カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧

  • タイタンの妖女

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    太田光が人生でいちばん大事な本として紹介しており興味を持った。
    はじめに主人公がこれからたどる道筋を提示されるが、どのようにそれが達成されるのか全く予想がつかず、とても面白かった。
    自由意志に関するニヒリズム的な解答から、人類の歴史の隠された真実まで描く大きな規模のSFだが、等身大の人間のおかしみを通して語られるため、とても読みやすかった。

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    2025年04月02日
  • スローターハウス5

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    ごく稀に、ほんとうに元気…というよりも逆に追い込まれているのか、いまここに生きていることを実感するために、どう生きるか考えるために、生きること、死ぬことを描いた小説を、無性に読みたくなるときがある。(とても傲慢な感覚なので、言葉にするのがとても難しいです。ご不快に思われたら申し訳ありません。)

    タイトルと、そのタイトルの由縁、戦争、捕虜、ドレスデン大空襲、それを描いたSF小説。

    あらすじを読んで、このテーマがどう絡み合うのかがずっと疑問だった。ずっと読んでみたかったけれど、読むとくらってしまう性分なので怖気付いて敬遠していた。でもふと、読みたくなって手に取った。

    戦争がはじまったとき、あなたはまだ子供だった。戦争で犠牲になるのはいつも子供達。第1章でメアリの語る憤り、そして「ジェノヴァの善良な人びと、万歳!」
    善良な人びと、万歳。愛すべき隣人たち。
    すべてが失われた焼け跡で鳥がいう。
    何度も何度も、この部分を読み返してしまった。

    ドレスデンの大空襲は、ケストナーの戦争日記にてお母さんからの手紙で出てきたような気がする…

    とにかく、ありのまま 自分の手で 試行錯誤しながら…悩み抜いて…でも時に軽やかに… そんなふうに書かれていて、読んでいてなんだか、ふわふわと気持ちが軽くなるシーンや、ビリーの感情に呼応して泣き出してしまうシーンや、なんとも滑稽ですこし笑ってしまうシーンや,切なくて寂しい、でも永遠なんだ、と安心するようなシーンが
    痙攣的に訪れて。なんだかよくわからないんだけれど、とても、読めてよかった、と思えた。
    "そういうものだ"と繰り返されることばは、
    諦めのようでいて、不条理なようでいて。軽やかなようで、ずしんと重く響くような。
    起きたことなんだ、そういうものなんだ、そこに、やるせなさを感じるということは そういうものだ、と理解しようとしているようで、ぜんぜん納得できていないように感じるのだ。
    日々感じている不条理さ、不甲斐なさと、実際にそのことが自分の身の回りではじまった その時に自分はどう生きるのかどう振る舞えるのか、そういうことを日々考えている。そういうことを考えて気が滅入ったり、落ち込んだりする私に、ビリーが、ヴォネガットが、寄り添ってくれた。そう、そう思えた。

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    2025年04月03日
  • タイタンの妖女

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    はじめてのSF小説でしたが、楽しく読めたと思います。わからないことがあってもそのまま読み続けたら、どんどん繋がっていってさらに読みたい気持ちがあふれていきました!

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    2025年03月12日
  • スローターハウス5

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    ビリー・ピルグリムは検眼医
    彼はけいれん的時間旅行者で、つぎの行先をみずからコントロールする力はない。したがって旅は必ずしも楽しいものではない。人生のどの場面をつぎに演じることになるかわからないので、いつも場おくれの状態におかれている、と彼はいう。

    そんなビリーはトラルファマドール星人に拐われ、トラルファマドール星で動物園に入ることになる。

    そして人生のなかばを過ぎるころ、トラルファマドール星人から助言を受けた。「幸福な瞬間だけに心を集中し、不幸な瞬間は無視するように、美しいものだけを見つめて過すように、永劫は決して過ぎ去りはしないのだから」と。

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    2025年02月04日
  • スローターハウス5

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    決してわかりやすい物語ではないのだけど、まるで水を飲むようにスーッと入ってくる。そんな文章だった。
    トラルファマドール星人の時間感覚を受け入れられる人はスーッと読めると思う。
    その時間感覚ゆえの世界の捉え方、「そういうものだ」と全てを一時的なものとして受け流していく生き方は、地球人の感覚からすれば投げやりにも見える。
    それでも、数えきれない不条理が、トラルファマドール星人のフィルター(ビリーは地球人だけど)を通して語られることで、一種の癒しを得た気がした。

