あらすじ
恋愛を強く戒めた剣豪の教えから人間関係のさばき方、「就職」時の心得、切腹の介錯人を命じられた際の対応まで……。戦国時代から幕末にかけて武士のあいだで伝えられた数々の「武士心得」を、近世史料の第一人者が縦横に読み解いた。独立心、克己心、誠を尽くすなど、多くの教えが現代人の心にも1本の筋を通してくれるはずだ。
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Posted by ブクログ
幕末に作られた新人旗本向けの行動規範を書いた番衆狂歌、戦国期に作られた武士の心得をまとめた卜伝百首、18世紀に作られたという「武士としては」、「志塵通」、葉隠の話者である山本常朝が書いた「老士物語之ヶ条覚書」、切腹マニュアル「自刃録」を紹介した
Posted by ブクログ
私は何の目的で本書を購入したのか? まさかサラリーマンの処世術の参考にしようとは思っていなかったが、何だろう、この未達成感。著者の専門分野である江戸時代の武士の参考文献を基に現代語訳で解説された本書は、さらりと概要を窺い知るには適している。江戸時代直前の塚原卜伝が著した血生臭い実用本から比べ、いかに江戸中期から末期にかけて柔弱になっていったかは興味深い。「昔は今と比べくもない」はいつの時代も常套句なのかも。偶然にも読みたい本に登録していた「江戸藩邸物語」の著者だった。こちらも読もう。
Posted by ブクログ
「武士道」「葉隠」といった武士の精神面(得てして高潔な側面)を概説したものとは異なり、「こういうときはこうした方がいいよ」という武士のマニュアルを紹介したもの。上司への対応方法や火事地震の際の行動、果ては(切腹の作法を忘れた江戸末期の武士対象に)切腹の手順を教えたり、結構ガッカリするけど、逆に面白い。
今を生きる現代社会のサラリーマンも参考にできる。
Posted by ブクログ
文量が少ないので、探求として読むには少し浅い内容。ただ、武士の変遷の流れを「泰平・戦国・そしてその過渡期」と追い、最後は切腹についての章を設けて閉じるという展開は、なかなか感じるものがあった。武士についての入門編としては良いと思う。