西尾潤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西尾潤さん著「愚か者の身分」
著者の作品は初読みとなる。
未鑑賞だが映画化もされた作品との事。
文体や物語進行等がどことなく「地面師」を彷彿させる。映画化されていたり、半グレ達が詐欺に手を染めているからだろうか?
自分には余り馴染めない作品だった。
両目をえぐられるというかなりエグい描写もあり、結構な不快感が先行する物語。
生々しさが気味悪く感じ、顔を背けたくなる様なエグさが幾度とあった。
この物語、更に発展させようと思えば幾らでも発展していきそうなのだがそうはならない。
裏切りや信用を踏みにじっていく人間は意外とごく僅かで、読んでいる自分の方が「コイツのその行動はヤバい」とか「コイツは信用しちゃダメなやつだ」とか物語以上に余計な推測を多重にしてしまっていた。
半グレが多く出てくるわりに非常識さや理不尽さはそこまで感じない。
変な言い方になるがそういった類いの人種なのに「いい子」が多く登場する。
そうして読み終えてみると意外とアッサリした物語だったという印象。
内容はもっとドロドロと、登場人物達はもっとギラギラと描けたはずなのにそうしなかったのは何故だろうか?
そうしない方がリアルだからだろうか?
もう少し複雑に展開させていってもよかったのではないかな?と感じた。
続編もあるらしいのでそちらも読んでいってみたい。 -
Posted by ブクログ
映画「愚か者の身分」がとてもよかったので、これは読まなければいけないと。
↓以下ネタバレです。
疾走っていうか、疾走したあとの話。
1章は初登場の探偵事務所の話。戸籍を奪われたネカフェの男・「晴翔」の知り合いが登場。最後、探偵事務所が突き止める事が、この本の結末だろうと思いきや、これはこれで終了。だが、プチトリックがあって面白かった。しかし、マモルからもらった2千万また騙し取られるとはねえ・・・?
2章は、マモル。経験値の少ないマモルが少ない選択肢の中で選んだ真鶴での生活はのんびりとして地元民との温かい絆が描写される。希沙良がタクヤに成り済ましたメール。
どう考えてもなりすましであるのはわかっているのに、会ってしまおうとするマモル。最後冷静な判断ができて良かった。
3章、鍵谷さん。3章で、その後のあれこれがわかる。タクヤが義眼手術。そして帽子職人へ。そうだ、タクヤは器用だったのだ。さらに神様が与えたプレゼントかのような、マモルと再会が実現しそう。
3章で、恐ろしい宅急便が送られてきた時、残りのページが少ないながらも最悪の結果を連想し、どう終わるのか?心配だっがた間宮の悪ふざけであった。確かに、由衣夏を殺してもメリットはない。
映画では、タクヤとマモルがまた会えるといいな、と思っていたので、実現しそうで嬉しい。タクヤと再会した時のマモルの泣き顔がもう想像できる。
由衣夏は、映画の時からとても良くできた女性だと思っていたが、こちらもでもとても活躍している。人と自分を比べて落ち込むなど、もう何年もしていないが、珍しく由衣夏の人間性に嫉妬した。
不安要素は残るので、パート3とかが出て、すっきりしたい。何故ならば、やはりまだ関係者に追われてそうだからである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ愚か者の身分という北村匠主演の映画を見て、続編があるというので読んでみた。元々小説が元になっている映画なので、映画には出てきていない登場人物も出ているらしい。一緒にビジネスをしていた女の子はまだ闇の中にいてマモルにお金が欲しいと連絡してくるシーンが印象的だった。誰かに追われているかもしれないと頭の片隅で思いながら生活するというのは、私が考えるよりずっと不安なことなんだろうな。どこまで現実と近くて、日本に住む人のどれだけがこういったことに関わっているのかは想像がつかないのだけど、みんなが幸せで生きていける社会であればいいなと思う。でも多分こういう映画や本に感化された翌日にはもう自分が思ったことを忘れてしまう人がほとんどで、結局見てみぬふりと変わらないんだろうなとも思ったり。自分を含めて。
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Posted by ブクログ
Netflixで映画版を先に観て、とても印象に残ったので原作を読んでみた。映画は2時間の限られた時間しかないので、原作→映画よりも映画→原作の方ががっかりしないのかもな。
映画では描かれなかった人物の視点も含めた群像劇で、視界が広がりとても良かった。それぞれの視点にもミステリ的な要素があって、真実に迫っていく描写はスリリングだし、小道具や舞台の描写がスタイリッシュで現代的でありながら、貧困や無戸籍やさまざまな生い立ちみたいなテーマも扱ってた。
その中でも多分作者が言いたかったのは、真の悪と、悪ではないのに悪をすることでしか生きられない者たち、ということなのかな。そこに対してこの作品には明確な希望が込められていて、ともすれば絶望的な物語なのにそれだけにしていない力がある。
胸糞悪いエピソードの中で胸糞悪い物語にしていないところに魅力があるのではないか。もちろん現実の半グレに葛藤やそれしかできない理由などを見つけてあげる必要はないのだけれども、この物語はそこの解像度をほんの少し上げてくれた気がする。面白かった。