【感想・ネタバレ】投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識のレビュー

あらすじ

《本書は、私の投資哲学の声明文である》
《私の狙いは、読者がこれまでに触れたためしのない投資に関するアイデアや思考方法を伝えることにある》
●どうしたら投資リスクを限定できるのか
●コンセンサスと別の見方をする理由とは
●市場環境が芳しくないときに、損失を最小限に抑えるには
●絶好の投資機会を見つける逆張りの考え方とは
●ミスプライシングが起こりやすい非効率市場を見つけるには
●マーケット・リターンを上回る「成功する投資」を達成するには

■バフェット大絶賛!
「極めて稀に見る、実益のある本」――バフェットも大絶賛。バフェットは著者に対し「君が本を書くなら、必ず推薦文を寄せる」と日頃から本の執筆を促していたそうです。出来上がった本書をバフェットは大変に気に入り、バークシャー・ハザウェイの株主総会で配布したほどです。

■成功する投資哲学とは?
本書は成功した投資家が教える投資のノウハウ本ではありません。著者が強調するのは投資の難しさです。しかし、その難しい投資の世界で市場に40年以上にわたって勝ち続けてきた著者が語る哲学に満ちた本書は、投資の基本書として古典となりうる珠玉の名言に溢れています。市場の見方、リスクの捉え方、市場コンセンサスとは別の見方をする「逆張りの思考法」、ミスプライシングが起こる非効率市場の見つけ方など、根本的かつ重要な投資哲学が1冊に!

■著者は巨大ファンドの創業者
著者が創業したオークツリー・キャピタルは、運用資産残高が約800億ドル(約6.2兆円)にのぼる巨大ファンドを運用し、高利回り債(ハイイールド債)と不良債権(ディストレスト・デット)への投資を得意とする著名投資会社です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

NISAから投資を始めてコロナで苦しい時期があったけど概ね米国株式が堅調、好調で見る見る間に資産が増えてしまった今、改めて兜の緒を締め直す良い勉強になりました。アセットアロケーションを軽く見て投資信託、株式(レバレッジ商品も)に100%を突っ込んでいましたが、これを機に債券やゴールドなど分散しようと思います。
またバフェットに倣い割安株を見つけるバリュー投資にも挑戦します。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

バリュー投資、ディフェンシブ投資、逆張り投資で大きく稼ぐために必要なこと、標準的な理解を超えたリスクの考え方など

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

バフェットが絶賛するのも分かる。考え方は一緒。この本とウォール街のランダムウオーカーが私の投資2大聖書かもしれない。

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

得てして周りが利益を出している時は自分ももっとと他人との比較で考えてしまうものだが、本書は相場がいい時は平均的なリターンで良い、相場が悪い時に相場をアウトパフォーム出来るようにすることを薦めている。そのために必要なのはリスクコントロールで、じっと我慢して機会を待つことを薦めています。
自分には物凄く刺さった。逆張りでリスクを抑えたい。名著。また読み直したい。

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

市場に勝ちたい投資好きな人は必ず読むべき良書。市場に勝つというのはどういうことか、その確率を高めて維持する方法はなにか、という考え方や哲楽を教えてくれる。何度も読み返して自分の血肉にしていきたい。

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2023年08月09日

Posted by ブクログ

投資本としては文句なしに良書であり、皆さんに是非お勧めできる内容だと思う。特に株価は振り子の様に行ったり来たり常に振れていて、ファンダメンタル的に適正な価格にいる期間の方が遥かに短い。今どの位置にいるのか理解さえ出来れば、投資で勝ち組に入れる。振り子と考えれば逆張り投資が勝つ秘訣となる。ハワードマークス次も是非読みたい。

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2023年03月31日

購入済み

よい

改めて勉強になりました。

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2022年12月17日

Posted by ブクログ

以下、感想と気になったことを記載。
☆はじめに

①投資を考えるにあたって重要なのはリスクコントロールである。リスクテイクと比べたリターンという概念が大事である。

②最も大きな教訓が得られるのは失敗したときである。自分の身に起こった失敗から学んだうえで得られた経験が何よりも尊い。

❶二次的思考をめぐらす

①投資というものはアートと科学の2面性がある。人間の心理面が大きく作用することから、理路整然と動かない場面も多く、アートの側面が強く出ることを理解する。

②他の投資家を上回るパフォーマンスを上げるには二次的思考が必須だ。これは、『この会社の業績は良いから買いだ』とか事実に基づいて単純に考えるのではなく、例えば、コンセンサスと比べてどうなのか?今の株価バリュエーションはどの程度の業績拡大を折り込んでいるのか、きっちり自分なりの意見を持っておくことが大事である。

③他の投資家を出し抜くことで並以上のパフォーマンスを得ることができる。考え抜く力を身につけたい。

❷市場の効率性(とその限界)を理解する

①アクティブ投資の7割がインデックスに勝てないというのは有名な話である。ただし、投資家の感情というのは非効率の典型であり、ここに勝機がある。

②ポーカーの世界には『45分たっても誰がカモかわからなければ自分がカモだ』という格言がある。非効率的なマーケットにおいても同じことが言える。

❸バリュー投資を行う

①本質的価値の測定がバリュー投資の第一歩である。

②バリュー投資は『今日の本質的価値』にかける投資であり、グロース投資は『明日の本質的価値』にかける投資である。

③リサーチの結果、本質的価値が100だと判断したものが50まで下がるのであれば、バリュー投資の考えであれば当然買いに行くだろう。すぐに100に向かって戻るのであれば良いが、往々にして下り続けることもある。その場合、自分の判断は正しかったのかという葛藤が始まる。正しい見方をしていてもメンタルが弱ければ役に立たない。もっと悪いのは間違った見方をしていた場合で、意固地に自分の見方に固執した場合、もう手がつけられなくなる。

