氏家幹人のレビュー一覧

  • あやめ横丁の人々

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    ネタバレ

     原田康子「海霧」に続く新聞小説とのこと。宇江佐真理「あやめ横丁の人々」、2006.3発行、文庫。連作10話、455頁。旗本三男紀藤慎之介25歳とあやめ横丁の町娘伊呂波17歳のラブストーリーと言っていいと思います。読み応えがありました。ハッピーエンドで終わらないのは辛いですが、小説とはそういうものかもしれません。記憶に残る作品になりそうです!

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    2022年10月11日
  • 性なる江戸の秘め談義

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    ネタバレ

    「戦う男は美しくなければ。クサイオヤジじゃ戦えない」名言でました。
    一般の夫婦、男色、女の子同士の恋、玄人の恋。戦国時代から明治くらいまでの様々な性愛事情が様々な文献を元に紐解かれている。軽く読めて面白い。

    徳川家康は、討ち死にのとき恥をさらさぬよう香を焚き染めるよう家来に説き、当時の武士は香と紅粉と手鏡必携だったそうな。

    明治の若者が『賤のおだまき』を読んで薩摩に影響される様子も詳細に描かれてて面白い。鹿児島にある資料館や博物館では、賤のおだまきの美少年・平田三五郎が笛を吹く姿を描いた掛け軸にお目にかかれるそうよ。

    花魁などが用いたという手管としての心中が、痛い怖い

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    2017年10月04日
  • かたき討ち 復讐の作法

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    差し腹など知らないことを知れたのは大きい
    吉宗が暴れん坊将軍なだけじゃないことも知れた
    中国から敵討ちに関することを聞いているのは
    興味深く、今の中国とは違い、随分と理論的で
    進んでいる考えを持っていたのも興味深い

    著者の文章がたまに面白い

    「ゴング。~」のところは噴いた

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    2015年10月28日
  • あやめ横丁の人々

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    あやめ横丁の由来が花の名ではなく人を殺めるだったのは、予想もしていなかった。初めて聞く言葉がいくつも出て来て、どんどん引き込まれていった。10年後の結末は悲しさ半分、教え子の成長に希望が有り救われた。

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    2013年01月31日
  • あやめ横丁の人々

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    ネタバレ

    主人公の慎之介が精神的に大人になっていく物語。事件の多くは現代にもよくある悲しい話。登場人物の全てが切ないが、手習いの子供たちがまともに成長してくれたことが救いだ。

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    2011年09月08日
  • あやめ横丁の人々

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    やむを得ぬ理由で人を切ってしまった、主人公である旗本の三男が、ほとぼりが冷めるまで匿われることになった「あやめ横丁」に暮らす人々を描いた長編。うーむ、「あやめ」という言葉には別の意味があったのだなぁ。深い・・・・・。

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    2011年09月26日
  • あやめ横丁の人々

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    「あやめ横丁」の由来には本当に驚きました。切ない切ないお話です。が、人と繋がるのは悲しいこともあるけど、やはり人と繋がらなくては生きていけないのだなぁ・・・ということをサラッとした感覚で読ませる・・・スゴイ本です。

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    2011年04月20日
  • 江戸の性風俗 笑いと情死のエロス

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    [ 内容 ]
    猥談に興じ春画を愉しむおおらかな性。
    男色は輝きを失い恋は色へとうつろう。
    性愛のかたちから江戸精神史を読みかえる。

    [ 目次 ]
    第1章 川路家の猥談
    第2章 京都慕情-雅びとエロス
    第3章 春画の効用
    第4章 薬としての男と女
    第5章 男色の変容
    第6章 肌を許すということ
    第7章 恋のゆくえ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通

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    2010年11月25日
  • あやめ横丁の人々

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    解説とあとがきを読むのが好きなので、たまに本編の前にちらっと目を通す事がある。

    今作に関しては本当にしくじった。

    著者は題名をつけるのが巧いなー。

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    2009年10月04日
  • あやめ横丁の人々

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    おもしろいっ

    史実的にこの『あやめ横丁』のような町が
    存在したのかどうかは甚だ疑問だけれど、
    物語的にはひきつけられる魅力満載。

    登場人物の切ない想いがひしひしと伝わり
    ところどころで涙涙。
    もちろんこれは作者である宇江佐氏のメッセージであり・・・
    またこの作品が新聞に連載されていたことにも
    感慨深いものがあり・・・・

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    2009年10月04日
  • あやめ横丁の人々

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    うっかり映画より先に読んでしまいました。

    わがまま(というか良くも悪くも武家社会で育ってきた)若様が町屋暮らしに馴染んでいく流れは秀逸。

    最後はちょっと切ないです。

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    2009年10月04日
  • あやめ横丁の人々

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    初めて読んだ宇江佐さんの本、帯で興味、挿画で興味。しっとりとした市井ものなんて……と思っていたら大間違いでした。