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    2024年11月18日
  • チャンピオンたちの朝食

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    先月読んだ、『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』のヴォネガット・ジュニアの小説。
    当時のアメリカに対する風刺がおもしろい。
    クェンティン・タランティーノや筒井康隆に通じる。

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    2024年10月23日
  • スローターハウス5

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    ヴォネガットの半自伝的名作。
    ありとあらゆる理不尽を「そういうものだ」と一言で言い表すセンスに脱帽。
    戦争を肌で体験している人にしか描けない境地。

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    2024年01月04日
  • スローターハウス5

    ネタバレ 購入済み

    過去と今

    カート・ヴォネガットは自身が体験したドレスデン爆撃をもとに、この小説を執筆したらしい。
    自身で体験されたことあって、表現は、生々しく、そして、ユーモアに書かれている。

    ただし、物語として見ると、少し味気ないのかなと思う。
    同じ作者の作品のタイタンの妖女の方が、ストーリーとしては好きだ。
    場面がコロコロ変わるのだけど、そこまで印象が残るような、物事は起きないから、多分味気ないと感じたのだと思う。

    トラルファマドール星人は4次元の目を持っていて、時間を自由に行き来することができるという。
    だから彼らは宇宙の終わりも知ってるし始まりも知っているそう。
    主人公も、作品中人生の時間の枠で、様々な瞬間を旅するのだけど、あれは思い起こしているのか、実際にその瞬間に行っているのか、わからなかったのだけどどっちなんだ?

    トラルファマドール星人は宇宙の終わりを知っているけど、誰も止めるつもりはないらしい。
    トラルファマドール星人はそれを受け入れているのか、だから主人公も旅するけど、結局同じ事をその時するのか、よくわからない。

    もう一度読んでみると思う。
    そうすると色々わからなかったこともわかるかも

    最後に僕はこの文を見た時、少し感動した。
    神よ、願わくば私に、変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とを授けたまえ。
    変わるのは、想像以上に難しい。
    多くの人の悩みだと思う。
    だから皆、自分の生まれた時の才能や、自分の問題を人のせいにするのだと思う、
    主人公のように僕達も変えられないことを受け入れて、変えることのできる事を今変えていくことが大事なんだなと読んでいて思った。
    ありふれた哲学本に書いてありそうな、
    内容の感想になったね。

    #感動する

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    2023年07月23日
  • タイタンの妖女

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    ネタバレ

    この世の原理はカルヴァンの予定説的摂動()であり、然もその予定は神ならざる力に拠りもたらされる!みたいな。

    予定説のヨの字も出てこないんですけど、これは予定説です。

    唯一、作中のハーメルンの笛吹き男的登場人物のモデルがF・ルーズヴェルトてのが気に入らなかったけど、面白かった!

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    2025年10月26日
  • スローターハウス5

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    再読
    2026.3.27
    言葉で表せない戦争という惨劇の前でただ立ち尽くしてしまう感覚 
    繰り返される「そういうものだ」 この後には「と言うしかない」と続くのではないか
    ラスト付近のこの言葉は無力な個人が、それでも生きていくための祈りだと思う
    「神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを見分ける知恵をさずけたまえ」


    2022.11.12
    人間の自由意志を否定したくなるほどの大量の死をもたらす戦争をトラルファマドール星人式の世界認識で追体験する。彼ら曰く全ては同時に存在しており、死は一時的なものなのである。

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    2022年11月12日
  • 母なる夜

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    アメリカのスパイとしてナチスドイツに仕えた男が、戦中・戦後の出来事について綴った手記という形をとっている。一人称でありながら、心情はとてもドライに描かれる。ハードボイルド的といっても良いかもしれない。彼はユダヤ人迫害の正当性など何一つ信じていないのに——彼自身が言うところの分裂症的に——表向きは完璧にナチスの手助けを続ける。生き延びるために罪を背負わざるを得ない、このような人物を一体どう捉えればよいのだろう。どこまでも辛い物語だが語り方には優しいまなざしが感じられ、そのギャップが強く印象に残る作品だった。

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    2021年04月04日
  • 母なる夜

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    ネタバレ

    人生において自分が何の役なのか、自分の役は善悪どちらなのか、自分を見つめる周りの目にはどう映るのか、それを知らないまま生きることも幸せな人生の一つの答えなんじゃないかなと思う。 それを知り、生きる意味や目標を追求することは普遍のテーマだけど、その達成は同時に失う事も所有することとなり、誰もが小さなレシと同じ結末を迎えることになると思うから。

