守屋淳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「論語」と「韓非子」という対極の思想を比べることで、成果の出る組織とは?について考える一冊。また、組織にいる人間がその中で生き残っていくための教科書という面も持っている。
「論語」は、ひどい戦乱の中、下剋上が常態化していた時代を、人と人の信頼関係をもって治めようとする考え方。(「ひとまず人を信用してかからないと、よき組織など作れるはずがない」)
「韓非子」は戦乱の時代状況が加速し、ライバルから激しく浸食されているにもかかわらず、内部の権力闘争などにより自壊しつつある中で、権力や法をもって国を治めようとした。(「人は信用できないから、人を裏切らせない仕組みを作らないと機能する組織など作れない」)
権力の強力さゆえに制約を感じると人は自由を欲し、逆に権力の弱さゆえに混乱状態が続くと強い権力を欲してしまう。この狭間で人は歴史的に振り子のように触れ続けている。
人事権という強力な権力を持たない現在の日本企業の上司は、信頼関係をもって組織を治めなければならず、日本に「論語」の考え方が驚くほど浸透していることが理解できる。
対極にある2つの思想についての知識を深めるために参考となった。 -
Posted by ブクログ
渋沢栄一が晩年に語ったのだろうと思うのだが、特にその背景にある自分の考えを説明する箇所は、きっとそうなんだろうなと納得できる。
自分が70,80になった時に大学時代の出来事について、当時の自分の行動した理由やだれが何を言ったのかまで、正確に覚えて伝えられるかと思うと、やはり尋常ならざる秀才であり、日本実業界の父として、称えられるだけのことはあると納得した。
渋沢栄一の本は他にも多数出版されているので、読んでみたいと思う。
気になった言葉。
資産あっての事業、事業あっての労働あると同時に、
労働あっての事業、事業あっての資本である。
賃金を与えるものが貴いと言うのなら、労働を与えるのもまた貴い。
いやそのいずれも与えるのではい。資本と労働との持ち寄りに他ならない。
さらに適切に言えば、資本家と労働者との人格的共働がすなわち産業である。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日本にもたらされてから一五〇〇年、明治維新の志士も、高度経済成長期の経営者も、為政者から庶民まで、みんな『論語』で学んできた。
一見、とっつきにくいけれど、“ツボ”を押さえればよくわかる。
ややこしい時代だからこそ、『論語』を読む!
大人になった今だから、日本人の基本、『論語』が身に泌みる。
[ 目次 ]
プロローグ―日本人を育んだ『論語』
第1章 “仁”と“恕”―世界に、未来に愛を広める
第2章 “知”と“勇”―人の上に立つ人間に欠かせない徳
第3章 “天命”―自分の人生を見出し、生きる
第4章 孔子の生涯
第5章 『論語』が世界に与えた影響
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
渋沢栄一は現実的、科学的な人。
私心がなく、バイタリティあふれる人。
言わずと知れた日本の実業界の父、渋沢栄一。
近代日本の資本主義の確立に大きく貢献した。
明治維新後、人々の社会の基本的な道徳が
なくなっていると感じ、『論語』の大切さを説く。
精神の向上を、富の増大とともに
進めることが必要であると信じていた。
私利私欲のなさ、みなが豊かになること
国家が繁栄することを目指していたところは、
幕末の、日本の時代の過渡期を
みていたからこその感覚なのかもしれない。
現在読んで思うのは…
・自己責任論が強め
他責にせず、自己修養を重んじる。
自分への厳しさかもしれない。
もちろん、慈善家としても活動しても多い。
・資本主義のみへの傾倒を早くから危惧
日本には、キリスト教のような倫理観
心の指針がないので、
富こそが価値として進んでいくと
危険だと早くから気づいていた。
・戦争への考えはどうだったのか
1931年に亡くなっているので、
国民が総動員されていく時代は見ずにいる。
文明を進めることのために
多少経済的な富を損なうのはしかたない
(もちろんバランスが大事だ)
との記述があり、その後の日本を
知る立場としては胸が締め付けられる。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ渋沢栄一は大河ドラマで見て知っていたので、なんとなく人生を想像しながら読めた。
論語と経済思想をいかに両立させるか、いかに稼ぐかみたいな話を聞きたいなと思っていたが、どちらかというと近代日本を作った渋沢翁が若者に送る言葉、今後の日本社会への懸念みたいな印象を受けた。
最後に渋沢栄一がどんな人生を送り、どんなに働いたかみたいな章があるのだが、そんな章でも「渋沢栄一は女遊びたくさんしてました」と書かれてて笑った。家族からもいじられてたらしく、そこまでだったのか…と再認識した。
論語を実践する立派な財界人というのと女をたくさん持つというのは両立できるのだなという気づきを得た
論語と算盤というより論語と女って感じだが……