岡部伸のレビュー一覧

  • 「諜報の神様」と呼ばれた男 情報士官・小野寺信の流儀

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    連合国がおそれた、インテリジェント・オフィサー 小野寺信を描いたドキュメンタリーです。

    すさまじかった。読後、まず、思い浮かんできたのは、漢の軍師、張良でした。

    まさに情報こそが国家の生死を決する大事であることが、伝わってきます。
    教科書では無味乾燥に、無関係に並ぶ、戦争や事件が裏で巧妙につながっていることが感じられました。
    遠く離れた北欧・東欧の国々について、感謝の念が沸き上がるとともに、戦後日本が国土を保ちえた幸運を感じました。

    気になったことは以下です。

    ■インテリジェント・オフィサーの条件
    ・人種、国籍、年齢、宗教を超えた、あらゆる人たちとの誠実な人間関係
    ・祖国を失った人たち

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    2023年10月08日
  • 消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い―

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    ネタバレ

    「消えたヤルタ密約緊急電」
    〜情報士官・小野寺信の孤独な戦い〜
    岡部伸

    ヤルタ密約というのは歴史の教科書にも記載のあるヤルタ会談でアジアに関する戦後処理を下記の内容を3人で非公開で合意したものである。(一部抜粋)

    ドイツ降伏後3ヶ月以内に日本に参戦する
    樺太南部及び隣接島嶼をソビエトに返還
    千島列島をソビエトに譲渡

    アメリカ:ルーズベルト
    イギリス:チャーチル
    ソビエト連邦:スターリン

    当時、日本は和平交渉を不可侵条約を結んでいるソ連に仲介してもらうことで政府は考えていた。
    参戦する予定のソ連に楽観的希望が強くなっている時に上記密約情報を入手し、日本に打電した情報士官小野寺信陸軍少将の

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    2022年09月26日
  • 第二次大戦、諜報戦秘史

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    第二次世界大戦における情報戦(ヒューミント工作)がオムニバス形式でとっつきやすく、また内容も分かりやすく示されている。

    シンガポールでの日本の優れた諜報工作、インパール作戦へのチャンドラボースの影響(ボースの熱意に押された部分もあるが、その後のインド独立の源流になったと今では評価)、終戦決定前の国体護持に関するアイルランドとアフガンからの電報、小野寺スウェーデン武官の活躍、GHQと共産主義者の蜜月など。

    但し、自分的に珠玉だったのは、第六章の戦時に陸軍中心にソ連崇拝・幻想化が進んでいたこと、第七章にあるように、その裏でスターリンが着々と対日参戦の準備を秘密裏に敷いていたことだった。

    いず

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    2022年02月26日
  • 「諜報の神様」と呼ばれた男 連合国が恐れた情報士官・小野寺信の流儀

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    明石元二郎と小野寺信を学んだ瞬間、日本近代史への見方が180度変わってしまった。なぜ戦争に負けたか?とか、日本のリーダーシップの問題云々だとか、もはや論じることに1mmの価値も感じない。

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    2021年08月12日
  • 消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い―

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    [孤人奮闘]「ドイツの敗戦から3ヶ月後、ソ連は日本に対して攻め入って来る」。日本が敗戦まで把握していなかったとされるそのヤルタの密約を、欧州に張り巡らせた情報の網から入手し、日本に打電していた男がいた。しかし、その電報が届いたという記録は残っておらず、結果として日本はソ連の対日参戦を許してしまう......。インテリジェンスの世界で「神様」と呼ばれた小野寺信という知られざる人物と第二次世界大戦中の諜報の内幕を描ききった衝撃のスクープ作です。著者は、北方領土返還交渉などの取材も務められた岡部伸。


    「ここまでよく調べたな......」というのが正直な印象。岡部氏が綴らなければ歴史の彼方に消えて

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    2013年10月04日
  • 消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い―

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    第二次大戦中にスウェーデンで欧州情報を担当した今で言うインテリジェンスオフィサーの陸軍の小野寺信少将の記録である。杉原千畝を配下にしていた人だ。ソ連の対日参戦という極秘情報を入手打電したのに大本営で握り潰されたのを本人が知ったのは、なんと1983年だそうだ。筆者は、その後に公開された米英資料や、本人の家族に語った証言テープなどを渉猟し、どのように戦時下の異国で情報入手ルートを作り上げたかを克明に記している。本書の出だしはクドイ部分もあったが、しだいに筆ものってきてグイグイ引き込まれた。当時の日本に第一級のインテリジェンス能力があったのがよく分かる。でも、それを使いこなせないのは、変わらないのか

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    2013年02月11日
  • 至誠の日本インテリジェンス - 世界が称賛した帝国陸軍の奇跡 -

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    ネタバレ

    第二次大戦の日本軍の情報収集能力は世界でもトップレベルであったことについて、初めて知りました。
    また、第二次大戦終戦間際のソ連の北海道侵攻を、いち早く察知して防いだ為、日本が分断されずに済んだことから、平和の為には、情報収集の強化は不可欠だと思いました。

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    2025年10月12日
  • イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 EU離脱の深層を読む

