松岡亮二のレビュー一覧
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教育は正解がないからこそ最善の道を模索し続けなければならない。また、どれだけ手を尽くしても格差が0になることはあり得ないため、その事実を心に留めておくことも必要であろう。
✏学校教育には教育機会の平等化装置として格差を縮小する機能があるといえる。
✏教育は誰もが何らかの実体験を持っているので自説...続きを読むPosted by ブクログ -
日本は生まれた社会的な階層や地域によって歩む人生が最初から異なる凡庸な格差社会であり「自己責任」で済ますことは統計データからは許されない。教育格差を教職課程の必須科目にと言う著者に同意するし教育や子ども支援に関わるすべての人はまず本書を手にしてみるべきでしょう。どう分析しても格差社会であることがデー...続きを読むPosted by ブクログ
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子供が受け取れる機会は、親が与える環境による格差がある。これが公共教育で埋められない学力差を産んでいることをデータを基に示された本。
また、その格差を意識せず、あの子は頭が良いから良い大学に行っていい職に着く、と済ましてしまうことは、公平平等であるべき公共教育の瑕疵であると整理された本。
第...続きを読むPosted by ブクログ -
データや同じ単語の繰り返しになるのはテーマ上しょうがないし、それだけ説得力はある。
生まれが学力や進学先に影響してくるのはもちろん、考え方(そもそも子供が大学に行きたい、と思うかどうか)にも関わってくるのは、当然と言えばそうだけれど残酷
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この教育格差を完全に消すのはたぶん難しくて
それ...続きを読むPosted by ブクログ -
様々な観点、研究から今の日本の教育の政策、状況について論じられていて読み応え抜群でした。
これだけの方々が教育に携わって世の中の教育を良いものにしていこうと考えられているのだなと思うと頼もしいなと感じました。
反面、小室牧子さんも仰っているように、データに基づく議論があまりにされていないことに不安を...続きを読むPosted by ブクログ -
<目次>
まえがき まっとうな教育論のために
第1章 教育格差
第2章 「学力」と大学入試改革
第3章 教育政策は「凡庸な思いつき」でできている
第4章 少しでも明るい未来にするために
<内容>
『教育格差』で2020年新書大賞を受賞した、松岡亮二氏を編集責任として、日本の教育政...続きを読むPosted by ブクログ -
教育政策学の権威である著者による、日本に蔓延る「教育格差」を論じた著作。豊富なデータとファクトをベースに、淡々と日本にある「生まれ」によって分断された社会を論じていくのが特徴的。
父親が大卒の子供は80%が大卒となり、父親が非大卒の子供は35%が大卒となる。このように、親の学歴・親の収入・居住圏等...続きを読むPosted by ブクログ -
参考文献として読んだ。社会的格差が教育格差につながるよってことを様々なデータを使って何度も主張している感じ。ちょっと飽きた。今うちの大学にいるから松岡教授の授業とってみようかな。Posted by ブクログ
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これは学校教育を考える人は必読。子どもの社会化の装置としての学校はどうあるべきか。学校/教育政策における「公正さ」とは。そういった議論のために押さえておくべきデータがまとめて読める本(松岡さん、書いてくださってありがとう!)Posted by ブクログ
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もう既にわかっていたつもりでいたけれど、これだけ精緻で豊富なデータを背景に語られると何故かチョット辛くなる。社会的文化資本の違いにより決定づけられている将来的豊かさの存在。
「世の中を生きるというのは、決して“成功”という価値基準によって照らし出されるものではないから」と言ったところで、
「それ...続きを読むPosted by ブクログ -
興味深いテーマではあったが、良くも悪くも結局は「東大生」という枠組み(もちろん彼らも皆それぞれ多様な人生を歩んでいるのだが)の中でのディスカッションなのだ、と感じた。しかし、このような学びの機会によって、先ずは自分たちの育ちの環境について思いを馳せることができたのは、学生たちにとってとても有益だった...続きを読むPosted by ブクログ
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世界中で似たような傾向にはあるが、日本にいると特に一部地区で受験熱が偏って高い事に気付く。通勤圏や地価からある程度収入の似通った家族が集まり、塾などの教育施設も充実。周囲との交流の中でも加熱していくのだろう。レールに沿って似たような価値観が集まる中学、場合によっては小学校を受験する事に、教育の格差以...続きを読むPosted by ブクログ
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前半2/3ぐらいはSSM調査の結果を示すことに費やされているが、冗長な上、解釈にも慎重な姿勢が目立っているので読んでいてちょっと疲れる。
著者の主張は最後の一章。われわれには生まれによってそれぞれに異なった「ふつう」が与えられる。子供のまわりの「みんな」もそれぞれ階層化されており、日本全体の平均と...続きを読むPosted by ブクログ -
edtechをベースにして個別最適化の学びは、自律性や自由をうたっているが、その実態は、学びの自己責任化ではないだろうか?→学びの公共性が崩れるのでは?
性別が溢れる学校教育は、男女格差の認識を大きくしているのではないだろうか?
学校リスクは、教育だからという大義で見えない。教員の働き方は、子ど...続きを読むPosted by ブクログ -
データで環境による学力格差を表した。学力格差を埋めるために、データをもっと収集し、教職課程で教育格差の履修を提案している。
現在の日本の学校の機能は、学校という集団社会での生活方法を伝えること、学力によって選抜することである。
1990年代までは、地方の方が教育意識が高かった。しかし、現在は、三...続きを読むPosted by ブクログ -
研究者の本だなぁと思った。リアルだとめっちゃ早口で喋りそう。あとユーモアを交えた例えが良くわからん。
けども書かれていることは素晴らしくて、難病の病理を突き止めようと様々なエビデンスを用意してくれているし、分析も的確かと。人は生まれによって踊る舞台が決まっていて、教育制度もそれを助長するシステムに...続きを読むPosted by ブクログ -
そうだろうなぁ思っていたことを、ファクトを基にキチンと数字で示してくれた本。
高学歴の両親は、子供に金をかけられるし、大学に行かせるのが当たり前だと思っているから、子供のゲームとテレビ視聴時間に制限をかけ、勉強するように仕向ける。
小学校入学時点でついた差は、日を追うごとに拡大し、高校入学時には...続きを読むPosted by ブクログ