カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧

  • プレイヤー・ピアノ

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    「誰かが不適応のままでいなければいけない、今の社会に対して疑問を持っていなければならない」という信念を持って小説を書く(出版は許してもらえない)夫。とそんな夫を誇らしいと思う妻のエピソードが1番好き。
    読んで1番に考えたのは「ブラフーナ!生きよ!」という言葉。うん、私もブラフーナ!あと、どんなに文明が発達しても人は人と触れ合って成長するんだ、うん。
    それにしても、何でポールみたいな人がアニータと結婚したんだろな。

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    2013年07月10日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    もしも完全に利他的な人間が、働かなくてもお金の手にはいるような大金持ちだったら?
    これはヴォネガットのいつものユーモアと皮肉と笑いをまじえて大金持ち、エリオット・ローズウォーターの生き方を描いた小説。

    エリオットの周囲にいる人間たちを同じ人間とも思わないような俗物らしいエリオットの父親は、誰をもを愛していると言っているエリオットに対し、特定の人間を特定の理由で愛する自分たちのような人間は、新しい言葉を見つけなければいけないと嘆く。
    エリオットが「役立たずの人間」に奉仕するときの「愛」とはどんなものなのか?
    住民たちのもとを離れ、もう戻りたくないと思いながらも、まだ見もしらぬ子どもたちのために

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    2013年06月07日
  • 母なる夜

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    ヴォネガットの著作では、自己の体験を強く反映しながらも、読み終わってから主人公がどんな人間だったか思い出せないことが多かったりするけれど、本作は妙に記憶に残る。
    それは、主人公が、自分のやってきたことをごまかそうとせず、そして最終的に自分の意志で選択をするからなのだろう。

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    2013年02月14日
  • チャンピオンたちの朝食

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    ただただ面白いとしか言えないこの作品は非常に「面白い」。登場人物2人が徐々に近づいていくドキドキや、作家自身の登場、作家のイラストなどなどのテクニックも素晴らしいけど、人を深く描写するのはさすがのカート・ヴォネガット・ジュニアですね。

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    2012年06月17日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ネタバレ

    現代版の異邦人。
    新自由主義社会において、人類愛を語ることは異端なのか。
    カートボネガットのシニカルな問いかけがそこにはある。
    異常という日常。
    ボネガットの皮肉に満ちた文章の中で、
    彼の純粋で無垢な人間愛が浮かび上がってくる作品。

    「あんたがローズウォーター群でやったことは、断じて狂気ではない。あれはおそらく現代の最も重要な社会的実験であったかも知れんのです。なぜかというと、規模は小さいものだけれども、それが扱った問題の不気味な恐怖というものは、いまに機械の進歩によって全世界に広がってゆくだろうからです。その問題とは、つまりこういうことですよーいかにして役立たずの人間を愛するか?」

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    2012年03月26日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    お金持ちは富を分配しろ!って庶民は思うけど、
    本当に人のために尽くしたらどんなことになっちゃうのか・・・

    中流階級以上にはキチガイと思われ、
    貧しい人々には神と崇められ、
    それでも本人は首尾一貫しているのが滑稽であり、切なくもある。

    しかし最後の妻に会いに行くところからの超展開はすごかった。
    え、火事?え、テレポート?記憶喪失?え、ケンカ?いつの間に???
    ぜんぜんついていけなかった(笑)
    主人公もなかなかついて行けてませんでしたが。
    ・・・ということは、狙い通りの効果だったのかもしれません。

    彼のやったことは最後に他者の言葉によって説明され、そうしてようやく周りが理解できる意味を持つ。

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    2011年08月30日
  • プレイヤー・ピアノ

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    「第二次世界大戦ののち、わたしはしばらくシカゴ大学に通った。人類学科の学生であった。当時そこでは、人間個々人のあいだに(優劣の)差異というものは存在しないと教えていた。いまでもそう教えているかもしれない。もうひとつ人類学科で学んだのは、この世に、奇矯とか、性悪とか、低劣といわれる人間はひとりもいないということである。わたしの父が亡くなる少し前に私にこういった。「お前は小説のなかで一度も悪人を書いたことがなかったな」それも戦後、大学で教わったことのひとつだ」
    (本書あとがきより、引用されていたヴォネガットの言葉)
    ここにヴォネガットという作家の「素」とでも言うべきものが凝縮されている。悪人のいな

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    2011年07月15日
  • チャンピオンたちの朝食

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    狂気を帯びた事件に関係したりしなかったりする人物とか出来事が、ユーモアやら愉快な挿絵やら皮肉やらSFやらを交えつつ公平に丁寧に描かれてる。最後、急にぐだぐだになるとこも含めてどこか愛しい。その他いろいろ。

    この世界で思考して選択して行動することができる生き物はあなただけで、それ以外の全てはあなたに刺激を与えてその反応を確かめるために創造主が作った機械なのですよ。その他いろいろ。

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    2011年06月11日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ものすごく皮肉な物語で、くすくす笑ってしまう。最後は傑作。読み終わってすぐの感情はどこか「アルジャーノンに花束を」と似ている。歪んだ社会と、一人の男の「愛」の形とが似るのかな?よく分からない。これ、日本よりももっと雇用や保険などがシビアなアメリカではもっと辛らつに、その分面白く受け止められるのではないか。

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    2010年06月24日
  • プレイヤー・ピアノ

