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Posted by ブクログ
この表紙だけを見て面白そうと思った人を跳ね飛ばしそうな「パラレル」「史実」「茨城SF」
宇宙開発が進んだ2021年、インターネットが実用化されたばかりの夏紀と
量子コンピュータが実現している2021年、宇宙開発は発展途上の登志夫
2人の共通点は子供の頃に飛行船グラーフツェッペリンを見た記憶があること
と、この別の世界線に生きる2人の物語
ツェッペリン号は現実に飛んだ船であるし
つくば市の小ネタが挟まれとても面白いのだが
SFガジェットがしっかりしているのであまり噛んでいない人からすると「?」となるであろうことが残念(でもそういう人も手に取ったということはとても嬉しい)
ツェッペリン号が頭上を過ぎるシーンは
自分もそこにいたと錯覚するほど素晴らしい情景描写
この本の表紙がまさに頭に広がる
現代のボーイミーツガールSFはこれ読んでおけばOK
(その前はイリヤで)
満足の読後のあとがきがまた大変素晴らしい
読書に花を添えるあとがきとして心打たれた
しかも金本奈々水さんへの謝辞があり
なるほど、好きそうだと納得した
Posted by ブクログ
残るのは夏樹であるべきだったのでは……とも思う。
とはいえ、冷戦が続く世界では、超能力者の将来は明るくないかもしれないが……。
作中でのトシオの生理描写はなかなか新鮮だった。ダンジョンものであえてトイレの描写を入れるような、独特の深掘り感がある。
全体としては、わかりやすい青春SF小説!
夏になると無性に読みたくなる系統!!
ただし設定自体は結構難解で、終盤の展開はまるで幻想小説のようだった。
アニメ化したらすごく映えるだろうな、という印象。
もし発売が2000年代だったら、さぞかしセカイ系の影響でさぞや暗い小説になっていたんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
ベストSF 2023に選ばれ手にとったものの積んだままになっており、ようやく読むことができました。同じ時代を生きているはずなのに、どこか微妙に異なる世界にいる男女2人が互いに干渉しあっていく様子は、どこか「君の名は」に近い雰囲気があり、中盤までは先の展開が気になりすぎてページを捲る手が止まらなかったです。ただ終盤にかけての展開があまりにも唐突で、ラストのオチも受け入れ難いものだったので、作品全体としてみるとちょっと好みではないというのが正直な感想です。世界観だけ見れば好みの青春SF小説ですし、量子論や相対性理論を絡めた展開もとても面白いんですが、全体としてみると、う〜ん……。
Posted by ブクログ
まさかの、茨城県土浦SF。
のっけから、知った地名がバンバン出て来てビビったが、著者がここの出身らしい。
表紙の感じから、「君の名は」かよと思ってしまったが、まあ、そんな感じかもしれない。
今、日本のSFってこんな感じなの?
科学の最先端ワンアイデアと、設定がそのまま構成になって作品になるみたいな。
ちょっと甘酸っぱい青春の、なんつか、高校文学部的な。
あとは作者の文章家としての技能と、編集者の腕?
結果として思ったより悪くないと思ったのも事実だが、最悪なのが、おそらく、作品のキモになる幻想的な展開と、量子論の裸の説明。
ここがもっと上手く処理出来ていれば、もっと素直に楽しめたような気がする。
一番気になったのは、「竜ヶ崎」だなあ。
地名としては正確には「龍ケ崎」なので、土浦市民からしてもそんなものかとちょっとショック。
Posted by ブクログ
女子高生の夏紀と大学生の登志夫(年齢は夏紀と同じ)は異なる宇宙(並行世界)にいる。土浦に到着する飛行船グラーフ・ツェッペリンを介して出会う。この二人は量子の性質である情報のあるなしが同時に存在しているのと同様な存在である。この二人の関係は恋人になるものではなく、恋人でもあり兄弟でもあり本人でもあるような量子的存在だ。だからこそ、ラストに向かう現象は、シュレディンガーの猫のように観測されるまでは状況が確定しないことになる。量子の振る舞いを17歳の男女として表現したところが、あやふやな立場と相まってより揺れる心の不安定さが伝わってくる。さくっと読めて面白かった。
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