大森藤ノのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前巻で大きな事件も解決し、次はどんな新しい冒険が始まるのだろうと思って読み始めたのだけど、まだ何も終わってはいなかったんですね。むしろ、ここからが大変だったんだなと、読み終わってようやく知りました。
自分が浅はかなだけだったんだろうけど、ひと段落したし、じゃあ次は新章ねって、そんな簡単にはいかないですよね。あのまま終わっていたら、ほかの読者が納得しなかったはず。
お恥ずかしいながら、そんなことを露ほども考えず先の展開を楽しみに読み始めたから、この長く壮大なエピローグに、これまでで一番の感動と衝撃を覚えました。
本当にここまで詳細に、そしてここから始まる次なる展開への布石として丁寧に書いてくれて、さらには、息つく暇もないほどの緊迫した展開を読ませていただき、本当に感謝です。
大冒険を読み切った気持ちの良い読後感に浸れました。 -
Posted by ブクログ
『杖と剣のウィストリア グリモア・アクタ』を読み終えた今、胸がいっぱいで言葉になりません。ウィルとエルファリアの切なすぎる過去、そしてあまりにも尊い絆に、全編を通して涙が止まりませんでした。どこを切り取っても素敵な文章ばかりで、胸に刺さった言葉をそのまま抱きしめたくなるような、本当に特別な一冊です。
前半、何よりも心を抉られたのは、エヴァン先生から突きつけられた「残酷な現実」でした。
「自分の無知を自覚しましたか?己の罪を理解しましたか?ー貫様ごときがあの才能を潰すなどあってはならない」
罅割れていく僕の心と同調するように、『氷鳥』に裂が走った。
エヴァン先生の容赦ない言葉が、ウィルの心を粉々に砕いていく描写が本当に辛いです。そして、二人の引き裂かれる別れの場面。
「ウィルがいないんだったら、意味なんてない!」
「ウィルーーーーーー!」
「エルフィーーーーーーー!」
体も心も引き離されていく二人の絶叫が、痛いほど響いてきました。
絶望の底にいたウィルを救ったのが、まさかの幼少期に出会っていたゼオだったという展開には鳥肌が立ちました。
「奪われたくなけりやあ、獣みてえに吠えろ!弱さを捨てて這い上がれ!何もかも奪い返すために、死ぬ気でブチ当たってみせろ!!」
この叫びが、ウィルを「一振りの剣」として生まれ変わらせる。エルフィの力で魔法を使っていた彼が、自分の意志で剣を握り覚悟を決めるシーンは、熱さと切なさが混ざり合って胸が震えます。また、シオンがウィルをいじめる理由が「二度と忘れられなくなるくらい、僕があいつをいじめてやる!」という、恋にも似た執着だったという事実も、歪んでいるけれどあまりに純粋で深く印象に残りました。
そして物語のクライマックス、エルフィのピンチに駆けつけたウィルが、強敵を倒すために最後の「宝物」である記憶さえも手放していく姿には、涙が溢れて止まりませんでした。
「..・・・・・エルフィ、って・・・・・・誰だっけ・・・・・・・•」
魔導学院の仲間も、大切な思い出も、そしてエルフィの名前さえも失い、世界が白く染まっていく。それでも、記憶をすべて無くした「剣」が、目の前の泣いている少女のために祈る言葉が、あまりにも美しくて、どこまでも切ないのです。
「名前も知らない君へ。どうすれば笑ってくれますか?どうすれば泣かないでくれますか?」
「夢を見る君の瞳には、決してかなわないと、そう思うんだ」
名前を忘れても、魂に刻まれた「誓い」である「夕日を見に行く約束」だけは決して消えなかった。
『剣』となって、どんなに記憶を喪っても、それでも離さなかったもの。色褪せぬ約束。
「一緒に、『夕日』を見に行こう!」
もう一度響くこの言葉に、救われるような思いがしました。
ラストで、魔女(校長先生)から日記を渡されるシーン。
「もし・・・・・・たとえ貴方が忘れてしまったとしても、こんなことがあったと思い出し、その軌跡を力に変えられるように」
本の表紙に綴られる題名はーー「導きの魔録書(グリモア・アクタ)」
このタイトル回収の美しさに、ただただ脱帽しました。これからウィルが綴っていく日記が、彼らの失われた記憶を繋ぐ光になる。そしてウィル自身の力に繋がると未来を少し知っている私としてはこのシーンに喜びを感じる。
二人の未来にどこまでも希望を感じさせる、最高に愛おしい物語でした。 -
購入済み
二巻
かなりサクサク読めるのに、内容が充実してると言う、すごく得した気分
無料は終わったが当然の事ながら3巻も無事購入 -
購入済み
寝不足
この作品を複数冊読む場合
絶対に休みに読んだ方がいい
俺みたいに徹夜で一気見をしてしまう前に
話の進みがいい -
Posted by ブクログ
エピソード『ヘイズ』を読み、彼女の泥臭くも圧倒的な輝きに深く胸を打たれた。
かつてヘイズは「ありとあらゆる者に敗北した。始まりの朝焼けも、終わりの夕暮れも、血塗れの体と瞳を焼く黄昏のその光は、欲していた黄金の光とはほど遠く」という絶望の中にいた。勇士になれず、「(く、そぉ・・・・・・・)」と挫折に心を軋ませていた彼女が、アミッドと手を取り合った瞬間に世界が変わる。『黄金の魔女』と『銀の聖女』が起こした奇跡の共闘。それは、「一秒の間に破壊されるならば、秒にも満たない刹那のうちに全快すればいい」という、二人の出力を掛け合わせた圧倒的な飽和回復だった。「余計なことをッ!!」と毒づきながらも、「金と銀の光を纏うヘイズ」として無双する姿には鳥肌が立った。
どん底から這い上がり、今や満たす煤者達の長となった彼女は、神々すら見通せない未来を生きている。傷は消えなくても「それでも生きて、やっていくしかないのだろう」と空を仰ぐ姿に、人間としての強いレジリエンスを感じる。
彼女は勇士にはなれなかったが、戦士を産み落とす大地となり、胸に秘めた「いつか、本物の黄金に」という誓いを手放さない。そんな彼女にフレイヤが贈った「ありがとう、ヘイズ。こんなにも輝いてくれて」「ありがとう、私の大切な黄金」という言葉は、読者の心の声そのものだ。魂を黄金に変えた彼女の軌跡に、心からの拍手を送りたい。 -
Posted by ブクログ
9巻から続く上下巻の第10作目。
理知を備えた異能のモンスター「異端児(ゼノス)」を取り巻く差別の話に終始するのかと思っていたら、予想を遥かに凌ぐ壮大な話でした。
第10巻は千年も前から続く呪い(カース)が主題だった気がするけど、呪いって意外と身近なものでもあるんじゃないかという気が、今作を読んで思いました。
だって、もしも自分がもっと裕福な家に生まれていたら、逆に貧しい家だったら、違う国だったら、人種だったら。自分では選べない最初のガチャの結果によっては、あらゆるものを呪っていたかもしれない。(全然話の規模は違うけど)
それによって差別だって受けていたかもしれない。
そう思うと、ファンタジーの世界も現実も、問題の根底は変わらないのかもと思いました。
ただ、ここまであまり冒険をしてないような気もする。
話が大き過ぎてそんな暇なんかないって感じ。
今回の結末も読んで、冒険譚ではなく英雄譚にだんだんなってきたなと。
もっともっとダンジョンに潜って冒険やら、とんでもないアイテムやら、伝説の装備やら、そういう話はまだないのかな。