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    第三次産業革命により全ての生産手段が機械化、自動化され、一部の技術者や公務員を除く人々は皆閑職しか与えられずにいる、そんな近未来のアメリカが舞台。人事が全てパンチカードで機械によって振り分けられ、技術者や公務員と一般人との居住区が分けられているという、効率・能率優先主義の社会に疑問を持つ人たちが革命を起こすという話でした。機械化による雇用数削減という問題よりも、作中に描かれている格差が今の私たちにリアルに迫ってきます。SFというカテゴリーに入っていますが、それが好きな人も嫌いな人も読める作品です。むしろ、SFという枠を超えた作品であると言えます。長編ですが、すらっと読めるのでおすすめ。

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    2009年10月04日
  • チャンピオンたちの朝食

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    →「スローターハウス5」の後に書かれた1973年の作品である。
    この作品には、魅力的なヴォネガットの自筆イラストが多数収められている。
    そして、段落の前には「→」がつけられている。

    →「人生は危険だよ、それは知ってる。それに、苦しみもいっぱいある。
    だからといって、まじめなもんだとは限らんよ」
    など等、キルゴア・トラウトの名言が多数収められている。
    トラウトの短編小説のあらすじも、たんと収められている。
    召し上がれ!

    →化学物質のせいで狂っているのは、ドウェイン・フーヴァーに限ったことではない。

    →その他いろいろ。

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    2009年10月04日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    最後の1ページに驚いた。
    本書では、エリオットがウ゛ォネガットの化身となっているだろう。
    キルゴア・トラウトもまたそうなのだが。

    1982年に日本語訳が出版されたみたいだから、もう20年以上も経っているのに、色あせていない。人間の不変の本質=愛をいささかのユニークさを含めた小説といえよう。

    去年亡くなられたことが、本当に悲しい。


    カート・ウ゛ォネガットさん、あなたに神のお恵みを

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    2009年10月04日
  • プレイヤー・ピアノ

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    読みやすいヴォネガット入門編かな。酷評の対象にされがちな本作だけど、彼の気持ちが素直に表れてるんじゃないかと。
    失敗が見えていても壊さなければならない。
    そんな人間への優しさを感じる一冊。

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    2009年10月04日
  • スローターハウス5

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    「タイタンの妖女」のヴォネガットによる半自伝的SF小説。

    読み始めは内容が全く分からずやめようと思ったが、飛ばし読みで最後までたどり着いた後、解説を読んでこの小説のイメージがつかめたので、もう一度読んでみて少し理解ができた。

    筆者がそれまで書いてきた小説を踏まえて、実際に経験した第二次大戦の連合国によるドレスデン無差別爆撃という悲劇について描いたものらしい。

    「そういうものだ」という言葉が繰り返されることで、醒めた目線を感じさせるが、それはきっと怒りが溢れ返るのと同時に、同じことを繰り返す人間に対する呆れが感じられた。

    村上春樹はヴォネガットの影響を受けていると福田和也の本にあったが、

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    2026年04月09日
  • タイタンの妖女

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    この本はあとがきや太田光の解説があってのものと自分は思った。「ワケがわからない」を肯定してくれるのは非常にありがたいと思った。時代背景やラムファードのモデルが確認できて始めて、やっと多少の理解が及ぶようになった。第二次大戦下〜冷戦あたりを踏まえての、ってことみたいだ。

    自分の時間とーーここではあえてそう言うがーー労力を使って読み終えた作品に対して、時間の無駄だったと認めるということは非常に勇気がいるものだ。実際はその感想や体験も含めての読書であることはわかっていながらも、現代を生きる我々にとって時間を割くことは非常にリスクを伴うものである。
    主語が大きいか?

    要するに「なんなんだこれ?理解

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    2026年03月31日
  • タイタンの妖女

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    未来が見える男による予言とそれに巻き込まれる主人公たち、最後に明かされる答えまでの道筋がきちんと整えられていて、最後まで読み終えたときに点と点が繋がるような感覚があって心地よかったです。個人的にラムファード氏のおもしろおじさんな感じが好きです。

    ただ古典SFあるあるなのか(もしくは私が小説初心者だからなのか?)、少し設定描写に走りすぎたり時間軸が飛びとびでわかりにくかったりで、読み切るまで少し根気が要るように感じました(不思議の国のアリス風の門ってなんだ…?)。あんまり細かいところを気にせず読むのがいいのかなーと思います。

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    2026年02月26日
  • タイタンの妖女

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    爆笑問題の太田さんが、この本から所属事務所の名前に「タイタン」を名付けたと知り、興味を持った。
    超ド真ん中のSFという感じ。ストーリーも読者の視野も、地球から火星、水星、タイタンへと押し広げていく。
    過去も未来も知っているラムフォードが“神”のような存在に思えたが、その外側には、さらに高次の存在がいて、これまでのストーリーと人類の営みも歴史も全てちょっとしたお使い。余興程度にしてしまう。それを知った瞬間、コンスタントの苦労や痛みが、どこまでも虚ろに響いた。

    1959年に書かれたとは思えないほど、いま読んでも古びない発想と構造。
    むしろ、ここからSFというジャンルが広がっていったのだと実感させ

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    2026年01月03日
  • スローターハウス5

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    時間旅行できるってところが羨ましく思いました。この小説では「そういうものだ」「云々」がやたらと出てきますね。小説に出てくるトラルファマドール星人のクセなのかな。

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    2025年11月28日
  • タイタンの妖女

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    1959年に書かれた古典的SF小説です。
    ストーリーがあちこちに飛ぶので難解なところがありますが、最後につながるので気にせず読むと良いと思います。
    でも、思っていたものとは違っていて、全体的には難解でした。

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    2025年10月13日
  • タイタンの妖女

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    何十年ぶりの再読。
    一種独特の世界観で唯一無二の小説だと思う。
    個人的にはスローターハウスが好きだが、この本もいいね。

    25/09/02 35冊目

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    2025年10月04日