金子兜太のレビュー一覧

  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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    職場の人が読んでいた本を教えてもらった。

    とても好き、と思った句がいくつか。

    柘榴が口あけたたはけた恋だ

    何かつかまへた顔で児が藪から出て来た

    労れて戻る夜の角のいつものポストよ

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    2024年02月06日
  • 金子兜太 いとうせいこうが選んだ「平和の俳句」

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    2015年に東京新聞などに掲載された「平和の俳句」をまとめたもの。何気ない日常生活に感じる平和、戦前に回帰しそうな時勢に対する不安、意識して平和を守ろうという自覚、など、一日一句が掲載されている。小さな声かもしれないが、あげ続けることは大切だと思う。

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    2016年11月22日
  • 悩むことはない

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    表紙の、この文字です、この文字。
    この文字が日本中を駆け巡っているのです。

    何だあれは、と、気づいた人も多かったでしょうか、国会前や全国各地の安保法案反対デモのなかにあって、ひときわ鮮烈に目に焼きついて離れない・・・・・

        「アベ政治を許さない」

    ・・・・・という、白地に墨のいたってシンプルな、プラカードというかポスターというか、そのたった九文字のインパクトの強さといったら、連綿と続くシュプレヒコールや、赤ちゃんを抱いたお母さんやヨボヨボ(失礼!)の後期高齢者の方々などの衝撃も、どこかへ吹き飛んでいってしまいそうなほどのものでした。

    この文字を書いたのが、なんと俳句界の大御所であ

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    2015年10月06日
  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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    俳句とはあまり馴染みがなく、山頭火と尾崎放哉についての知識はほぼゼロで読みましたが、又吉さんのおかげでいい出会いができました。




    以下自分用メモ

    又吉直樹 17.18歳のときのノートについて...

    『みんなの日常は喜怒哀楽みたいな感情の動きでリズムができているけど、俺はもう、ため息と舌打ちだけで生活のリズムができている』みたいなメモがあって、めちゃくちゃ暗くて驚きました(笑)

    コントでネタにしたらウケたので暗いノートに書き殴られた言葉たちの居場所があった

    頭で考えたものより感情の発露として出てきた言葉の方が強度をもつ
    →尾崎放哉への確信


    絶望の果ての大笑い 的なことby太宰治

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    2023年10月12日
  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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    書けそうで書けない自由律。
    二人の共通項した部分を知ることが出来て良かったです。間違えて覚えている俳句もありました。孤独で力強い俳句が心に染みます。繰り返して読みたいです。又吉直樹の鑑賞も良い。

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    2023年03月16日
  • 俳句専念

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    何となく書店に並んでゐたため。
    大変すぐれた俳人であるといふことは耳にしてゐたが、どういつたところですぐれてゐるのか、また俳句といふ世界では何がすぐれてゐるといふのか、わからずにゐたから、まずはどんなひとか自分の目で見て考へてみたいと感じたからであらう。
    句だけみると、とても静かで固い印象のものが多いと思ふ。しかし、それは理屈つぽさといふのではなく、ことばがことばとして尽きてゐるやうな、さうした印象だ。ことばによる説明を拒む、さういつた方が相応しいだらうか。詠んで何かを書かれてゐないあれこれを想像するのではなく、ことばそれ自体が、書かれてゐないことをも示してゐる。
    そこには、絶えまない表現の飽

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    2019年06月01日
  • 金子兜太 いとうせいこうが選んだ「平和の俳句」

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    ネタバレ

     地元紙『北陸中日新聞』の第1面に紹介されていた「平和の俳句」の1年間分の作品をまとめた単行本です。このコーナーは,2017年いっぱいまで続きました。本書は,その中の2015年の1年間に紙上で紹介された俳句が集められています。
     川柳や狂句など風刺の効いたものが好きな私ですから,もともと俳句にはあまり興味がありませんでした。というのも,俳句というのは日本の四季を詠んでいるだけのものであって,自然とじっくりと向き合う時間のある人の高尚な趣味だと思っていたからです。俳句なんて,社会に対しても,あんまり力を表さないし…みたいに思っていました。
     しかし,「平和の俳句」は違っていました。限りなく川柳に

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    2018年03月08日
  • 子どもと楽しむ俳句教室:豊かな感性と国語力を育てる

