武田百合子のレビュー一覧

  • 富士日記(上) 新版

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    平凡な日常の中にこそ人生の楽しみは隠れていることを教えてくれる。

    武田泰淳、百合子夫妻は富士山麓に別荘を買い求める。そこでの暮らし、極めて平凡な、食事や季節の変化を記録しただけの日記。なのになぜこんなに面白いのだろう。

    まだ高速道路の開通する前の時代。甲州街道経由か国道246号経由か。当然トラックが多いし、事故も多い。渋滞は少ないが。

    ちょっとした買い物と地元の富士吉田の人々との会話の羅列。構成がなくとも、淡々と続く日々。武田百合子の視点の斬新が本書の魅力の多くの部なのだろう。

    何か楽しいことがないか、刺激がないかと求める向きには、本書の視点は極めて有用であろう。
    別荘というだけで非日常的な要素があることも否めないが。

    全然ドラマチックでない淡々とした日々平安な生き方、これが大多数の人の人生のほとんどの部分なのだろう。毎日を何事もなく過ごすだけでも、立派な生き方なのだと思う。

    上巻は昭和39年の7月から昭和41年の9月まで。

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    2021年02月08日
  • 富士日記(上) 新版

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    何度も読みかえしています。
    的確な表現 描写 時に乱暴(?)とも思える言葉。
    憧れの女性。
    この日記を読むと何故か元気に強くなった
    心持ちがします。

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    2019年08月29日
  • 富士日記(上) 新版

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    今ブームの日記本とは違っているので最初は少しとっつき難く感じたが、富士日記に関するエッセイ

    おかわりは急に嫌 私と『富士日記』
    古賀及子/著

    を並行して読んでいたのですんなり面白く読めた。
    昭和の時代の今では考えられない事もあり驚きつつも、買い物記録で当時の物価を知れたり、食べたものが記されていてなんだか妙に美味しそうだし、地元の人との交流が楽しそう。人に読ませる為に書いてないので本音が書かれてるのでたまに悪態をついてて笑った。
    誰かが亡くなったりだとか事故を目撃したりと死に関することが多く書かれてた印象。百合子自身も事故に遭っていてヒヤリとした。

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    2026年03月13日
  • 絵葉書のように

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    著者晩年の、単行本未収録エッセイを娘さんが文庫本用に編みなおしたもの。三章に分かれている。「Ⅰ 思い出—武田泰淳と暮らした日々」には夫とのささやかで時々派手な生活が、交流のあった作家たちの姿とともに書かれている。「Ⅱ 歩く」は自宅周辺から佐渡や海外まで著者が見て歩いた人とものが静かに綴られる。「Ⅲ 食べる」はささやかな食卓を共に囲む人々が書かれ、夫と娘の存在感が一際強い。どれもなんということのない瞬間が書かれているのに、読み手の気持ちを穏やかにしてくれる、てらいのない文章。

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    2024年03月04日
  • 富士日記(下) 新版

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    武田泰淳が亡くなる前の記録。下巻は病と死の予感が孕む。糖尿病からの脳血栓、胃癌転移の肝臓癌。医療者からみるとハラハラしてしまう食事や生活。業務で生活指導をするが、暮らしの中の家族の愛や魂の孤高さを痛いほどに教えられた。視点によって愚かかもしれない。でも、その人物史は誰が何と言おうとも、その人の全てでできあがっていて、正しいも過ちもない、かけがえのないものだ。死後、世に出る予定ではない日記を清書し出版された経緯は、奇跡的でありがたい。おいしいものは、ぜんぶ、毒なのかなあ。でも、おいしいってしあわせだよな。

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    2023年08月20日
  • 富士日記(中) 新版

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    やっぱり百合子さんと泰淳の距離感が好き
    半年くらい前から(途中間も空けつつ)就寝前にちみちみ読んでいた
    「老害にブチギレる百合子」「プリンスメロンの件」「泣き虫でずるいんだ」「女の赤い帽子が飛ばされる、いい気味」「追突事故の後遺症がとても心配」「中華料理が多い」「北海道のリスのお土産」と覚え書きにある
    思い出して笑っている
    何回でも読み返したくなるエッセイ

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    2023年04月08日
  • 富士日記(上) 新版

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    何回読んでも、最後まで読みきれない本ってやつが、たまにある。この本が読みきれなかったのは三度目。ああ、まさに3度目の正直だったのに。また今回も読みきれなかった。これはもう買おう。うん。それで読むか、きっぱり諦めよう。

