カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧

  • タイタンの妖女

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    この本はあとがきや太田光の解説があってのものと自分は思った。「ワケがわからない」を肯定してくれるのは非常にありがたいと思った。時代背景やラムファードのモデルが確認できて始めて、やっと多少の理解が及ぶようになった。第二次大戦下〜冷戦あたりを踏まえての、ってことみたいだ。

    自分の時間とーーここではあえてそう言うがーー労力を使って読み終えた作品に対して、時間の無駄だったと認めるということは非常に勇気がいるものだ。実際はその感想や体験も含めての読書であることはわかっていながらも、現代を生きる我々にとって時間を割くことは非常にリスクを伴うものである。
    主語が大きいか?

    要するに「なんなんだこれ?理解できんな」の言い訳を水増しすると上になるってうもんで、文章ってやろうと思えばやるだけ贅肉を付けられるよな。ダイエットする方が難しい。

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    2026年03月31日
  • タイタンの妖女

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    未来が見える男による予言とそれに巻き込まれる主人公たち、最後に明かされる答えまでの道筋がきちんと整えられていて、最後まで読み終えたときに点と点が繋がるような感覚があって心地よかったです。個人的にラムファード氏のおもしろおじさんな感じが好きです。

    ただ古典SFあるあるなのか(もしくは私が小説初心者だからなのか?)、少し設定描写に走りすぎたり時間軸が飛びとびでわかりにくかったりで、読み切るまで少し根気が要るように感じました(不思議の国のアリス風の門ってなんだ…?)。あんまり細かいところを気にせず読むのがいいのかなーと思います。

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    2026年02月26日
  • タイタンの妖女

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    爆笑問題の太田さんが、この本から所属事務所の名前に「タイタン」を名付けたと知り、興味を持った。
    超ド真ん中のSFという感じ。ストーリーも読者の視野も、地球から火星、水星、タイタンへと押し広げていく。
    過去も未来も知っているラムフォードが“神”のような存在に思えたが、その外側には、さらに高次の存在がいて、これまでのストーリーと人類の営みも歴史も全てちょっとしたお使い。余興程度にしてしまう。それを知った瞬間、コンスタントの苦労や痛みが、どこまでも虚ろに響いた。

    1959年に書かれたとは思えないほど、いま読んでも古びない発想と構造。
    むしろ、ここからSFというジャンルが広がっていったのだと実感させられる。

    正直、これまでSFを読むと途中で眠くなってしまうことが多かった。本作はそんなこともなく、読んで良かった。人にも勧めたい。

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    2026年01月03日
  • スローターハウス5

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    時間旅行できるってところが羨ましく思いました。この小説では「そういうものだ」「云々」がやたらと出てきますね。小説に出てくるトラルファマドール星人のクセなのかな。

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    2025年11月28日
  • タイタンの妖女

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    1959年に書かれた古典的SF小説です。
    ストーリーがあちこちに飛ぶので難解なところがありますが、最後につながるので気にせず読むと良いと思います。
    でも、思っていたものとは違っていて、全体的には難解でした。

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    2025年10月13日
  • タイタンの妖女

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    何十年ぶりの再読。
    一種独特の世界観で唯一無二の小説だと思う。
    個人的にはスローターハウスが好きだが、この本もいいね。

    25/09/02 35冊目

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    2025年10月04日
  • タイタンの妖女

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    ネタバレ

    なんかあちこち場面が飛ぶので楽しいが、これだけ長い割に、あったことはそんなになかったように感じた。かといって無駄にダラダラ書かれてるわけじゃないし不思議な感じ。

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    2025年08月17日
  • スローターハウス5

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    SF作品というのかなんと言うのか時空を飛んで時間旅行をするのですが、作者が実際に体験したドイツドレスデンでの爆撃による大殺略も描からています。と言っても、重く残虐に描かれているのではなく、他の部分と同じように淡々と感情も平坦に描かれています。全編そんな調子でいつの間にか最終ページの最後の文章に行きつきました。

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    2025年08月13日
  • タイタンの妖女

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    難解なSFと言ってしまえばそれまでだが、ザ・SFという読み応えがあった。
    決定づけられた運命を旅する主人公を通じて、自由意志は存在するのかという問題を考えさせられた。
    この自由意志という命題にはテッド・チャンの作品にも通ずるところがある。

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    2025年07月28日
  • スローターハウス5

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    著者の戦争体験をベースに書かれた本書。

    構成のアイディアが秀逸で、場面がコロコロ切り替わるため、戦争という重い緊張感に浸ることなく軽やかに内容を楽しめた。

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    2025年02月07日
  • スローターハウス5

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    『So it goes.(そういうものだ)』の連発に嫌気が差した。せめて『Let it be.(あるがままに、そのままに)』にしてくれ!(笑)

