【感想・ネタバレ】イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 EU離脱の深層を読むのレビュー

あらすじ

EU離脱派のオピニオンリーダー、ボリス・ジョンソン氏にとって、国民投票の結果は実は「誤算」だったという。彼には「僅差で敗北して存在感を高める」という思惑があったとされる。そんな離脱派の扇動により、英国の未来は変わった。残留派が6割を占めたスコットランドでは、イギリスからの独立を問う住民投票を行う意向もあり、スタージョン首相は実施の予定時期まで明言した。連合王国解体の危機といえる。そしてこの騒動で高笑いをしているのがロシアだ。ウクライナ問題に伴う、EUによるロシア封じ込めが困難になるからだ。そればかりかロシアがEU離脱プロパガンダを行なった可能性すら指摘されている。老大国の激震を、山本七平賞も受賞した産経新聞ロンドン支局長が緊急報告! (目次より)●キャメロンの危険な賭けと誤算 ●欧州各地で離脱ドミノ ●EU成立の経緯 ●独仏でもEU懐疑主義台頭 ●再び英露のグレートゲームが始まる

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Posted by ブクログ

今のロシアのことを理解するうえで、産経新聞がロシアという国をどんな風に捉えているかが理解できて良かった。

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2022年08月09日

Posted by ブクログ

イギリスのEU離脱に対する国民投票結果について、一通り復習、理解することができます。またその意味と裏側についてもある程度整理することができました。なぜ結果が離脱に動いたのか、それは歴史的な背景からどのような意味を持つのか。重要なファクターであるロシアとの関係は。そして日本にとっての意味はどうなのか。興味のある関係についてまとめて考えることができました。最後に日本の取るべき策については、踏み込んだ意見とも感じましたが、考えさせられるものもありました。
この世界は先行き不透明であり、しっかりと何が起こっているのかを見ていく必要性(決して推測で判断しない)を考えさせられました。

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2016年09月24日

Posted by ブクログ

産経新聞ロンドン支局長が、本年6月に世界を驚かせたBrexit(英国のEU離脱)の決定について、その背景と影響を分析したもの。
Brexitの影響については、既に様々なメディアで取り上げられているように、他のEU諸国の離脱はもとより、世界経済や中国など多方面への広がりが予想されているが、本書では、著者がかつてモスクワ支局長を務めた経験・知見を踏まえて、ロシアの台頭を主たる懸念として取り上げている。
著者の主な主張は以下である。
<イギリス解体>
◆離脱派勝利の背景には、グローバリズムの負け組となり、過激な排外主義に熱狂する白人労働者の反乱、情緒に流され、一部のポピュリズムの政治家に煽られた英国版トランプ現象などがあるが、その根本は、第二次大戦後、旧植民地からの移民に国籍を与えてきた寛容さを不寛容に変質させた移民の増加、製造業の衰退、経済的に厳しい地方と繁栄する大都市の格差拡大、エリート層とグローバル化で取り残された労働者の分断などである。
◆残留派が上回ったスコットランドや北アイルランドでは、EU残留のための独立の動きが始まり、それぞれの内向きのナショナリズムは、英連合王国を崩壊させる危機さえ孕んでいる。
<EU崩壊>
◆離脱派の勝利は、EUが直接選挙を経ていない巨大な官僚機構に支配されているという構造的な問題への不満でもあり、EU改革を早急に進める必要がある。
◆ドイツの重しとしての存在感があった英国の離脱は、EUのパワーバランスを崩し、加盟国の間でドイツ警戒論が強まることによって、EU崩壊に繋がりかねない。
<ロシア台頭>
◆Brexitの漁夫の利を得るのはロシア。対ロ最強硬派の英国がEUから抜ければ、EUの対ロシアのスタンスは弱まり、相対的にロシアが台頭する。
◆英国のメイ新首相はロシアとの対立姿勢を鮮明にしており、さながら21世紀のグレート・ゲームの様相を呈してきたようにさえ見える。
欧州の歴史の転換点になる可能性すらあるBrexitについて、コンパクトに纏められた、タイムリーな一冊。
(2016年8月了)

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2016年08月27日

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