呉明益のレビュー一覧

  • 自転車泥棒

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    台湾の小説。二十年前に失踪した父親。彼が乗っていた自転車が、息子である「ぼく」のもとに戻ってきた。「ぼく」は、その自転車が戻ってくるまでの物語を集めはじめる。その旅は、ビンテージの自転車の、足りないパーツを集めるようなものだ。いくら修理し続けても、完璧な状態にはならない。この小説は大量の断片によって語られる。自転車のパーツ、父の自転車の所有者たち、彼らの物語。そして主人公の人生。こうした断片によって構成される、台湾の近現代史。読んでいて、ポール・ボウルズの「シェルタリング・スカイ」を読んだときの感覚に似たものを覚えた。北アフリカの砂漠や迷宮をさまよい、人生の意味を探し、そして人生に翻弄される作

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    2024年02月17日
  • 歩道橋の魔術師

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    商場が舞台なので賑やかな内容と思いきや、常にシーンと静まり返った雰囲気。どこか夕立前の雲の鬱屈さを彷彿とさせた。読めば読むほど哀愁漂う当時の台湾がありありと浮かび上がってくるようで、なんだか不思議な感覚だった。
    子どもの記憶の曖昧さが相まって、より哀愁漂う雰囲気になっていたと思う。個人的には「九十九階」と「ギター弾きの恋」がお気に入り。

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    2024年01月20日
  • 自転車泥棒

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    ただの自転車探す話かと思ったら
    だんだん話展開していって
    びっくり!
    最後、元々何の話だったんだっけ?ってなる

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    2022年08月24日
  • 自転車泥棒

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    銀輪部隊とか、マレーシア半島に自転車で侵攻したとか知らなかったなぁ。その訓練を台湾で行っていたことも。日本はもう少しきちんと第二次世界大戦で日本軍が行ったことを教育した方が良いと思うなぁ。知らないというのは恐ろしい事だなぁ。

    という訳で自転車と戦争にまつわる色々なエピソードが絡み合って、最後は可哀想な象まで出てくるので悲しくなって最後は大分駆け足で読みました。蝶の絵もあったか。祖父母のエピソードから戦争をきちんと語るってのは大事だよなぁとしみじみ思いました。風化したり美化しちゃイカンよねぇ。

    とは言えそれぞれのエピソードが絡み合うし長いし、関連性がイマイチわかりにくく、時間のあるときにゆっ

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    2021年12月16日
  • 雨の島

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    ネイチャーライティング、という分野があるらしい。初めて知った初めての作家、呉明益。
    科学、自然、森。成長、恋、後悔、別れ。
    美しい景色が眼前に浮かぶような筆致。
    そして美しい物語。
    深い原生林を漂うような感覚で読んだ。
    口絵もすばらしい。

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    2021年11月23日
  • 眠りの航路

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    急にやってくる眠りに誘われる形で、父の歩んできた道をたどることになる主人公。

    日本統治下の台湾から、少年工員として日本へ。そして玉音放送を経ての戦後の台湾引き上げから商場での暮らし、家族とのすれ違い。

    亀や菩薩様等、別の視点からも語られる父の物語。
    これが呉明益の最初の長編かあと感じさせる様々なモチーフ。

    平岡君が「あのひと」らしいことが解説に書いてあってちょっとびっくり。

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    2021年09月17日