❹価格と価値の関係性に目を向ける

①投資は『良いもの』を買うことではない。『ものをうまく買う』ことで成功する。

②どんな良いものでも高すぎる値段で買ってしまうとわるいものになってしまう。

③短期的には心理面とテクニカルの要因によって動く。投げ売りする人から買うのが最良であり、逆側になってはいけない。そうならないように長期的な資本と強いメンタルが必要になる。

④本質的価値を算定する際は分析力が必要だ。価格と本質的価値の関係性を理解するうえでのカギは主として投資家の心理を読むことである。短期的には、投資家心理はファンダメンタルズとは関係なく動きうる。

⑤投資は一種の人気投票である。最も危険なのは人気の絶頂にある資産を買うことである。ピーク時にはあらゆる好材料が折り込まれ、それ以上の価格で買う買い手は現れない。
最も安全なのは買い手が誰も現れない資産である。

❺リスクを理解する

①投資を一言でいうと未来に対処することである。未来のことなど誰も分からないから、リスクは避けられない。リスクに対処することが投資の必須要素である。

②教科書的には『リスク=ボラティリティ』であるが果たして正しいのだろうか?『ボラティリティが高いのが恐いから、もっと儲かるものが良い』というより『損するのは恐いからもっと儲かるものが良い』という表現の方が自然ではないか?要するに、リスクとは損する可能性(損が発生する確率についての不確かさ)と考えた方が良いと思う。

③損失リスクは必ずしも脆弱なファンダメンタルズから生じるわけではない。ファンダメンタルズが良くなくても、安く買うことができれば充分に利益が出る可能性はある。

④マクロ環境が悪くなくてもリスクは存在しうる。傲慢さ、リスクに対する無理解と無配慮、それにちょっとした材料が組み合わされることで大きな混乱が起こる可能性はある。

⑤リスクは楽観的過ぎる心理とそれに伴う行き過ぎた価格となって現れる。投資家は夢のあるストーリーに熱狂し、また直近の高パフォーマンス資産に群がる。目先は良いかもしれないが、この状態は良い事のほとんどを既に織り込んでいる。

⑥リスクの捉え方は十人十色であり、計量化できない。機械的に判断されるものではないのである。

⑦市場が良い時に、最も高いリターンを上げるのは、最も高いリスクをとった者であることが多い。では、この人間は狙ってこのリスクを取ったものなのか?何も考えずにとった行動がたまたまうまくいったのか?
短期的には誰にも分からない。

⑧確率と結果の間には大きな違いがある。いつだって起きそうなことは起きず、起きそうもないことが起きる。オプションなどのデリバティブは正規分布に基づいて作られているが、しばしば例えば3シグマ以上の外れ値の起こりそうもない事態が頻発する。

⑨リターンの質を判断するうえで取ったリスクの評価が大事であるが、リスクは計量できない。リスクを評価できるのは二時的思考を持った人間なのである。

⑩予測は過去の常識の範囲内で立てられる傾向がある。ほとんどの場合、過去の延長線上で物事を判断し、大きな変化を軽視するのである。

⑪人はリスクを計測し、全く経験したことのないメカニズムを理解する自分の能力を過信する。例えば、膨大なマーケットデータがある中で、過去の延長線上で物事を捉えてしまい、現在そこにあるリスクを軽視してしまう。

❻リスクを認識する

①投資で必要なのはリターンを生み出すこととリスクコントロールの両方が必要だ。そして、リスクコントロールにはリスクの認識が必要である。

②上昇トレンドが出来ると、人々はリスクに対して鈍感になっていく。リスクをとって、その結果リターンが出たら、より強欲になり、リターンを繰り返す。相場で痛みが出るまで、ポジティブフィードバックは続く。リスクがなくなったと思い込みが価格を押し上げ、期待リターンを劇的に下げてしまうのだ。

③うまい例え話がある。登山専門家曰く『登山者が安全装備を充実すると、よりリスクを冒してしまい、かえって安全性が低下してしまう』とのことだ。金融市場にも同じことが言える。データ分析がより高度になって、どんな相場も分析できると思い込んだ結果、リスクに対し無理解になってしまうのだ。

④現在の資本市場線は切片や傾きが非常に低いものになってしまった。リスクリターンが低いものになってしまい、かつ過去のリスクをとった投資がうまくいっていることもあり、人々はリスクに対して鈍感になっている。(債券のイールドカーブを考えるとわかりやすい?)

