【感想・ネタバレ】戦略の世界史(上) 戦争・政治・ビジネスのレビュー

あらすじ

野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)推薦!
「空前のスケールで戦略の本質を追究、知的興奮を覚えずにはいられない」
戦略研究の世界的権威による渾身の傑作!

■大国や大企業の命運をかけた決断から、個人の日常生活におけるさまざまな行動にかかわる意思決定まで。強者か弱者か、職業、社会的地位を問わず、誰もが、あらゆる組織が必要としている戦略。それは、いつから人間の世界に登場し、どのように用いられ、変容してきたのか?
■聖書の世界から、ペロポネソス戦争、ナポレオン戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などの戦争や軍事戦略、そして、革命運動、公民権運動、大統領選挙戦など政治との関わり、さらにアメリカ巨大企業の経営者、経営戦略家によるビジネス革命まで、広大な視野のもとに戦略の変遷を論じる。また、神話、歴史書、文学、哲学、経済学、社会学、心理学、政治学など多様な分野にわたり、人間と戦略の関わりを解き明かし、戦略とは何か、を追究する。
■上巻では、戦略の起源を、聖書、古代ギリシャ、孫子、マキャベリ、ミルトンに探り、ナポレオン、ジョミニ、クラウゼヴィッツ、モルトケ、マハン、リデルハート、マクナマラ、カーン、シェリング、ロレンス、毛沢東などの軍事戦略、トルストイの思想を取り上げ、そして弱者の戦略として政治的な戦略の軌跡を、マルクス、エンゲルス、バクーニン、レーニンなどの革命家、ウェーバーら社会学者の思想に探る。

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Posted by ブクログ

軍事戦略や経営戦略といった「戦略」を概略する本ではない。戦略史の発端から変遷までを綿密に追う大著である。まず冒頭のマイク・タイソン氏の引用が最高にかっこいい。

我々が想像する戦略の基本である孫子やクラウゼヴィッツはもとより、旧約聖書やギリシャ神話に描かれる「戦略」の起源めいたものから、核戦争・社会主義など前近代の高度政治戦略や戦略理論の盛衰、ジョミニやトルストイといったほかではあまりお目にかからない話題など、本書の網羅する範囲は膨大だ。(まだ上巻なのに)気軽に読める本ではなく要約もしにくい本のため戦略論を学びたい人にはお薦めできないがとにかく知的好奇心が満たされる本である。

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2019年01月14日

Posted by ブクログ

本書は、あくまでも「世界史」の本であって、「戦略」の本ではない。

第1章、第2章でチンパンジーの闘争から始まり、聖書のアダムとイブの楽園追放、古代ギリシャにおける戦争、ナポレオン戦争、第一次、第二次世界大戦、核戦争、ベトナム戦争を代表とする非正規戦争、アルカイダとの対テロ戦争までと戦争についての総論を孫子、クラウゼヴィッツを初めとする戦略家の理論を絡ませて、古代から現代までの戦争について戦略が述べられる。
第3章からは民衆の戦略論となり、国家の戦略ではなく民衆からの視点で戦略論が述べられる。最初は、マルクス、レーニンを初めとする共産主義の台頭について語られ、下巻ではビジネスにおける戦略論が語られてく。

本書とよく比べられる同時期に出版されたジョン・ルイス・ギャディス『大戦略論』が全体として歴史上の指導者の決断についての考察に焦点を絞っているのに対し、本書は戦争についての総論(第1章、第2章)・民衆の戦略(第3章)という感じで分かれており、特に第1章、第2章では世界の戦争における戦略を時系列的に読んでいくことができるので読みやすい(そのかわり上巻だけでも470ページ以上と膨大ではあるが・・・)。

この本の上巻を読み終わって、重要な歴史上の場面や戦略家についてさらに深く学びたいという好奇心が出てきたのは確か。さらに下巻も気合いを入れて読もう。

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2019年04月11日

Posted by ブクログ

上巻だけで477頁と読み応えあり。ギリシャ時代のトゥキュディデスに代表されるストラテゴスやクラウセヴィッツ、リデルハートと戦略の大家が百花繚乱であるが、戦略も時代を経て、大いに変わるものだと理解した。

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2018年12月14日

Posted by ブクログ

軍事や国家的な戦略に限定するのではなく、そもそも戦略という曖昧なものがどう生まれ発展してきたのかを、チンパンジーや旧約聖書から始まって宗教や社会思想など広範に抑えた歴史の本。

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2019年02月16日

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