あらすじ
《本書は、私の投資哲学の声明文である》
《私の狙いは、読者がこれまでに触れたためしのない投資に関するアイデアや思考方法を伝えることにある》
●どうしたら投資リスクを限定できるのか
●コンセンサスと別の見方をする理由とは
●市場環境が芳しくないときに、損失を最小限に抑えるには
●絶好の投資機会を見つける逆張りの考え方とは
●ミスプライシングが起こりやすい非効率市場を見つけるには
●マーケット・リターンを上回る「成功する投資」を達成するには
■バフェット大絶賛!
「極めて稀に見る、実益のある本」――バフェットも大絶賛。バフェットは著者に対し「君が本を書くなら、必ず推薦文を寄せる」と日頃から本の執筆を促していたそうです。出来上がった本書をバフェットは大変に気に入り、バークシャー・ハザウェイの株主総会で配布したほどです。
■成功する投資哲学とは?
本書は成功した投資家が教える投資のノウハウ本ではありません。著者が強調するのは投資の難しさです。しかし、その難しい投資の世界で市場に40年以上にわたって勝ち続けてきた著者が語る哲学に満ちた本書は、投資の基本書として古典となりうる珠玉の名言に溢れています。市場の見方、リスクの捉え方、市場コンセンサスとは別の見方をする「逆張りの思考法」、ミスプライシングが起こる非効率市場の見つけ方など、根本的かつ重要な投資哲学が1冊に!
■著者は巨大ファンドの創業者
著者が創業したオークツリー・キャピタルは、運用資産残高が約800億ドル(約6.2兆円)にのぼる巨大ファンドを運用し、高利回り債(ハイイールド債)と不良債権(ディストレスト・デット)への投資を得意とする著名投資会社です。
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Posted by ブクログ
最良の投資方法とは、暴落時にどんな価格でもとにかく売らなければならない人から買い、ファンドの資金流入により、価格に関係なく買わなければいけない人に売ること!
自分が投げ売りする側にならないよう、最悪の時期に資産を売らずに済むよう、長期資本と心理的な強さを持つ!
投資の世界で最も重要な学問は会計学でも経済学でもなく、心理学だ!
最も安全で、最も高い収益性が見込まれる投資をするには、誰も欲しがらないものを買えば良い。時間と共にその資産の人気や価格が変わるとしても、上にしか行かないからだ!
市場は「より高いリスクをとれば、より高いリターンを得られる」ように価格を形成する。しかし、市場は何時もそのように動くわけではない。高いリターンが得られるのであれば、それはリスクの高い投資ではないからだ!
大抵の場合、資産価格は割高でもなお上昇中、あるいは割安でもなお下落中、のどちらかの状態にある。知的で教養がある投資家も、可能な限り自分の信念を貫き続けるが、経済的、心理的な圧力が高まると、ついに「降伏」する。これはサイクルの最後の方に決まって現れる!
強欲と人的ミスの結果、生じた好材料が闇雲に高く評価され、悪材料が無視されている時に、その輪に加わらない決断をすること。これが、バブルで損失を出さずに済むためのカギ!決して簡単ではない!
Posted by ブクログ
【感じた事】
未来は予想できない、サイクルはからなず存在する。したがって投資家がすべき事は、現状をよく知り変化に応じた対応が出来るように努力する事だ。
【メモ】
・二次的思考の考え方
-今後どのような範囲の出来事が起こりうるか
-その中で、実際に起きるのはどれか?
-その予想が当たる確率はどれくらいか?
-自分の予想はコンセンサスとどう違うか?
-その資産の現在の価値は、コンセンサスあるいは
自分の考える先行き見通しに見合っているか?
-価格に織り込まれているコンセンサスの心理は
強すぎたり、弱気すぎたりしないか?
-コンセンサスあるいは自分の予想が的中した場合、
その資産の価格はどうなるか?
・非効率的な市場は必ずしも参加者に大きなリターンをもたらすわけではない。むしろ非効率的な市場は、
スキルの違いに応じて勝ち組と負け組を生み出す材料(ミスプライシング)を提供する。
・効率的ではないと判断するのに十分な根拠がないかぎり、市場は効率的でり、平均を上回るパフォーマンスをあげることはできない
・本質的価値を下回る価格で買い、上回る価格で売れ
・リスクの高い投資とは
-高い期待リターン
-リターンが低くなる可能性
-場合によっては損失が出る可能性
*資本市場線のリスクが大きい=高いリターンでは
ない、変動分布がよりブロードになるということ!
・ファットテール
→テール・イベントが正規分布の場合よりも高い確率で発生する現象のこと
・投資家の成否は、利益をあげた投資の素晴らしさよりも、損を出した投資の規模で決まる。つまり、リスクコントロールができている事が優れた投資家と言え
る。
・投資世界にもサイクルが存在する、つまり前進もすれば後退もする。そしてこのサイクルは自律調整力があり、必ずしも外生的な事象が反転の原因となるわけではない。
・サイクルスパンは長短あれど、ほとんどの場合未来は過去と非常によく似た状況になる。
・証券市場における地合いの動きは振り子の振動に似ている、一端に向かう動きこそ、もう一端へ揺れ戻る
ためのエネルギーを生み出す。
-陶酔感と沈滞感の間を
-好材料への歓喜と悪材料に対する強迫観念の間を
-そして、過大評価と過小評価の間を振り子のように揺れ動いている
・本質的価値に対する考えを維持し、周りがみな売ってる時に買うことが出来れば、それが最も低リスクで
高い利益を上げる方法である。
・リスクはみなが競って同じようにとろうとしている時ではなく、周りが避けようとしている時にとるのが望ましい
・投資ポイント
-相場が振り子の軌道の一端に達するときに備えて
警戒を怠らない
-変化に応じて自分の行動を調整する
-サイクルの頂点と谷底で多くの投資家を完全にまちがった行動へと駆り立てる群衆の振る舞いに、歩調
をあわせない