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    2019年10月23日
  • 母なる夜

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    なぜ人はこうも寂しいものなのかという事をつくづく感じるばかり。畳み掛けるユーモアの効いた皮肉にズキズキ心が痛む。

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    2017年10月24日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ネタバレ

    1952年に書かれた近未来小説。
    現代を言い当てているようなところだとか、
    現代からつながっていく近未来を感じさせるところもあります。
    全体としてはレトロな未来ですけどね。
    たとえば、個人のもつIDカードがパンチカードだったりする古さがあるし、
    半導体はでてこなくて、真空管がでてきます。

    駒を動かす盤ゲーム(チェスみたいなものかな?)
    で人間を負かすための機械がつくられたり、
    機械に仕事をとってかわられてリストラされたり、
    格差のある階級社会になっていたり、
    21世紀を予見している(洞察している)ところがでてくる。
    内容そのものもとてもおもしろいです。

    また、
    AとBという対立があって、
    たとえば作者はAの意見に同調しているとすれば
    Aの意見をいうひとの描写やセリフはかきやすいのだろうけど、
    ヴォネガットくらいになるとBの描写やセリフも卓越している。
    敏腕弁護士以上に、
    いろいろな立場や主張を理解してくみあげて表現する力があるよなあ、
    と思いました。

    この時代であっても、
    機械に仕事を取って代わられないことが大事なんだよ、
    という見抜きがあります。
    社会に参加して役に立つ喜びややりがいは、
    これからAIや機械が発達しても、
    人間からむしりとられるべきではないのでしょうね。

    作中にありましたが、ひとは、
    二流の機械になるか、
    機械の被保護者になるかの二者択一におちいるべきではないのです。

    今後どういう形で機械が発達していくかわかりませんが、
    そういうところは押さえないとおけませんね。
    MITなんかじゃ、デジタルの次はバイオだ、と
    もっと遠くを展望して未来を見透かしていたりするようですが、
    いやはや、どうなることやら。

    非常におもしろく読めました。

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    2016年05月12日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    これはSFでなないが、ヴォネガットらしい秀作   
    表紙   7点和田 誠
    展開   7点1965年著作
    文章   7点
    内容 740点
    合計 761点

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    2015年04月01日
  • 母なる夜

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    自分の生き方を持っているからこそ、何も考えていない者を嘲笑う様子が考えさせられる。この作者はユーモアに関しては誰にも負けない物を持っているように思う。この作品では、終わり方が無情であるということもあり、深く印象に残って消えない。

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    2015年02月17日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    お金が支配する近代アメリカにおいて、ユートピアを作ろうとした男の物語。
    人生で最高の一冊のひとつとなった。

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    2013年07月02日
  • 母なる夜

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    いやー!面白い
    ヴォネガットお得意のナンセンスな超展開でしょって思いながらも
    各展開ごとにいちいちわくわくしてしまった
    妻との再会では思わず泣いた・・・ それなのに!笑
    正直何も考えないで読んでもこれだけ面白い本はなかなか無い

    本当にストーリーだけでも最高の本ですが、メッセージもしっかりあります
    正義とか善意とか誠実さとかそいいったものの脆弱性
    生きるということ それと戦争

    こんなただ面白いだけの本なのに考えさせられることも多く、
    ただものじゃありませんカートヴォネガット
    彼の著作を全部読みたいと思いました

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    2012年12月30日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    平安時代の美人は今ならちっとも美人じゃないだろう。
    人間は実は努力なんかじゃどうにもならないくらい、ちょっとした現実のランダム関数で恵まれて生まれたり、恵まれなかったりする。
    これは金持ちに生まれてしまったばかりに世の不条理に気づいてしまい思い悩む男の物語。
    誰かを愛することは同時にその人以外を視界から外すことでもある。
    自分たちだけ幸せになるのはおかしいと主人公は考える。
    万人の幸せを望む。
    じゃあ、万人を愛すればいいのか。
    そうかもしれない、でもそれは彼を幸せに導いてくれたのだろうか。

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    2012年10月14日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    大富豪でありながら慈善事業に大金を注ぎ込み財産をすり減らす男の物語。ヴォガネットらしい愛と皮肉とユーモアに満ちた独特の語り口が、読後に小さな引っ掛かりを残す

    これなんか、すごいいろいろ考えさせられた気がするんだけど…
    詳細に思い出せない(‐‐;
    もう一度読みたいと思います!

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    2012年09月17日