氏家幹人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かたき討ち(仇討)というと、「お覚悟!」と言ってハチマキ締めた女の人が短刀持って相手をブスリ。そんな時代劇のワンシーンを思い浮かべる方も多いかと思うが、同じかたき討ちにも色々な種類があるものだなとこの本を読んでわかった。
特にかたき討ちが盛んだった江戸時代初期を主に紹介しているが、なんかもう「さし腹」という仇討方法には切腹切腹また切腹で、読んでいるこっちもお腹が痛い。
いつの世も大切な人を無くしてしまった感情は同じなのである。しかし、討った肉親が今度は自分をかたき討ち、そしてさらに自分の肉親が相手を討つ、というように復讐の連鎖が始まってしまうのもまた「かたき討ち」。
大変興味深かった。 -
Posted by ブクログ
何年も前から気になっていた本。ようやく読めた。
江戸時代(たまに明治時代、もしくは戦国時代)の男色の流行、義兄弟の契りなど男性同士の性愛関係を分かりやすく解説。特に強調されていたのは江戸前期まで、男色は女色と並列の単なる性愛行為としてみなされていたということ。それが社会風俗の変化に大きく影響を受けて、人々の男色の捉え方も変化していく。
江戸時代の文献が至るところに引用されており、非常に説得力があった。しかし、この本に(意図的にかもしれないが)大きく欠如しているのは女性の存在について。男同士の絆を追うばかり、どの時代にも必ず存在していた女性を失念していたような気がする。硬派の流行、男色の流行もミ -
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
男どうしの恋の道、衆道は“武士道の華”。
美少年の争奪、衆道敵討、義兄弟の契り。
江戸の風俗大革命で喪われていく「性」の煌き。
武士たちの愛と絆を通して日本男性史を書きかえる。
[ 目次 ]
第1章 忘れられた敵討
第2章 君と私
第3章 恋する男たち
第4章 義兄弟の契り
第5章 ヒゲと前髪
第6章 男振
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかか -
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Posted by ブクログ
江戸時代に起こった怪事件や怪異譚(風聞含む)を、当時の資料や著書を通して解釈し、同時に著者の現代的な視点から解き明かそうとしたもの。「神隠し」「天狗の人攫い」を児童虐待や僧侶による少年愛、「河童」をストリートチルドレンとして解釈する見方は興味深い。だが怪異を須らく合理的解釈に結び付けたり、当時の人間の迷信として否定していないところには好感が持てる。
「本書で紹介された幾つかの残酷シーンに無邪気で陰湿な興味を抱く読者がいるかもしれない点だが、そんな『子供』や『未熟な大人』にこの本はお勧めできない。これは他人が何と言おうと学術書(の一種9であり、彼らの渇を癒すにはいささか内容が複雑すぎるからだ」 -
Posted by ブクログ
義兄弟って、よく聞くじゃないですか。
時代劇とか任侠の世界とかね。
あれってなんだろう、なんでだろう、というのがこの本を読んだきっかけ。
男同士の友情に必ずしもそういうのが結んでいる、わけではないのでは
とも思うんだけども、どうなんだろうね?
それでもやっぱり実際あったわけだし、学校で教えるのもアレかもしんないけど
そういうところまで日本史で教えられてたら面白かったのになあ。
オトナになってこうやっていろんな本読めば読むほど、
教科書で習った日本史ってなんだったんだろうって思う。
こういうことを前提にして歴史を見直すと、見方が広がるよね。
有名な文学作家のそんな小説なんて全然知らなかったけど、