カートアンダーセンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書でインタビューされてる人たちの著書を是非読んでみたいと思いました。
プロローグー人類の未来は明るいかー
いまこそ現実を直視せよ
我々はいま「近代の終わり」という歴史的結節点を迎えているのではないかという思いにとらわれた。近代を一貫して特徴をづけてきたグローバリゼーション、その元になっていた理性、認識、秩序といったものへの信頼が大きく揺らいでいる。これこそ現在の我々が感じる漠然とした不安の正体なのかもしれない。
その先にある人類の未来は明るいのか、あるいは暗いのか……。読者の皆さんが識者の意見に賛同する しないは別として、きっと新しい視点をこの対話から学べると思う。その学びを共有することができたら望外の喜びである。
ブライアンレヴィン
ソーシャルメディアで拡散されるステレオタイプ
予防の観点が抜けていた
カートアンダーソン
「ファンタジーランド」と化すアメリカ
「真実」や「現実」を創作できるという信条
個人主義が間違った方向に加速した
人々の不安が陰謀論を生み出す
ジョージフリードマン
いまのアメリカにはテクノクラシーや金融に携わる支配階級と、経済的もしくは文化的に負け組になった衰退階級による分裂が生じています。
専門家には物事を狭い範囲でしか見られないという弱点があります。小さな点では特化しているものの、他へ影響まで注意がゆきわたらない。
日本は安全保障上の戦略を示すべき
北朝鮮の核攻撃に一番弱い国は日本だ
日本が経済規模に相当する軍事的立場を有していないのは明らかです。そのアンバランスは今すぐにでも修正する必要があります。
海上交通路を確保できる軍事力を持つことです。大きな問題は、原材料のほとんどを輸入に頼っていること。国益の基本は国の存続に不可欠である原材料へのアクセスの維持です。
軍事的に弱く豊かな国というのは非常に危険な立場にある。
そこで戦略に基づき軍事力を築いていくことになりますが 、日本の場合、自衛隊という形はあっても、その戦略が見えてきません。もし戦略があるのであれば表に出すべきです。
北大西洋地域、マラッカ海域における海上交通路を確保することが大切だ。それを事実として認識している。ならばどうしたらいいのか、それを外に向かって表明していないことには、我々にはその戦略が伝わりませんし、具体的にどう武装したらいいか 話し合うこともできません。
日本には第二次世界大戦で敗北した トラウマがいまだにあり、それゆえに権威を持ってアメリカと話ができない立場にあります。また今や中国の方が強力な軍事力を有しているため、中国に対しても強く主張することには躊躇がちです。南北朝鮮に対して さえ強く出られないでいる。
北朝鮮は自分たちが生き延びることに最も関心を持っています。そのためには核保有が必要不可欠な策であると考えている。
もしも北朝鮮が他国への攻撃を目論んだ場合には、核ミサイルの射程内でなおかつ軍事的に脆弱な国はどこであるか、日本は自分たちが置かれている現実を直視しなければなりません。
イワンクラステフ
アメリカ軍のアフガンからの屈辱的な撤退
政府軍の士気喪失は決定的に重要な要素でした。 状況の把握において最も難しいのは当事者の動機であることを我々はまざまざと再認識させられました。
今後10年で起こることが予想されるのは、自国だけで地政学的なプレイヤーになるこりとはできない、トルコ、ロシア、インド、日本、EUといった ミドルパワー 国家の活動の活発化です。
今後大きな変化が見られるのは国家同士の関係よりむしろ、身近な社会の中でしょう。我々の社会の中で起きている変化に注目が集まるのです。今後は 地域の現状に即した 調整が進むため、世界秩序よりも地域秩序が大きく変化し、多元的な世界が訪れるでしょう。
日本は米中対立の狭間で、今後想定される 舞台はアジアであり、日本があらゆる場面で自前で対処できるよう政策面で軍事化しても私は驚きません。 今や戦争も定義が以前と相当変わっています。現在のサイバー戦争や経済戦争の観点から見れば昔の戦争観にとられていてはいけないでしょう。
また日本は少子高齢化という大問題に直面しています。
アダムトゥーズ
分断に向かう欧州とアメリカ
ヨーロッパ経済の回復はスピード感にかける
世界が変わりつつある事実を認識しなければならない
経済の未来を担う人物、学者たち
ジェロームパウエル、イザベルシュナーベル、クリスティーヌラガルド、ギータゴピナート、ジョシュメイソン、ダニエラガボール
ヴァレリーハンセン
グロ−バリゼ−ションの起源を大航海時代とするのは遅すぎる
ヨ−ロッパの歴史家は以前より、西暦一〇〇〇年に大きな関心を持っていた
西暦1000年頃に中国と中央アジアの歴史、バイキングスカンジナビア人がカナダに上陸したこと、中国からインド アラビア半島 アフリカに至るまで海上交易でつながったこと、西暦1000年頃に世界でなにかがおきている。
