カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧

  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    昨年4月に逝去したカート・ヴォネガット(本書はカート・ヴォネガット・ジュニア名義)の初期作品。純粋で優しく、暖かい人間を描く事で、その慈愛によってもなお救われない貧民の傲慢と成金の臆病を描き出す。ヴォネガット氏の御冥福を祈りつつ、謹んで星五つ。面白かった・・・・

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    2009年10月07日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    エリオットの生き方は愚かだったかもしれないけれど、他の登場人物もみな愚かで救いようがないんだけど、バカバカしいと笑うよりも泣けてくる。しみじみと。好きな本。
    でもタイトルの日本語訳、クリスチャンは普通、お恵みじゃなくて「み恵み」って言うのでは。

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    2009年10月04日
  • チャンピオンたちの朝食

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    まったく評価されない孤独なSF作家キルゴア・トラウト。
    精神がイカレかけている中古車ディーラーのドゥエイン・フーヴァー。
    彼らは出会い、そして事件が起こる。
    その他いろいろ。

    様々なエピソードと作者直筆のイラストによって、アメリカの、世界の不条理さ、馬鹿馬鹿しさを描き出していく。
    その他いろいろ。

    「その他いろいろ」なんて言葉で世界を括ってしまうとはズルイ。
    時折紹介されるトラウトの作品もかなり笑える。
    その他いろいろ。

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    2009年10月04日
  • チャンピオンたちの朝食

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    ヴォネガットの世界観は「タイタンの妖女」でほぼ全て示され、それを補完拡充することがその後の作品。で、その作業の行き着く果て及び結局それを止めた作品。作品というには丸裸すぎるほど生々しい哀しみ。

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    2009年10月04日
  • タイタンの妖女

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    3年越しでようやく読み終えた。中盤まで読んで放置してたので最初から読み返したよ。

    とてもスケールの大きな話ではあるのだけど、読み終わって身の回りの人を大切にしなきゃなあ、というとても平凡な感想を持つ平凡な私。

    キリスト教的な神を理解していないので、神に対する考え方というか皮肉が肌感覚で感じられない面がある。

    グッドラックという挨拶に、神が関わってくるのだなあと勉強になった。確かに才能に恵まれた人を、ギフテッドって言ったりするのは神の存在が根底にあるのですね。



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    2025年11月02日
  • スローターハウス5

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    私にとって、文学的美しい作品を読みたいなら、
    カートヴォネガットになることを確信させた作品になったと思う。

    もちろん、ヴォネガットの作品は読んだ後に、自身に何が残ったのかを答えることは難しいが、作品を通して非日常的のようで日常の中にある世界を読者に見させてくれていると思う。

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    2025年10月22日
  • タイタンの妖女

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    カートヴォネガットの独特の世界観が存分に堪能できる。
    冒頭から難解な用語が飛び出してくるのでとっつきにくさはあったが、人の実体化を見物するという特異な物語の書き出しから引き込まれる。
    荒唐無稽なストーリーかと思いきや、伏線が張られており、綺麗に回収されていく。
    作者の死生観、宗教観などがユーモア溢れる文章で表現される。

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    2025年09月14日
  • スローターハウス5

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    人生すべての出来事がパッケージされ、並列で同時に存在するとしたら、そこに何か意味を見いだせるのか。意味を見いだすことに意味があるのか。残るのは圧倒的な諦観、あるいは禅でいう「空」。ユーモアだとすれば苦みしかないブラックユーモア。

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    2025年08月23日
  • タイタンの妖女

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    最初は「これは本当に名作なのか…?」と思ってしまうほど、登場人物には共感しづらく、物語の展開にも乗れなかった。でも、終盤で一気に印象が変わった。まさか最後の2割で泣かされるとは!
    皮肉で満ちた世界のなかに、じわっと人間の強さや優しさが浮かび上がってくる。最後まで読んで初めてわかる“仕掛け”があって、そこに心を揺さぶられた。読み終えてから物語の構造を思い返すと、いろんなことがじわじわ効いてくるタイプの作品。

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    2025年08月03日
  • スローターハウス5

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    著者自身が戦時中に体験した「ドレスデン無差別爆撃」を基に書かれた、半自伝的長編小説。
    SF小説であるが、昨今の小説でよくある近未来的な機械や怪獣が出てくるわけではなく、主人公の設定にSF要素が盛り込まれている。

    作中に引用されている「ニーバーの祈り」からこの小説を知った。
    久しぶりに読み返したくなり、再読。

    異星人に誘拐されてから、主人公のビリーは自分の意思とは無関係に時間を行き来する「けいれん的時間旅行者」となった。
    これによって、ビリーは地球人には考えつかない、いくつかの学びを得る。
    例えば、
    ・今死んでいる者は過去の瞬間では生きており、その瞬間は常に存在し続ける
    ・未来の瞬間も過去と

