椙本孝思のレビュー一覧
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魔術にとり憑かれた建築家が建築し、その直後館内の一室でその建築家が自殺を遂げた洋館「魔神館」。
その建築家を崇拝し、自らも建築家である現在の館の主人に呼び寄せられた11人の人々。
主人を含め、彼らは十二星座それぞれ異なる星座の生まれ。各々の部屋には星座の名が冠され、玄関ホールには巨大な魔神像を崇めるように十二星座を表す像が配置されている。
折からの台風で陸の孤島と化した館で幕を開ける殺人。
同時に星座像も一つまた一つと壊されていく…
もう、こってこての館ミステリ、嵐の山荘で読んでいて嬉しくなりましたよ。
最後の謎解きの意外さとぶっ飛び感は賛否両論ありそうですが、僕は大好きです。
その謎解きのあ -
Posted by ブクログ
椙本孝思『ハイエナの微睡 刑事部特別捜査係』角川文庫。
予想外の大仕掛けに驚かされた衝撃の警察小説。見事な仕掛けなのに、ストーリーと文章に粗さが目立つのが何とも残念。もう少し細部に拘っていれば大傑作だったに違いない。
宗教都市・深石市で、五体はバラバラで頭部は電子レンジで加熱調理されているという過去に例を見ない凄惨極まる殺人事件が発生する。現場に駆け付けた刑事部捜査一課特捜係の佐築勝道は被害者が現役警察官であることを知り、事件の背後に巨悪の影を感じるのだが……
タイトルの『ハイエナの微睡』が無理矢理っぽいし、美弥子に都を引っ掛けたのもあからさま過ぎるし、この辺りも含めてもう少し巧妙に細部 -
Posted by ブクログ
へたれ探偵シリーズ。相変わらずのへたれっぷりなのだけれど、へたれゆえの着眼点と観察力は実に見事としかいいようがありません。これと正々堂々とした探偵キャラは両立しえないのかしら(笑)。
長年奈良に住んでいる私ですが、たしかに大仏様は立って歩きませんねえ。まさか! と驚愕しました。うーむ、見てみたいなあ、立って歩く大仏。これは実現不可能じゃないですよね?
「通天閣のビリケン暗号」も面白かったー。この暗号、なかなかに難解だけれど。説明されてみるとなるほど! と膝を打つような出来ですね。しかし柔井の危機察知能力がとんでもないなあ……そのわりには、回避できないのがあまりに気の毒ですが。