氏家幹人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読んで「歪んだ性」とよく言われるけど、どう歪んでいるのだろうか?と疑問が湧いた。
「歪んでいる」というくらいだから、そういう人たちの頭の中には歪んでいない正しい性の形があるのだろうが、果たしてそのようなものがあるのだろうか?時代が違えば考え方のみならず、行動だって違ってくるだろう。性への取り組み方もそうではないのか。
結論めいたことは書かれていなくて、それでもいろいろ考えることのできる素材が十分に盛り込まれているのでいい本だと思った。特に、歳をとって精液を出し過ぎると寿命が縮むという説は実に身にしみた。気をつけよう。
Mahalo -
Posted by ブクログ
[内容・感想]
下世話だが他人の秘め事の話は面白い。それが、ご先祖様のものなら尚のこと興味をそそられる。本書は、江戸時代に生きた我々のご先祖様の性事情を当時の資料を元に解説してくれる一冊である。
本書で解説されている江戸時代における性交や色事の位置づけ、男女観、衆道(男の同性愛)、貞操観念、春画(昔のエロ本)の効用などの学校では“なぜか”絶対に教えてくれないようなご先祖様の様々の性事情はどれもこれも驚くような内容ばかりだ。
考えてみると当たり前の話なのだが、価値観なんてものは時代ごとに、それも案外短いサイクルで移り変わっていくものなのだ。性という身近かつインパクトのある内容が書かれた本書を -
Posted by ブクログ
日本の男色のエピソードは他の本でも触れたりはするが、それを専門的に扱っている本書は非常に貴重であり、中世に新しい光を注ぎ込んだと思う。
現代人からすると、非常に判りにくい男色の世界を丁寧に解説。
男同士の青春時代のきらめきから、バイセクシャルともとれるバランスのとれた性生活など、その幅広さを読むにつけ、昔の日本人は今より自由だったなと感心。
男同士のほのかな想いから、湧き上がってくる性欲まで、人によっていろいろだろうけど、そんな男同士のロマンスもシーンとして知りたいと思いました。
男同士のドラマをストーリー的にもっと解説してくれたら、もっと面白かったのだけどな・・・。
非常に勉強になりました! -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
みずから腹を割き、遺書で相手に切腹を迫る「さし腹」。
仇敵の死刑執行人を願い出る「太刀取」。
女たちの討入り「うわなり打」。
男色の愛と絆の証「衆道敵討」…。
著者は豊富な史料に基づいて、忘れられた多彩な復讐の習俗を照らし出す。
近世の人々はどのように怨みを晴らし、幕府は復讐の情をいかに管理し手なずけようとしたか。
うつろう武士道、演劇化する「かたき討ち」。
日本の復讐の歴史がよみがえる。
[ 目次 ]
うわなり打
さし腹
太刀取
衆道敵討
おんな敵討
敵持
囲者
もうひとつの武士道
法と情
将軍の質問
妻敵討
演劇的な、あまりに演劇的な
帳付
敵討の原像
[ POP ]
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