東野さやかのレビュー一覧
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ネタバレ故郷を追い出され逃げるようにニューヨークで暮らしてきたアダム。突然の旧友ダニーからの電話で助けを求められ、5年ぶりに故郷に帰ってきた。淡い期待と怒りを胸に。だが彼が直面したのは自分を人殺しとして扱う人々の冷たい視線、頑なな父、敵視する継母、機嫌の悪い恋人や幼馴染。さらに、アダムが再会した直後に幼馴染が何者かに暴行され、やがて殺人事件まで起きてしまう。そして彼を呼び出した当の友人は行方不明なままで…。年末年始にかけて良い作品に当たったなぁというのが読み終わった直後の感想。ストレートな感情表現がアメリカらしく、家族や恋人たちとの絆が中心に描かれている。「アメリカ探偵作家クラブ賞」受賞作品とのことだが、あまりミステリらしい謎解きは前面に出てこない。5年前から未解決なままの事件、ある人物の出生の秘密、母の自殺、いま新たに起こった殺人事件の真相など、解明すべき謎は数え上げるとたくさんあるのだが、いずれもが関係する人々の心の内面に深く起因しているため、人間模様を解きほぐしながら次第にわかっていくというスタイル。読みやすく解り易い話の展開で読者への間口を広いが、一方でミステリ色が薄いような若干肩すかしをくらうかもしれない。いずれにしても、徐々に解き明かされる真相、人間関係にいつの間にか物語に引き込まれる良作だ。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】5年前、アダムに何が起こったのかは過去の回想とともに次第に判明してくる。アダムの父が経営するレッドウォーター農場で少年が殺害されているのが発見され、継母がアダムの犯行だと法廷で主張した。殺人の濡れ衣を着せられた無実のアダム。判決は無罪となったが人々の疑惑は拭えず、アダムはこれ以上この土地に居た堪れない状況に追い込まれたのだった。この過去の事件をはじめ、幼馴染で妹的な存在のグレイスを襲った暴行事件、アダムを故郷に呼び戻したダニーの殺害を、警察の反感を買いながらも半ば自棄になって追いかけるアダムがこの作品の探偵役と言えよう。自分の目の前で母親に自殺されたトラウマを抱え、過去の事件では自分の無実より継母の証言を信じた父親に対して怒りと憎しみを抱きつつも、痛みを堪え少しずつ乗り越えていこうとする姿が印象的だ。子供が親を慕う気持ち、親が子を思う気持ちは一方で、少しよじれると縺れ歪み、嫉妬や憎悪、敵愾心の感情をもたらし、不幸を生んでしまう。暴行、殺人は決して許されることではないが、結末で明かされる意外な真犯人(たち)もこうした不幸の被害者といえるのかもしれない。諸悪の根源は父親ジェイコブの過去の過ちにあり、流産を何度も経験し心身ともに疲れ果てた母親へのダメージを思うと本当に同情するばかりで、幼いアダムの負った傷も痛々しいのだが、ジェイコブのために犠牲的行動をとった親友ドルフの堅い友情、刑事としての難しい立場ながらアダムを思いやる恋人ロビン、アダムの無実を信じ続けたダニーの友情など、心温まるところの多さが救いとなっている。惜しむらくは、現在のレッドウォーター農場が原子力発電所建設を巡る土地の買収に拒否を示しているため地域住民の反感を買っているという設定を、うまく事件に絡められたらよかったかも。
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わかりやすいなあ。ストレートに面白い。先日、ニコラス・ケイジとメグ・ライアンの競演による儚いラブ・ストーリー映画「シティ・オブ・エンジェル」を観て、つくづくそう思った。というのは、この映画がフランス、西ドイツ合作映画「ベルリン・天使の詩」のリメイクでありながら、わかりやすさの点でははるかに「ベルリン……」を凌いでいたからだ。「アメリカ流」の優れたところを見せられた。それで、本書。やはり、わかりやすく、シンプルでストレートなストーリー。ジャンルとしては、ミステリというよりはハードボイルド寄り。主人公の本能にまかせた行動は、たやすく気持ちを昂らせてくれた。大雑把な表現でだが、「アメリカ流」を実感した。ときに、悪い意味で使われることもあるが、本書に対しては、かなりの「褒め言葉」のつもりである。