氏家幹人のレビュー一覧

  • あやめ横丁の人々
    祝言の席で妻を奪われ逆上して、男を切り殺した紀藤慎之介

    婚家に命を狙われ「あやめ横丁」に逃げる。


    慎之助を匿う宇治屋の一家をはじめ、あやめ横丁にいるのは訳ありな人々ばかり…
  • 武士道とエロス
    ところどころ、話が脱線するきらいはあるものの。
    なかなかセンセーショナルな題名にも関わらず、内容は至って真面目であった。
    男同士の友情を超えた愛情。
    それが、安定を望む江戸幕府転覆の起爆剤になることを恐れたお偉いさんが、意図的にその風習を信じた……という感じで合っているだろうか?
  • 武士道とエロス
    すごい面白い(笑)。久々に一気に読めた本でした。いわば男同士の恋”衆道”の歴史をみるもの。といっても時代は戦国末期~明治、とりわけ江戸前期がメイン。私は新しい発見がいろいろあって非常に面白かったんですが、この道をかじった人には物足りないらしい。まぁ、一般向けの入門書、といったところです。
  • 武士道とエロス
    日本の男色のエピソードは他の本でも触れたりはするが、それを専門的に扱っている本書は非常に貴重であり、中世に新しい光を注ぎ込んだと思う。
    現代人からすると、非常に判りにくい男色の世界を丁寧に解説。
    男同士の青春時代のきらめきから、バイセクシャルともとれるバランスのとれた性生活など、その幅広さを読むにつ...続きを読む
  • あやめ横丁の人々
    あやめ横丁に匿われた旗本の三男坊。徐々に町の暮らしに馴染む姿は微笑ましいが、あやめ横丁に住む人々の過去はとても悲しい。「あやめ」の云われもショッキングだが、プロローグに人生の儚さを感じる。宇江佐さんの巧さにはいつも感服します。
  • 江戸の怪奇譚
    江戸の怪談をいろんな角度で調べてます。結局人が一番怖いんじゃないかしらんと結論付けられていたりいなかったり。余談ですが、平田篤胤も会談研究していたんですね。
  • 江戸の性風俗 笑いと情死のエロス
    明示初めは男色が大流行、江戸時代は心中の死体見物が盛ん、などなど知られざる日本の歴史を垣間見れた気がする。
    特に男色に関しては、戦国時代の武士間の男色については耳知識だけあったので、そのことについての背景が詳しく述べられていて興味深かった。もっと調べてみたいかも。笑
  • 武士道とエロス
    主従や義兄弟の関係の濃密さが、エロス・性愛を匂わせる。
    「衆道」と聞くと「男色」と連想してしまうけれど、二人の関係の根本にあったのは強い精神的な結びつき=絆。
    お互いが特別だから心も身体も愛したいと思うのだろうし、時には嫉妬や刃傷沙汰になる時も…男同士の恋は命懸けだったんだね。
    今では同性愛とかゲイ...続きを読む
  • 武士道とエロス
    一言で言えば男色文化の解説本。男女の交わりとは一味違う、なんだか濃密な精神的連帯のようなものを感じました。
  • 武士道とエロス
    江戸時代の武士にとって衆道は普通のものだった?仇討ち、嫉妬、義兄弟。異性を介さない、どちらかというと精神的な繋がりを求める武士の恋愛についてを扱う。
    読みやすくて新たな発見ができる一冊。
  • 武士マニュアル
    幕末に作られた新人旗本向けの行動規範を書いた番衆狂歌、戦国期に作られた武士の心得をまとめた卜伝百首、18世紀に作られたという「武士としては」、「志塵通」、葉隠の話者である山本常朝が書いた「老士物語之ヶ条覚書」、切腹マニュアル「自刃録」を紹介した
  • 古文書に見る江戸犯罪考
    【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・全部で14話という構成。マニアックな人の話というのはやはり面白い。鬼平や遠山の金さんが出てく...続きを読む
  • 武士マニュアル
    私は何の目的で本書を購入したのか? まさかサラリーマンの処世術の参考にしようとは思っていなかったが、何だろう、この未達成感。著者の専門分野である江戸時代の武士の参考文献を基に現代語訳で解説された本書は、さらりと概要を窺い知るには適している。江戸時代直前の塚原卜伝が著した血生臭い実用本から比べ、いかに...続きを読む
  • 武士マニュアル
    「武士道」「葉隠」といった武士の精神面(得てして高潔な側面)を概説したものとは異なり、「こういうときはこうした方がいいよ」という武士のマニュアルを紹介したもの。上司への対応方法や火事地震の際の行動、果ては(切腹の作法を忘れた江戸末期の武士対象に)切腹の手順を教えたり、結構ガッカリするけど、逆に面白い...続きを読む
  • 武士道とエロス
    明日をも知れぬ戦国の世で、共に命を賭けて戦う男たちの「絆」としての男色。
    尻を開いてこそ心も開くという訳ですね。
    うむ、奥深い…
  • 武士マニュアル
    文量が少ないので、探求として読むには少し浅い内容。ただ、武士の変遷の流れを「泰平・戦国・そしてその過渡期」と追い、最後は切腹についての章を設けて閉じるという展開は、なかなか感じるものがあった。武士についての入門編としては良いと思う。
  • 武士道とエロス
    ホモ。いや、男色。衆道の話。
    戦国期から江戸初期にかけての、義兄弟、男性同性愛について。
    真面目な学術書。

    こういった歴史背景を仔細に見ると、これまで学生時分に学んだ日本の歴史観もやや変わるな。

    今日日、兄弟の契りなんて単語は任侠界でしか聞けないように思うが、その成り立ちを知ると、使い方に気を付...続きを読む
  • 武士マニュアル
    「もしあなたが今すぐ、江戸時代の武士の一人になったとしたらどのように生活すればよいのか」

    ありえないことではあるが、本書を読めば武士としてある程度は生活できるのかもしれない。もちろん暗黙知の部分は『修行』が必要ではあるが。

    武士の心得から、切腹の技術まで武士として生活するためのヒントがちりばめら...続きを読む
  • 武士道とエロス
     時代劇が好きな婦女子の方々に、ぜひ読んでほしい。
     煽り文句が凄い。

    「男同士の恋こそ武士道の華!」

     木下藤吉郎が主君である織田信長の草履を懐に入れて温めるエピソード「あたたかい草履」を読んだ人の感想は、以下の四つに分類されると思う。

    ①微笑ましい
    ②ふーん
    ③気持ち悪い
    ④萌え

     ④の...続きを読む
  • あやめ横丁の人々
    祝言の日に妻の想い人を斬った為、妻の実家から命を狙われる羽目になった主人公があやめ横丁で匿われる話。

    色々な人と接するにつれ自分の犯した罪や他人を思いやる気持ちをを学んでいく話。あやめ横丁で相思相愛になった娘とは、結局旗本へ復帰する際に別れることとなる。