西尾潤のレビュー一覧
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ネタバレ戸籍の売買というあまり想像できない違法ビジネスの内情を知っていくと、明日は我が身のようなリアリティがあって引き込まれた。ヤクザではなくて半グレ組織というのがポイントで、様々な事情で切羽詰まった人々が、お金欲しさに気軽に犯罪に手を染めてしまう様子が描かれていた。始まりは出来心かもしれないが、抜け出すのは容易ではないのだ。
一時期増えた押し込み強盗も、このような若者たちがやっていたのかもしれない。
章ごとに語り手が変わるのがよかった。特に第四章でこれまでの時系列がわかり全体の話が繋がり、第五章で逃亡劇となるのが抜群に面白かった。
第二回大藪春彦新人賞受賞のデビュー作。映画化も決まっていて、これは面 -
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『愚か者の身分』の続編。
前作のようなハラハラした展開があるのかと思っていたが、マモルの話まではのんびりと時間が過ぎていた。
物足りないと思う反面、やっと手に入れた幸せな時間を大切にしてほしいと思った。
梶谷の話ではしっかりヒヤヒヤとする場面があり、やはり過去からは逃れられないのか‥と。
罪を犯して生きていたことには変わりない。
逃げたからといって、過去は変わらない。
大きな代償を負ったとしても。
でも、それでも、これからは、
半グレ組織には見つからずに
3人とも平凡な人生を送ってほしい。
由衣夏、この人は肝が座っていて、先のことを考えていて、かっこよかったなぁ。
由衣夏がそばにいるから梶 -
Posted by ブクログ
前作は「これから面白くなりそう」というところで終わってしまい、不完全燃焼感があった。
本作はそのアフターストーリーにあたり、前作のその後の展開を知ることができる。登場人物それぞれが自分の人生を生き続けていることが描かれていて、読んでいて安心感があった。
本作は3話構成で、それぞれ主人公が異なるが、前作と同じ登場人物たちの物語が描かれる。
前作では作中で失明するキャラクターがいたが、今作では盲目のキャラクターが複数登場する。
視覚を失っても、他の感覚でものごとを捉え、生きていく強さが印象に残った。
また、登場人物たちが奇妙に交錯していく構成は、読んでいて純粋に面白く、もどかしさがあった。
前 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「愚か者の身分」映画→小説→今作「愚か者の疾走」の順で、映画の主人公であるタクヤ、マモル、梶谷3人がその後どうなったのか、ドキドキしながら読みました
まずは、とにかく3人が生きていてくれたことに安堵しました
自分らしく、生きがいや幸福を感じながら日常を過ごす事ができているのは、それぞれが、自分が犯したことにしっかりと向き合い、他者を想い、生きることを諦めなかったからだと思います
裏切るのも人だけど、救ってくれるのもまた人だということを強く感じ、出会った人との縁がどんどん繋がっていく様子にじんわりと心が温まりました
梶谷の腹の括り方がかっこいいです
タクヤとマモルの未来を思わせてくれる終わり方