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1979年、台北。中華商場の魔術師に魅せられた子どもたち。現実と幻想、過去と未来が溶けあう、どこか懐かしい極上の物語。現代台湾を代表する作家の連作短篇。単行本未収録短篇を併録。
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Posted by ブクログ
台北に実際にあった大型商業施設「中華商場」を舞台に、1980年代を振り返りながら進む台湾の小説なんだけど、とてもノスタルジックで、切なく、あたたかな作品だった。台北の熱気や喧噪に没入しながら、あっという間に読み終えた。 天野さんの翻訳は助詞や句読点にまで心配りがあって読みやすく、現実と夢の空間を心地...続きを読むよく行き来することができた。
一九九二年に解体された台北の中華商場。 そこに住んでいた人たちの不思議な記憶の物語。 かつて中華商場に住んでいた作家が、当時の同級生や友人、関係者へ「歩道橋にいた魔術師」のことを覚えているか尋ねていくという連作短編集。 マジック・リアリズムというのはよく分からないが、過去の出来事を回顧しているよう...続きを読むで、どこかで現実離れした状況を垣間見せている。 それがかえって記憶のあいまいさや少年期特有の感情を表現しているようで、話している人の当時から今に至る人生も微かに映ろう。 その結果、ノスタルチックでありながら、人生の重みまで感じることなる。 また、故天野健太郎氏の訳は、当時の台湾と日本を結び付け、まるで自分の同郷の友が脳裏に浮かび上がってくるような錯覚を覚える。 『自転車泥棒』を単行本で読んでから、読みたいと思っていた『歩道橋の魔術師』が、河出文庫から発刊された。こうなると未読の『雨の島』『眠りの航路』も文庫本化が待ち遠しくなる。
恐らく初の台湾文学 エドワードヤン作品といい、 歴史的な背景やその街並みからか、台湾には魅せられる何かがある。 記憶の曖昧な部分や余白、 そこに物語の源泉がある。 初めは村上春樹チックな死生観が香ばしく、 その既視感であまり乗れなかったのだが、 徐々にこの世界観に魅了されてくるようになった。 ...続きを読む台湾という地域の子供時代、 記憶の曖昧さから出来た物語であるという体裁から感じるある種メタ的なノスタルジー 解説文も素晴らしく、 この著者の他の作品も読みたくなった。
台北に1961年から1992年まで存在した長さ1kmのショッピングモール「中華商場」を舞台にし,そこで暮らす子供たちを主人公とした10の短篇(と1編のオマケ)からなる.多くの話に「歩道橋の魔術師」が狂言回しとして登場し,また,ある話の主人公は別の話にエキストラとして登場する. 日本に売り込む際には「...続きを読む三丁目のマジックリアリズム」というコードネームだったと書かれているが,確かに南米の作家のような不思議な味わいがある.ただ我々と同じ東アジアが舞台であり,不思議な味わいである一方で,描かれる光景が身近に感じられる. 自分より下の世代にはピンとこないかもしれないが,台湾では1987年まで戒厳令が敷かれ,政治活動や言論の自由は厳しく制限され,市民の逮捕・投獄が横行していた(戒厳令が解除された,というニュースはリアルタイムで見た).本書で死が頻繁に登場するのは,そういった時代の空気が描かれているのかもしれない.
初めて読んだ台湾の小説!台北の広大なショッピングモール“中華商場”。そこにはマジシャンがいた。決して豊かではなく、その日その日を生きる人々に少し不思議な事が起きる、短編集。マジックリアリズムって言うのかな。人熱、生活臭、空気感が漂ってくるような文体。
今はない、台湾の市場を舞台にした連作短編集。 行ったことも見たことも、それこそ生まれた時くらいに無くなった場所なのに、強烈なノスタルジーがある。 架空のノスタルジーを楽しめる本。
ノスタルジーは懐かしさとともに、常に少しの喪失感と痛みを伴ってやってくる。 商場はそういったものの代名詞になっているのだと思った。そこで描かれるマジシャンは、曖昧な記憶を夢と不可分にする怪しさを象徴しているように思う。
台湾で育ったわけでもないのに不思議と懐かしい気分になる。子供の頃の不思議な記憶を独特な雰囲気で、そして様々な人物の目線で描かれている。世界が住んでいる場所近辺までだったり、不思議なことを信じて疑わず、それを体験していたり。初めての台湾文学作品だったが、台湾好きにとてもオススメ。
魔術師に出会った人々は現実と もう一つ別の世界をみる ゴシキドリ シマキンパラなど見たことのない鳥に出会えて 不思議な気持ちになった
今はなくなった台北「中華商場」という場所を舞台にした短編小説。子供時代体験したであろう色々な出来事の不思議さ、昂揚感、心がしめつけられる悲しみみたいなものを小説で見事に表しているなあと感じた。そんな色んな子どもたちの共通の記憶として「歩道橋の魔術師」がいて、各物語に影響を与えている。 面白かったので...続きを読む「自転車泥棒」「複眼人」なども読んでみたいなと思った。 村上春樹っぽい言い回しもところどころ見られる。ちょっと気になり調べてみると、とあるインタビュー記事に「ねじまき鳥クロニクル」を読んだことがあると話しておられた(作中にも村上春樹の名前が一度出てきた)。 p.246 彼女の完璧な耳たぶに注意を引かれた。←これ春樹じゃん!とか一人で興奮してました。 個人的に好きなお話は『光は流れる水のように』。
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歩道橋の魔術師
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呉明益
天野健太郎
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雨の島
13・67 上
自転車泥棒
眠りの航路
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