下山進のレビュー一覧

  • 2050年のメディア

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    普段読まないノンフィクション。テクノロジーの流れとメディア業界の変化をストーリー仕立てに描いており、大変感銘深い内容だった。

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    2025年11月30日
  • アルツハイマー征服

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    アルツハイマー病対策の創薬という、一見とっつきにくいテーマでありながら驚異的にスルスル読めるし、ドラマチックで面白い。

    関係する研究者たちのエピソードやコメントが豊富に用いられているので、研究史というより人間ドラマを読んでいる気分になる。
    「海外のノンフィクションみたい」という評がされているが、確かにそれはある。各章のイントロダクションの1文の書き方とかも。
    一方で、各章が短くて、それは「現代の日本で受ける要素かな」とも思った。

    本書の底本たる単行本は2021年刊で、この文庫版が出たのは2023年。その2年間で画期的な新薬レカネマブの治験の結果が出るなど、この分野は変化が早い。
    なので未読

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    2025年09月21日
  • 持続可能なメディア

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    事例の幅広い紹介と、具体的な提言がまとまっている。
    短ページのコラム記事の集成ながら、前後の連関にも気を配られていて統一感は気にならない。
    BBCのジャニーズ報道や、NYTのデジタル移行の話題などはそれらを専門的に取り上げたものよりも、あるいはメディアとしての(ビジネスにおける持続可能性と通じて)全体像を取り上げることによって見えてくる部分もある。

    出版に関する新書がここのところ目に付くが、タイトル的には損しているかもしれないし、ある程度既存の掲載記事であることも関係しているか。

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    2025年06月14日
  • 持続可能なメディア

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    FTのトピックが興味深かった。地方新聞社向けにコンサルをやっていたのは知らなかった。また女性活躍が進むとどういう便益があるのかを数字を使って示すことの重要性や批判されがちな(笑)北國新聞のメディア戦略について興味深かった。

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    2025年06月02日
  • アルツハイマー征服

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    アルツハイマーを征服する険しい道のりは現在進行系のものであり、本書も単行本が発刊された時点と文庫版刊行時点で状況が、がらりと変わっている(それゆえ加筆されている文庫版を読むことをおすすめする)。
    加齢とともに不可避的に発生するものという印象だったアルツハイマー病に対して真摯に向き合う科学者達の姿勢!そこでまきおこるドラマの数々。当然のことながら難解さは伴うが、それよりも人間の情熱や侘しさなど体温が宿ったこのドキュメンタリーは、シンプルに読み手の胸を熱くさせる。

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    2025年05月16日
  • がん征服

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    私には、ノンフィクションで「この作家の本は必ず手に取る」と決めている著者が何人かいるのですが、本書の著者下山進氏はその一人です。
    今回、下山氏がとりあげるのは癌治療。現在、癌の標準治療として国際的に認知されているのは、外科手術、抗癌剤、放射線の3方法です。本書冒頭で紹介されている「膠芽腫」という癌は”最も難しい癌”と呼ばれ、平均余命はたったの15か月しかありません。発見されて、速やかに外科手術を行っても、みるみる再発し、そして死に至るという経過をたどります。この膠芽腫に、上記の標準治療以外の方法で挑んだ関係者を、丹念に描いたノンフィクションです。
    採り上げられる治療法は、ホウ素中性子補足療法、

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    2024年08月16日
  • アルツハイマー征服

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    文庫化にあたり最新情報(その後の経過)についての新章が追加されているが、そこがまた面白い。期待をかけられていた新薬「アデュカヌマブ」が、わけのわかっていない経営陣による判断ミス(値付け、解析の方法など)でダメになっていくのがせつない。アデュカヌマブもレカネマブも、優秀な統計学者が結局キーになっているのが興味深い。

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    2024年05月09日
  • アルツハイマー征服

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    素晴らしい本なのに、まだだれも感想らしい感想を書いていないことに驚いた一冊。(2024.3時点)こんなに読み応えのあるノンフィクションがあるでしょうか。アルツハイマー病の薬の開発を軸に、人間模様、科学の進展、会社の内紛などを日米欧をまたいで書いてあります。それをまとめた著者の取材力は驚異的です。その情報量は、途中ついていけなくなるくらいで脱帽しかありません。本書は福岡伸一のさんのようなサイエンスノンフィクション系の本が好きな方や、サピエンス全史のような壮大な話がお好きな方にささります。化学式などは出てこないので理系でない方も読めます。

    ■アルツハイマー病の苦しみがわかる
    わたしの祖父もなりま

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    2024年03月12日
  • 2050年のメディア

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    2019年の単行本を文庫版で再読。4年経って紙の新聞の衰退はさらに進んでいます。新聞協会のHPでは新聞発行部数は2019年の37,811,248から2022年の30,846,631へ、700万部の減少です。日本の人口減少が2019年から2022年で160万人なので人の減り方では語れない新聞の衰退が見て取れます。今回、再び読んだのは文庫のために付け加えられた新章「新聞vsプラットフォーマー」を読むため。現在進行形の「オリジネーター・プロファイル」について取材しているからです。信頼できるコンテンツを認証する、というプログラム、やっと動いたか、という期待もありますが作者は少々懐疑的な視線を投げかけま

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    2023年12月25日
  • 2050年のメディア

