あらすじ
かつてローマ帝国は、人工衛星を打ち上げるほどの高度な科学文明を享受していた。その没落から数百年後の13世紀暗黒時代、信仰と科学の狭間で葛藤する医師ファビアンが、生涯をかけた遍歴の果てに辿りついた真実とは? 異形の中世を舞台にした壮大なる叙事詩
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Posted by ブクログ
信仰と科学のお話。
中世のフランスが舞台。と思っていると、少しだけ違和感を覚えるところが出てくる。どうやら、この世界は昔、人工衛星を打ち上げられるくらい科学が発達していて、核戦争で文明が滅んだ後らしい。
それで人々は信仰を大切にしていて、科学は異端とみなしている。
そんななか、医者のファビアンと旅の科学者アルフォンスが出会ってそれぞれ探求の旅に出るお話。
現実の中世を下敷きにしているけど、世界史はそれほど詳しくなくて、ほとんど元ネタがわからなかったので、分かればもっと面白そう。
Posted by ブクログ
架空の中世ヨーロッパを舞台にした一大叙事詩。「これでもか!」というほどのヨーロッパネタがつまった、濃厚かつ芳醇(話によっては貴腐のような)重量級ごった煮SFです。人物紹介を見ればそれは一目瞭然かと。
……でもその内面は「人とは」「世界とは」「知識とは」「信仰とは」という、人間の精神に共通する「何か」を求めようとする者たちの彷徨の詩であり、骨太の静かな福音書。
Posted by ブクログ
二度目ましての作家さんです。
世界観からして戸惑います。
13世紀なのに、一度核戦争で滅びた世界になってます。
しかも核戦争を起こしたのがローマ帝国だったりする。
現代の世界地図は頭から追い払わないといけない。
更に、アーサー王が出てきたり、マルコ・ポーロが出てきたり
まさかのベスビオ火山の噴火まで!
いわゆるヨーロッパ中世の史実を混ぜ込んでいる。
架空の世界に史実を織り込んで、更には色々な知識が
ほどよく散りばめられているから厄介。
想像の翼を広げるにも、色んな意味で違和感バリバリなので、
ある意味では面白いんだけど混乱します(^◇^;)
Posted by ブクログ
澱み無く描かれる中世ヨーロッパの情景が、まるで見てきたかのような筆致で引き込まれますが、その中に突如現れるSF要素。ここで躓くと読み難い一冊かも知れないな思いました(笑)
タイトルのアイオーンその物の様に、魂と呼ばれるモノを科学で、又は宗教で理解しようと試みる過程を魅力的な人物たちが遍歴していく叙事詩。
神を理解しようとするなら神を超えた立場からで無ければ正確には理解できない、みたいな下りにハッとさせられました。