【感想・ネタバレ】持続可能なメディアのレビュー

あらすじ

<発売即重版><メディアでも注目>『PIVOT』やホリエモンチャンネルに著者が出演し、話題沸騰。『AERA』や『現代ビジネス』、業界紙『The Bunka News』、『新聞情報』でも本書が大きく取り上げられました!!

群れず、孤立を恐れず。
7年で1500万部もの部数を失う新聞。
週刊文春のジャニーズ報道を「差別的」と今もくさす日テレの社会部長。
買収不可能の規制下で甘やかされた新聞・テレビは巨大な技術革新の波に揉まれ、崩壊の螺旋階段を落ちていっている。
それらを尻目に繁栄するメディアとは?

問題はフジテレビだけではない!

一丁目一番地の問題は
メディアの持続可能性がなくなったことにある。
国内外100人以上を徹底取材!
見えた「持続可能なメディアの5条件」とは??

1. イノベーションのジレンマにとらわれていないか
2. 技術革新を適切にうけいれているか
3. そこでしか読めないもの、みることができないものを提供しているか
4. 買収が可能で横の流動性があるか
5. 群れず、孤立を恐れず

――目次より――
第1章 メディアに持続可能性がなくなりつつある
第2章 繁栄する国内の雑誌メディアを探す
第3章 海外の持続可能メディアを見る
第4章 全国紙への処方箋
第5章 地域メディアの挑戦
第6章 生成AIの時代に
まとめ 「持続可能なメディア」の5条件

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

事例の幅広い紹介と、具体的な提言がまとまっている。
短ページのコラム記事の集成ながら、前後の連関にも気を配られていて統一感は気にならない。
BBCのジャニーズ報道や、NYTのデジタル移行の話題などはそれらを専門的に取り上げたものよりも、あるいはメディアとしての(ビジネスにおける持続可能性と通じて)全体像を取り上げることによって見えてくる部分もある。

出版に関する新書がここのところ目に付くが、タイトル的には損しているかもしれないし、ある程度既存の掲載記事であることも関係しているか。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

FTのトピックが興味深かった。地方新聞社向けにコンサルをやっていたのは知らなかった。また女性活躍が進むとどういう便益があるのかを数字を使って示すことの重要性や批判されがちな(笑)北國新聞のメディア戦略について興味深かった。

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2025年06月02日

Posted by ブクログ

私は新聞が好きだ。特にテレビを捨ててからは国内外のニュースのほとんどを新聞から得ている。だから新聞がなくなってほしくないし、期待の裏返しとしてどうしても新聞には厳しい目で見てしまう。
著者はメディア、特に新聞衰退の原因は、『発表もの』や『前うち』と言われる発表前情報の出し抜きばかりが紙面を飾り、無料のニュースサイトで読める他紙の記事と差別化できていないからだと指摘する。確かにYoutubeで記者会見を見ても掘り下げが物足りなく、本当に知りたいことを聞いてくれない。仲間内だけの記者クラブで異質な質問はしづらいのかもしれないが、これでは面白い記事は書けまい。
それに加えて、一つ重要な視点が抜けている。「いやいや、わが社の有料記事はネットよりも詳しく書いてますよ」と新聞社は言うかもしれない。しかし、わざわざお金を払ってまで詳しく知ろうとする知的探究心のある人自体が減っている、つまり顧客サイドの変化も見逃してはならないと思う。そうでなければ新聞に先駆けて衰退が始まっている出版界の現状を説明できない。為政者による長年の愚民化政策が功を奏したのか、団塊世代から徐々に知性や知識の価値が下がっている。更に深刻なことに、何ページにもわたる長い記事は、例えそれが『ここでしか読めない』良質な記事であってもそもそも読むことができない人が増えている。それは世代を超えて再生産もされる。知識に価値を見いださない両親の下で新聞のない家に育った人が、ある日突然新聞を購読し始めるなんて事はありうるだろうか。人口減少以上の速度で顧客ベースが減っているのだから、部数がつるべ落としになるのは当たり前である。
こうなると文字で情報を伝えるメディアが、自身の変革だけで持続可能性を確立することは難しい。初等教育に新聞を取り入れさせるとか、世の中の価値観を変えていく仕組みを作るとか、もう少し大きな視点での変革が必要だろうと思われる。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