⑤リスクの実態は複雑怪奇である。人はリスクを認識する自身の能力を過剰に評価する一方で、リスクを回避する行動を過小評価する。(要は損切りできない)
こうして必要以上にリスクをとってしまっている。これを改善すべく二時的思考が必要だ。

⑥皆がリスクが高過ぎるというもの程、潜在リターンが高く、皆がクオリティが高いと評価しているもの程、潜在リターンが低くなるというパラドックスが生じる。問題はクオリティではなくいくらで買うかである。大事なのはいくらで買うのではなく安く買うことである。コスパである。

❼リスクをコントロールする

①すぐれた投資家は優れたリターンと同様にリスクコントロールも優れている。

②すぐれたリスクコントロールというのは良い相場の時は分からない。損失はリスクと良くない出来事が重なった時に起こる。損失は起こった後にしか認識できないからである。

③リスクは身近に潜んでいる。極端に振れるマーケットは稀にしか起こらない。こうした凪の相場が続く程、人間はリスクに対して鈍感になる。すると、レバレッジをかけるなど、どんどん貪欲になってゆくのだ。特に、今のマーケットは資本市場線の傾きが以前と比べて低くなっている。よりレバレッジをかけてリターンを得なければいけない誘惑に駆られやすい。

④インデックスと同じリスクで高リターンを上げるよりも、リターンをより低いリスクで出せるものが優れた投資家である。

❽サイクルに注意を向ける

①ほとんどのものにサイクルがあるという認識は必要不可欠である。

②利益や損失を生み出す大きな機会は皆が物事にはサイクルがあることを忘れた時である。

③サイクルの中でも特に重要なのが信用サイクルである。不可避で極端で順応した投資家に大きな利益をもたらす意味で押さえておきたい。

❾振り子を意識する

①全てが順調でうまく行っている時、投資家は慎重さを忘れて買いに殺到する。一方で、市場が混乱に陥った時、投資家はリスクを取る意欲を失って売りに殺到し、バーゲン品が生まれる。

②強欲と恐怖のサイクルはリスクに対する投資家の変化によって起こる。強欲が優勢になると、投資家はリスクを取ることと、それに伴うリターンに心地よさを抱く。一方で、恐怖が蔓延するとリスク回避志向が強まる。

③投資家のリスク許容度が高い時はリターンが低くなることが多く、一方で投資家が過度にリスク回避的な時はリスクに見合うリターンが得られることが多い。

④『賢明な人間か最初にやること、それは愚かな人間が最後にやること』である。

⑤多くの場合、崩壊は価格の調整を引き起こす特異なことが起こっているのではなく、それまでのブームが行き過ぎたせいで起きると思った方が正しい。

⑥振り子は一方向に進み続けることはないし、一端にとどまり続けることもない。

⑦上げ100日下げ3日という相場の格言があるが。それはこの振り子の論理をよく表していると思う。上昇の期間と幅が大きければ大きい程、下げの幅と日数も広くなる。

➓心理的要因の悪影響をかわす

①儲けたいという感情、儲け損なった時の感情、他人が儲けていると聞いた時の感情、様々な感情は複雑に絡まり合って投資家の心理やマーケットに影響を及ぼす。その結果、人は間違うのだ。

②他の人間と差をつけるには過ちを犯す方ではなく見極めて利用する側にならなければいけない。

③大半の人間は感情に左右される。データを分析できる人間はたくさんいても、物事をじっくり見極めた上でメンタルを揺さぶられずに判断できる人間は少ない。

④強欲と楽観主義が組み合わさった時はリスク量に比べて潜在リターンが小さいにもかかわらず、リターンを追求すべく行動する。過大評価されてても、皆が買っていればまだ上がると思い込んで買う。確証バイアスが強く働く。

⑤恐怖と悲観主義が組み合わさった時はリスク量に比べた潜在リターンが大きくなる。論理的に説明出来ないほど安く放置されることもしばしばある。

⑥投資家の心理として、たとえおかしいと思っていても多数に同調してしまう心理がある。この同調効果と強欲の組み合わせが幾度も人々の主体性と懐疑主義を奪い、リスクに対する感覚を鈍らせてきた。

⑦人間は社会的な生き物なので、どうしても他人と比較してしまう。他人が儲けているとそこに嫉妬してしまうのは人間の性である。嫉妬が大きければ大きい程有害になる。

⑧自惚れも危険な心理である。特に物事がうまくいっているとき、うぬぼれは強くなる。うぬぼれは自分の分析力を鈍らせ、しいてはリスクリターンの捉え方を間違うの危険な状態に導いてしまう。

⑨強欲と心理的要因により、材料が過度に重視されて皆が買っている時に買わないこと、逆に、恐怖と心理的要因で暴落している時に売らないことが重要。暴落している時は買い向かうのである。

11)逆張りをする

①周りが意気消沈して売ろうとしている時に買い、周りが浮かれて買おうとしている時に売るという行為は最も難しく、最大限の努力が必要だが、最大限の利益が得られる。

②逆張りは難しい。まず、本質的価値から乖離したものを選ぶことが必要である。加えて、自分の正しさが証明されるまでピークや谷底を過ごせる時間とメンタルが必要である。そうでなければ、市場の犠牲になってしまう。

③皆が儲かると思っているアイディアは既に期待リターンが折り込まれており使い物にならない。誰もが値打ちがないと思っている資産で、価値が見直された時に大きな利益が生まれるのだ。

④価格が超お買い得といえるタイミングは悲観の極限に近い状態にあり、メンタル的には間違いなく居心地が悪い恐怖感たっぷりのタイミングで買いにいかなければいけない。買う時に恐怖がないときは既にお買い得な買い物はできない。

12)掘り出し物を見つける

①最良の機会はたいてい周りのほとんどの者が気づいていないものの中から見つかる。

②優良なものを見つけることはできる。優良なもので本質的価値から乖離したものを買わなければいけない。

13)我慢強くチャンスを待つ

①市場は融通の利く機会ではない。欲しがってもその時に高いリターンをもたらしてくれるとは限らない。

②こちらから資産の価格を追いかけるより、資産の方からこちらへ来るのを待った方が往々にして良いパフォーマンスが出ることが多い。

③機会損失を怖がって、むやみやたらに動くと実現損が増えるだけ。

④儲かる機会を逃すことは損する投資に手を出すよりマシである。

⑤リターンの追求というのはまずい行動である。予想リターンが低い中で無理してリスクを取りに行くといいことにはならない。リスクは皆が避けている時に取りにいくべきもので、皆が取りたがっている時に取るものではないのだ。

