貫井佳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【感じた事】
未来は予想できない、サイクルはからなず存在する。したがって投資家がすべき事は、現状をよく知り変化に応じた対応が出来るように努力する事だ。
【メモ】
・二次的思考の考え方
-今後どのような範囲の出来事が起こりうるか
-その中で、実際に起きるのはどれか?
-その予想が当たる確率はどれくらいか?
-自分の予想はコンセンサスとどう違うか?
-その資産の現在の価値は、コンセンサスあるいは
自分の考える先行き見通しに見合っているか?
-価格に織り込まれているコンセンサスの心理は
強すぎたり、弱気すぎたりしないか?
-コンセンサスあるいは自分の予想が的中した場合、
その資産の価格はどうなるか?
・非効率的な市場は必ずしも参加者に大きなリターンをもたらすわけではない。むしろ非効率的な市場は、
スキルの違いに応じて勝ち組と負け組を生み出す材料(ミスプライシング)を提供する。
・効率的ではないと判断するのに十分な根拠がないかぎり、市場は効率的でり、平均を上回るパフォーマンスをあげることはできない
・本質的価値を下回る価格で買い、上回る価格で売れ
・リスクの高い投資とは
-高い期待リターン
-リターンが低くなる可能性
-場合によっては損失が出る可能性
*資本市場線のリスクが大きい=高いリターンでは
ない、変動分布がよりブロードになるということ!
・ファットテール
→テール・イベントが正規分布の場合よりも高い確率で発生する現象のこと
・投資家の成否は、利益をあげた投資の素晴らしさよりも、損を出した投資の規模で決まる。つまり、リスクコントロールができている事が優れた投資家と言え
る。
・投資世界にもサイクルが存在する、つまり前進もすれば後退もする。そしてこのサイクルは自律調整力があり、必ずしも外生的な事象が反転の原因となるわけではない。
・サイクルスパンは長短あれど、ほとんどの場合未来は過去と非常によく似た状況になる。
・証券市場における地合いの動きは振り子の振動に似ている、一端に向かう動きこそ、もう一端へ揺れ戻る
ためのエネルギーを生み出す。
-陶酔感と沈滞感の間を
-好材料への歓喜と悪材料に対する強迫観念の間を
-そして、過大評価と過小評価の間を振り子のように揺れ動いている
・本質的価値に対する考えを維持し、周りがみな売ってる時に買うことが出来れば、それが最も低リスクで
高い利益を上げる方法である。
・リスクはみなが競って同じようにとろうとしている時ではなく、周りが避けようとしている時にとるのが望ましい
・投資ポイント
-相場が振り子の軌道の一端に達するときに備えて
警戒を怠らない
-変化に応じて自分の行動を調整する
-サイクルの頂点と谷底で多くの投資家を完全にまちがった行動へと駆り立てる群衆の振る舞いに、歩調
をあわせない -
Posted by ブクログ
本書は、「下からの戦略」として、ガンジーらの非暴力運動、キング牧師らの公民権運動、アメリカ大統領選挙戦などの戦略が論じられる、さらに自動車王フォードなどの経営者、ドラッカーなどの経営理論家の思想などの戦略理論が追究される。
上巻に比べると、読み進めるのが大変だった。
下巻はまったく戦争とは関係ない公民権運動の戦略やビジネスの戦略などがひたすら論じられており、『戦略』という言葉だけで飛びついた人はかなり読解するのに苦労する。
しかし、古代の戦争の歴史から現代のビジネスまでの戦略をこうまでも詳細に論じられる著者はすごいを通り越して、唖然とする。
はっきり言って本書は、一般の読書人向けではなく学者や研究者向けだと思う。ほんとに。 -
Posted by ブクログ
本書は、あくまでも「世界史」の本であって、「戦略」の本ではない。
第1章、第2章でチンパンジーの闘争から始まり、聖書のアダムとイブの楽園追放、古代ギリシャにおける戦争、ナポレオン戦争、第一次、第二次世界大戦、核戦争、ベトナム戦争を代表とする非正規戦争、アルカイダとの対テロ戦争までと戦争についての総論を孫子、クラウゼヴィッツを初めとする戦略家の理論を絡ませて、古代から現代までの戦争について戦略が述べられる。
第3章からは民衆の戦略論となり、国家の戦略ではなく民衆からの視点で戦略論が述べられる。最初は、マルクス、レーニンを初めとする共産主義の台頭について語られ、下巻ではビジネスにおける戦略論が語られてく。
本書とよく比べられる同時期に出版されたジョン・ルイス・ギャディス『大戦略論』が全体として歴史上の指導者の決断についての考察に焦点を絞っているのに対し、本書は戦争についての総論(第1章、第2章)・民衆の戦略(第3章)という感じで分かれており、特に第1章、第2章では世界の戦争における戦略を時系列的に読んでいくことができるので読みやすい(そのかわり上巻だけでも470ページ以上と膨大ではあるが・・・)。
この本の上巻を読み終わって、重要な歴史上の場面や戦略家についてさらに深く学びたいという好奇心が出てきたのは確か。さらに下巻も気合いを入れて読もう。 -
Posted by ブクログ
軍事戦略や経営戦略といった「戦略」を概略する本ではない。戦略史の発端から変遷までを綿密に追う大著である。まず冒頭のマイク・タイソン氏の引用が最高にかっこいい。
我々が想像する戦略の基本である孫子やクラウゼヴィッツはもとより、旧約聖書やギリシャ神話に描かれる「戦略」の起源めいたものから、核戦争・社会主義など前近代の高度政治戦略や戦略理論の盛衰、ジョミニやトルストイといったほかではあまりお目にかからない話題など、本書の網羅する範囲は膨大だ。(まだ上巻なのに)気軽に読める本ではなく要約もしにくい本のため戦略論を学びたい人にはお薦めできないがとにかく知的好奇心が満たされる本である。 -