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     どこまでが,金子兜太さんの文章なのか分かりませんが,ま,現代俳人の一人であるその金子さんが監修した,「子どもに俳句を指導しようとする人」のための案内本です。
     575のリズムや季語を大切にしながらも,子どもらしい表現も大切にしていきたい…という指導観がゆったりとしていてよかったです。
     季語に関しても,少しずつ知っていく方法や,楽しんで学ぶ方法のヒントになるものもたくさんありました。
     学級で,少し本格的に俳句を取りあげて見たい方には,とても参考になるでしょう。
     私も,本書を参考にして,子どもたちに少し紹介したいと思います。

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    2018年02月25日
  • 金子兜太 いとうせいこうが選んだ「平和の俳句」

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    終戦の日に。好きな俳句、
    若者に武器より強い夢持たせよ(小倉亜希18)
    デモの誘い真面目に読む日が来るなんて(金井ゆきな21)
    父に来た赤紙書いたのは誰だ(秋松成喜79)

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    2016年08月15日
  • たっぷり生きる

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    日野原重明さんの生き方が対談形式で分かりやすい。対談前に対談相手の俳人金子兜太氏のvideoを予めみて予備知識を入れて対談に臨んでいるが、金子氏の俳句もスラスラと出てきて、その記憶力の確かさに驚かされた。またいつも前向きで、真っ正直な、力強い若い心意気に感心した。日野原氏98歳、金子氏90歳の2009年の対談。

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    2013年06月28日
  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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    “放浪の俳人”種田山頭火と尾崎放哉の自由律俳句作品の中から金子兜太氏と又吉直樹氏が110句を厳選・解説。本当に"心の声がつい漏れてしまった”みたいな自虐的なような、ユーモラスな、自由な言葉が心を軽くさせてくれた。又吉さんの解説も読み応えがあって良かった。

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    2025年04月29日
  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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    種田山頭火名句五十五選 金子兜太
     分け入っても分け入っても青い山
     うしろ姿のしぐれてゆくか
     けふもいちにち風をあるいてきた
     鴉鳴いてわたしも一人
     枯草しいて月をまうえに

    尾崎放哉名句五十五選 又吉直樹
     つくづく淋しい我が影よ動かして見る
     こんなよい月を一人で見て寝る
     一本のからかさを貸してしまった
     花火があがる空の方が町だよ
     咳をしても一人

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    2024年10月08日
  • 金子兜太 私が俳句だ

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    俳人▪金子兜太の言葉。反骨精神だけではない人間性が見え隠れする。自分の原点をしっかりと持っていたい。

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    2023年09月18日
  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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     山頭火、放哉と言う名前は知っていても、彼らの句を鑑賞することは今までなかった。
    この本の選ばれた110句を読み、それぞれの句に何か感銘を受けたとは言えないが、きっと心の奥底にひとつくらいは沈み込み、ふとした拍子にその句のことを思い出すのかもしれない。
     放哉の句を選んだ又吉氏の解説に、
    「人生を上手く渡れそうな材料は一通り揃っていたが、その部分がことごとく使い物にならなかったのではないか。」(P164. 釘箱の釘がみんな曲がつて居る)
    とあるが、そんな悲しみか絶望かを体験した放哉の生き方が心に沁みた。

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    2023年02月16日
  • 悩むことはない

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    うーん、ちょっと想像していたのと違った。もっと金子兜太の人生訓みたいなことが述べられているのかと思っていたら、屁とか糞とかだいぶくだけた内容。まあ、てらいなくそういうこと言うのが金子兜太の持ち味なのかもしれないけど、人生に迷ったときの導が欲しいようなときには向かなかった。
    くだけていても、戦争はするもんじゃないということは確固たる思いとして伝わってくる。

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    2018年08月25日
  • 子どもと楽しむ俳句教室:豊かな感性と国語力を育てる

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    本書の魅力はなんといっても小学生の句を鑑賞できることです。俳句の世界へと導く副読本としてもすぐれています。ではいくつかを。

    ふゆの月おとぎばなしとおなじいろ(7歳)

    谷川の風を分け合う鯉のぼり(12歳)

    ナシ噛んで足の先まで甘くなる(小6)

    ひとりでに揺れるブランコ孤独かな(11歳)

    ひみつごと月のようにポンとでる(12歳)

    たんさん水プチプチなにか話してる(小2)

    新幹線秋を真横に走ってる(12歳)

    アブラゼミ肩に止まられ石像に(12歳)

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    2014年11月20日
  • 俳句専念

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    現代俳句協会名誉会長金子兜太の自叙伝。前半の講演録が面白い。前衛、社会派と呼ばれても、その根幹には日本の風土、産土の感覚がある。有季定型を完全に無視してはいけない。

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    2009年10月07日