⑥危機時の投資でカギになるのは売りを迫るマイナス要因から身を遠ざけて買い手の立場をとることだ。こうなるにはメンタルが何よりも大事であり、資産の本質的価値を見極めて、我慢強くチャンスを待つことである。

14)無知を知る

①予測家には2つのタイプがある。無知な予測家と自らが無知であると知らない予測家である。

②マクロ経済が将来どうなるか知ることは難しい。未来に対して優れた知見があり、それを投資に活かせる人間がどれだけいることか。より狭い範囲なら優れた知見を持つことは可能だろう。ただし、全部をわかった気になってはいけない。

③投資家はいま現在、サイクルがどの位置にあるか、振り子がどの位置にいるかの把握に努めるべきである。そうすれば、将来の動きが分かるわけではないが、どうすべきかはわかってくるはずだ。

④専門家の未来の予想は、大抵は過去の延長線上にある。時として未来は過去とは全く違った様相になることを折り込んでいない。

⑤投資をするうえで限界が見えた場合、無理に前進しても仕方ない。それを受け入れて対処すべきだ。

⑥将来、何が起こるか分かると思っている投資家程、積極果敢な行動をしがちである。相場の動きを断定して、集中して時にはレバレッジをかけて投資する。

⑦相場には、いつでも謙虚に行動すべきだ。初心者ほど自信過剰に行動しがちである(ダニエルクルーガー効果)

15)今どこにいるのかを感じとる

①この先どうなるかはわからないが、今どこにいるかは知っておくべきだ。

②市場サイクルは避けられず、パフォーマンスもその位置に大きく左右される。そのサイクルの期間、タイミングも予測不可能である。

③自分の周りで何が起きているかを観察して、自分がどの位置にいて、どのような振る舞いをすべきか考えるべきだ。

16)運の影響力を認識する

①時として、こんなこと起こるはずがないということに賭けた人間が天才と賞賛されることがある。それは実力ではなく幸運によってもたらされたものだと認識すべきである。

②投資の世界はロジックだけで動くことはない。むしろ、運に大きく左右される世界だと認識すべきだ。

③歯科医が汗水垂らして稼いだ1万ドルと宝くじで当たった1万ドルは同じ価値だろうか。後者は明らかに運(ランダム性)の要素が大きい。『今とは違う歴史』があったら実現していないものだ。

④確率論に基づいて物事を考えるなら、ある1つの事実というものは『様々な選択肢から選ばれた1つ』であり、歴史はその選ばれた選択肢が連続したものである。

⑤短期の投資の成功はたいていの場合、然るべき場所でしかるべきタイミングによってもたらされたものである。問題は成功を続けることであり、これはスキルも併せ持たないと難しい。

⑥最も高いリターンを得た者は大抵は最も高いリスクをとった者であり、それはスキルによってもたらされた者ではない。

⑦我々は物事がうまくいっている時、それを自分の実力によってもたらされたものだと感じるし、偶然起こった出来事も因果性があて起こったものだと感じる。

⑧短期的にはランダム性そのものがパフォーマンスを左右する。ごく短期の変動も全て読めるマネージャーではない限り逃れることはできない。

⑨選んだ選択と結果は必ずしも望んだものになるとは限らない。正しいと思う選択をしてもうまくいかないことはあるし、間違った選択をしても結果としてうまくいくこともある。未来への選択をするために、結果から全てを判断をすると間違うことがある。

⑩確率論的なアプローチをする者(知らないことを知っている者)は結果はある意味神頼みであることを知っている。そのうえで、自分の力量の限界も知っている。

11未来はどうなるかはわからない。判断の拠り所は己の資産の本質的価値を見極める力である。また、正しい判断をしても望まぬ結果になる可能性も考慮して行動すべきだ。

17)ディフェンシブに行動する

①経験豊富な投資家がいる。大胆不敵な投資家がいる。しかし、経験豊富で大胆不敵な投資家はいない。

②然るべき場所と然るべきタイミングが合えば誰でも大儲けできる場合がある。(金融相場の初期であれば誰でも勝てる)一方で、結果を出すのが難しい局面で無理をしてリスクをとって退場してしまうこともある。

③投資家がとるリスクは当人の追求するリターンによって変わる。ポートフォリオに安全の要素を組み込むということは、潜在リターンをどの程度諦めるかによって決まる。正解はない。

18)落とし穴を避ける

①大きな過ちを犯さない限り、投資家が正しく行わなければいけないことはほとんどない

②1回の負けで多くを失う例を数多と見ている。極端な例だが9勝1敗でも負けの1敗が大きすぎたら負けなのだ。

③過ちは分析や知識面での間違いと、メンタル面での間違いと2つある。

④サイクルが極端にふれているとき、振り子が端にきている時ほど同調と降伏を群集心理は強いてくる。ここに抗うことが投資で成功するために必須となる。そのために、以前に述べた自分が今どの位置にいるかを把握することが大事だし、資産の本質的価値を見極める力が拠り所になるのだ。

⑤投資家は当然リターンを期待して投資をする。その過程で、起こりそうもないマイナスの可能性を無視してはいけない。最近の金融危機のほとんどは、この起こりそうもないことが起こって、必要以上にとっていたリスクとレバレッジが想定外のことを引き起こしているのだ。