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    今のロシアのことを理解するうえで、産経新聞がロシアという国をどんな風に捉えているかが理解できて良かった。

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    2022年08月09日
  • 「諜報の神様」と呼ばれた男 連合国が恐れた情報士官・小野寺信の流儀

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    太平洋戦争時にスウェーデン武官を務めた小野寺信少将について、インテリジェンスオフィサーとしての役割を中心に、背景となる前半生も含めて解説。少し長かったり、まとまりがなかったり読んでいて辛い時もあったが、影で活躍した小野寺少将の功績に光を当てるものとして非常に興味深かった。

    特に、関心を持ったのは以下の点。
    ・小野寺は年間20億円もの諜報費を使っていた
    → 今の日本ではそこまで諜報に金は使っていない。ODAや自衛隊の装備に金を使う前に情報ではないかと。

    ・同盟国のドイツ、ハンガリーのみならず、親日的な欧州小国士官(フィンランド、ポーランドら、エストニア、ラトビア)から情報を得る。実は、リトア

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    2021年08月10日
  • 賢慮の世界史 国民の知力が国を守る

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    外交史と現在の世界情勢をベースとした対談。

    政治学や交渉論のほか、「信頼せよ、されど検証せよ」などといった含蓄のあるフレーズも所々引用されており、好奇心が刺激されるものとなっている。

    外交上の振る舞い方や検証については、同心円を小さくすれば参考になるところも多いのでは、と感じた。

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    2021年05月09日
  • 賢慮の世界史 国民の知力が国を守る

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    なかなかいい組み合わせだと思う。
    最後の教育に関する章。イギリスの教育が紹介されていたが、日本は何やってんだって感じ。
    詰め込みは必要。大事なのはその先。

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    2021年05月07日
  • イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 EU離脱の深層を読む

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    イギリスのEU離脱に対する国民投票結果について、一通り復習、理解することができます。またその意味と裏側についてもある程度整理することができました。なぜ結果が離脱に動いたのか、それは歴史的な背景からどのような意味を持つのか。重要なファクターであるロシアとの関係は。そして日本にとっての意味はどうなのか。興味のある関係についてまとめて考えることができました。最後に日本の取るべき策については、踏み込んだ意見とも感じましたが、考えさせられるものもありました。
    この世界は先行き不透明であり、しっかりと何が起こっているのかを見ていく必要性(決して推測で判断しない)を考えさせられました。

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    2016年09月24日
  • イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 EU離脱の深層を読む

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    産経新聞ロンドン支局長が、本年6月に世界を驚かせたBrexit(英国のEU離脱)の決定について、その背景と影響を分析したもの。
    Brexitの影響については、既に様々なメディアで取り上げられているように、他のEU諸国の離脱はもとより、世界経済や中国など多方面への広がりが予想されているが、本書では、著者がかつてモスクワ支局長を務めた経験・知見を踏まえて、ロシアの台頭を主たる懸念として取り上げている。
    著者の主な主張は以下である。
    <イギリス解体>
    ◆離脱派勝利の背景には、グローバリズムの負け組となり、過激な排外主義に熱狂する白人労働者の反乱、情緒に流され、一部のポピュリズムの政治家に煽られた英国

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    2016年08月27日
  • 消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い―

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    ●:引用、他は感想
    佐々木譲「ストックホルムの密使」ではじめて知り、終戦工作に関する書物では必ず目に入る名前。最近まであまり優秀なインテリジェントオフィサーとの印象は無かったが、今年の夏のNHKスペシャル”終戦 なぜ早くきめられなかったのか」を見て、俄然気になっていた。
    題名にある「消えたヤルタ密約緊急電」をはじめとする、小野寺信在ストックホルム陸軍武官の諜報活動を、複数の資料を駆使して多角的に捉え、疑問点や矛盾点を解き明かそうとしている。しかし、同じ事柄に対する各資料の記述がほぼ同じ場合でも、そのまま重複し記述いるため、なかなか先に進まず、まどろっこしい。
     
    読むと、根元博中将や杉原千

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    2013年01月27日
  • 賢慮の世界史 国民の知力が国を守る

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    元外交官の佐藤優と新聞記者の岡部伸によるインテリジェンスについての話。

    双方が特定のテーマについて語る形式だったため、内容はやや散漫だったものの面白かった。

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    2023年04月02日
  • 賢慮の世界史 国民の知力が国を守る

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    ネタバレ

    まとめと一部感想

    北方領土交渉
    北方領土返還のチャンスを逃して久しいが、返還請求側が交渉では有利なことを前提に、米中関係とロシアの介入等地政学的変化も考慮しつつ引き続き交渉を続けるべき。

    国際情報戦
    ゴーンの逃亡に際して国際的な共感が得られた背景にキリスト教宗派が関係している。そのあたりの分析する視点がソフトパワー利用には必要になると感じた。
    イギリスがファイブアイズをして日本を取り込みシックスアイズにする可能性を示唆している。日本としてはこの体制には情報交換の幅が拡がるのみでなく、イデオロギーや価値観を共有する各国とサプライチェーンを構築できる経済的な連携のメリットがある。一方、同盟国の

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    2021年05月16日