    それはともかくとして。本書は田村俊子賞を取った名随筆である。人が、ご飯を食べたり買い物したり、そういう細々した事って、なんてまあ読んでいて楽しいのだろうか。富士山麓の麓の避暑地での、本当になんでもない日常。だけれど文章にすると、本当にささやかで愛おしい。大したことが書いてないと、退屈なさる方もいるだろう。でも、好きな方は本当に、武田百合子の文章にハマってしまうはずだ。

    私は、日記を読みたい方には、今後、この本と、永井荷風と、正岡子規の随筆を勧めようと思う。どれもちょっと似てはいないだろうか。美味しいものが好きで、小さな日常に、豊かな精神世界をぎゅっと凝縮させて暮らしていたひとたちの記録ってところが。

    やっぱりきっと、もう一度読むって、私は言い出すのだろうなあ。

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    2022年11月20日
  • 富士日記(上) 新版

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    小説家、武田泰淳の妻、武田百合子氏の日記です。
    私は再再読くらいで、小説家、泰淳の著作は読んだことがなく、百合子氏の方が知っていますね。

    日記の中では夫、泰淳があり、妻の百合子があるって感じですけど、私の中では百合子氏が「主」というか。

    こちら上巻は、昭和39年7月から昭和41年9月までの記録です。

    主に富士山の麓での生活記録で、自然の美しさ、厳しさも「当事者」として瑞々しく描かれていますが、時折見せる鼻っ柱の強さが私は好きで。

    この時代のことなので、小説家たる夫に甲斐甲斐しく尽くして、夫も「主然」としていて……というのもあるにはあるのですが、概ね鼻っ柱の強い女性です。

    百合子が泰淳を乗せて車を運転していたとき、自衛隊の車と諍いになって。
    相手が悪いと息巻く百合子は隊員に「バカ!」って言うんですが、横に乗っている泰淳が「男にバカと言うとはなんだ!」って激怒するんですね。

    それに対して百合子はその場で泰淳に何か言ってはいないようですが、「隣にも敵がいるとは」みたいな感じで、泰淳が暴走運転が嫌いなことを知っていて、ものすごい暴走運転するんですよ。泰淳は事故の実験の人形のように固まっていたみたいで。

    そういうところがとっても好きです。

    私もそのくらいの復讐がしたい笑

    これを再読しようと思ったの、阿久津隆さんが「読書の日記」の中で読まれていたからなんですが。

    本書の中で、交通事故の記述がちょくちょくあって、実際に事故が多いというのもあれど、それを記録に残しているところに、そういうところに目の行く、注意の行く人なのかな、と思ったのですが。

    そこでハッと思い出したのが、阿久津さんが書いていたこと。

    泰淳が事故にあいかけて百合子は心底恐怖を感じるんですね。嘔吐してしまったほど。
    阿久津さん曰く、そこから事故の記述が目立つようになった、みたいな。
    (めっちゃ意訳ですが)

    たしかに。

    私の中でも、百合子が泰淳の事故未遂後、そういうことに深層心理で気持ちがいっていて……とか思いました。

    点と点が繋がる感がありましたね。

    まさに、一人の人が一日一日書き溜めている日記を、あとから第三者がいっきに読むからつながる筆者の深層心理、みたいな。

    ただ思ったのは、泰淳の事故未遂は上巻の中盤あたりで、それまで……この出版されている日記の前が実際どうだったのか分からないのと(事故未遂前から注目している人だった可能性も)巻末に寄稿されいる大岡昇平の文章の中でも、中央高速道路が開通して事故が多くなったこと、そして事故ったら大抵死んでしまうとも書かれているので、時代的・場所的にそういうのに意識が向きやすい時だった可能性もあるな、とは思いました。

    中下巻読めばその辺りも見方がまた変わるかもですね。

    〘クスっとポイント〙

    運転中、いわゆるおカマほっちゃうのですが、その理由が(意訳)「イキった車だから止まらないで信号が変わっても進むと思った」

    分かります笑

    そんなナリして法律遵守!?

    って思うことありますよね汗

    偏見に満ちた目で見てるってことですけど笑



    〘こんな人におすすめ〙

    日記好きさん。
    昭和の、その時代にしては自由な夫婦もの読みたい方。
    市井の人の描く自然描写に美しさを感じる方。

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    2022年08月29日
  • 富士日記(下) 新版

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    富士日記もこれで最後。泰淳さんの病気や死も書かれているのだろうと手にするのに躊躇していた。いい加減、カタを付けようと読む。