⑥市場が過熱しているときはカネは革新的な性能を謳ったものに流れる。(最近だと、アークETF、フィンテックなど)多くは市場が反転した時に耐えられない。強気相場の時は、我先にと投資をして上手くいかないことなど考えない。知らず知らずにリスクをとった結果、大きな損失を出すことになるのだ。

⑦資金調達が簡単になると、間違いなく流れてはいけないところにカネが流れる。それは市場が反転した時に耐えることはできない。

⑧長期的には価値の創造はファンダメンダルズによってなされる。ただし、短期的には資産の需給に影響を及ぼす投資家心理やテクニカル要因に影響される。投資家の信頼感は時として予期せぬ事態を招く。

⑨ボラティリティと折り合いをつけて人より冷静さを保つことができると過信していると(たいていがそうである)投資家は谷底で過ちを犯しがちである。谷底で損切りして、その後の反転上昇をとれなくなる恐れがある。

⑩ディフェンシブな投資の1番の利点はマーケットが売られている時に発揮する。ポジションを多く持った投資家は振り子が激しく振れると、それだけメンタルがやられることになる。精神的な余裕を持つことによって、客観的に自身の位置を把握して行動することができるのだ。それがあってはじめて資産の本質的価値と乖離した資産を見出して買うことができるのだ。

19)付加価値を生み出す

①付加価値を生み出す投資家のパフォーマンスは非対称である。下げで被るマイナスより上げで享受するリターンの方が高い。これを実現させるのがスキルである。

20)全ての極意をまとめて実践する

①投資を成功に導くにあたって土台になるのが資産の本質的価値である。投資家は買いを検討している資産にどれだけの本質的価値があるかをしっかり検討しなければいけない。

②価格と本質的価値の関係は短期的には心理的要因とテクニカルに左右されうる。その影響により、過ちを犯してしまうこともある。過ちを犯さずに利益を実現するには、これらの要因にしっかり対処しなければいけない。

③強気であれ弱気であれ市場は時として行きすぎるところがある。その場面で、早く気づけた者は得するが最後に気づいた者は痛い目を見ることになる。『賢明な人間が最初にやること、それは愚か者が最後にやることである』

④逆張りは常に儲かるアプローチではない。絶好の買い場や売り場は極端なバリュエーションの時に現れるので日常的にやってくるものではない。また、市場のセンチメントに反した行動をするので決して居心地が良いものではない。割安とすぐに反転することは同義ではない。急ぎ過ぎは失敗も同然である。然るべきタイミングが訪れるまでポジションを堅持する忍耐も大事である。

⑤投資を成功させるために必要不可欠な要件が無知を知ることである。自らのシナリオを過信せずに確率論的なアプローチを前提に行動すべきである。

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2022年03月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最良の投資方法とは、暴落時にどんな価格でもとにかく売らなければならない人から買い、ファンドの資金流入により、価格に関係なく買わなければいけない人に売ること!

自分が投げ売りする側にならないよう、最悪の時期に資産を売らずに済むよう、長期資本と心理的な強さを持つ!

投資の世界で最も重要な学問は会計学でも経済学でもなく、心理学だ!

最も安全で、最も高い収益性が見込まれる投資をするには、誰も欲しがらないものを買えば良い。時間と共にその資産の人気や価格が変わるとしても、上にしか行かないからだ!

市場は「より高いリスクをとれば、より高いリターンを得られる」ように価格を形成する。しかし、市場は何時もそのように動くわけではない。高いリターンが得られるのであれば、それはリスクの高い投資ではないからだ!

大抵の場合、資産価格は割高でもなお上昇中、あるいは割安でもなお下落中、のどちらかの状態にある。知的で教養がある投資家も、可能な限り自分の信念を貫き続けるが、経済的、心理的な圧力が高まると、ついに「降伏」する。これはサイクルの最後の方に決まって現れる!

強欲と人的ミスの結果、生じた好材料が闇雲に高く評価され、悪材料が無視されている時に、その輪に加わらない決断をすること。これが、バブルで損失を出さずに済むためのカギ!決して簡単ではない!

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2021年11月28日

Posted by ブクログ

・市場を上回るパフォーマンスをあげるには、好況期に市場と同じ、不況期に市場を上回るパフォーマンスを出す
・リターンが2倍になっても、リスクが2倍になったらそれは市場を上回るとは言えない、リスク調整後リターンが重要
・熱狂と恐怖の2つの感情は、本質的価値からの大幅な乖離をもたらす、そこでトレードする
・バリューは今の価値、グロースは将来の価値に重きを置く手法、将来の価値を正確に出すことは難しいが、今の価値ならまだ出せる可能性がある
・相場にはサイクルがあり、永遠に上がり続けることも、下がり続けることもない、今回は違うということはない
・割高であるということは明日下がることことを意味するわけではない、いつか下がるのは確実だがいつ下がるのかはわからないので備えをすることしかできない、そのためにはレバ比率を抑えるかもしくはかけないことが重要
・リスクは数学的にはボラティリティだが、損失可能性と定義し直すと、高い価格で買うことはリスクが高く、リターンが低い投資となる
・簡単なことではないが、本質的価値を算出し、それより低い価格で買うことに尽きる

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2021年07月24日

y

購入済み

リスク

投資で大事なことはリスク管理をいかにするかということを学べました!他にも経済状態を観察し、投資対象を決めるのではなく、その企業がどのような状態にあるかをしっかりと見極め、判断することの大切さを学べました。
何回も読み返して復習したい本です!

