高野史緒のレビュー一覧

  • ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅
    本にまつわる5篇で構成された短篇集。
    「読書法」なる法律が施行され、出版された本は6年で“完全に”抹消される世界を描いた「ハンノキのある島で」。
    南チナ語の日本でただ1人の翻訳者が出会った奇妙な外国人との交流を描く「バベルより遠く離れて」。
    すべての小説に牙を剥く文芸評論家が書評できない唯一の本とは...続きを読む
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船
    星2.5
    だらだら感があり、ストーリーに起伏がなかった。いや、夏紀と登志夫が結びついたところから「来るか!?」と思ったけど、そこからはなんだか観念的な世界に飛んでいってしまった。夏紀の最後の行動もあまりに唐突で、よくわからなかった。
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船
    おもしろかったし、量子力学の知識も必要ではあるんだけど、これが「SFが読みたい」年間国内1位だと言われると、かなりソフトな印象。
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船
    まさかの、茨城県土浦SF。
    のっけから、知った地名がバンバン出て来てビビったが、著者がここの出身らしい。

    表紙の感じから、「君の名は」かよと思ってしまったが、まあ、そんな感じかもしれない。

    今、日本のSFってこんな感じなの?
    科学の最先端ワンアイデアと、設定がそのまま構成になって作品になるみたい...続きを読む
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船
    ふわっとした並行宇宙SF。でも、堅苦しい話は出てこないので、ささっと読むのにいい。四畳半神話大系のようなコミカルなところはない。恋愛色も薄い。
    最後は悲恋ぽく終わったのが意外だった。
    途中に少女のエッというエピソードもある。
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船
    ⚠️少しネタバレあります。

    140あたりと315辺りの展開は好き、加えてその時の夏紀の感情についての描写は、難しく書かれながらもどことなく共感できるものがあり本に夢中になれた。

    話の内容は中々難しかったし、もう少し恋愛要素が欲しかったのも確かだが、個人的には後半の時間と情報の関係性、その情報の集...続きを読む
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船
    所謂パラレルワールド・ラブストーリー。しかも主人公は十代の少年少女と来れば、アニメっぽい話だなあと思ってしまうのは仕方がない。パラレルワールドの描写は歴史改変された近現代の日本を思わせるもので、この辺は作者さんの得意とするところ。とはいえ如何にも面白そうなネタが途中でぶった切られるようにして終ってし...続きを読む
  • グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船
    夏にぴったりの青春SF小説。
    夏紀と登志夫の世界は並行世界だったのかな。
    誕生日が同じで父母も同じ。でも、少し違う世界。
    最後の方で少し難しくなって物語に上手くついていけてない気がしますが、夏紀はグラーフ・ツェッペリンを落とさないことで登志夫の世界を優先させたのかな。
    ちょっぴりほろ苦い結末でした。
  • 翼竜館の宝石商人
    肖像画から抜け出した王が新庁舎を闊歩する16世紀アムステルダムで、ペストで亡くなり埋葬されたと思われてた宝石商が自宅〈翼竜館〉の金庫部屋で見付かる。埋葬された人物は誰か?ペストだと診断したペスト医師も誰なのか??宝石商も肖像画から蘇ったのでは…!?みたいなミステリ。
    肖像画を描いた画家がレンブラント...続きを読む
  • まぜるな危険
    読書備忘録665号。
    ★★★☆。

    SFとロシア文学のリミックス短編集とのこと。すなわち超マニア向け短編集。笑
    言い方を変えると、作者が楽しくて自ら三題噺を起草して、仕上げて大喜びしているという図。これ、みなんさんも共感してもらえますよね!面白いでしょ!という思いがずんずん伝わってくる。

    前提条件...続きを読む
  • まぜるな危険
    人間椅子を参考にしてしまった判事は一体どんな捜査をするつもりなのかwww
    各作品についている前書きも面白い。
    悪霊ちょっと読んでみたくなった。
  • まぜるな危険
    ロシア文学に色々混ぜ物をした、パロディ?パスティーシュ?短編小説集。
    作者は「カラマーゾフの妹」の高野史緒だから、混ぜさせたらそりゃ上手いだろう(未読だが)、とはいえ、混ぜる元ネタをあまりに無知すぎて、本来の面白さを感じきれなかった。主観で星×3だが、失点は完全に読者側の不勉強が原因なので申し訳ない...続きを読む
  • 大天使はミモザの香り
    惹句から想像するのとは、少し印象が違う。殊にキャラクターを型どおりから崩そうと、色々試みているんだろうけど、ヒロインは自己卑下(にしか聞こえないもの)がくどすぎ、天才少年はあまりにもフツーのガキで、正直魅力に乏しい。著者の日頃の作風からはかけ離れた、軽いタッチのロマンティック・コメディで、こういうの...続きを読む
  • まぜるな危険
    「アントンと清姫」★★
    「百万本の薔薇」★★★
    「小ねずみと童貞と復活した女」★★★
    「プシホロギーチェスキー・テスト」★★★
    「桜の園のリディヤ」★★★
    「ドグラートフ・マグラノフスキー」★★★
  • まぜるな危険
    「ロシア文学+SFの超絶リミックス全6篇」とあるとおり、ロシア・ソ連ネタに絡めた6篇の短篇集である。ネタは必ずしも文学とは限らないが、翻訳的な乾いた文体で展開される話はどれも一読の価値はあると思う。中でも「子ねずみと童貞と復活した女」は古今東西の様々なネタがぶち込まれた闇鍋風で、とても楽しかった。ロ...続きを読む
  • まぜるな危険
    SFものは苦手だが、面白く読めた。混ぜる前の原作を知らなくても良いのだが、3作目は余りにたくさんの投入で難しかった。私的には「プシポロギーチェスキー・テスト」と「桜の園リディヤ」が最高だった。
  • まぜるな危険
    何気に混ぜたら意外に美味しかった、これ、まあ好みは分かれるけどねーといった感じか
    混ざらないもの同志を混ぜたのではないので毒性のものは感じられない
    出てくる面々もまさか自分がこういう局面を迎えるとは思わないだろう
    作者の解説により、元作品覚えてなくても大丈夫というか、解説の自由度が高くてよい
  • まぜるな危険
    SF。短編集。
    ロシア文学と日本文学とSFのミックス。
    今まで何度か挑戦していたが、苦手な印象が強かった作家さん。
    ストーリー的に面白いとは思わないけど、作風はかなり独特で興味深い。
    読んでいると癖になりそうな感じもする。
    なかなか評価が難しい作品。著者の作品をもう少し読んでみたいとは思った。
  • 翼竜館の宝石商人
    ティトゥスとナンドを中心に話は進む。レンブラントは終わりごろまで姿を見せず、周りの人に語られるだけ。ティトゥスに聞いた話だけで謎解きをするのが、何だか唐突に思えてしまう。
  • カラマーゾフの妹
    第58回江戸川乱歩賞受賞作で、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」から、幻の13年後の続編を書き上げたミステリー。原作の不可解な父殺し事件の内容をたどりながら、真相がいかなるものだったのか、次男のイワンが解決に挑む。が正直少し無理を感じた。