カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧
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『猫のゆりかご』の2年後の作品。どこか風味が似ている。ウィットとユーモアたっぷり、実によくできている。
エリオット・ローズウォーター。大富豪、ヒューマニスト、慈善家、インテリで、歴史好き、そして酒好き。そのハチャメチャな生き方。箴言もたくさんある。一番気に入ったのはこれ。「けちけちするな。親切であれ。芸術と科学は無視してもいい。どちらもだれのためにもならないからだ。」
エリオットの好きなSF作家はキルゴア・トラウト。66歳、現役の倉庫係。87冊のペイパーバックを出しているものの、ほぼ無名。代表作は『2BRO2B』、ツービーアーノーツービー。数ページ出てくるだけなのに、強い印象を残す。 -
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ネタバレ『スローターハウス・ファイブ』、または『子供十字軍』として知られる本作は、村上春樹が多大な影響を受けたことで知られるカート・ヴォネガット・ジュニアの代表作だということで手に取った。
はじめは「スローターハウス」を文字どおり「虐殺の館」と解釈し、大衆性の強いSFホラーを想像していだが、実際には、SF的装置を用いて、諧謔的に、しかし現実的に、戦争における人の死という主題を鮮明に浮かび上がらせていく作品だった。
主人公ビリー・ピルグリムは時系列に反して時空間を行き来するため、場面ごとの関連性は薄いように感じられるが、その脈絡の無さが、本作の主題を考えるうえでの中立的な視点を与えてくれている -
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ごく稀に、ほんとうに元気…というよりも逆に追い込まれているのか、いまここに生きていることを実感するために、どう生きるか考えるために、生きること、死ぬことを描いた小説を、無性に読みたくなるときがある。(とても傲慢な感覚なので、言葉にするのがとても難しいです。ご不快に思われたら申し訳ありません。)
タイトルと、そのタイトルの由縁、戦争、捕虜、ドレスデン大空襲、それを描いたSF小説。
あらすじを読んで、このテーマがどう絡み合うのかがずっと疑問だった。ずっと読んでみたかったけれど、読むとくらってしまう性分なので怖気付いて敬遠していた。でもふと、読みたくなって手に取った。
戦争がはじまったとき、あ -
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ビリー・ピルグリムは検眼医
彼はけいれん的時間旅行者で、つぎの行先をみずからコントロールする力はない。したがって旅は必ずしも楽しいものではない。人生のどの場面をつぎに演じることになるかわからないので、いつも場おくれの状態におかれている、と彼はいう。
そんなビリーはトラルファマドール星人に拐われ、トラルファマドール星で動物園に入ることになる。
そして人生のなかばを過ぎるころ、トラルファマドール星人から助言を受けた。「幸福な瞬間だけに心を集中し、不幸な瞬間は無視するように、美しいものだけを見つめて過すように、永劫は決して過ぎ去りはしないのだから」と。
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ネタバレ私では理解できないところが多かったので、YouTubeやWebサイトで不明点を補完しつつ理解を進めました
他者からの解説を見て、継ぎ接ぎですが、理解を進めた上で、思ったことを書き留めたいと思います
このお話は作者であるカート・ヴォネガットについて知る必要があると感じました
作者の伝えたかった事は、要約すると
「地球人の行動は全て決められており、トラルファマドール人の大したことのない出来事のために利用されていた
だが、自分自身の身近で起こった出来事や身近な人の存在は、自分の人生において大切であり、大きな意味があるという事」
ではないかと想像されます
マラカイの人間関係から考慮すると、そ -
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ネタバレ 購入済み
過去と今
カート・ヴォネガットは自身が体験したドレスデン爆撃をもとに、この小説を執筆したらしい。
自身で体験されたことあって、表現は、生々しく、そして、ユーモアに書かれている。
ただし、物語として見ると、少し味気ないのかなと思う。
同じ作者の作品のタイタンの妖女の方が、ストーリーとしては好きだ。
場面がコロコロ変わるのだけど、そこまで印象が残るような、物事は起きないから、多分味気ないと感じたのだと思う。
トラルファマドール星人は4次元の目を持っていて、時間を自由に行き来することができるという。
だから彼らは宇宙の終わりも知ってるし始まりも知っているそう。
主人公も、作品中人生の時間の枠で、様々な瞬間