    忘備録的な日記は変わらない。朝、昼、晩の献立や管理所で買った食材や酒、煙草の金額などが上編、中編と変わらず書かれている。不思議と馴染んで、ゆっくり読み進める。
    大岡昇平夫妻や大工や植木屋、隣の家守の老夫婦に人々との交流の合間に、ふっと息を飲む一文が挟まれる。
    (引用)
    九時、山に戻る。灯りという灯りを全部つけた。谷底に浮かんだ盆灯籠のような家に向って、わたしは庭を駆け下る。むろあじを焼いて冷たい御飯を食べた。主人は生干しのいかを焼いて、それだけ食べた。食べながら、今日見てきたことや、あったことをしゃべった。帰ってくる家があって嬉しい。その家に中に、話を聞いてくれる男がいて嬉しい。

    終盤で泰淳さんの病気が顕かになってくる。大岡昇平との病人談義が変に可笑しい。くどくどしくなく、最低限のことしか書いてないが、胸に刺さっってくる。

    巻末は泰淳さんの短かな文章。そして、娘の花さんの山荘の顛末と両親の位牌に触れた一文で終わる。

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    2022年06月03日
  • 富士日記(下) 新版

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    読み終わった、上・中・下の3巻
    僕の経験としては、「魔の山」以来だろうか
    富士日記を読もうと思ったきっかけは「読書の日記」である。
    日記っていいな。
    武田さんと百合子さんのやり取りの中で、同じ話を何度されようとも何度でも聞いてやると言ったようなものがある。
    それだけで、素晴らしい関係だなと思う。
    時々クスッと笑えるような描写、ほっこりするところもあって、楽しく読めました。
    長い旅路だったな。

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    2022年05月29日
  • 富士日記(中) 新版

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    ポコが亡くなる。
    デデがかわいい。
    リスがエサを求めてやってくるのが好き。
    しまおまほさんの巻末エッセイのBに癒される。

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    2022年05月20日
  • 富士日記(上) 新版

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    阿久津隆さんの「読書の日記」にて、読まれていた本。
    以前より、気になっていてようやく手に取ることができた。
    僕は何より、ポコが好きです。
    残りの2巻もちまちま読んでいこうと思います。

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    2022年04月18日
  • 富士日記(中) 新版

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    上巻で健康に不安を感じた飼犬の記述がつらかった。でも娘さんがクールで、寂しいものの、その凛々しさに救われた気がした。聡明な娘さんである。

    この犬が、百合子さんがギターを弾く時に近くに来て大人しくなる様子がかわいらしい。

    「この小母さん、へんな音さてだしたら、しばらく動かないからな。その間は叱られないし、命令もされないから、ほんとに安心」

    文芸誌『海』の編集者村松さん来訪という記述があるが、これは若き日の村松友視に間違いない。

    下巻は古本で見つけるまでお預けだ(意外と、なかなか見つからない)。『犬が星見た』を読んでしのごう。

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    2021年10月23日
  • 新版 犬が星見た ロシア旅行

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    武田百合子が、夫・泰淳らと中央アジア→ソ連→北欧を旅した1969年の記録。
    いや、日記形式で書かせたら右に出る者がいないのは当然だが、淡々と、だが生き生きと紡がれる毎日に引き込まれた。
    当時のこととて、前半はガイドのついた団体旅行なのだが、身勝手だけど憎めない関西の富豪・銭高老人を楽しく愛しく見てる視点など、百合子さんの人格の大きさよ。
    また、泰淳の妻への見下した物言い、そのくせ交渉・買い物・記録までなんでも頼る不甲斐なさなど、現代の女はイラッとするが、それもまた大きな愛で包んでらして…昭和の女は深い。
    ただメニューだけを羅列した食事と、やったら出てくるゲロとトイレの話題。入ってから出るまでが人の営みよのう…。
    描写と形容はうなるばかりなので、心に残ったものを抜いておく。

    「何も見えない。ただ広い草原だ。はるばるとやって来た私たちを迎えながら、アルマ・アタの町は青い山々をひきつれて遥かにあとずさり、そのまま深く眠りこんでしまっている」

    「石鹸で作ったような美青年である」

    「大きな忘れものーー東京に置いてきた「時間」。旅をしている間は死んでいるみたいだ。死んだふりをしているみたいだ」

    「いい天気。泣きたいばかりのいい天気。
    存分に泣け、と天の方から声がすれば、私は目の下に唾をつけ、ひッと嘘泣きするだろう」
    ひッと…出ないわー、すごい。

    「天の巨きな手で掴まれ、夜の間に空を飛んで、この広場に西洋将棋の駒のように無造作に置かれた。朝目が覚めたら、昨日までなかった奇妙な家がひょっこりとあるのてわ何度も眼をこすっえみているーーそんな感じなのだ」赤の広場の感想w

    「重たそうな水をめくって船が走る。雨は降ったり止んだりしている。薄陽が水面をひとわたり真鍮色に舐めてゆき、またすぐ暗い鋼色の水に戻り、雨が落ちてくる」

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    2021年06月12日
  • 新版 犬が星見た ロシア旅行

