西尾潤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
Netflixで映画版を先に観て、とても印象に残ったので原作を読んでみた。映画は2時間の限られた時間しかないので、原作→映画よりも映画→原作の方ががっかりしないのかもな。
映画では描かれなかった人物の視点も含めた群像劇で、視界が広がりとても良かった。それぞれの視点にもミステリ的な要素があって、真実に迫っていく描写はスリリングだし、小道具や舞台の描写がスタイリッシュで現代的でありながら、貧困や無戸籍やさまざまな生い立ちみたいなテーマも扱ってた。
その中でも多分作者が言いたかったのは、真の悪と、悪ではないのに悪をすることでしか生きられない者たち、ということなのかな。そこに対してこの作品には明確 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦後を生き抜いた美容家の凄絶な一代記
※本作はフィクションです。
輝山マムの歴史は華々しいものではなかった。
長崎の原爆から始まり、最初は原爆と爆弾の後遺症の恐ろしさを知る。
そして、妹との再会も感動的!
まず、スタートから涙なしにはいられない。
一瞬、本作を読んで「国宝」を思い出した。
しかし、本作は「国宝」よりはわりとスラスラ物語が進んだ印象。
「美しさって、なんだろう…?」
輝山家の人たちは、みんな「美」に囚われている。
この本のタイトルにもなっている「審美」。
● 「真美は、ありのままの美。 審美は、それを選び取り、判断する眼」
(文中の言葉を引用)
このセリフが印象に残っ -
Posted by ブクログ
章ごとに主人公が変わる構成で、これがとても良かった。
さっきの謎の子はこの子かとか、この人の目線からはこういう風に見えるんだとか、読み進めるごとに深みが増すようで楽しめた。
しかし内容がなかなかダークで・・・
綾野剛さん出演映画の原作という事で読んだが、
映画はどんな感じだろう。
相当グロいシーンが多そうだな。
ラストは何だか中途半端な感じ。
えー、これで終わりかー。と思っていたら、
何ともうすぐ続編が出るらしい。
それはそれで怖いんだけどね。
これ以上の恐ろしいことが起こるのかな。
穏やかな結末であることを願う。
11/15追記
遅ればせながら映画を観てきた。すごくよかったぁ。
原作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を観て衝撃をうけ、登場人物の中でも特にタクヤとマモルの人生や心情をもっと知りたいと思い小説を読みました。
映像作品を見たあとに、表情や声を思い出しながらこちらの原作を読んだため、原作のみ読まれた方とは解釈がちがうかもしれません。
戸籍売買、臓器売買、闇バイト
ニュースや記事で目にすることも多いそのフレーズに慣れすぎてしまっていましたが、実態を知りあまりの深刻さに胸がえぐられる思いでした。
そして構造としては加害者側である彼らにも、そうならざるを得ない生い立ちや環境、明日を生きるためには選択せざるを得なかったという現実に、やるせなさを感じ苦しいです。
命は平等に大切だなんて、ただの綺麗事 -
Posted by ブクログ
4分の3ぐらいまで読んだところで映画版を鑑賞。読みはじめたときの私のイメージでは、マモルが北村匠海、タクヤが綾野剛だったのですが、それでは年齢的に行き過ぎでしたね。
書き手はてっきり男性作家だと思っていたから、女性だと知ってたまげました。『ババヤガの夜』の王谷晶といい、この人といい。
登場人物たちみんな愚か者であることは間違いない。だけどこれまで気の毒にならざるを得ない境遇を生き抜いてきたのを知ると、クズだと罵れなくなります。
映画版で良い味を出していた木南晴夏演じる由衣夏は、原作のほうが出番少なくもやっぱり良い味。
鰺の煮付けと塩むすびに感じる幸せ。みんなどうにか生きてほしい。