カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧
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ヴォネガットの著作では、自己の体験を強く反映しながらも、読み終わってから主人公がどんな人間だったか思い出せないことが多かったりするけれど、本作は妙に記憶に残る。
それは、主人公が、自分のやってきたことをごまかそうとせず、そして最終的に自分の意志で選択をするからなのだろう。Posted by ブクログ -
ただただ面白いとしか言えないこの作品は非常に「面白い」。登場人物2人が徐々に近づいていくドキドキや、作家自身の登場、作家のイラストなどなどのテクニックも素晴らしいけど、人を深く描写するのはさすがのカート・ヴォネガット・ジュニアですね。Posted by ブクログ
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現代版の異邦人。
新自由主義社会において、人類愛を語ることは異端なのか。
カートボネガットのシニカルな問いかけがそこにはある。
異常という日常。
ボネガットの皮肉に満ちた文章の中で、
彼の純粋で無垢な人間愛が浮かび上がってくる作品。
「あんたがローズウォーター群でやったことは、断じて狂気ではない。...続きを読むPosted by ブクログ -
お金持ちは富を分配しろ!って庶民は思うけど、
本当に人のために尽くしたらどんなことになっちゃうのか・・・
中流階級以上にはキチガイと思われ、
貧しい人々には神と崇められ、
それでも本人は首尾一貫しているのが滑稽であり、切なくもある。
しかし最後の妻に会いに行くところからの超展開はすごかった。
え...続きを読むPosted by ブクログ -
狂気を帯びた事件に関係したりしなかったりする人物とか出来事が、ユーモアやら愉快な挿絵やら皮肉やらSFやらを交えつつ公平に丁寧に描かれてる。最後、急にぐだぐだになるとこも含めてどこか愛しい。その他いろいろ。
この世界で思考して選択して行動することができる生き物はあなただけで、それ以外の全てはあなたに...続きを読むPosted by ブクログ -
ものすごく皮肉な物語で、くすくす笑ってしまう。最後は傑作。読み終わってすぐの感情はどこか「アルジャーノンに花束を」と似ている。歪んだ社会と、一人の男の「愛」の形とが似るのかな?よく分からない。これ、日本よりももっと雇用や保険などがシビアなアメリカではもっと辛らつに、その分面白く受け止められるのではな...続きを読むPosted by ブクログ
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ヴォネガット後期で繰り出される「乾いた笑い」と、
前期で用いられる、ラストにオチを持ってきて問題の昇華を図る手法が交差した秀作だと思った。
ヴォネガットは「スローターハウス5」と「チャンピオンたちの朝食」で
転換期を迎えたんだなぁと改めて思う。
エリオットの狂気はなかなかすごいものがある。
こんな...続きを読むPosted by ブクログ -
→「スローターハウス5」の後に書かれた1973年の作品である。
この作品には、魅力的なヴォネガットの自筆イラストが多数収められている。
そして、段落の前には「→」がつけられている。
→「人生は危険だよ、それは知ってる。それに、苦しみもいっぱいある。
だからといって、まじめなもんだとは限らんよ」
な...続きを読むPosted by ブクログ -
『惜しみない愛を与える』
とっても素敵な言葉です。
でも、人間が他者全員にそれをしようと思うとどうなるのか??
ローズウォーター氏はすっごいお金持ち。
仕事をしなくても財団から、毎月たくさんのお金が入ってくる。
彼はそのお金を自分自身を、貧しい人たちのため、惜しみなく差し出していく。
『貧しくても...続きを読むPosted by ブクログ -
最後の1ページに驚いた。
本書では、エリオットがウ゛ォネガットの化身となっているだろう。
キルゴア・トラウトもまたそうなのだが。
1982年に日本語訳が出版されたみたいだから、もう20年以上も経っているのに、色あせていない。人間の不変の本質=愛をいささかのユニークさを含めた小説といえよう。
去年...続きを読むPosted by ブクログ -
読みやすいヴォネガット入門編かな。酷評の対象にされがちな本作だけど、彼の気持ちが素直に表れてるんじゃないかと。
失敗が見えていても壊さなければならない。
そんな人間への優しさを感じる一冊。Posted by ブクログ -
四次元的に時間が入り乱れる奇妙な構成、淡白な登場人物、個人にはどうしようもない巨大過ぎる戦争。
無慈悲に襲いかかる死、希望、絶望、運命の全ては始めから決まっていたもの。So it goes. そういうものだ。
この強烈な皮肉は戦争の当事者しか描けないと思った。Posted by ブクログ -
悪くはなかったけど、自分にははまらなかった。
SFの名著らしいが…うーん
読む前は妖女を幼女と勘違いしていてファンタジー的な話かと思っていたが全然違った。
しかも妖女生きてないし。Posted by ブクログ -
ところどころ理解しづらい部分もありましたが、SFの名著と言われるだけあります!メッセージ性もあり面白かったです!自由意志、神、宗教といったテーマが扱われていて、壮大でコミカルな物語でした!YouTubeで解説を少し見てまた読もうと思いました!Posted by ブクログ