西尾潤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一章はせつない
戸籍売買に加担することになってしまった者、またはもちかける者、ハメられる者たちの短編で続く物語。
ちょっとした隙から闇の世界に手を染め抜けられなくなる恐怖。
読み終えた今は正直グロくて疲れた。
グロすぎて疲れたけれどもやはり気になって読んでしまった。
加担した者、ハメられた者、ハメた者…それぞれ全員「愚か者」ということになるのだろうが、それぞれどうなるのか…
北村匠海のイメージで読んだので、もう本当になんだかわからないけれど疲れた。
「悪い夏」より辛く、しんどい。が一気読み。
映画化はどんな感じになるのだろう。
そしてもうすぐ続編が出るとのこと
次はもう少しグロくし -
Posted by ブクログ
一気読みでした。
新規セミナー、新規勧誘のシーンでは、35年前の日々を思い出しました。
アムウェイ全盛のなか、バブルスター、エリナといったMLMの話を聞いた事を思い出しました。
バブルスターは高額で貧乏学生には荷が重く購入すらしませんでしたが、エリナはちょっとやりましたが、学生時代の先輩との同級生の言葉で、のめり込むことはありませんでした。
そして、15年後ネットワークの沼にハマった友人が「俺が払うから名前だけ貸して」と言ってきた時の事が頭の中で何度も何度も蘇ってきました。
今もなお、町のカフェで勧誘を受けている人をみますし、副業でニュースキンを紹介している方(本業仲間)もいますが、わたしがこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ戸籍の売買というあまり想像できない違法ビジネスの内情を知っていくと、明日は我が身のようなリアリティがあって引き込まれた。ヤクザではなくて半グレ組織というのがポイントで、様々な事情で切羽詰まった人々が、お金欲しさに気軽に犯罪に手を染めてしまう様子が描かれていた。始まりは出来心かもしれないが、抜け出すのは容易ではないのだ。
一時期増えた押し込み強盗も、このような若者たちがやっていたのかもしれない。
章ごとに語り手が変わるのがよかった。特に第四章でこれまでの時系列がわかり全体の話が繋がり、第五章で逃亡劇となるのが抜群に面白かった。
第二回大藪春彦新人賞受賞のデビュー作。映画化も決まっていて、これは面