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    子供の頃、夢中で小学生新聞を読んでいた私が30歳を超えて新聞を取っていない。(一時期取っていたが価値を感じられない&古新聞が溜まるのが鬱陶しくてやめた。)
    それだけでも紙の新聞の苦境は不思議なものでも何でもないと感じる。
    本書は読売新聞、日経新聞、Yahoo!の3者を軸に新聞社とプラットフォーマーとの戦いをスリリングに描いたノンフィクション。文庫で500ページ超の大作だが、読み始めたら止まらず一気に読んでしまった。
    アテンションエコノミーに振り回されずより良質な情報を得るか、情報消費者である私たちの振る舞いを考えさせられる一冊だった。

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    2023年04月22日
  • 2050年のジャーナリスト

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    下山さんの本は、『2050年のメディア』に続く2冊目(エコノミストの2050年シリーズも含めれば4冊目かもしれないが)、相変わらず2050年のジャーナリストとはどんな人?に対する直接的な回答はなく、読者の想像に委ねる形式になっている。
    とはいえ最後に「答えはネットの中にない。本の中にある」という言葉を引用しながら、組織潰れても個人で生き残るジャーナリストこそ2050年にジャーナリストと名乗れる、つまり生き残ることができている人なのだろうとは想像できる。代表的なオールドメディアである新聞は、このままはっっこう部数の縮減が進めば2030年までに消滅またはイデオロギーの差など意味がなくなるくらい経営

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    2022年10月23日
  • 勝負の分かれ目(上)

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    「2050年のメディア」からの「勝負の分かれ目」。文庫版で読みましたが単行本は1999年の刊行なので21世紀が始まる前に新聞というメディアの地殻変動は激しく始まっていたことを今更ながらに認識しました。日本の新聞の発行部数は90年代にはピークアウトしてそれから今日まで減少の一途と聞いています。バブル崩壊、人口減少、デジタルの躍進、いろいろな理由を語る人はいますが、本書にあるのは新聞というビジネスをビジネスとして捉えられているかどうか、という新聞業界のインサイドストーリーです。政治ではなく経済へ、ペンではなくコンピューターへ、記事ではなく情報へ、国内ではなくグローバルへ、気づいている人と気づいてい

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    2020年09月14日
  • 勝負の分かれ目(下)【電子特典付き】

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    下巻。
    金融のダイナミズムを知ることができるとともに、新聞記者にはわからない通信社記者の苦労など、かなり幅広い面が深く掘り下げられて描かれている。筆者の取材能力の高さが読み取れる。

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    2009年10月04日
  • 勝負の分かれ目(上)

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    これぞジャーナリズムの醍醐味と呼べるような作品の上巻。戦後、情報はどのように金と結び付けられてきたかが、通信社の歴史と共に語られる。

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    2009年10月04日
  • 2050年のメディア

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    文章はちょっと好きになれない部分もあったが、なかなか面白かった。
    情報は無限になり、読者が独占されているということに公取的な発想でどう立ち向かうのか。表現の自由とのせめぎ合い。それは、自由経済の限界を画す独禁法の発想に確かに親和的。考えさせられる。

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    2025年11月26日
  • 持続可能なメディア

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    私は新聞が好きだ。特にテレビを捨ててからは国内外のニュースのほとんどを新聞から得ている。だから新聞がなくなってほしくないし、期待の裏返しとしてどうしても新聞には厳しい目で見てしまう。
    著者はメディア、特に新聞衰退の原因は、『発表もの』や『前うち』と言われる発表前情報の出し抜きばかりが紙面を飾り、無料のニュースサイトで読める他紙の記事と差別化できていないからだと指摘する。確かにYoutubeで記者会見を見ても掘り下げが物足りなく、本当に知りたいことを聞いてくれない。仲間内だけの記者クラブで異質な質問はしづらいのかもしれないが、これでは面白い記事は書けまい。
    それに加えて、一つ重要な視点が抜けてい

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    2025年08月25日
  • 持続可能なメディア

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    新聞や経済誌などのメディアについて。ここ最近の話題がまとまっている。オールドメディアのデジタル化の工夫については、参考になると思う。

    また、日経と東洋経済の企業情報へのスタンスなど、企業ごとの違いは興味深かった。

    デジタルメディアの方、オールドメディアの方、ともに参考になると思う。

    「新聞記者がネット記事をバズらせるために考えたこと (集英社新書)」と一緒に読むと、経験豊富な著者とは違った考えにも触れられて、価値観の幅が広がると思う。相乗効果があると思うのでオススメ。

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    2025年08月17日
  • 持続可能なメディア

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     タイトルに興味を持ち予備知識なく読み始め
    た。新聞を購読していない世帯が増加していること、新書を買ったり読んだりしている年齢層の多くは中高年だということを認識してはいたが、ここまで深刻な状況であったのかと怖くなった。このままでは新聞、雑誌、本というメディアは持続可能ではないようだ。新聞記事が徹底的な裏取りと校正・校閲を経て発表されている。長年蓄積された記者の矜持とバックボーンもこれと共に失われていくのだろう。若者の中にはオールドメディアというだけで見下したり、反日の烙印を押して中身も見ずに拒絶する者もいるようだ。メディアが分断されれば、価値観から事実認識しまでも分断されていくのだろう。書き下

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    2025年06月30日
  • 持続可能なメディア

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    これまでのメディアとWEBとの取り組みの整理とこれからを本音ベースで語る。いずれに道を選ぶにしてもすぐには解決できない、けど時間がない。ジレンマだ。

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    2025年04月27日
  • 2050年のメディア

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    よく知っている業界のことで、まったく他人事ではないので、面白くて、怖くて、読むのを止められなかった。

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    2023年06月06日