カート・ヴォネガット・ジュニアのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
過去と今
カート・ヴォネガットは自身が体験したドレスデン爆撃をもとに、この小説を執筆したらしい。
自身で体験されたことあって、表現は、生々しく、そして、ユーモアに書かれている。
ただし、物語として見ると、少し味気ないのかなと思う。
同じ作者の作品のタイタンの妖女の方が、ストーリーとしては好きだ。
場面がコロコロ変わるのだけど、そこまで印象が残るような、物事は起きないから、多分味気ないと感じたのだと思う。
トラルファマドール星人は4次元の目を持っていて、時間を自由に行き来することができるという。
だから彼らは宇宙の終わりも知ってるし始まりも知っているそう。
主人公も、作品中人生の時間の枠で、様々な瞬間 -
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ネタバレ1952年に書かれた近未来小説。
現代を言い当てているようなところだとか、
現代からつながっていく近未来を感じさせるところもあります。
全体としてはレトロな未来ですけどね。
たとえば、個人のもつIDカードがパンチカードだったりする古さがあるし、
半導体はでてこなくて、真空管がでてきます。
駒を動かす盤ゲーム(チェスみたいなものかな?)
で人間を負かすための機械がつくられたり、
機械に仕事をとってかわられてリストラされたり、
格差のある階級社会になっていたり、
21世紀を予見している(洞察している)ところがでてくる。
内容そのものもとてもおもしろいです。
また、
AとBという対立があって、
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Posted by ブクログ
あらゆる仕事が機械化された時代が背景の小説。(もはやそんなに遠い未来のことでもなさそうだ。)バーもすべてが機械化されて回転寿し屋のように酒が回ってたりする。オープンしたての頃はその目新しさで話題を呼び、大盛況となったのだが、すぐにつぶれてしまう。その数ブロック先に、生身の人間がカウンター内に立ち、ジュークボックスが置かれているバーがあったのだ。結局はみんなそこへ帰っていった。
そしてここから革命が生まれることになる。この酒場の描写箇所だけはこれがいつの時代だといっても通じる。外へ出れば、未来世紀ブラジルなんですけれど。人間が集まる場は人間を求める。酒場は永遠なんじゃないかと希望を持てた。ただ嬉 -
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ヴォネガット初の長編小説。1952年。
500ページ近くあり、かなり長いが、やはりヴォネガットは長編がいい。
最初の長編ということもあり、いつものノリとはちょっと違う。
まず、なんと言っても時系列順に物語が進んでいる。これはヴォネガット的に珍しい。
それから、トラルファマドール星人もキルゴア・トラウトもいない。
あんまりイカレた人は出てこない。しかしながら、「イリアム」という地名が登場する。
この先何度も出てくるこの地名、わたしは実在の都市だとばかり思っていたら、
架空なんだそうな。うーん、やられた。
そんなオーソドックスな手法で書かれたこの作品だが、
中盤くらいからだんだん箍が外れてくるの -
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Posted by ブクログ
ネタバレレーベルはSFだけどSFではないんだよね…
ある種問題作かもしれません。
(まあ仮の人物としてがSFか?)
一人の二重スパイがこの状況にまで
至るまでのお話。
結局言ってしまえば、
戦争というものは様々な憎しみの種を植え付け
どこまでも暴走していくということ。
まあそれでもこのキャンベルは
うまく立ち回ったとは思うのよ。
じゃなきゃ最初につかまった時点で
とっくに絞首刑になっているので。
そして一時の幸せであろう生活までもが
途中で暗転してしまう恐ろしさ。
それが彼にとっての「報い」だったのかもしれません。
結局は彼は望んで
延長されていた罪を受けることになります。
そうなるとどん -
Posted by ブクログ
ネタバレ機械が高度に発達し、コンピュータEPICACによりIQと適性を認められた極小数の管理者と技術者が支配する未来のアメリカ。大多数の人間は職を失い、自尊心をも失いかけていた。
第三次世界大戦中に人手不足のため機械への依存が高まると、機械は飛躍的に進歩し、EPICACと呼ばれるコンピュータにより全てが決定されることとなった。この組織を作り、発展させたジョージ・プロテュース博士の息子、ポール・プロテュース博士は高い地位にあったが、このような世界を徐々に疑問に感じ始めた。ポールより出世が早かったがその地位を投げ打った旧友フィナティー、夫を出世させることにしか頭に無く、何事に関しても口出しする妻のアニー -
Posted by ブクログ
ヴォネガットの小説はいつも話の筋になかなか掴みどころがない。
そしてこの作品は今までにましてストーリーが掴めなかった。
読んでいて、いるのかいないのかも分からない透明のウナギを捕まえろ!と命令されている気分。
狂った登場人物たちによる、でたらめな事実が箇条書きで続いていく。
訳者のあとがきによると、“ヴォネガットが書いた最も直接的なアメリカ批判の書”なのだという。
確かにその通りで、“ヴォネガットらしい”宇宙を感じさせられる途方もない視点から見たアメリカという国を、
かなり痛烈な言葉で批判したり皮肉っている文章が多く目に付いた。
例えば、コロンブスがアメリカ大陸を発見した“1492年”について