内藤湖南は宋朝を近代のはじまりと見ていた。
欧州中心主義ではなく、西暦1000年頃から始まる 宋朝こそが近代史の起源。
バイキングが1000年頃までにアメリカ大陸北東部だけでなく、ユカタン半島にまで到達していた証拠が出てきている。
「戦士の神殿」の壁画に描かれている捕虜は、ブロンドで目の色が明るく、肌の色は白い。
ジョージエストライク
健常者優位主義を乗り越えられるか
デイビィッドファリアー
「人新世」に生きる人類の避けられない未来
我々のほとんどはどれほど先のことを考えてもせいぜい数年後、「将来の夢」という場合は十数年先のことまでは想像するだろうが、それでも10万年後の地球となると思いをはせる人は皆無といえる。
「いま」は未来からみれば「過去」である。「人間がやることで影響のないものなどなく。すべては繋がっている」「ディープタイム」という地質学的スケールから我々の「いま」の行動を顧みる重要性がわかる。
何千世代にもわたって、あらゆるものの中に人類の痕跡が残り続ける。
近所の現象から書き始めることは、自分が住む場所の未来の化石を見ることにつながります。
マルコポーロがクビライ・カーンとの最後の謁見の際に述べた言葉「あらゆる形がそれぞれ自分の都市を見いだすまでは、新しい都市が生まれつづけることだろう。そして、あらゆる案が出尽くし、形が崩れるとき、都市の終末が始まる。」
都市は人類がつくり出したとてつもない 産物です。100年前には想像もつかなかった都市の姿が今目の前にある。そしてこの先も都市が築かれていくことに希望を感じさせてくれるのがこの言葉なのです。
生物多様性は危機に瀕しており、人類は生物の管理人ではありますが 王様ではありません。いかに生物絶滅を阻止する方向に舵を切れるか。未来の化石記録には我々が絶滅の危機をどこまで放置したかがしっかりと残るのです。
いま見られる 進化のほとんどは、人為的な変更が加わられた結果だと、さまざまな研究の中で言われています。
私たち人類が他の種の分布域やその行動、場合によってはその外見に変更を加え、生態系を変えてしまったせいなのです。
本来であれば長い時間をかけて起こる変化が人の一生のうちに起こってもおかしくない。そう思うと不安を覚えずにはいられませんが、 一方で、我々がすぐに変化を起こせるという点には希望を持っていいと思います。
インターネットは目に見えない空気のようなものです。世界中至るところで利用でき、そのデータはクラウド化していると言いながら実際には実体を持った巨大なデータセンターの中で保管されている。これらのセンターは世界各地にある。
人間がやることで 影響の出ないものなどなくすべては繋がっている。この深いところでのつながりをまず理解することが変化への第一歩です。
大事なのは、我々がいまやっていることの影響がどれだけ長く残るか忘れてはならないということです。自分の身の回りにあるものの行為でもその影響は10万年後まで残るかもしれない。
我々が時代のレガシーを残すという事実を思い起こさせてくれるものに囲まれているのは幸運だと思います。未来の化石になる可能性がある物質に囲まれているからこそ、それをきっかけに未来にどのような化石を残したいかを考えることができるし、考えなくてはという気になれるのです。あなたが行うことの帰結として未来を生きる子孫の生活が変わってしまう。その視点から考察を続けることはとても価値があるのです。 -
Posted by ブクログ
【アメリカは、夢想家たちによる夢の世界の創造物だ】(文中より引用)
アメリカの歴史を「ファンタジー(幻想・空想)」という視点から大胆に論じ上げた作品。建国以来、エンジンにもなればトラブルの素にもなってきたファンタジーの数々をたどりながらアメリカの本質に迫っていきます。著者は、『ニューヨーク・マガジン』誌の編集長を務めたカート・アンダーセン。訳者は、英語・フランス語の翻訳家として活躍する山田美明とイギリスで西洋社会政治思想を学んだ山田文。原題は、『Fantasyland - How America Went Haywire: A 500-Year History』。
端から見たときに「ぶっ飛んでるなぁ......」と感じられるアメリカの一側面を論理的に説明してみせた秀作だと思います。ファンタジーの有用性も見据えながらその問題点についても論じており、バランスの取れた作品であるとも感じられました。
本書以後はアメリカのエンタメ作品への見方が変わりそう☆5つ
※本レビューは上下巻を通してのものです。 -
Posted by ブクログ
なぜアメリカ人は、夢見がちで、陰謀論や儲け話に弱く、宗教熱心で、反知性主義的なのか。
そもそもの入植の時点で「そういう人たち」が入ってきたところから、議論が始まる。
上巻は、1970年代までのアメリカの文化・宗教史の解説ともいえる。
アメリカ人の個人主義と相対主義は、自分の想像よりもさらに激しいものらしい。
