きを読むPosted by ブクログ -
日本の教育格差の実態を豊富なデータで検証した上で、教育格差対策の提案を示した本。
データから見えるのは、日本は「生まれ」で人生の選択肢・可能性が大きく制限される「緩やかな身分社会」が続いている実態です。
人が持つ「無限の可能性」を伸ばすには、「緩やかな身分社会」を作っている教育格差の実態を正しく...続きを読むPosted by ブクログ -
小学校から大学まで、段階ごとに統計データを基に客観的且つ緻密に分析されている。日本における教育格差の現状を知る上で必読書。多くのデータを用いた分析は客観的でありながら、「凡庸な格差社会」である日本をどのような社会にしていきたいか、この著書がどのように役立つ事ができるのか、終盤にかけて著者の深い思慮や...続きを読むPosted by ブクログ
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・海外では、読書週間、環境、博物館訪問や観劇、文化的授業、課外活動、親子館の文化についての会話、文化や文学への態度、家庭の教育的資源などが指標化され、文化資本と学力などの教育成果は関係している
・大卒だと本や美術品を多く所持し、知識や教養なども身につけている傾向にある←美術品とは、、
・高学歴であれ...続きを読むPosted by ブクログ -
丁寧なデータ分析を元にした、印象論や経験則ではない日本の教育の実態を示す本。
私個人は、全体として格差の縮小に努めるべきであるというスタンスである一方で、自身の子どもには(格差の再生産になろうとも)少しでもより良い教育環境を与えたいと願う、一般的な大卒である。そのことに自覚的でありつつ、教育のあるべ...続きを読むPosted by ブクログ -
男子は上半身裸で体育、黒髪最高、生まれながらの犯罪者はいない。
今も昔も変わらない問題を生徒が考えるのに意義があります。
経済だけでなく教育も30年変わらないのかと涙出ました。私たちの責任ですね。Posted by ブクログ -
ぼんやりと感じていた教育格差について深く考えるきっかけになった。同世代の人の意見を元に話が展開していくが、共感する意見も、ハッとさせられる意見もあっていろいろな気づきが得られた。
対話形式なのでスルスルと読める。Posted by ブクログ -
特別SESが高い家庭ではなかったが、親が教育熱心だったお陰で(隠れた意図的養育)学業に困ってこなかった。一方で、大学進学、就職と周囲の環境が変わるにつれて、周囲に優秀な人が増え、自分の家庭との経済格差を感じるようになった。塾に行くこと、浪人すること、幼少期の種々の習い事等に制限のあった自分と裕福な家...続きを読むPosted by ブクログ
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教育格差、生まれによる格差はある。その上でどういう社会を望むか。
■初期条件(「生まれ」)である、出身家庭の社会経済的地位(Socioeconomic status, 「SES」)と出身地域
■意図的教養と放任的教養
意図的教養:中流階級 習い事の参加、大人との議論・交渉の奨励→結果、子供は相手が...続きを読むPosted by ブクログ -
学生の感想パートを通読すると、何とはなく、いかにも東大生だったらこう答えるよな、という臭みが目立つような気がする。といっても、きれいに視点や論点を敷きならべているので、標準的な教材としての価値はあるのだろう。
中学校、高校の部活動は、教科学習以外の軸で生徒の自己実現のチャンスを用意するとか、生きてい...続きを読むPosted by ブクログ