本書のストーリーは、これでもかこれでもかと重荷を背負い込んでいく主人公アダム・チェイスが、はたして事件を解決し、背負い込んだ重荷を降ろすことができるのか、という超ド定番の長篇のサスペンス・ミステリ。幼いときに目の前で母親に死なれたことがトラウマとなっているアダム。5年前には、ある殺人の罪を負いそうになる。裁判で無罪になったものの、田舎の町の人々のこと、誰も彼を信じない。大地主の息子だから無罪を金で買ったのだ、と言ってはばからないのだ。それにもまして、継母が目撃を主張する。彼が殺人現場の方から帰って来て、手には血が付いていたという証言を引っ込めない。そして、父親までもがアダムを信じずに、その妻の証言を信じたことが、アダムを暗い闇の底に突き落とす決定的な原因となった。こうして、アダムは町を出た。そして5年後、悪友から、頼み事があるから帰ってきてくれとの懇願の連絡が入る。骨太で、どっしりとした安定感あるストーリーだ。ストーリー・ラインは、家族の物語と、事件の真相を追う物語の二つ。この二つの線がきつく絡み合い、錯綜して綴られていく。家族円満、幸せいっぱいの読者ならば、どう感じるだろう? 余計な心配が頭を過ぎった。それほどに壊れた家族関係が描かれている。ただ、本書は著者ジョン・ハートのまだ2作目の作品。正直なところ、粗さも目立つ。もう少し練り上げ、磨きをかければ、と思うところもないわけではない。それでも、そんなマイナス面をも忘れてしまうほどの、テンポの良い展開があり、深みある心理描写がある。すばらしいと思う。縺れた家族の絆に心を掻き乱されながらも、元恋人との再会に心穏やかにいられない。そんな苦悩の中主人公アダム・チェイスは真相を追い続ける。彼は、いかにして事件の真相に辿り着くのか? 家族や元恋人との関係は修復できるのか?もちろんそこは本書の読みどころだが、しかしそれだけではない。読みどころは他にもたくさんある。暗い情念であったり、精神の内奥を抉るところなどが、随所に鏤められているのだ。本書はしっかりとした読み応えのある、哀しく切なくやるせなく、そして希望ある作品だ。ただし、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作品ということで、巧緻なミステリを期待すると、がっかりすることになるかもしれない。アメリカン・ハードボイルド小説好きならいいかもしれない。人間の内奥なんてどうでもいいという方や、青春小説好きには向かないだろう。
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ネタバレ国家犯罪対策庁の重大犯罪分析課の仕事は、犯人を捕まえる事じゃない。
犯人に繋がる重要な証拠を掴む事だ。
◆あらすじ
英国のカンブリア州に数多く存在するストーンサークルで次々と焼死体が発見される。連続殺人でありながら、被害者同士の繋がりや動機が分からない。そんな中、三人目の被害者の胸に停職処分中の警官ワシントン・ポーの名前が刻まれていた事が判明する。身に覚えのないポーが捜査に加わる事になるが、新たな死体が発見され、謎がさらに深まってしまう。
◆かんそう
映像化されたら、面白そう。
不正を許さず捜査の為なら手段を選ばないポー。社会不適合者でありながら頭脳明晰なティリー。その二人を信頼している上司のフリン。三人の関係性がいい。フリンは元ポーの部下で、ポーの性格も能力も知っている。孤立していたティリーは、ポーの優しさ荒々しさに徐々に打ち解けていく。
もう、ティリーが愛おしい。
物語の序盤で、犯人もしくは共犯者は警察関係者であることは、ミステリ好きな人ならバレバレであるのに作中では1ミリも疑っていない。重大犯罪分析課の仕事は証拠を掴むことなので、次々と参考人に話を聞きに行き新たな事実が分かっていき証拠を掴んでいくのだが、謎をそのままにして話が進むことにモヤモヤしていたが、決定的な証拠を見つけ現地警察に引き継ぐという時に、ポーはその謎に疑問を抱いていた。そうこなくっちゃ!残っていた残高が少ない!ポーの名前が刻まれていた謎!ここから一気に面白くなった。
原題の「The Puppet Show」
これが、全てを物語っている。
「あなたは幸せ?」
意味は明かされていたが、
ここに隠された言葉は何だったのか?
