P・G・ウッドハウスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イギリスからアメリカへと向かう豪華客船上で繰り広げられる3組の男女+αのドタバタ喜劇、という「これぞウッドハウス!」って感じの名作で大変満足です。
本の分厚さを感じさせない物語のテンポの良さが素晴らしい。さらに、登場人物が皆、変わり者だけと根は良い奴という結果起こる善意の玉突き事故みたいなものが、よくもまぁこの3組のカップルの間で破綻なく伝播していくなぁ…、といった、ウッドハウスのプロット構築の巧みさや登場人物の性格付けと物語の組合せの妙技みたいなものがたっぷり堪能できて、これは確かに後書きで訳者の方も仰るとおり、「大名作」ですわ。
基本、セレブな美男美女が入り乱れる豪華客船のこの喜劇、舞台( -
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金持ちの坊ちゃんバーティと従僕(召使、執事のようなものでしょうか)のジーヴズ。
気のいい青年であるバーティは、いささかぼーっとしたところがあり、不労所得で生活していることもあってか、周囲の友人や結婚させようと縁談を持ってくる恐ろしい叔母のためにいつも厄介ごとに巻き込まれています。
そのトラブルを、颯爽と解決するのが従僕のジーヴズです。
とりたてて、人が死んだり大きな事件が起こったりするわけではありませんが、日常の中でバーティが感じる気苦労は並大抵のもので花阻喪ですし、時に冷たく突き放しながらも最後には主人のためになる解決策を示すジーヴズの叡智には感心させられます。
世にある「毒舌執事もの」「執 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ頭の弱いお人好しのバーティーと、完全無欠な執事のジーヴズのコンビシリーズ、第二弾。
バーティーを取り巻くメンツは第一弾の「才智縦横の巻」で出てきた顔ぶれと同じで、バーティーの子ども時代からの友人のビンゴ・リトルは女性を見れば誰であってもとりあえず惚れるというのは相変わらず。バーティ―の従兄弟の双子、クロードとユースタスのダメ人間ぶりと鬱陶しさも相変わらず。
全ての登場人物が強烈な個性を発揮しつつ、基本的には彼らの行動の全てがバーティーにとって不幸と災いの種にしかならない、というのがこの作品の面白いところ。優柔不断で頼みを断れず、されるがままに流されるバーティーをすんでのところで救い出し、問題 -
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イギリスの作家「P・G・ウッドハウス」のユーモアミステリ小説集『ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻(原題:The Casebook of Jeeves Ⅱ)』を読みました。
『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻』に続き、「P・G・ウッドハウス」作品です。
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「ジーヴズ」、おまえの知恵を貸してくれ
時は20世紀初頭。
ロンドンのマンションの一室に、執事「ジーヴズ」は今朝も流れるように紅茶を携えやってくる。
村の牧師の長説教レースから実らぬ恋の相談まで、ご主人バーティの難題をややいじわるな脳細胞が華麗に解決(?)。
「バーティ」たちが通うドローンズ(のら -
Posted by ブクログ
イギリスの作家「P・G・ウッドハウス」のユーモアミステリ小説集『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻(原題:The Casebook of Jeeves)』を読みました。
少し軽めの内容の作品を読みたくなったんですよね。
-----story-------------
「機略と手際」、これが紳士に仕える私のモットーです
20世紀初頭のロンドン。
気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年「バーティ」には、厄介事が盛りだくさん。
親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、「アガサ叔母」は次々面倒な縁談を持ってくる。
だが「バーティ」には嫌みなほど優秀な執事がついていた。
どんな難帯もそつなく解決する -
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Posted by ブクログ
可哀想なポンゴ.(トウィッスルトン)の奴は、しょっちゅうあいつのフレッド伯父さんの話を僕にしてくるんですが、その時奴の目に涙が浮かんでなかったと言うなら、僕には涙がどんなものか、そいつを見てもわからないってことでしょう。ハンプシャー州イッケナム、イッケナム.ホ-ルのイッケナム伯爵は、一年の大半はそこの田舎で過ごすんです。
ですが時々いやらしい具合に首輪をすり抜けて逃げ出して、アルバニ-のポンゴのフラットを襲撃するんです。それでその度毎回、あの哀れな青年は何かしらの魂の試練にさらされるんですよ。あの叔父さんの問題っていうのは、御年六十何歳かになってはいるんですが、帝都に到着するやいなや、弱冠二十 -
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Posted by ブクログ
気の利いた会話、自立した女性という設定に風変わりな人物が加わって騒動を巻き起こす、映画でいうなら、スクリューボール・コメディ。ウッドハウスが二度にわたり、脚本家としてハリウッドに招かれていた三十年代は、その全盛期。三組の男女の結婚をめぐる顛末を描いたこれは、些細な出来事を大仰なセリフ回しで聞かせる「話芸」を楽しむユーモア小説。主たる舞台は、大西洋航路をアメリカに向かう、R・M・S・アトランティック号の船上。「主な登場人物」は以下の通り。
モンティ・ボドキン………気のいい青年紳士。大金持ち。ガートルードと婚約中。
ガートルード・バターウィック………イングランド代表女子ホッケー選手。
レジ―・テ