カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧

  • スローターハウス5

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    久しぶりの再読。
    カート・ヴォネガット・ジュニアの世界観が好き。淡白な語り口に、大きな出来事にさえ感情的になることがない。その平坦さと、その時々の状況の悲惨さとの対照的な文体が、その物語から浮かぶ情景をより強く刻んでくる気がする。

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    2020年11月27日
  • 母なる夜

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    ネタバレ

    人生において自分が何の役なのか、自分の役は善悪どちらなのか、自分を見つめる周りの目にはどう映るのか、それを知らないまま生きることも幸せな人生の一つの答えなんじゃないかなと思う。 それを知り、生きる意味や目標を追求することは普遍のテーマだけど、その達成は同時に失う事も所有することとなり、誰もが小さなレシと同じ結末を迎えることになると思うから。

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    2019年10月23日
  • 母なる夜

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    なぜ人はこうも寂しいものなのかという事をつくづく感じるばかり。畳み掛けるユーモアの効いた皮肉にズキズキ心が痛む。

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    2017年10月24日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ネタバレ

    1952年に書かれた近未来小説。
    現代を言い当てているようなところだとか、
    現代からつながっていく近未来を感じさせるところもあります。
    全体としてはレトロな未来ですけどね。
    たとえば、個人のもつIDカードがパンチカードだったりする古さがあるし、
    半導体はでてこなくて、真空管がでてきます。

    駒を動かす盤ゲーム(チェスみたいなものかな?)
    で人間を負かすための機械がつくられたり、
    機械に仕事をとってかわられてリストラされたり、
    格差のある階級社会になっていたり、
    21世紀を予見している(洞察している)ところがでてくる。
    内容そのものもとてもおもしろいです。

    また、
    AとBという対立があって、

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    2016年05月12日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    これはSFでなないが、ヴォネガットらしい秀作   
    表紙   7点和田 誠
    展開   7点1965年著作
    文章   7点
    内容 740点
    合計 761点

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    2015年04月01日
  • 母なる夜

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    自分の生き方を持っているからこそ、何も考えていない者を嘲笑う様子が考えさせられる。この作者はユーモアに関しては誰にも負けない物を持っているように思う。この作品では、終わり方が無情であるということもあり、深く印象に残って消えない。

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    2015年02月17日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    お金が支配する近代アメリカにおいて、ユートピアを作ろうとした男の物語。
    人生で最高の一冊のひとつとなった。

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    2013年07月02日
  • 母なる夜

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    いやー!面白い
    ヴォネガットお得意のナンセンスな超展開でしょって思いながらも
    各展開ごとにいちいちわくわくしてしまった
    妻との再会では思わず泣いた・・・ それなのに!笑
    正直何も考えないで読んでもこれだけ面白い本はなかなか無い

    本当にストーリーだけでも最高の本ですが、メッセージもしっかりあります
    正義とか善意とか誠実さとかそいいったものの脆弱性
    生きるということ それと戦争

    こんなただ面白いだけの本なのに考えさせられることも多く、
    ただものじゃありませんカートヴォネガット
    彼の著作を全部読みたいと思いました

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    2012年12月30日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    平安時代の美人は今ならちっとも美人じゃないだろう。
    人間は実は努力なんかじゃどうにもならないくらい、ちょっとした現実のランダム関数で恵まれて生まれたり、恵まれなかったりする。
    これは金持ちに生まれてしまったばかりに世の不条理に気づいてしまい思い悩む男の物語。
    誰かを愛することは同時にその人以外を視界から外すことでもある。
    自分たちだけ幸せになるのはおかしいと主人公は考える。
    万人の幸せを望む。
    じゃあ、万人を愛すればいいのか。
    そうかもしれない、でもそれは彼を幸せに導いてくれたのだろうか。

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    2012年10月14日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    大富豪でありながら慈善事業に大金を注ぎ込み財産をすり減らす男の物語。ヴォガネットらしい愛と皮肉とユーモアに満ちた独特の語り口が、読後に小さな引っ掛かりを残す

    これなんか、すごいいろいろ考えさせられた気がするんだけど…
    詳細に思い出せない(‐‐;
    もう一度読みたいと思います!

