氏家幹人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「戦う男は美しくなければ。クサイオヤジじゃ戦えない」名言でました。
一般の夫婦、男色、女の子同士の恋、玄人の恋。戦国時代から明治くらいまでの様々な性愛事情が様々な文献を元に紐解かれている。軽く読めて面白い。
徳川家康は、討ち死にのとき恥をさらさぬよう香を焚き染めるよう家来に説き、当時の武士は香と紅粉と手鏡必携だったそうな。
明治の若者が『賤のおだまき』を読んで薩摩に影響される様子も詳細に描かれてて面白い。鹿児島にある資料館や博物館では、賤のおだまきの美少年・平田三五郎が笛を吹く姿を描いた掛け軸にお目にかかれるそうよ。
花魁などが用いたという手管としての心中が、痛い怖い -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
猥談に興じ春画を愉しむおおらかな性。
男色は輝きを失い恋は色へとうつろう。
性愛のかたちから江戸精神史を読みかえる。
[ 目次 ]
第1章 川路家の猥談
第2章 京都慕情-雅びとエロス
第3章 春画の効用
第4章 薬としての男と女
第5章 男色の変容
第6章 肌を許すということ
第7章 恋のゆくえ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通 -
Posted by ブクログ
人斬り山田浅右衛門の時代・・・江戸時代は死体の臭いが漂う。
第一章 屍都周遊 第二章 様斬(ためしぎり)
第三章 ヒトキリアサエモン
第四章 胆(きも)を取る話
第五章 仕置人稼業-浅右衛門の弟子たち
付論 人斬りの家・女の家 注有り。
付録 山田浅右衛門の代々
主な参考文献と史料
江戸時代の“死体”事情と、据物師・山田浅右衛門の存在を語る。
お江戸の死体事情。川や堀、井戸への身投げ。
首吊りと、死体の存在が身近にあったこと、同心等の検死をする
「検使」をする者たちには、検使マニュアルが存在したことが
示されています。時代劇の同心たちの検死風景が浮かびます。
戦国~江戸初期の武士たちの試し斬 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・氏家幹人「[増補]大江戸死体考」(平凡社ライブラリー)の 第一章は「屍都周遊」である。歌舞伎がらみでエピソードを抜き出す。まづは砂村隠亡堀である。「東海道四谷怪談」の戸板返し、民谷伊右衛門がお岩と小仏小平を打ち付けた戸板にばつたり遭遇する場面である。ここで伊右衛門は戸板を再び川へ押し流す。私は自分の殺した2人を見たくもないから川へ押し戻したと思つてゐた。「この場面に、今日の観客の多くは伊右衛門の悪逆非道を感じてしまうことでしょう。なんて残虐な、と。」(19頁)私もかういふこともあらうかと思ふ。ところが江戸の実態に即すと、この場面は別の様相を帯びるらしい。つまり、当時の観客は「このシーンを“普