笠井亮平のレビュー一覧
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外国人による日本賞賛のコメントは食傷気味であり、そういう番組自体を恥ずかしく感じる。
私も周りも、日常の会話から避けがちな話題を、この本では率直に、その背景から考察して論述されている。思い込みと想像だけでなく、インドはもちろんのこと、中国やインドネシアの歴史や文化等と絡み合っていて、客観視できる。
文化も制度も多様なる中で生まれ育ったインド人に、様々な国での経験が加わった視点で日本が暴かれていく。
日本人の根強い人種差別。
ラグビー日本代表でも時折耳にする…日本人以外…という言葉。
人種を意識しているのではなく、ただの見た目で判断する人がいる危うい社会。
ハーフという言語的区別と、羨望からの苛め。
世襲性政治に起因する、柔軟性のない社会と制度。何をするにも時間がかかる。
女性の社会的地位が低い社会。無意識下で女性に侮辱的な言葉を使う、おじさん社会。
本を読みながら、自分を取り巻くこの日本社会について、より批判的に思いを巡らせた。 -
Posted by ブクログ
筆者はジャーナリスト、プライベートでは外交官の妻で二人の子供の母。
今まで長く中国での滞在経験もあり、ジャカルタ、日本、スペインと海外駐在を続けてきた。
もちろん日本の生活になれるまでの、苦労話も面白いが、日本に住んでいたのが数年と思えないほど、深い日本文化への考察、俳句の知識、政治についての洞察が詰まっている。
以下、ジャーナリストの視点から見た日本政治の分析が素晴らしいと思ったので抜粋
"日本だけが「民族主義的封建制」の国というわけではないが、政治がダイナミックさを欠き、硬直的になっているのではないか。日本の政治エリートが過去にこだわる一方で一般国民から乖離している状況は、二十一世紀に求められる柔軟性やイノベーション-権威主義国の中国はこれを実現する能力をたびたび示しているように見える-に取り組んでいく中で自国を不利な環境に置くことになっている。"
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なにかきっかけがあって
この本を読もうかと思ったんですが
何だったか 忘れてしまいましたが 読みました。
イメージとしては
主人公の「朝子」さんの日記がベースになって
「アンネの日記」のような 読み物かと思いましたが
著者は それだけでは 全体像がわかりにくいと思ったらしく
インド独立運動の リーダーである チャンドラ・ボースや
彼女の父親である サハーイや母サティなどの事などを 詳しく描いていました。
ので 当初は少々退屈っぽかったけど
インド独立運動といえば
ガンジーさんというイメージしかなかったので、
独立運動が 第二次世界大戦の時期とからみ(多分これは学校で習ったと思うけど)
日本が 敗戦したけど インド独立に協力した事などが 理解できました。
だから 東京裁判でインドの人が 擁護してくれたのですね~と
勝手に解釈しました。
インドと日本は こういう結びつきがあったのですね。
主人公の「朝子」さんこと アシャさんは
この本ができるまでは 生きていらっしゃったようで
著者が直接インタビューできたようです。
「朝子」さんは 日本で生まれ育ち
そして 独立運動に協力したいと 17歳で家族と離れて 婦人部隊に入隊して
インドに戻って「アシャ」という名前に戻り(インド名)生きていきました。
もしも、あの戦争で 日本軍が勝っていたら
インド独立の時期も変わっていただろうし
インドとパキスタンは 離れていなかったかもしれないし ・・・
歴史に 「もしも」 はありませんが
こういう 争いなどが 起こった 事実などは 継承されて
二度と争いのない 世界になると 良いですね。 -
Posted by ブクログ
英国、中国、ベルギー、インドネシアと暮らしてきたインド出身のジャーナリストによる4年間の東京滞在記。日印の結びつきを取り上げる第8章「僧侶、映画スター、革命家、そしてゾウ」もさることながら、第2章「「割れ」と「癒やし」」の文章にはっとさせられる。
