西尾潤のレビュー一覧
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戦後を生き抜いて美容の世界で一生を終えた壮絶な男の物語。
長崎で被爆し、母や兄、祖母を亡くした少年が妹と東京に出てくる。
戦後の上野で兄弟が生きていくのは並大抵ではなかった。
そのうち妹がいなくなり、浮浪児狩りにあっているかもと養育院を訪ねていた菊男だったが、彼自身が狩込みされる。
そこは養育とは名ばかりの過酷な場所で、危機を感じて逃げ出した後に辿り着いたのが、慈愛の家だった。
そこの施設から輝山千代子の養子となり、美容の技術を学んでいく。
戦争を知っていたからこそ「美」の意識が高かったのだろうと思うが、幼い頃から母親が美容に関心があるという姿をを見ていたのも影響したのかもしれない。
だ -
Posted by ブクログ
ドキドキハラハラしながら毎日1章ずつ読み進めて楽しみました。1人ずつの視点で描かれていてだんだんと事件の詳細が分かっていく構成がなんとも面白くて止まらなくなります。読んでてゾワゾワする描写もあるけど映像で見るよりは個人的には良いです。(映画は未視聴)
普通に生きていたら関わることもなく、自ら知ろうともしない人達の世界の話。
ネットカフェで起きた事件も最終的に繋がるのかな?とも思っていたけどその辺の伏線回収はなかったです。「愚か者」たちの話だからそれはそれでありなのかな。その辺りも含めて登場人物達のその後が気になるので続編も読んでみようかなと思います。 -
Posted by ブクログ
『愚か者の身分』の続編。
前作のようなハラハラした展開があるのかと思っていたが、マモルの話まではのんびりと時間が過ぎていた。
物足りないと思う反面、やっと手に入れた幸せな時間を大切にしてほしいと思った。
梶谷の話ではしっかりヒヤヒヤとする場面があり、やはり過去からは逃れられないのか‥と。
罪を犯して生きていたことには変わりない。
逃げたからといって、過去は変わらない。
大きな代償を負ったとしても。
でも、それでも、これからは、
半グレ組織には見つからずに
3人とも平凡な人生を送ってほしい。
由衣夏、この人は肝が座っていて、先のことを考えていて、かっこよかったなぁ。
由衣夏がそばにいるから梶 -
Posted by ブクログ
前作は「これから面白くなりそう」というところで終わってしまい、不完全燃焼感があった。
本作はそのアフターストーリーにあたり、前作のその後の展開を知ることができる。登場人物それぞれが自分の人生を生き続けていることが描かれていて、読んでいて安心感があった。
本作は3話構成で、それぞれ主人公が異なるが、前作と同じ登場人物たちの物語が描かれる。
前作では作中で失明するキャラクターがいたが、今作では盲目のキャラクターが複数登場する。
視覚を失っても、他の感覚でものごとを捉え、生きていく強さが印象に残った。
また、登場人物たちが奇妙に交錯していく構成は、読んでいて純粋に面白く、もどかしさがあった。
前 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「愚か者の身分」映画→小説→今作「愚か者の疾走」の順で、映画の主人公であるタクヤ、マモル、梶谷3人がその後どうなったのか、ドキドキしながら読みました
まずは、とにかく3人が生きていてくれたことに安堵しました
自分らしく、生きがいや幸福を感じながら日常を過ごす事ができているのは、それぞれが、自分が犯したことにしっかりと向き合い、他者を想い、生きることを諦めなかったからだと思います
裏切るのも人だけど、救ってくれるのもまた人だということを強く感じ、出会った人との縁がどんどん繋がっていく様子にじんわりと心が温まりました
梶谷の腹の括り方がかっこいいです
タクヤとマモルの未来を思わせてくれる終わり方