高野史緒のレビュー一覧

  • ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅

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    短編の主人公たちそれぞれの作品に対する想い。いつの時代も、救いになる本もあれば、ただ読み捨てられていく本もある。一冊一冊に著者がいて、そこに想いがあって、思いがけず読む人の糧になっているものだと思う。無駄な本なんてない、と思いたい。

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    2024年09月08日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    ベストSF 2023に選ばれ手にとったものの積んだままになっており、ようやく読むことができました。同じ時代を生きているはずなのに、どこか微妙に異なる世界にいる男女2人が互いに干渉しあっていく様子は、どこか「君の名は」に近い雰囲気があり、中盤までは先の展開が気になりすぎてページを捲る手が止まらなかったです。ただ終盤にかけての展開があまりにも唐突で、ラストのオチも受け入れ難いものだったので、作品全体としてみるとちょっと好みではないというのが正直な感想です。世界観だけ見れば好みの青春SF小説ですし、量子論や相対性理論を絡めた展開もとても面白いんですが、全体としてみると、う〜ん……。


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    2024年08月30日
  • ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅

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    ネタバレ

    【収録作品】ダブルクリップ-プロローグ-/ハンノキのある島で/バベルより遠く離れて/木曜日のルリユール/詩人になれますように/本の泉 泉の本/ダブルクリップ再び-エピローグ-

    「ハンノキの……」本は出版されるものの、保存されないことが基本となった世界。作家はある噂を頼りに進む。
    「バベルより……」南チナ語の翻訳者が出会った、不死の呪いをかけられたという異国人。呪いを解く方法について相談される。
    「木曜日の……」辛口書評家が出会った幻の自作小説。
    「詩人になれますように」詩人になりたいと願った少女の現在の姿。
    「本の泉 ……」「本の魔窟」に埋もれる青年。

    本の呪いか祝福か。足下がふと揺らぐよ

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    2024年07月28日
  • 大天使はミモザの香り

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    時価2億円ヴァイオリン『ミモザ』が突然消えてします。いったいどこへ。
    アラフォーの音羽 光子は、相方の高校生小林 拓人と共に、その謎を追う。
    果たして、ミモザは見つかるのか?

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    2024年07月28日
  • ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅

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    へんてこな話だなぁという印象を強く受けた。
    連作短編集なのかと思いきや短編集で、ただ共通しているのは本や言葉がテーマになっている点だ。
    どれもショートショート的にオチのつく話ではなく、ポンと投げ出されたように終わる話もあるので評価が分かれるところ。個人的にはちょっと変わった話として好みである。

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    2024年06月12日
  • ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅

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    本にまつわる5篇で構成された短篇集。
    「読書法」なる法律が施行され、出版された本は6年で“完全に”抹消される世界を描いた「ハンノキのある島で」。
    南チナ語の日本でただ1人の翻訳者が出会った奇妙な外国人との交流を描く「バベルより遠く離れて」。
    すべての小説に牙を剥く文芸評論家が書評できない唯一の本とは?「木曜日のルリユール」。
    願いを2つ叶えてくれる勾玉に「詩人になれますように」と願った少女の顛末「詩人になれますように」。
    奇妙な古本屋で古本を渉猟する2人の男を描いた「本の泉 泉の本」。
    つまらなくはないが、特におもしろいとも思わなかった。好き者向けの1冊。

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    2024年06月10日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    ネタバレ

    星2.5
    だらだら感があり、ストーリーに起伏がなかった。いや、夏紀と登志夫が結びついたところから「来るか!?」と思ったけど、そこからはなんだか観念的な世界に飛んでいってしまった。夏紀の最後の行動もあまりに唐突で、よくわからなかった。

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    2024年03月17日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    ネタバレ

    おもしろかったし、量子力学の知識も必要ではあるんだけど、これが「SFが読みたい」年間国内1位だと言われると、かなりソフトな印象。

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    2024年03月07日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    まさかの、茨城県土浦SF。
    のっけから、知った地名がバンバン出て来てビビったが、著者がここの出身らしい。

    表紙の感じから、「君の名は」かよと思ってしまったが、まあ、そんな感じかもしれない。

    今、日本のSFってこんな感じなの?
    科学の最先端ワンアイデアと、設定がそのまま構成になって作品になるみたいな。
    ちょっと甘酸っぱい青春の、なんつか、高校文学部的な。

    あとは作者の文章家としての技能と、編集者の腕?

    結果として思ったより悪くないと思ったのも事実だが、最悪なのが、おそらく、作品のキモになる幻想的な展開と、量子論の裸の説明。

    ここがもっと上手く処理出来ていれば、もっと素直に楽しめたような

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    2024年01月25日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    ネタバレ

    ふわっとした並行宇宙SF。でも、堅苦しい話は出てこないので、ささっと読むのにいい。四畳半神話大系のようなコミカルなところはない。恋愛色も薄い。
    最後は悲恋ぽく終わったのが意外だった。
    途中に少女のエッというエピソードもある。

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    2023年11月08日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    ネタバレ

    ⚠️少しネタバレあります。

    140あたりと315辺りの展開は好き、加えてその時の夏紀の感情についての描写は、難しく書かれながらもどことなく共感できるものがあり本に夢中になれた。

    話の内容は中々難しかったし、もう少し恋愛要素が欲しかったのも確かだが、個人的には後半の時間と情報の関係性、その情報の集まりとも言える時を進む或いは後退する時の描写がとても好きだった。