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2020年06月23日

Posted by ブクログ

ディフェンシブ投資を解いており、強気相場では市場平均、弱気相場では市場上回るパフォーマンスと言う考えは興味深かった。
20の章もそれぞれ頭の片隅に入れておきたい。

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2023年09月12日

Posted by ブクログ

投資で儲けようという気持ちはサラサラないがNISAで少額のインデックス投資をしているひとり、というぐらいの興味で手に取ってみた。
経済に疎い私なので、中頃からまず読み進め、必要に応じて前の章に戻るようにして読み進めた。
「人生論」、「社会の見方」みたいな視点で読むと面白いと思った。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

難しいかったので、読み進めるのに時間がかかった。
だけど、投資について色んな本を読むより、この本1冊で投資に望むマインドが理解できると思う。読みおった達成感もえられる1冊でした。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

はじめて投資の本読んだけどかなりおもしろかった!!
メッセージは何度も繰り返し流れてきて、シンプルで納得のいくものだったけど、とにかく実現は難しいなーと思ったので、わたしはパッシブのインデックスファンドに投資するんでいいか……とも思った笑
とはいえ、常に世界の動向をウォッチし、更に考え、推論を続けるということ自体はとてもおもしろい取り組みなんだろうなと思ったので、勉強みたいな気持ちでやってみるのもいいのかも。まあでもなくなってもいいようなお金でかな……。

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2025年02月22日

Posted by ブクログ

当たり前と言えば当たり前だが重要なことが書いてある。特に二次的思考の部分は一番印象に残っている。他者に対して優位性を持つには、より深く考えなければならない。

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2024年12月02日

Posted by ブクログ

とりあえずメモ
・とにかく慌てない。
・別の着眼点から見る癖をつける。
・不確かな予測より、調べればわかることに焦点を置く。
・投資スキルを持つ人は一定数いるが、それを正確に確かめるには数年単位の検証が必要。

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2023年11月18日

Posted by ブクログ

一番大切なことは20個ある、という矛盾したタイトルだが、そこに投資の奥深さがあるのかもしれないという示唆を得た。

市場の非効率性と二次的思考、明確に表出化しないリスクの捉え方、運に対する考え方、不知の知と振り子意識、バリュー投資など今や一般論化している投資哲学を改めて整理し直し(というより本書が原点か)、また市場が好調時に陥りがちな楽観的思考に警鐘を鳴らしてくれる。
一通りの投資理論を学ぶ前に読むべきだと感じた。

ただ、英語翻訳調っぽい日本語が読みづらく、ところどころ拙く感じた。次に読み返すときは原著にあたりたい。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

2012年の古めの書籍。バフェットが絶賛して、大量に買い占め株主総会で配布したらしい。
硬く読みにくく、とっつきにくい本だか重要なことが書いてあった。「儲かる10倍株の見つけ方」みたいな本とは真逆の内容。難しい本ではあるが、至極真っ当なことが書いてある。今まで読んできた投資の本の最終おさらい本といった感じ

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2023年04月20日

Posted by ブクログ

投資のマニュアル本ではなく投資哲学について書かれていて、少し難しいところとあった。メッセージとしては質の良い株を買うのがよいのではなく、本質的価値より安い割安な株を買う重要性が繰り返し説かれていた。また、「逆境で生き残る力と、良い時期にリターンを最大化することは両立しないため、バランスが大事」という言葉がとても印象的だった。総じて、ディフェンシブな投資を続ける根拠になる本だった。

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2022年08月28日

Posted by ブクログ

良書。
10年前の本だから、運用関係者には金融危機の余韻がまだ文章にも強く出ている。
でも、人間の欲深さは相変わらずで、ただいま再度バブルの後始末中ですね。

風船から空気が出ていくスピードは、風船の中に空気が入るスピードよりもかなり速い。P141

環境に左右されずに戦略や戦術に関する決断が下せる分野はほとんどない。運転中にアクセルを踏む強さは、道路の混み具合で変わる。ゴルフで使うクラブの選択は、風の状態で変わってくる。 中略 我々の投資行動も同じように投資環境に左右されるものなのだろうか。P228

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2022年08月13日

Posted by ブクログ

難しい本を想像していたけど意外と読みやすかった。
投資は科学ではなくアートだ、というのは言い得て妙である。
この本では繰り返し、本来価値よりも安い値段で買うことを投資の成功と定義付けている。
また、リスクがないと思い込んでいるのが一番のリスクというのは投資に限らず生活全般に言えることだと思う。
公務員だから、大手企業に勤めているから、リスクがゼロということはあり得ない。
どんな状況、環境でも常にリスクはつきまとう。

この本では、主に2008年のリーマンショック時を元に解説している。
リーマンショックとコロナショックを比較する本があれば読んでみたいと思った。
この本は、投資テクニックというよりも投資哲学の本である。
市場が過熱またはパニックに陥っている時に、いかに冷静になって腰を落ち着けて取り組むかが成功の鍵であると。

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2022年07月03日

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根本が書いてある本。
変動は幅が大きい=リスクが高い

一般的なリスクが高いの考え方は違う

途中で離脱してしまった

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2022年04月17日

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ネタバレ

【感じた事】
未来は予想できない、サイクルはからなず存在する。したがって投資家がすべき事は、現状をよく知り変化に応じた対応が出来るように努力する事だ。

【メモ】
・二次的思考の考え方
 -今後どのような範囲の出来事が起こりうるか
 -その中で、実際に起きるのはどれか?
 -その予想が当たる確率はどれくらいか?
 -自分の予想はコンセンサスとどう違うか?
 -その資産の現在の価値は、コンセンサスあるいは
  自分の考える先行き見通しに見合っているか?
 -価格に織り込まれているコンセンサスの心理は
  強すぎたり、弱気すぎたりしないか?
 -コンセンサスあるいは自分の予想が的中した場合、
  その資産の価格はどうなるか?