新聞や経済誌などのメディアについて。ここ最近の話題がまとまっている。オールドメディアのデジタル化の工夫については、参考になると思う。

また、日経と東洋経済の企業情報へのスタンスなど、企業ごとの違いは興味深かった。

デジタルメディアの方、オールドメディアの方、ともに参考になると思う。

「新聞記者がネット記事をバズらせるために考えたこと (集英社新書)」と一緒に読むと、経験豊富な著者とは違った考えにも触れられて、価値観の幅が広がると思う。相乗効果があると思うのでオススメ。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

 タイトルに興味を持ち予備知識なく読み始め
た。新聞を購読していない世帯が増加していること、新書を買ったり読んだりしている年齢層の多くは中高年だということを認識してはいたが、ここまで深刻な状況であったのかと怖くなった。このままでは新聞、雑誌、本というメディアは持続可能ではないようだ。新聞記事が徹底的な裏取りと校正・校閲を経て発表されている。長年蓄積された記者の矜持とバックボーンもこれと共に失われていくのだろう。若者の中にはオールドメディアというだけで見下したり、反日の烙印を押して中身も見ずに拒絶する者もいるようだ。メディアが分断されれば、価値観から事実認識しまでも分断されていくのだろう。書き下ろしではなく、既出の記事の寄せ集めなので反復重複逸脱はあるが、多くの人に読んでもらいたい本だ。

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

これまでのメディアとWEBとの取り組みの整理とこれからを本音ベースで語る。いずれに道を選ぶにしてもすぐには解決できない、けど時間がない。ジレンマだ。

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2025年04月27日

Posted by ブクログ

紙の新聞はピーク時(2000年ごろ)には地方紙、全国紙を合計すると5000万部を越えていたのですが、それから約20年経った今では2500万部程度になっています。インターネットの普及に呼応して、紙→ネットへの移行が進んだのは間違いなく、その流れは止められないとしても著者が本書で警鐘を鳴らしているのは、紙媒体を離れた読者の受け皿として新聞社のネット有料サービスが機能していない事です。
インターネット発展期、日本でヤフーなどが勢力を伸ばしたときに多くの日本の新聞は記事を無料で配信し、広告料からPV(ページビュー)毎に料金を徴収するモデルに傾注しました。この結果、読者には「なんだ、お金を払って紙の新聞を買わなくても同じ記事がネットで無料で読めるではないか」という印象を与えてしまい、これが新聞の有料サービス会員数の伸び悩みを招いてしまったのです。
日本のメディアの多くは警察や公的機関の発表を基に報道する横並び体質が根強く残っています。”いかに他社を出し抜いてスクープを出すか”に各社が必死になる一方、報道内容は横並びになる傾向が強く、”その新聞でなければ読めない”内容が乏しくなり、それがネットでの競争力をそいできました。本書ではその傾向に対する処方箋としてネット有料会員数を伸ばしている海外メディア、日本の地方紙などの例を挙げています。いずれも会員数を伸ばしているのは”その新聞でなければ読めない記事”、”時間が経っても色褪せない記事”を掲載しており、いかにその”新聞固有の色”が出せるか、という所に行き着きます。週刊ダイヤモンドや東洋経済新聞は独自の経営分析を、地方紙のいくつかは地元ネタの深堀を、とそれぞれの得意分野を延ばす事で独自色を出しているメディアは、有料会員数を伸ばしている現状を紹介しています。
著者の下山氏は、”この人の本は必ず読む”と私が決めている一人で、今まで手にしたのはほとんどがそれなりのボリュームの単行本や文庫だったのですが、初めての新書でした。ちょっと内容が軽い(あくまでも下山氏の過去の著作と比較して)印象も受けましたが、書下ろしではなく雑誌の連載を基にした本なので、情報量も充実していて新書としての完成度は高いという印象でした。

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2025年05月27日

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