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    一緒に過ごしているような気持ちにさせてくれる。今は見ることのできない異国での人々の息遣いが聞こえてくる。淡々としているからこそ、かなぁ。

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    2020年08月30日
  • 富士日記(中) 新版

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    相変わらず、頻繁に富士通いが続く。厳冬と云っていい年末年始に何で「山」で過ごすんだろうと思わないでなかったけど、やっぱり「山」が良いんだなと段々納得してくる。
    愛犬の死、富士の姿、夕焼け、星空の短い記述を淡々と読み進む。文章のリズムが急いで読むことを拒んでくる。
    基本はホントに日誌だから、食材の買い物や三度のご飯がいつも書かれてるし、事件や謎や問題が起こるわけでないので、ゆっくりゆっくり読み進む。

    旦那の泰淳さんについての失礼な電話に対し、怒鳴り返す。お嬢さんとそのお友達の為に伝言せず出かけて心配した泰淳さんに怒られる。百合子さんんも人柄が段々立ち上がってくる。小川洋子さんのようなファンが多いのも納得するなあ。

    大岡昇平夫妻や地元の石家やガソリンスタンドの人達との交流。リス、イタチ、四十雀もよく山荘に訪ねてくる。

    (下)も読まなければね。

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    2019年12月29日
  • 富士日記(中) 新版

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    タイトルだけ知っていて、なかなか機会がなかった。
    これがちっともさくさく読み進まない。日常が細やかで、焦って読む本ではないという感じ。それでも日記のなかでは山に来れない数日とか数ヶ月が飛ぶように過ぎていくから、いくつもの季節を先を越される。
    いちばん最後の行はこんなふう。
    「楽しい旅行だった。糸が切れて漂うように遊び戯れながら旅行した。」
    これは別のエッセイ"犬が星見た-ロシア旅行"のこと。
    .

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    2019年08月21日
  • 富士日記(上) 新版

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    日曜の朝10時、FMで小川洋子さんの「メロディアスライブラリー」を聴いている。それで知った本。小川洋子さんは随分気に入っているらしく、他の本を紹介する回でも「富士日記」に言及することがあり。

    興味は持ったんだけど、でも、作家の奥さんとは言え、素人の日記だよなと、手を出さずにいたのだが。先日、新版が本屋に平積みされたので、購入。

    読み始めて、う~ん、やっぱり只の日記かな、と思ったけど、ジワジワ百合子さんという人が見えてくる。

    赤い実を口に入れようとして、泰淳さんに怒られる。
    「ふらふら散歩に出かけて、やたら道ばたものを口に入れるんじゃないぞ。前に死にそうになったのに懲りないのか。」(前にあったのね。)

    暗いガタガタのトンネルの中で車のホイールキャップが外れる。ふらふらトンネルの中に探しに行く泰淳さん。轢かれてしまうと怯える百合子さん

    停車中の処にトラックに追突される。百合子さんは相手と交渉してるのに、泰淳さんは相手の助手席に乗り込んでビール飲んでたりする。

    自衛隊が対向車線の中央分離帯を越えてくるので、「バカヤロー」と怒ると、泰淳さんに怒られる。その後、頭に血が上って無茶苦茶荒い運転をする百合子さん。

    変な夫婦だなあ。

    巻末に泰淳さんは日記には富士が美しいと書いてないと、記している。
    それでも富士山麓の自然の雰囲気と過酷さが伝わってくる内容だと思う。最初は、冬は東京に帰っていた筈なのに、何で厳冬の年末年始を過ごすんだろう。そういう説明は全然ない。日記だから。

    「暮れ方のサクラは一番きれいだ。何度でも観てやる。これはみんな私のものである。」
    人に読ませる気があったら書けない文章だな。

    勿論、続きも読むつもり。

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    2019年07月21日
  • 富士日記(上) 新版

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    社内報でおすすめしていた人がいて、話してみると、しきりに勧めてくる。
    普段エッセイの類はほとんど読まないが、基本、勧められた本は読んでみることにしているし、事前にサンプルで内容確認した上で面白そうだったので購入。
    (まさかの上中下巻でビビる)

    まさに日記。
    ご近所づきあい、普段食しているもの、物価。
    思いのほか面白く、興味深く読んだ。
    富士の聖母像のことも知らなったので画像を調べてみたりして、現在から地続きで過去があることを実感。
    飽きることなく読み終えた。

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    2026年10月04日
  • 富士日記(上) 新版

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    昭和39年7月から41年9月までの日記。当時の空気が伝わってくる。地元の人達とのやりとりがおもしろい。

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    2025年12月19日