・非効率的な市場は必ずしも参加者に大きなリターンをもたらすわけではない。むしろ非効率的な市場は、
スキルの違いに応じて勝ち組と負け組を生み出す材料(ミスプライシング)を提供する。

・効率的ではないと判断するのに十分な根拠がないかぎり、市場は効率的でり、平均を上回るパフォーマンスをあげることはできない

・本質的価値を下回る価格で買い、上回る価格で売れ

・リスクの高い投資とは
 -高い期待リターン
 -リターンが低くなる可能性
 -場合によっては損失が出る可能性
 *資本市場線のリスクが大きい=高いリターンでは
  ない、変動分布がよりブロードになるということ!

・ファットテール
→テール・イベントが正規分布の場合よりも高い確率で発生する現象のこと

・投資家の成否は、利益をあげた投資の素晴らしさよりも、損を出した投資の規模で決まる。つまり、リスクコントロールができている事が優れた投資家と言え
る。

・投資世界にもサイクルが存在する、つまり前進もすれば後退もする。そしてこのサイクルは自律調整力があり、必ずしも外生的な事象が反転の原因となるわけではない。

・サイクルスパンは長短あれど、ほとんどの場合未来は過去と非常によく似た状況になる。

・証券市場における地合いの動きは振り子の振動に似ている、一端に向かう動きこそ、もう一端へ揺れ戻る
ためのエネルギーを生み出す。
  -陶酔感と沈滞感の間を
  -好材料への歓喜と悪材料に対する強迫観念の間を
  -そして、過大評価と過小評価の間を振り子のように揺れ動いている

・本質的価値に対する考えを維持し、周りがみな売ってる時に買うことが出来れば、それが最も低リスクで
高い利益を上げる方法である。

・リスクはみなが競って同じようにとろうとしている時ではなく、周りが避けようとしている時にとるのが望ましい

・投資ポイント
 -相場が振り子の軌道の一端に達するときに備えて
  警戒を怠らない
 -変化に応じて自分の行動を調整する
 -サイクルの頂点と谷底で多くの投資家を完全にまちがった行動へと駆り立てる群衆の振る舞いに、歩調
をあわせない

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2022年01月02日

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本質的価値を見極め、割安に資産を買って高く売るスタイルのバリュー投資家向けの本。投資家はみな勉強熱心なのに、なぜ市場では本質的価値から乖離した価格が付くのか、騰落を繰り返す市場サイクルの中でバリュー投資家たちはどのように振る舞うべきか、などについて解説された本。継続的に投資で成功し続けるための思考が学べます。

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2021年10月24日

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投資に際しての哲学や心構えが述べられている。
勝手に初心者向けの本かと思い込んでいたがそうではなかった。「金持ち父さん貧乏父さん」は一日で読み終えたが、本書は理解が進まなかったり寝落ちしたりしているうちに一週間以上もかかってしまった。
もちろん初心者も読むべきだと思うが(読み終えるのに時間がかかるし全ては理解しきれないかもしれないが)、ある程度の経験者こそ読んでおくべき本だと思った。いつかまた読み直したいと思う。

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2021年09月21日

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素人の自分でも多少わかるほどなので、非常に分かりやすく、専門用語を極力廃した形で説明されている。本書では教えが20に分割されているが、投資対象の本質的価値を把握し、自分の許容できるリスクを承知した上で、市場よりも高いリターンを目指す。一朝一夕で身につくものではないと思うが、読んでよかったと思う本だった。

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2021年05月24日

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オークツリー・キャピタル・マネジメントの創業者の著作。2009年出版。2012年邦訳。リーマンショックの状況からのリターンを背景にして書かれたと想像する。サブタイトルの Uncommon Sense for the Thoughtful Investor というのが、まさに著者のスタンスを表している。「隠れた常識」と訳しているのも良い。

バリュー投資にはじまって様々な投資の概念についての自分の見解を述べている。投資にまつわる論点が十分に網羅されており、投資家としては読み応えがある。

通常と異なる思考:二次的思考 Second level thinking p19の例示が良い。いずれも売り時・買い時の考え方。良い企業、景気見通し、企業業績と株価。平均的投資家を上回る成績を上げるにはコンセンサスの裏をかく必要

市場の効率性(とその限界)の捉え方:「効率的」というのは、「動きが迅速で、即座に情報を織り込む」という意味で、「正しい」という意味ではない。「反証を許す推定」・・・効率的ではないと判断するのに十分な根拠がない限り

バリュー投資とは:「バリュー投資とグロース投資とをはっきりと線引きすることはできない」
価格と価値の関係性:価格と無関係に良い投資アイデア、悪い投資アイデアと言えるものはない
・投資収益が得られる可能性のある方法
ー資産の本質的価値の増大で利益を得る
ーレバレッジをきかせる
ー保有する資産を本質的価値を上回る価格で売る
ー資産を本質的価値を下回る価格で買う