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    2009年10月04日
  • 武士道とエロス

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    衆道は「武士道の華」そんなフレーズにしびれちゃう方にはバリッとオススメ。男同士の恋ってこんなにも多くあったんだー。とコンテンツ見ただけで感嘆の声がでました。ワタシが語ると軽く聞こえちゃいそうですが、講談社現代新書から発行されてるってコトからこの書物、とても真面目な教養本です。

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    2009年10月04日
  • あやめ横丁の人々

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    ネタバレ

    2024/7/6
    侍は嫁もらって女の子は生涯独身のまま火事で死んだんか。
    って結末だけ書くとなんやそれ!やねんけど、読後感はそれだけじゃないんよ。
    やりきれない感じもあるし、仕方ないという諦めもあるけど、あっぱれな感じさえあるのよ。
    もらった嫁がいいしな。
    あのまま親分の跡を継ぐのかと思ったし、その方が物語としてハッピーなんだけど簡単に終わらせないとこが小憎らしいよな。

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    2024年07月14日
  • 増補 大江戸死体考

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    人斬り山田浅右衛門の時代・・・江戸時代は死体の臭いが漂う。
    第一章 屍都周遊  第二章 様斬(ためしぎり)
    第三章 ヒトキリアサエモン
    第四章 胆(きも)を取る話
    第五章 仕置人稼業-浅右衛門の弟子たち
    付論 人斬りの家・女の家 注有り。
    付録 山田浅右衛門の代々
    主な参考文献と史料
    江戸時代の“死体”事情と、据物師・山田浅右衛門の存在を語る。
    お江戸の死体事情。川や堀、井戸への身投げ。
    首吊りと、死体の存在が身近にあったこと、同心等の検死をする
    「検使」をする者たちには、検使マニュアルが存在したことが
    示されています。時代劇の同心たちの検死風景が浮かびます。
    戦国~江戸初期の武士たちの試し斬

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    2021年06月24日
  • あやめ横丁の人々

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    時代小説というよりファンタジー捉えて欲しいとあとがきで作者がいうように、江戸時代の人情物語を少しふんわりとした感じか。元々新聞の連載小説ということで少しずつ楽しめて、それでも最後は少々ドキドキするような仇討ちもあり。

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    2020年06月11日
  • かたき討ち 復讐の作法

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    ネタバレ

    復讐の方法様々。
    特に恐ろしいのはさし腹。
    これいくらでも悪用ができちゃうのです。
    だから気に入らないものを命と引き換えに…
    ああ恐ろしい。

    敵持ちも本当に大変なもの。
    特に不条理な理由があった場合は
    本当に隠れていないと大変なのです。
    (中にはうっかり打ち明け話をして
    討たれてしまうというおまぬけさんもいますが)

    結局これらかたき討ちというのは
    時代が下るにつれてそのものの行為が
    よいものとは言えなくなってしまい
    すたれていくこととなります。

    男色系のかたき討ちは
    おっかないよー
    男の嫉妬も本当に怖い…

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    2018年06月06日
  • あやめ横丁の人々

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    著者自身、あとがきで「時代小説というよりファンタジー」と言っているように、そんな馬鹿な、といったストーリーです。でも、そうはっきり割り切っているからでしょう、なかなか面白く読めます。そこいらは著者の力量でしょうね。
    もう一つ、なんか読んでいていつもと雰囲気が違うと思ったのは、この作品が新聞小説として書かれたものだからのようです。連作短編のように、小さな盛り上がりが多数有って、その代わりに大きな盛り上がりは少ないのです。
    余りしっとりした感じは無いですが、まずまず良く出来た時代小説でしょう。

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    2017年10月30日
  • 古文書に見る江戸犯罪考

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    面白かった。
    もう少したくさん読みたいくらい。
    最後の死罪の章は絵入りで詳しく、
    大変勉強になりました。
    いろんな様式へのこだわりがまた面白い。

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    2017年03月08日
  • 増補 大江戸死体考

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    ネタバレ

    ・氏家幹人「[増補]大江戸死体考」(平凡社ライブラリー)の 第一章は「屍都周遊」である。歌舞伎がらみでエピソードを抜き出す。まづは砂村隠亡堀である。「東海道四谷怪談」の戸板返し、民谷伊右衛門がお岩と小仏小平を打ち付けた戸板にばつたり遭遇する場面である。ここで伊右衛門は戸板を再び川へ押し流す。私は自分の殺した2人を見たくもないから川へ押し戻したと思つてゐた。「この場面に、今日の観客の多くは伊右衛門の悪逆非道を感じてしまうことでしょう。なんて残虐な、と。」(19頁)私もかういふこともあらうかと思ふ。ところが江戸の実態に即すと、この場面は別の様相を帯びるらしい。つまり、当時の観客は「このシーンを“普

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    2016年08月07日