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    2025年07月24日
  • タイタンの妖女

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    はちゃめちゃだけどしっかりSFしてる内容で夢中で読みました。「スローターハウス5」の作家なんですね。

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    2025年06月30日
  • 母なる夜

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    戦争に巻き込まれた一人の男の悲しい物語だが、ヴォネガット特有のユーモアも相まってとても優しい語り口になっている。
    従軍して地獄を経験したヴォネガットの思いがストレートに込められている作品で、SF色はない。

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    2025年03月27日
  • タイタンの妖女

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    この世には運のいい人間と運のわるい人間とがいる。それは偶然性であり、たまたまだ。

    人生に目的などない。あるとしたら、自分の中にある真実に気づくことだ。

    人生の意味を自分の中に見つけ出す方法を知っている。これは運がいいことだ。

    これまでの人生でやった善いことを、たったひとつでいいから話せること。幸運といってもいいだろう。

    今ある幸せに気づけること。まずはそこからだ。

    運が悪いってのは、"ひとつながりのアクシデントの犠牲になった"ってだけのことだ。

    そんなときは、"徹底的に無関心な神"の教会で祈ることだ。

    自分の中にある真実に気づけないと、果て

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    2025年02月28日
  • タイタンの妖女

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    とある大富豪のお話から宇宙を駆け巡るところまでゆくドタバタのストーリー。人間の自由意志の存在をモチーフの一つにしながらも、どこかフワフワとした読み味を残す独特な味わいの作品だった。本編の面白さもさることながら太田光さんの解説も素晴らしかった。

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    2025年01月18日
  • タイタンの妖女

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    かなり面白かった。
    まず本の中に本が登場する入れ子構造が凄く印象に残った。
    また情景描写も美しいし、頻出するラテン語や英語も文学的で翻訳小説読んでるなーって感じで楽しかった。
    火星の記憶除去手術とアンテナは恐ろしかったし、「レンテッド・アテント・アテント・アテント」のリズムで行進操縦されるのが印象的で面白い。
    水星ではハーモニウムという美しい生き物の描写も良くて、アンクの生き方とボァズの生き方について考えさせられた。
    全体を通して、ラムフォードの苦しさとか上位存在に捨て駒にされる虚しさとか凄く感じられた。
    また、作者はキリスト教が大嫌いなんだなと思ったが、私もその気持ちに共感できる部分があり、

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    2025年01月16日
  • タイタンの妖女

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    「愛されるのを待ってる人を愛することだ」

    私は奇妙も奇妙な宇宙旅行をしてきた。
    水星で見るハーモニウムの透き通る藍玉色や、火星での無機質な軍隊と火星人の正体、タイタンの美しさ。

    滑稽だけど時に優しい本。
    頭の中で映像化する時、度々宮崎夏次系の絵になる滑稽さ。

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    2024年11月06日
  • タイタンの妖女

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    ストーリーとして、私には感動はあまりないけど、
    この世界観を作ったのが1959年だということが驚きです。SF好きな方には、是非読んで欲しい作品

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    2024年10月14日
  • スローターハウス5

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    ネタバレ

    カート・ヴォネガッド・ジュニア、
    そして訳者の伊藤典夫さん。
    どちらのファンになったのかわからないが、とにかく読みやすい!
    そして訳し方が好き。
    扉の紹介からまずやられた。
    著者が自分のこの本について紹介をする部分があるのだが、
    “この本は物語形式を模して綴られた小説である。”の後に“ピース。”とある。
    現在ご存命で81歳になられる伊藤さんの訳し方がとにかく読みやすくすいすい入ってくる。

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    2024年12月07日
  • タイタンの妖女

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    友人のおすすめで読みはじめましたが、丁寧に考えながら読んでいたんですが、言葉が自然と入ってこない為大変でした。
    物語の中で沢山、やりきれない悲しさやどうにもならない虚しさを感じていましたが、最後は良かったと思える終わり方だったのかなと、。
    また数年後にこの本を読んだ自分は全く違う読後感を得られるのかなぁ、。

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    2024年08月16日
  • タイタンの妖女

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    超SF!うーん、やっぱり、翻訳されたものだと、しっくりこないんだなあ。なんか、作者と文化が違うから、「?」ってなりやすかった。ま、それは置いといて、設定・内容はバリ面白かった!すごいなぁ。人間を客観的に最初、書いていたのも、印象的だったなあ。ふむ。

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    2024年07月13日