岬龍一郎のレビュー一覧
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個人の独立心が必要だ。他人の意見に流されるのではなく、他人に媚びるのではなく、自身で判断できるようにならなければならない。
独立心が無いと、他人に頼る。頼ることが当たり前になって、自身の不遇を他人の責任にするようになる。
集団全体にそういった意識が増えると、集団が腐って行く。
私にできることは、自身の独立心を高めること。そして、人の独立心を高めるように助けること。
そのためには、学び続けることが大切だと思う。難しい言葉を学ぶということではなく、生活を高めるために学ぶのだ。
その生活とは、私個人の生活を成り立たせるというわけではない。他者の生活に貢献し、集団全体の生活をより良くするということで -
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武士道とは何か、日本の武士道精神そのものと、それが日本人の心や動作に浸透してきた背景が理解できる。著者が明治維新後30年くらいで外国人向けに書いたという視点で意識して読むと良いと思った。
時代が違うので当然価値観も違うが、少なくとも今でも日本人の心に受け継がれてきているものもたくさんあり、またそれは武士道の元になっている神道や仏教、儒教から今に受け継がれているものも多い。そういった先人の教えを武士道の視点から学べることはためになる。
学びメモ
・知識というものは、これを学ぶものが心に同化させ、その人の品性に表れて初めて真の知識になる。知識はそれ自体が目的とはならず、あくまで知恵を得るための手 -
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今日の会話の中で私たちは、「彼は侍だ」とか”大和魂”という言葉を使うことがある。しかし、それが何を示すのか明確な定義を教わることはなく、経典のようなものも少ない。だから、著者である新渡戸稲造はこれらを日本人に受け継がれる精神”武士道”として、まとめたのである。
孔子の教えである「五常の徳(仁・義・礼・智・信)」または「八つの徳(忠・孝・悌)」が武士道の基盤となっている。義は人の心、礼は礼儀作法・所作を指し、仁や義を型として表すことである。仁は人の良心、慈悲の心のことを言う。伊達政宗は「義に過ぎれば固くなる。仁に過ぎれば弱くなる。」の言葉を遺している。仁義のバランスを取ることが大事であると -
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ネタバレ仏教は、運命を受け入れ、危険や災難を目にしてもストイックに落ち着き、生に執着せず、死に親しむ心をもたらした。
サムライ"義“は、自分の身の処し方を、道理に従い、ためらわず決断する心をいう。
死すべき時に死に、討つべきときに討つこと
勇敢な人は優しい人
愛のある人は勇敢な人
礼は、長い苦難にも耐え忍び、親切で妬みの心を持たず、誇らず、おごらず、非礼を行わず、自分の利を求めず、憤らず、慢心しない
人を泥棒呼ばわりすれば、彼は泥棒となる
「つまらないものですが」は、つまらないものをあなたに贈る、という物目線の言葉ではなく、
「あなたはいい人だからどんなものであってもあなたにふさわしいといっ -
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ネタバレ無駄な余談に走ることがなく、武士道という漠然としたものをキーワードに分けて定義付け。そして、ビックリするほど理路整然として客観的な見解!不安げにあたりを見回す読者に対してスマートにエスコートしてくれるジェントルマンに見えてきてしまった。
加えて日本だけでなく、海外の学者や聖書の言葉まで引用しており、武士道への理解を深めて貰おうとする工夫の仕方が素直に凄かった。次々と繰り出されるもんだから注釈を見るのに忙しかったし、相当な読書量やなと脱帽。さすが国連事務局次長!
(天皇を「天上の神の代理人」と表していたのには時代を感じた)
個人的にささったのは「名誉」の章。(英語版では“honour”)`