Posted by ブクログ
本著は優れた投資家とは何か、また、市場との向き合い方とはを示す良書である。
著者は市場を二次思考という角度で市場を見ることを推奨している。単に自分が考えている視点は、自分だけの視点ではなく多くの人がその答えに辿り着いていると自覚する視点を提案している。つまり、企業一つにつき多角的な視点で物事を見る訓練をせよと問いている。
そして、絶対的な成功は無いと断言する。運の影響も多分にあるとした上で投資家としての余白を持つことを強調している。市場に投資するうちは一喜一憂しがちだが、それでは優れた投資家とは言えない。短期的な利益獲得ではなく、中長期視点で市場を見る大切さを述べる。
投資家として、どのような角度で分析をするのか。また、絶対に儲かるという話はないということ。市場が自分が出した答えを出すには時間が掛かるということだ。そして、忍耐強い精神が必須とも繰り返す主張している。
私も同意だ。投資は他人任せではいけない。自分の頭でしっかり学び、失敗をし、対処していく必要がある。短期的な利益で富裕層にはなれない。投資はギャンブルではない。学習した上で成り立つ世界なのだ。こういう投資家の視点や考え方に触れ、自分なりにカスタムすると良いだろう。
投資には正解はない。そして絶対もない。ただ、相応の学習量と実践が必要ということだ。学びながら行動すると良いだろう。市場は人で出来ている。そこには感情があり、声がある。古典なども読みつつ、投資家が今、どういう視点で物事を判断しているのかを知り、誰かの言葉や判断ではなく、必ず自分の責任と判断で決めると良いだろう。それが成功しても失敗しても学びはある。優れた投資家とは一喜一憂しない冷静な投資家を本著の本質では指すと私は認識している。 -
Posted by ブクログ
経済や市場はパターンに従って動き、その中に「サイクル」と呼ばれるものがある。
サイクルは自然発生的な現象に起因するが、人間の心理や行動に端を発する場合もある。
投資の世界では、サイクルが中心点や長期トレンドの周りで浮き沈みを繰り返し、振り子が行きつ戻りつする。
サイクルの形は様々だが、根本的な原因・動きのパターンには共通する部分が多く、時代が変わってもある程度、一貫している。
投資家にとって重要なサイクル・振り子には、次のようなものがある。
・景気サイクル
・景気サイクルへの政府の干渉
・企業利益サイクル
・投資家心理の振り子
・リスクに対する姿勢のサイクル
このうち最も重要なのは「リスクに対する姿勢のサイクル」。
過度のリスク許容は危険の発生を後押しし、リスク回避姿勢が行き過ぎると相場は下落するからだ。
サイクルは次のような性質を持つ。
・物事、特に人間の本性に左右されるものには、浮き沈みを繰り返す傾向がある。
・サイクルの中の1つ1つの出来事は、相互に作用し、影響を及ぼしあう。
・サイクルには、極限まで触れる傾向がある。
投資成績は何を買うかではなく、いくらで買うかで決まる。
そして、いくらで買うかは投資家自身の心理と行動で決まる。
市場の状況に見合った行動をとるためには、他者の心理と行動をいかに評価するかが重要である。 -
Posted by ブクログ
出来事のあとに次の出来事が続くのではなく、次の出来事を引き起こす。
「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」
ブームが生じなければ暴落の可能性は低い。
工業製品や原材料、部品業界と食品業界の違い。
市場は、強気と弱気のロープの引き合い。
ニュートンは、南海泡沫バブルのころ、バブルを見抜いていたにもかかわらず、他人の利益を傍観できず、自分も損をした。
高いリスクに高いリターンがついてくるのではなく、リスクが高そうな資産は、高いリターンを生み出しそうに見える必要がある、という意味。
新聞社は堅固とみられていたが、インターネットの発達でそうとは限らなくなった。
年間で±2%に収まる年は47年のうち3回。振り子は揺れ動く。相場は強欲と恐怖の間に行ったり来たりする。極限に達したときこそ最大級の利益を得られる。
長い期間を対象とする価格指数からみると不動産は投資に適していない。高騰したのはここ近年のこと。
金融危機はいつまで続くかはわからない。金融の世界が終わるなら買っても買わなくても終わり。世界が終わらなければ買わなければ失敗する。
底や頂点とはある期間をさす。最後の日とは言葉の綾。
落下しているナイフをつかむな=混乱が収まってしまってからだと遅すぎる。その時点を過ぎなければ底はわからない。ナイフをつかもうとしない参加者が傍観している間に買う。
下落後の相場に参加できなくなることも失敗。
積極果敢さとタイミングとスキル。そのうちスキルはたいして必要ない。
サイクルポジショニング、資産の選別、運。
今はサイクルのどこに位置するのか、常に考える。
永遠に機能する手法は存在しない。永遠に機能すると信じるようになったら、それが真実でないことが明らかになる。
投資においては、重要なことはすべて直感に反している。明白だと思われていることはすべて間違っている。
サイクルが無くなることは決してない。感情がある限り。サイクルが無くなったという勧誘が出たら、それがきっかけになる。
混乱が収まって先行きの不透明感がなくなっていたらバーゲンは終わり。