高野史緒のレビュー一覧
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あのドストエフスキーの書き上げた大傑作、カラマーゾフの兄弟
その続編に挑戦するという勇気は賞賛に値したい。
絶対にどんなものを書き上げても文句を言う輩はいるのだから。
着眼点や原作への解釈はずば抜けていた。
だからこそ、この続編を書き上げることができたのだろうが。
恐れていては何も進まない。作家というものは突き進むもの。
そういうことをまざまざと見せつけられた。
ただ、どうだろうか。
いわゆるカラマーゾフ事件の真犯人は確かに存在した。
そして、確かにああ結びづけるのがもっとも何かもしれない。
とは言え、読み終わった後に何も残らなかったのも確か。
陳腐な多重人格や、陳腐な現代描写がそうさせたのか。
歴史を紐解くというのは、こういう現代的な解釈も取り入れ
大胆に冒険するということなのだろうか。
何ともやりきれない感情だけが残ったのは確かだ。 -
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書籍が商業である故の弊害か、或いは流されやすい自身の性格由来か、売る側の位置づけと、実際に読んで得る位置づけとが大きくずれていて腑に落ちない結果に終わるというパターンが最近多いように思う。音楽「SF」と呼ぶには少しお粗末で、ただ此処には、過去も現代も混ぜた「音楽」とそれに取り憑かれた人々が在る。
ラストに至るまでの緊張感も、最終的な展開も、Jコレクションで刊行されているものと比べしっかりしていて、もしかこの人の作品の中では一番好きかもしれない。キャラクターとしてはエオンが不動の一番だけど。
映画化するなら、ジュノリアクターかアヴェンズ希望。というか、今作をテーマとしたコンピレーション希望。オーケストラあり、パイプオルガンもあり、テクノもあり、アシッドトランスもノイズロックもピアノも何でもありの。大沢さんとかジオーブがさりげなく居たりして。 -
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ネット技術のみがいびつに発達した帝政ロシア支配下の江戸。ハッカーの町娘おきみは、吉原一の花魁・真理奈太夫から奇妙な依頼を受ける。現皇帝ボリスに暗殺されたはずのドミトリー皇子が秋葉原に潜伏している、その情報を入手してほしいと。公方さまの落胤を自称する真理奈太夫は、ロシア皇后の座を狙っているらしいのだ。そんなる日、おきみは幕府の付け家老・シェイスキー公爵から、偽ドミトリーには関わらないよう警告を受ける。いったいロシア本土では何が起こっているのか?ペテルブルグで音楽修業中の幼馴染み・龍太郎の身を案じるおきみは、仮想空間ペテルブルグで謎の〈赤い星〉到来の噂を聞くのだが・・・。異形のロシアを幻視する最新長編(本書カバーより)
数本分の長編プロットをつぎ込み、二年かけて執筆された本作品。
確かに読み終わった時は「ふー、読んだ読んだ!」と満足感らしきものを感じましたね。
幻想的な、凍てつくロシアの空気も感じられたし。
某クイズ番組を堂々とパロった「シベリア横断ウルトラクイズ」が作品内に出てくるのですが(ちなみに合言葉は「ペレストロイカに行きたいかー!」です)、これが後から驚きのしかけとなっているところも面白かったです(あとガンダム小ネタも笑えました)。
でも後からストーリーを反芻してみると・・・、
なんだかごちゃっとしていたなぁという感想。
タイトルにもある〈赤い星〉についても、謎めかせるまま謎めかせておいて・・・。
その正体(?)に少しがっかりでしたし。
カバーに書かれたあらすじだけ読むと、なかなか面白そうな感じがしたのにな。
内容が複雑なのは別にかまわないんだけれど、ちょっと書きこもうとしすぎかな?
あれもこれもと入れすぎて、かなりこってり風味になっています。
これは好みが分かれそうな作品ですね。
好きな人は好きな話ですが、受け入れられない人もいるんじゃないかしら?
私はね、とにかく真理奈太夫の行きつく先もええ~?だし、龍太郎の行方にもええ~?だったんですよ!(あ、龍太郎の夢云々のラストの書き方は好みでしたが)
他の各キャラの落ち着き先も、いまいち納得いきませんでした。
あと大黒屋光太夫やニジンスキー、エカテリーナや安藤広重と、有名人の名前を綺羅の如く使っていましたが、それが効果的に使われていたかどうか疑問でしたね(特にニジンスキーは出てくる意味あったの??)。
読み易い本を書くという事は、端から作者の念頭にはなかったんでしょうが、読み手を選ぶ作品も、やっぱりどうかと思いましたよ~。 -
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タイムマシンでピラミッドの現場を見に行ったら逆にピラミッドを遺跡として発掘していたよ、という壮大な粗筋が銘打たれていたわりに重要なのはそこではないっていうのが如何にもこの人っぽいなあと思った。本当の技術や精巧な機械を持っていたのは過去の人たちというパラドックスも同様に。
ピラミッドや古代エジプトに関する知識が世界不思議発見で見たぐらいの微量なものしかなかったから一つ一つの言葉に難儀して読むのに時間はかかったけど、アイオーンのときに比べたらそこまでの「読み終わったー!」感はなかったかな。マニアックすぎて書かれてることの半分も風景描写できなかったから、そこがちょっとねー。円卓の騎士や錬金術類は中学のとき行き過ぎってほど読み漁ってたんだけど。 -
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1870年、ナポレオン帝国が力を失ったヨーロッパ。
ウィーン音楽家達の間で密かに流行している麻薬『魔笛』。
ベルンシュタイン公爵は魔笛の特徴が、戦時中に開発させたものの
精神に重大な後遺症を残し、やがて廃人になることがわかり
すべてを廃棄したはずだった『イズラフェル』に酷似していると気付く。
魔笛の流行と重なるように出現した舞踏場:プレジャー・ドーム
プレジャー・ドームの常連客に多い中毒患者。
ベルンシュタインに預けられた音楽にしか反応しない
ミューズ(舞踏と合唱叙情詩の女神):マリア。
才能がありながら認められないウィーンフィルの若き指揮者フランツ。
相次ぐ音楽家の失踪と怪死。
『機械の音楽(ムジカ・マキーナ)』とは?
廃棄されたはずの魔笛(イズラフェル)の出所は?
巧みに仕組まれ、細部にわたって計算され
綿密に施された精巧なカラクリ・・・
音楽に憑かれた人達が、究極の音楽を求めた結果、
それぞれが導き出した結果は・・・
途中、説明がくどいところが結構あるんだけど
音楽を体感してる状態を活字にするにはしかたがないのでしょう。
478Pの長編ですけど、苦にはならないです。
途中、グロイ描写がちょっとあります。
苦手な人の為に一応・・・
最初は文章に慣れるのにちょっと手こずったけど
一気に加速しますから大丈夫です♪