未だに気になる。 -
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読みやすさ、引き込まれやすさは安定してる。
ポーやティリーも軽口を叩くが、別の口の悪い捜査官(か鑑識官だったかな)との対比でポーが「ある一線を超えない」という点を表していたのがよかった。
まだ色々謎は配置されたまま
ドイルとの結婚式は幸福なことなのに、ポーとの結婚であるためとても嫌な予感がどうしてもしてしまう。
読みやすい分、ポーやティリーの活躍している点がイマイチ印象に残らない(どの作品のどの場面か、何をしたかが読み終えると忘れてしまう)
「活躍」ってなんだろう。
ティリーは分析、ハッキングの能力(作品のテンポに関わる)
ポーは勘の良さ(これまたサクサク話が進む)
「ボーン・コレクター」のディーヴァーのように犯人側の視点もある。なのにあまりドキドキしないのは上巻だからか(慣れすぎて上巻ではあまり劇的なことは起きないと思ってしまっている)
なので下巻へ! -
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ネタバレ同性間クソデカ感情と聞いて読みましたがそれがあまりにもネタバレすぎて…w いや、何となく犯人に目星がついたまま読んでいたので驚きはなかったのですが…でもそう知らされてなかったら読まなかったから良かったのかな…?
猟奇的連続殺人事件の被害者に名前を掘られてしまった主人公。刑事から離れていたがそのせいで刑事に戻ることに…という、主人公が可哀想な感じのスタートなのですが、ふてぶてしい主人公なので読んでいて面白かったです。もしかしてこの主人公が以前に出てきているシリーズなどあるのでしょうか?
相方役になる引きこもり気味の天才ハカーとかいうテンプレキャラが出てきたときは、海外も日本も同じなんだなぁと思いました。やっぱりこういうキャラみんな好きなんだね!この子の成長も描かれているのが面白かったです。このふたりとフリンさんでまた何か読みたいですね〜。
そんでもって犯人なのですが、主人公の友人の刑事という…主人公の友人という時点でこれは…!と思ったのですが、期待を裏切らず…。児童養護施設が児童を売ってそれが引き金になるというのが、創作界隈ではよくあるんですが(現実ではあるな)…まぁ、それなら復讐もやむなしですかね…。
でも最後、もしかしてまだ生きてる…??という終わり方になったのがどういう事なのか…。
海外の作品は文章つめつめで読みにくいイメージがあったのですが、読みやすくて良かったです。人の名前も覚えやすい範疇なのが助かりました。 -
Posted by ブクログ
5作も連続で読むと、冒頭で物語の構造がわかってしまうのかも。なので、後半は全く意外性もなく退屈だった。
全般的にこの作者の作品はレイモンド・チャンドラー的で村上春樹小説の主人公と同様に、ただひたすら独り言を言い、時々、気の利いた会話をし、あとは自分の思い通りになるものをいじって悦に入っている。
小物や料理や武器を。
それが、彼らのマインドフルネスなのだ。
社会のマジョリティへ違和感を感じ、しかし、マイノリティである自分を肯定する小さな世界を構築する。それ自体は悪いことではないと思うけれど、他人に見せつける必要もないのではないかとも思う。
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Posted by ブクログ
書店でこのシリーズの作品を見かけることが多く、調べてみると新作の「ブラッディダイスの殺人」が7作目で、そんなに続いてるなら面白いんだろう!と思ったのと、海外文学は個人的に登場人物の名前を覚えるのが難しかったりと中々手を伸ばす機会が少ないのでこの機に挑戦してみようと思い手に取ってみました。
作品は重たい内容も多分にあったのですが、ポーとブラッドショーのキャラクターや掛け合いなどが面白くスルスル読めました。面白かったのですが、内容があまり好みでは無かったので星3に、、
ポーとブラッドショーのこれからがとても楽しみなので2作目の「ブラックサマーの殺人」も読んでみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ三分の二くらいまで、登場人物の誰もあんまりすきになれなくて(特にあの母親しんどすぎんか…)読んでてつらかったけれども、
でもでも、ジョン・ハートだもんね!こっからおもしろくなるよね!信じてるよジョン・ハート!!!
…っていう気持ちで読み続け、結果、ラストのほんのちょっとのすてき部分までたどり着いた、そのちょっとの部分だけで、ここまで読んで来て良かったよ!信じてたよジョン・ハート!ってなったのでよかった。
序文がなければ信じきれなかったかもしれなかった。序文読んどいてよかった。
それにしてもあの母親しんどすぎる。父親もわりとなんだとおもう。
弟がいい子で良かった。
あと、チャンスがんばれ、とおもった。
弟チームには幸せになってもらいたい。