海保眞夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んでない名作古典を読んでみようコーナー。善悪の戦いや二重人格の話というより、変身願望や偽善(人の弱さ)の話という印象でした。かなり有名になので仕方ありませんが、ハイドの正体が中盤まで伏せられている構成だから知ってるとちょっぴり損。ハイドの起こしたのに良く似ている事件が、最近ニュースで散見されるのに少々憂鬱な気分になりました。
ジーキル博士の放蕩生活の具体的中身が伏せられているのはカットされたのか仕様なのか。ジーキル博士の「欲望を我慢できない」性格に共感してしまってちょっと反省。二元論で語るならジーキル博士が欲望に敗北(堕落)する理性(良識)、ハイド氏が我慢の効かない衝動の塊だと私は思いま -
Posted by ブクログ
「一度だけ、一度だけでございますが、彼の泣き声を聞きました。」
「泣き声だって。それはどんな具合かね。」と弁護士は不意に悪寒を覚えながらたずねた。
「女の泣き声、あるいは神に見放された者の泣き声というべきでしょうか。」と執事は答えた。
「わたしはひどく心をゆすぶられ、その場を離れたときは、自分が泣きたいほどでした。」
思ったより面白かった!こういう、手紙とか手記で語られる話は好きだ。
自分と自分の愛憎の話。
ハイド氏が魅力的というか人間臭い部分のある人物で驚いた。ジーキルの方がさりげなく嫌な人格だと思ってたら作者もそんなようなことを言ってたらしい(訳者あとがき)。
ずっと「自分の中の悪に負 -
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