リスク:理解、認識、コントロール
リスク=ボラティリティと定義することに異議を唱える。投資家は、ボラティリティよりも、資金を失ったり、リターンが許容できないほど低くなったりすることを懸念して、投資を差し控える
リスクの大きさの測り方
ーリスクの大きさは見解上の問題
ーリスクを数値化する基準は存在しない
ーリスクとは見た目ではわからない
何かが起こったという事実は、それが起きるべくして起きたことを意味するものではない。また、何かが起きなかったという事実は、それ起きる可能性が低かったことを意味するものではない
人はリスクを認識する自身の能力を著しく過大評価する一方、リスクを避けるためになすべきことをひどく過小評価する
獲得するリターンに相応する水準よりも低いリスクをとる者こそ、すぐれた投資家

サイクル:注意を向けること
原則その①:ほとんどの物事にはサイクルがある
原則その②:利益や損失を生み出す大きな機会は、周りのものが原則その①を忘れたときに生じることがある
世界にサイクルが存在する根本的な要因は、・・・人が・・・感情的で一貫性のない生き物だからなのだと思う
(サイクルとは異なる)振り子
リスクに対する(投資家の)姿勢の振り子が軌道のどこに位置するのか。この見方があるから両サイドの見方ができる
投資における主要リスクを「損失を出すリスク」と「機会を逸失するリスク」の二つに集約した

心理的要因:悪い意味で、金銭欲→強欲、恐怖、自発的な不信の一時停止、同調する傾向、嫉妬、うぬぼれ、降伏

逆張り:振り子がどこまで振れるのか、動きがいつ反転するのか、反転後にどれだけ振れるのかは絶対にわからない
掘り出し物:投資は「相対選択の学問だ」
我慢強さ:Patient Oppoturnism. これは論点

無知:知りうることを知るように心がけなさい。予測についての論点
今どこにいるのか:サイクルのどの位置に立っているのか、そしてどのような行動を起こすべきなのか。「未来を知るのは困難だが、現状を理解することはそれほど難しくない」
運:積極果敢さとタイミングとスキル
ディフェンシブ投資:損失を回避することに力を注ぐべきだ。「誤りの許容範囲」
落とし穴:Pitfall 「想像力の欠如」と呼ぶ、分析上の過ち。起こりうる結果のすべてを思いがけないこと、あるいは、より極端が事態が生じた場合の影響を完全に理解していないこと
付加価値とは:投資環境が良いときに、逆境時の損失を超える規模のリターンを得るには、投資家個々のスキルに頼るほかない。これこそが我々が追求する投資の非対称性だ。

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2021年04月18日

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本著は優れた投資家とは何か、また、市場との向き合い方とはを示す良書である。
著者は市場を二次思考という角度で市場を見ることを推奨している。単に自分が考えている視点は、自分だけの視点ではなく多くの人がその答えに辿り着いていると自覚する視点を提案している。つまり、企業一つにつき多角的な視点で物事を見る訓練をせよと問いている。
そして、絶対的な成功は無いと断言する。運の影響も多分にあるとした上で投資家としての余白を持つことを強調している。市場に投資するうちは一喜一憂しがちだが、それでは優れた投資家とは言えない。短期的な利益獲得ではなく、中長期視点で市場を見る大切さを述べる。
投資家として、どのような角度で分析をするのか。また、絶対に儲かるという話はないということ。市場が自分が出した答えを出すには時間が掛かるということだ。そして、忍耐強い精神が必須とも繰り返す主張している。
私も同意だ。投資は他人任せではいけない。自分の頭でしっかり学び、失敗をし、対処していく必要がある。短期的な利益で富裕層にはなれない。投資はギャンブルではない。学習した上で成り立つ世界なのだ。こういう投資家の視点や考え方に触れ、自分なりにカスタムすると良いだろう。
投資には正解はない。そして絶対もない。ただ、相応の学習量と実践が必要ということだ。学びながら行動すると良いだろう。市場は人で出来ている。そこには感情があり、声がある。古典なども読みつつ、投資家が今、どういう視点で物事を判断しているのかを知り、誰かの言葉や判断ではなく、必ず自分の責任と判断で決めると良いだろう。それが成功しても失敗しても学びはある。優れた投資家とは一喜一憂しない冷静な投資家を本著の本質では指すと私は認識している。

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2025年10月26日

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本書は市場平均をアウトパフォームしたいアクティブ投資家、いわば「投資ガチ勢」に向けた指南書。S&P500へのインデックス投資で市場平均のリターンを長期で得られさえすれば良いパッシブ(受け身)な自分にとっては、本書で述べられる著者の投資哲学やリーマンショックを潜り抜けた成功体験等は敷居が高いものでした。
投資ガチ勢がここまでの深い思考や洞察に基づき日々しのぎを削る市場で、素人が市場平均(インデックス)に勝てるわけがなく、愚直にパッシブ投資に殉じることが正解である、という自分が投資を始めた原点を再確認できた意味において、本書は有用でした。

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2025年01月25日

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投資中〜上級者向けの内容。投資哲学や市場との向き合い方等が書かれている。
投資は科学よりもアートに近い。科学は管理された条件下で因果関係が確立されるが、市場を動かすのは投資家の心理であり投資環境はコントロールできないため。

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2023年02月13日

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著者が発行する投資家向けレターは、バフェットが何よりも早く読んでいたという。期待が集まって価格が高い資産は低下リスクも高いとし、合理的な市場の価格形成より人間の心理を重視した実践的な知識が満載の本。

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2021年07月25日

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