議論はまっとうで説得的だが、アメリカ人の半分くらいを怒らせそうではある。
「何を信じている人でも、10億もあるウェブサイトを探せば、同じものを信じている仲間が何千人と見つかる。事実と「事実」を組み合わせ、自分たちの信念を裏づけている人たちだ。インターネットが登場するまでは、おかしな考えの持ち主はたいてい孤立し、自分だけの現実を確信し続けるのにも苦労した。」(13頁)
「ユダヤ人がアメリカを動かしているのではないかという不安は、ユダヤ人の人口が2パーセントを超えるころから本格化した(1世紀前には、カトリックの人口が2パーセントを超えたころに反カトリックのヒステリー症状が始まっている)」(209頁)
…現代日本の外国人人口の割合を考えると、日本にも同じような現象が発生しても不思議ではない。
「アメリカでは1960年代以降、法律が一人ひとりを同一に扱うだけでなく、一人ひとりが信じていることはどれも一様に正しいというところまで、平等の意味が拡大された。絶対的な個人の自由を容認するのがわが国の文化の原則となり、国民の心理として内面化された。自分が信じていることは正しいと思っているのであれば、それは正しい。こうして個人主義は、自己中心主義となって蔓延した。」(314頁) -
Posted by ブクログ
いやー、これはアメリカという国を知るために必読。トランプに熱狂する宗教的保守の人たちを見て「古い伝統を守る人たち/あるいは引きづる人たち」と思い込んでいた部分がありますが、さにあらず。もちろん古い伝統を守っている人たちもいるのですが、エキセントリックなくらいの急進的(カルト的な)宗教の多くは1960年代以降に生まれたもので、特にここ20年くらいで隆盛して来たものなのですねぇ…
本家であるヨーロッパでさえ年々宗教色が弱まっている中で、(先進国の中で)ひとりカルト的な宗教信者が減っておらず、人口の1/3が「聖書に書かれていることは文字通り事実」と心から信じる国。
昨今「アメリカの分断」が言われますが、政治的な分断、経済的な分断の土壌として、宗教的な分断・世界観の分断があるし、ある意味益々進んでいる実態がその歴史とともに分かる1冊(いや上下巻なので2冊)。 -
Posted by ブクログ
いやー、なかなか面白い。アメリカという国の非科学的な側面からの生い立ちとその後の歴史。
確かにアメリカという国は、もともとが金を求めて一攫千金を狙ってバージニア辺りに入植して来た人たちや、宗教上の争いの結果「理想のキリスト教者の共同体」を作ろうと渡って来たピューリタンの一団が建国した国の連合体ですからね…元が「空想」とともにあるような国家な訳で…
私も9〜10月に掛けて集中的にウォッチしていた、あの「トランプに熱狂する人たち」のバックボーンにあるものを紐解いていく感じで非常に興味深く上巻を読み終えた次第。(福音派など原理主義的あるいは急進的なキリスト教宗派たちの生まれて来た背景についても結構な紙面を割いています) 翻訳もこなれていて読みやすい。 -
Posted by ブクログ
自分のアメリカに関する知識が思ったより少なく、読み進めるのに時間がかかる部分もあったが、部分的に知っていたアメリカ文化が繋がった。宗教、ディズニーランド、UFO信仰、チャッキーチーズ、ダンジョンズ&ドラゴンズ…特に「ダンジョンズ」を知ったにはストレンジャーシングスで、番外編で脚本家の兄弟がこのゲームについて熱く語っていたのをハテナな気持ちで見ていたが、なんとなくドラマの80年代とともに理解できた気がする。
印象に残ったところ
「ホームスクーリング運動は当時キリスト教根本主義を奉じる右派の間でも、自由奔放な左派の間でも展開された。右派はこう考えた。ホームスクーリングにすれば、聖書を信奉する家族や教会以外の思想に子供たちが触れることもなくなる。一方、左派はこう考えた。子供たちは期待に応えるためにこの世界にいるわけではない。だから、常に自分の好きなことだけをするべきだ」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
プロローグ人類の未来は明るいか
1ブライアン・レヴィン アジア人への暴力と憎悪の民主化
2カート・アンダーセン ファンタジーランドと化すアメリカ
3ジョージ・フリードマン 北朝鮮の核攻撃に弱い国はどこか
4イワン・クラステフ 自由主義的覇権は幻想だった
5アダム・トウーズ パンデミックが加速させた米欧の分断
6ヴァレリー・ハンセン 外国貿易反対派の抗議の歴史
7ジョージ・エストライク 健常者優位主義を乗り越えられるか
8デイビット・ファリアー 地球の大都市が化石になる日
エピローグ パンデミックがもたらした壮大な実験
秩序なき世界の現実
P138グルーバリゼーションの起源を大航海時代とするのは
遅すぎる
15C半ばではなくて、1000年代(中国なら宋代)
雑誌VOICEの連載記事のまとめ本