    爆撃自体による被害は広島・長崎の原爆や東京大空襲を上回ると言われるドレスデン爆撃を中心にした物語。事実をそのまま小説にしたのでは余りにも悲惨な話になってしまうので、今までの作者の作品群を絡めた、ちょっとコミカルなSF仕立ての物語になっている。ただ、どうなのか(!?) 舞台が目まぐるしく変わるので、自分には読み辛い小説だった。

    巻末の解説にもあるが、放射能による後遺症は被爆者のみならず、その子孫にも及ぶ事もある。被害の大小を比べるものではないが「広島を上回る」は不適切な表現。1969年の作品で核兵器の恐ろしさを作者が知らない筈はない。

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    2024年12月10日
  • スローターハウス5

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    四次元的に時間が入り乱れる奇妙な構成、淡白な登場人物、個人にはどうしようもない巨大過ぎる戦争。
    無慈悲に襲いかかる死、希望、絶望、運命の全ては始めから決まっていたもの。So it goes. そういうものだ。
    この強烈な皮肉は戦争の当事者しか描けないと思った。

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    2024年05月23日
  • スローターハウス5

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    古典的なSFで、著者のヴォネガッドの実際の戦争体験が元になっているということだが、自分にその手の歴史的な知識がないため内容が良く理解できない。

    ラスト近くの有名な一節だが、なぜ主人公がそう思うに至ったかが上手く飲み込めない。

    自分にとっては読み進めるのが難しい難解な部類の本だった。映画化もされているということなので、映像で見れば多少はイメージが湧くか?

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    2024年05月11日
  • スローターハウス5

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    SF小説と戦争ノンフィクション小説が融合したような作品。時間旅行と戦争実録が絡み合う。
    ドレスデン爆撃については、全く知らなかったので、衝撃的だった。米兵の捕虜生活も壮絶で、作者の実体験を元に描かれたからこそ、具体的だ。
    「そういうものだ」…多用されるこの言葉に諦めを感じさせる。
    ビリーの虚無的な人生は戦争体験によるものなのか。
    ヴォネガットがこの作品を描いてから何十年経つのだろう。いまだに戦争は無くならない。
    愚かな行為を繰り返す地球人をトラルファマドール星人はどう見ているのだろうか。

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    2023年12月23日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ジャンル不明。
    お金と愛と狂気の物語。
    SF要素としては、架空のSF小説のエピソードが紹介されたりはする。
    基本的に、ストーリーやエピソードは意味不明だが、読後感は非常に良い。
    おそらく、社会風刺になっているのだろう。
    ヴォネガットは考えさせられる作品が多い。

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    2023年05月01日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ある種のディストピア小説ではある。だがこの著者の手にかかると、どうもシリアスな感じにはならないようだ。ほとんど全てを手に入れることができる立場でありながら、ここではない場所の暮らしに憧れるポール・プロデュース博士の選択は果たして。皮肉ともいえるラストが印象を残す作品。

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    2021年04月04日
  • チャンピオンたちの朝食

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    当時のアメリカへの批判が込められているらしいが、残念ながら知識不足のせいかあまりピンとこなかった。あと特にわからない点としては、ラストのイラストはどう捉えればよいのだろう。まえがきにもあるように、この作品でトラウトやローズウォーターなどの過去作登場人物たちを放り出してしまうわけだが、この先ヴォネガットがどこへ向かっていくのかが気になる。

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    2021年04月04日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    大金持ちもまともな精神状態ではやっていけないっていう話。

    超富裕層の26人が世界人口の半分の総資産と同額の資産を保有していたり、上位1%が富の82%を独占しているというのを聞くと、このシステムもおかしいし、それを享受している超富裕層も狂っているんだろうな、と。

    そしてそういう事に違和感を感じなくなってきている我々も気が違ってきているじゃないか、と思う。

    日本語訳は1982年発行なので仕方ない部分もあるけど、「エンガチョ」や、その類いの言葉で冷めてしまう。

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    2021年09月17日
  • チャンピオンたちの朝食

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    初ヴォネガット。何だろうこのとっ散らかった文章は(困惑)ストーリーがあるにはあるが、途中で関係のあるような無いような話が様々な角度(しかも急角度)から入り込んでくる。当時のアメリカへ対する皮肉や批判をたっぷり込めた物語だ。終いには著者自身が登場して「私は創造主だ」と主人公と絡む始末。心に残った言葉は「ほかの作家たちには、混沌の中に秩序を持ちこませておけ。わたしは逆に、秩序の中へ混沌を持ちこもう。」頻繁に挿し込まれている著者の描いた挿絵はなかなか味があっていい。いずれにしても、私には早かったようだ。ちょっとどこかに本作の解説がないか探してみよう。

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    2020年07月11日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ヴォネガットの処女長編。
    機械を壊す革命が成功したイメージでいたけれども、読み直してみて、そうではないことを知った。

    ページ数は多いけれども、長さは感じさせない。
    以降の作品に比べれば、時間も場所も、オーソドックスに展開するけれども、読み手をつかまえてはなさないストーリテーラーとしての手腕は、最初のこの作品からもある程度うかがえると思う。

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    2020年07月07日