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    2023年08月26日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    所謂パラレルワールド・ラブストーリー。しかも主人公は十代の少年少女と来れば、アニメっぽい話だなあと思ってしまうのは仕方がない。パラレルワールドの描写は歴史改変された近現代の日本を思わせるもので、この辺は作者さんの得意とするところ。とはいえ如何にも面白そうなネタが途中でぶった切られるようにして終ってしまうのは、もったいない気がする。

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    2023年08月25日
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船

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    ネタバレ

    夏にぴったりの青春SF小説。
    夏紀と登志夫の世界は並行世界だったのかな。
    誕生日が同じで父母も同じ。でも、少し違う世界。
    最後の方で少し難しくなって物語に上手くついていけてない気がしますが、夏紀はグラーフ・ツェッペリンを落とさないことで登志夫の世界を優先させたのかな。
    ちょっぴりほろ苦い結末でした。

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    2023年08月13日
  • 翼竜館の宝石商人

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    ネタバレ

    肖像画から抜け出した王が新庁舎を闊歩する16世紀アムステルダムで、ペストで亡くなり埋葬されたと思われてた宝石商が自宅〈翼竜館〉の金庫部屋で見付かる。埋葬された人物は誰か?ペストだと診断したペスト医師も誰なのか??宝石商も肖像画から蘇ったのでは…!?みたいなミステリ。
    肖像画を描いた画家がレンブラント・ファン・レインだったのも、主要な登場人物が記憶を無くしてる男というのも好みの世界でした。
    謎解きも納得。息子さんと記憶を無くした謎のナンドが駆けずり回ったけれど、それまで話題に上るけど登場しなくて終盤でようやく出てきたレンブラントが全ての謎を解いたのは……えっ、、、となりました。この洞察力あって金

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    2023年04月21日
  • まぜるな危険

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    読書備忘録665号。
    ★★★☆。

    SFとロシア文学のリミックス短編集とのこと。すなわち超マニア向け短編集。笑
    言い方を変えると、作者が楽しくて自ら三題噺を起草して、仕上げて大喜びしているという図。これ、みなんさんも共感してもらえますよね!面白いでしょ!という思いがずんずん伝わってくる。

    前提条件として、非常に幅広いSF好きであること。そしてAnd条件として、ロシア文学をある程度知っていること。この条件に当てはまるのは、レッドデータブックに載るくらい希少な読書家の方々。笑
    私は当然当てはまらない・・・。

    そんな中でも、2作ほどはドツボにハマりました。なので間をとって★3.5。

    「アントン

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    2022年07月03日
  • まぜるな危険

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    人間椅子を参考にしてしまった判事は一体どんな捜査をするつもりなのかwww
    各作品についている前書きも面白い。
    悪霊ちょっと読んでみたくなった。

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    2022年06月29日
  • まぜるな危険

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    ネタバレ

    ロシア文学に色々混ぜ物をした、パロディ?パスティーシュ?短編小説集。
    作者は「カラマーゾフの妹」の高野史緒だから、混ぜさせたらそりゃ上手いだろう(未読だが)、とはいえ、混ぜる元ネタをあまりに無知すぎて、本来の面白さを感じきれなかった。主観で星×3だが、失点は完全に読者側の不勉強が原因なので申し訳ない。

    長い、重い、固有名詞ツラい…で手を付けていないロシア文学。この本を読んで、元ネタも読んでみようかなぁ…と思わないところが、またなんとも情けない俺。ご時勢的にもロシア文化を知っておくってのはいい勉強だとは思うのだが…軟弱である。

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    2022年05月10日
  • 大天使はミモザの香り

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    惹句から想像するのとは、少し印象が違う。殊にキャラクターを型どおりから崩そうと、色々試みているんだろうけど、ヒロインは自己卑下(にしか聞こえないもの)がくどすぎ、天才少年はあまりにもフツーのガキで、正直魅力に乏しい。著者の日頃の作風からはかけ離れた、軽いタッチのロマンティック・コメディで、こういうのは割り切って、お約束を全力でやりきった方が良かったんじゃないかと愚考する。まあ、いやなんでしょうねえ、そういうの。

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    2022年01月23日
  • まぜるな危険

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    ネタバレ

    「アントンと清姫」★★
    「百万本の薔薇」★★★
    「小ねずみと童貞と復活した女」★★★
    「プシホロギーチェスキー・テスト」★★★
    「桜の園のリディヤ」★★★
    「ドグラートフ・マグラノフスキー」★★★

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    2021年11月20日
  • まぜるな危険

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    「ロシア文学+SFの超絶リミックス全6篇」とあるとおり、ロシア・ソ連ネタに絡めた6篇の短篇集である。ネタは必ずしも文学とは限らないが、翻訳的な乾いた文体で展開される話はどれも一読の価値はあると思う。中でも「子ねずみと童貞と復活した女」は古今東西の様々なネタがぶち込まれた闇鍋風で、とても楽しかった。ロシア文学には疎い(というかほとんど読んだことがない)ので、元ネタを知っていたらもっと楽しめたかもしれない。

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    2021年09月19日