戌井昭人のレビュー一覧
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ネタバレ『青鬼』
格差社会の下層にいる男。ある日からまぶたの裏に青鬼がうつって消えない。現実から逃げ出すと、自分が鬼になっていた。
『カナリア』
大学時代に芝居をはじめてから、ほとんど生活を変えることなく飲んでばかりいたら五十歳になっていた男。カナリアを飼うことに決め、購入に付き添ってくれたモンちゃんがその帰りに事故に遭う。
『酔狂市街戦』
飲みすぎてちゃんと演奏の出来ないバンドのメンバーである3人の男たち。ツアーで訪れた京都の市街地で、いきなり市街戦を始める(幻想)。
『川っぺりらっぱ』
サックス奏者の男。やっぱり酒好きで、前歯が一本ない(前歯がなかったらサックスは吹けないと思う)。サックス教室の生徒たちと家族と川辺でバーベキュー。
西加奈子さんとのトークイベントで初めて知った作家さん(兼俳優)。肉眼で見た彼は「色気のあるダメ男」という印象で、生涯通じて誰かに媚びたことなんてなさそうな雰囲気が漂っていた(トークは終始彼のペースで進み、とにかく自由だった)。
著書もそんな彼の印象に違わず、誰にも媚びてなくて、ストーリー性もなければ夢も希望もない。文字だけなら笑えるけど、現実にいたら冷たい視線を浴びせてしまいそうなダメ男ばかりを描いている。でも、誰にも迷惑かけてなくてむしろ善い人ゆえに割りを食ってばかりでちょっと辛くなった。がんばれ、中年。
町田康さんに影響を受けているようだけど、やっぱり町田康の描くダメ男には敵わないかな〜と、個人的には感じてしまった。 -
Posted by ブクログ
今作でも、主人公は犯罪者に扮したり、台詞もなくただ無惨に殺されたり…、特異な役を嬉々としてこなす。そう、現場での亀岡拓次はすこぶる男前。業界の評価はうなぎのぼり。カルトなファンは多く、その中には外国人監督もいたり。
読み飽きさせないプロットとドライブ感。仕組まれた構成。なのに前作の方がはるかにオモロい。原因は明確。とにかくはっちゃけすぎ。前作に垣間見れた主人公の哀愁さ・小心さ・下心さはすっかり影を潜め、大胆で能動的過ぎる。躁気質なキャラになってしまっている。人物造形の振り幅の大きさに首をかしげてしまう。著者は続編を想定していなかったんだろうな。ゆえに過剰なケレンさを生んでしまった。今作から読んだ人には陽気なバイプレーヤーの奔放な振る舞いにくすくす笑いの連続であることは保証します。 -
Posted by ブクログ
よく分からない叔父がテキトーに生き、なんか成功し、よく分からない男に刺されて引退し、よく分からないまま隠居生活に。
甥がよく分からないままギターを売ってそのまま海外に旅に出て、1年後なんとなく帰ってきたら叔父が死んでいた。
そのまま遺品整理を叔父の友人たちとし、よく分からない裸の気球おじさんと会い、よく分からないまま終わった。
-なんとなく引きこまれて読み終わったけど、なぜか芥川賞候補の作品らしい。読み終わってから気づいた。
こういうのは意味不明さと性がなければいけないんだろうか。偉い人や文豪の考える事はよく分からない。
ところどころ聞き覚えのある登場人物がいるのは気のせいだろうか。 -
Posted by ブクログ
駄目な大人の話だなあ。でも面白い。
特に、主人公のおじさん、表題にもなっている「ひっさん」がいいなあ。漫画みたいな半生。言っていることが格好いいんだけど、よく考えると意味がわかんない。「お前のは、テキトーが死んでる」とか。意味がわからないけれど名言だなあ。
大筋はひっさんの死後遺品を整理しながら半生を振り返り、近所の人たちと故人を偲ぶ、という筋の話だけれど、全編がなんだかあっさりしている。やろうと思えばいくらでも湿っぽく泥臭くできそうなのに、この乾き具合というか、あっさり感がじめじめしてなくて面白い。特にとぼけたかんじの会話が秀逸で、映画にしてもきっと魅力的なのだろうと思う。