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    2012年09月17日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    たとえヴォネガットの作品が砂糖の錠剤ににがいコーティングを施しているだけのようなものだとしても、私は彼の作品が大好きだ。読み始めると
    どんなに抑えても感傷的なきもちになってしまう。ギャグっぽくコミカルに書かれているところもあるが私は全然笑えなくてむしろ悲しい気持ちになってしまう。SFを数行でまとめるというアイディアも素晴らしいし、聖書に対する解釈や現代社会の問題点にヴォネガット独自の視点があるし、なにより登場人物達のドストエフスキー的な胸中の吐露が胸に迫る。泣いた。

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    2012年07月14日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    読んでいて、どうすればいいのかわからなくなって、馬鹿みたいにぼろぼろぼろぼろ泣いてしまった。
    ヴォネガットの作品はこれが初読だが、読む前からからそうなる予感はしていた。きっと泣いてしまうし、きっと辛いだろうと。その通りだった。

    「カート・ヴォネガット・ジュニアの『ローズウォーターさん~』は、この作家が世界に宛てた、一番新しい、一冊の怒りのラブ・レターである」(ジュディス・メディル)

    怒りのラブ・レター。まさしく。
    これは愛についての物語である。そして金についての物語である。
    一人の男が限りない愛と、限りなく限りないくらいの金を、その身に背負って、生きる話である。

    誰を救えばいいのか、とい

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    2012年05月06日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    *えり*

    富と愛をひとびとに分け与えようとする、とある大富豪と、
    彼を取り巻く人々の物語。


    ローズウォーターさんに助けを求める人々は、
    多くが金銭を求める人々ですが、
    中にはほんのささやかな愛情だけを求めている人もいます。
    ローズウォーターさんはその全てに応えようとします。
    彼に何が起こってそのような行動をとるに至ったのか?
    また、彼の行動によって、周囲に何が起こったのか?
    「無償の愛」は、限りない困難に満ちています。
    果たしてそれは実現可能なのか?実現するには、一体何が必要なのか?


    「人間を人間だから大切にする」ということは、シンプルですが気付きにくい事です。
    笑いと悲しみと真実が

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    2012年04月16日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    僕の書評を読む人は、僕のことを心配せずにはいられないでしょうねローズウォーターさん。「こんなに五つ星を連発する人間はきっと酒に溺れている人間だ」そんな風に考えるんでしょうよ!‥なんて、思わずローズウォーターさんに電話したくなりました。自分のように感化され易い人間にとって、アメリカ人的でタフな会話や皮肉はすごく危険ですが、大好物でもありますw。

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    2012年03月26日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ネタバレ


    「俺は神様に一度きいてみたいと思ってるんだ。この下界じゃとうとうわからずじまいだったことを」
    「というと、どんなこと?」
    そうたずねながら、ホステスは彼の体をベルトで固定する。
    「いったいぜんたい、人間はなんのためにいるんだろう?」

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    「() ちょっと耳の痛いことを言わせてもらいましょう。お気に入ろうが入るまいが、ずばりこうです―あなたの財産は、あなたの目から見たご自分と、他人の目から見たあなたに関する、最も重要でかつ唯一の決定的要素である、ということ。金を持っているか

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    2012年03月25日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    生きることを全肯定する素晴らしい物語だった。

    最後の2,3行を読むまでまさか感動するなんて思わなかったんだけどね。

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    2012年01月30日
  • 母なる夜

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    本文より。
    “愛する人とできるだけいっしょに寝てあげなさい。それはみなさんにとってほんとうに好ましいことですから。”
    くぅ~!

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    2011年05月05日
  • プレイヤー・ピアノ

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    再読候補。華氏451とほぼ同じ時期にほぼ似たようなテーマで書いていますがこちらの方が好きですな。ユートピアにおいても官僚制は決して冷酷で硬質なものではなくて、むしろ情緒を取りこんだ家父長的な粘着質で生暖かいものだからこそ余計に凄味があるというか。

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    2011年05月05日
  • プレイヤー・ピアノ

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    あらゆる仕事が機械化された時代が背景の小説。(もはやそんなに遠い未来のことでもなさそうだ。)バーもすべてが機械化されて回転寿し屋のように酒が回ってたりする。オープンしたての頃はその目新しさで話題を呼び、大盛況となったのだが、すぐにつぶれてしまう。その数ブロック先に、生身の人間がカウンター内に立ち、ジュークボックスが置かれているバーがあったのだ。結局はみんなそこへ帰っていった。
    そしてここから革命が生まれることになる。この酒場の描写箇所だけはこれがいつの時代だといっても通じる。外へ出れば、未来世紀ブラジルなんですけれど。人間が集まる場は人間を求める。酒場は永遠なんじゃないかと希望を持てた。ただ嬉

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    2010年07月02日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ヴォネガット初の長編小説。1952年。
    500ページ近くあり、かなり長いが、やはりヴォネガットは長編がいい。
    最初の長編ということもあり、いつものノリとはちょっと違う。
    まず、なんと言っても時系列順に物語が進んでいる。これはヴォネガット的に珍しい。
    それから、トラルファマドール星人もキルゴア・トラウトもいない。
    あんまりイカレた人は出てこない。しかしながら、「イリアム」という地名が登場する。
    この先何度も出てくるこの地名、わたしは実在の都市だとばかり思っていたら、
    架空なんだそうな。うーん、やられた。

    そんなオーソドックスな手法で書かれたこの作品だが、
    中盤くらいからだんだん箍が外れてくるの

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    2009年10月04日