カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧

  • チャンピオンたちの朝食
    ヴォネガットの世界観は「タイタンの妖女」でほぼ全て示され、それを補完拡充することがその後の作品。で、その作業の行き着く果て及び結局それを止めた作品。作品というには丸裸すぎるほど生々しい哀しみ。
  • タイタンの妖女
    81冊目『タイタンの妖女』(カート・ヴォネガット・ジュニア 著、浅倉久志 著、2009年2月、早川書房)
    初出は1959年。1972年に単行本、1977年に文庫本として翻訳され、本書はその文庫本の新装版である。爆笑問題の太田光は予てからファンを公言しており、本書に後書きを寄せている。
    荒唐無稽なSF...続きを読む
  • タイタンの妖女
    読み始めは想像と違いなかなか前へ進めず。でも先が気になり頑張ってページをめくってた。後半から面白くなり出し忘れかけてた前半に戻ろうかとも思ったけど、とりあえず最後まで行こうと読み切った。
    読み切ってよかった!
    時空や登場人物がこんがらがって訳がわからなくなる事もあるけれど、読み終われば感動。
    もう一...続きを読む
  • タイタンの妖女
    この哀れな生物たちは、ある種の目的はほかの目的よりもっと高尚だという観念に取り憑かれていた。
    こんな現代人を別の視点から見て皮肉ったセリフがあるのがSFの魅力だと思う
  • タイタンの妖女
    正直読みづらかったが、50年以上も前の小説とは思えない新鮮さがあった。突飛な発想と不思議な語り口に魅了された。
  • スローターハウス5
    作者が戦時中に体験した事実に基づいた半自伝的SF小説。戦争をはじめとする、作者が直面した目を覆いたくなるほど辛い体験の数々。そこから目を逸らすのではなく、「そういうものだ」と受け止め、それでも楽しかった瞬間を思い出して(あるいは、その瞬間を訪れて)前を向いて歩んでいきたい。そんなメッセージを感じる、...続きを読む
  • スローターハウス5
    SFであると同時に戦争小説。死の場面に必ず出てくる「そんなものだ」のフレーズ。達観したというより死に鈍感になってしまう怖さ。主人公が戦前、戦中、戦後と絶えず時間を行き来することで戦争の愚かさが強調されたような気がする。
  • 母なる夜
    レーベルはSFだけどSFではないんだよね…
    ある種問題作かもしれません。
    (まあ仮の人物としてがSFか?)

    一人の二重スパイがこの状況にまで
    至るまでのお話。

    結局言ってしまえば、
    戦争というものは様々な憎しみの種を植え付け
    どこまでも暴走していくということ。

    まあそれでもこのキャンベルは
    ...続きを読む
  • タイタンの妖女
    遅読な自分は半年くらいかけて、ちまちまとこの小説を読んだ。岡田斗司夫のオススメで、太田光の愛読書という触れ込みで興味を持った。
    全体の構造を把握しながら一気に…という読み方よりは、毎日5ページずつくらいの方が、次から次へと展開していくこのストーリーを無理なく楽しめたかもしれない。まるで短編集を読んで...続きを読む
  • スローターハウス5
     名作と言われる『タイタンの妖女』がさっぱり面白いと思えなくて、疎外感を味わっていたものだ。そこでもっと評価の高いものを読んで、それでダメなら本格的に合わないのだろうと随分前に買ったのをようやく読んだ。SF的な要素はあんまりおもしろいとは思えなかったのだけど、ドレスデン爆撃の現場で地獄を見た人がその...続きを読む
  • タイタンの妖女
    名作と評判の一冊ですが、遂に読めました。コミカルなsfです。銀河ヒッチハイクガイドほどぶっ飛んではいません。
  • タイタンの妖女
    長い映画を観た後のような読後感。場面の展開が何度もあり、見知らぬ言葉も多いので戸惑うが、個人的には人におすすめ出来る素晴らしい本だと思う。
  • タイタンの妖女
    ヴォネガットらしくケレン味に満ちた名作。
    あらすじでは「シニカルかつユーモラス」と言われていたけど、素直に「趣味が悪い」とか書いてもいいんじゃないです?まぁ、それを面白く読ませるのがヴォネガットの持つ魅力なわけなのだけど。

    内容については、解説で太田氏が殆ど語ってしまっているかも。
    登場人物の全て...続きを読む
  • タイタンの妖女
    人類の色々な出来事、個人の行動が自分で選んだものではなく大きな存在から仕組まれたものだったりしたら・・・。
    と、聞くと大いなる陰謀から逃れようとする人間の戦いが始まりそうですが、基本自分よりも上位の次元の存在だとしたら、その行動から逃れようとするのは至難の業だと思います。この本もそういう悲しみを湛え...続きを読む
  • スローターハウス5
    SFをはじめて読んだ。めまぐるしく場面がかわるのに読みやすく、おもしろかった。生きるとか死ぬとかいうことをよく考えるので興味深かった。徹底的な「SO it goes.」にじわじわと打ちのめされる。本から離れ現実世界に戻ると不思議な余韻がつづく。こんな体験ははじめてです。
  • タイタンの妖女
    少しとっつきにくいところがあるがよちよちと読んでいくと読まずにはおれない気分にさせてくれる本だった。

    人類の究極の目的がわかってしまった時の悲哀が感慨深い。それでも…と思わずにはいられない。
  • タイタンの妖女
    この世の原理はカルヴァンの予定説的摂動()であり、然もその予定は神ならざる力に拠りもたらされる!みたいな。

    予定説のヨの字も出てこないんですけど、これは予定説です。

    唯一、作中のハーメルンの笛吹き男的登場人物のモデルがF・ルーズヴェルトてのが気に入らなかったけど、面白かった!
  • タイタンの妖女
    物語は壮大なファンタジーだが、その中身は総じて哲学的な問いが目立つ。
    一度読んだだけでは この作品が放つ本質的な問いを理解しきれず、分かった気になることしかできなかった。
    が、壮大なスケールで繰り広げられる物語は面白く想像をかきたてられた。
  • タイタンの妖女
    皮肉とユーモアに満ちたSF珍道中
    聖書の文章から頭文字を取って株券を買うという、信心深くも超適当な投資で莫大な財産を築いた父を持つ、大金持ちのダメダメドラ息子が、ある日自分の人生の行く末を聞かされ、抗うも結局は逆らえずに、予言通りの波瀾万丈な人生を歩む羽目になる…
    めちゃくちゃなあらすじで、細かいデ...続きを読む
  • スローターハウス5
    ドレスデン無差別爆撃の話。


    ビリーが第二次大戦における米軍爆撃機隊の活躍する深夜映画を逆向きに観て、負傷者と死者を乗せた穴だらけの爆撃機が逆向きに飛び立ってゆき、爆弾や銃弾を吸い込み、新品に戻り、軍需工場で解体され、鉱物になり、それをだれにも見つからない地中深く埋める、という一連の映画逆再生のシ...続きを読む