「わたしは早い段階で、真実は一つだけではなく、常に混沌としたものだという結論に達していた。だからこそ、中国社会がカオスであると同時に統制されていることや、インドに思いやりと残酷さが同居していることを知っても、落ち着いて受け入れることができた。日本についてわたしが思い至ったのは、深い癒しをもたらしてくれるとともに、深く傷ついているということだった。この矛盾こそが、日本をよりリアルに感じさせてくれるのだ。」
一概に「傷」と呼んでよいのか分からないが、生きている間に捨てられたことや失ったことを通じて、悲しみを抱きしめて生きていくことはあるように思う。このことは日本社会に特有のことではない。けれど自然に近い文化の中では、それが意識に上りやすいかもしれない。
また、第6章での「職人とジュガール」、第9章での「リスク回避傾向とジュガール的対応」では日印でビジネスをするときの溝を考えさせられる。 -
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昔、父の本棚に、高木俊明氏が書いた「インパール」と言う本があった。
父に聞いたら、ひどい戦いだった、
母に聞いたら、昔ベストセラーだったから読んだのでは、ミーハーだからね。
と言われた。
連勝連敗だったイギリスが唯一日本に勝った戦い。
日本軍は、香港、マレー半島、ビルマと連勝、イギリスの植民地を奪取していた。
インドを手に入れるため、インパールを足掛かりにしようと、1944年3月、天長節まで、昭和天皇の誕生日4月29日までにはインパールを奪取する予定だったが。
戦後、インパール作戦は、愚戦とか、無謀と、無能な指揮官だと牟田口廉也中将は言われたが、
イギリス側の見方は違うようだ。
2013年に、国立陸軍博物館の調査では、
1945年ノルマンディー上陸作戦を抜いて1位。
BBCも「意外だ」と評した。
と、おおよそこの本の序文に書いているが、
待てよ、イギリスの陸軍博物館か?
日本の陸軍博物館か?
それとも、インドの陸軍博物館か?
イギリスならば、王立陸軍博物館のはずだが?
まぁ、どうでも良いことではない、どこの国のか、も分からない。
どちらなんだろう? -
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会社の後輩と県内のカレー屋めぐりをするぐらいカレーが好きで、最近の日本でのスパイスカレーブームはすごいよなと思っていたので、読めて良かった。
日本人の中には寿司がアメリカで「カリフォルニアロール」など欧米化されて受け入れられていると、「日本料理の良さをわかってない」と目くじらをたてる人がいるけれど、日本人も同じようなことをしているよなあと思った。
「アメリカ風お寿司」「日本風中華料理」「インド風中華料理」のようなものも、文化の融合の結果うまれた素敵な料理の1ジャンルとして楽しみたい。
そして、意識して生きないと外国に対する情報は偏ったものしか入ってこない例が「インドといえばカレー」だと思うので、私たちは常に情報やイメージをフィルタリングされているということを忘れないでおきたい。
近所にガチネパのカレー屋さんを見つけているので行ってみようと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「カレー」考察のみならず、インド国内の宗教の違いからくる食生活や国民性や歴史など、様々な観点から食文化を語り尽くす1冊。
ボリウッドってヒンディー語の映画の事だったのね。
『めぐり合わせのお弁当』良かったわぁ。
インド料理のレストランは東京に多いみたいなので、出てきたお店のいずれかには行ってみたい。
インドは手芸界でも存在感が増してきているし、いつかはお邪魔したいと思っている。
この本は初めてのデジタルボイス。
ここまで滑らかとは。ノンフィクションなら有り。と、思ったけれどやっぱり正直疲れた。書かれたものを朗読するという作業は変わらないんだけど、読み方や声音、速度の変化とか、思ったよりも多くの事を無意識に受け取って聴いていると言うことが改めてよく分かった。 -
Posted by ブクログ
20240210-0217 本書は序章で2022年2月25日にのロシアによるウクライナ侵攻に対して国連安保理がロシア非難決議をインドが棄権したという事実について、なぜインドが棄権したのか、ということを解き明かし終章でもロシアを巡る駆け引きについて見解を述べている。「インドの~」と言いながら半分くらいは中国の一帯一路構想についての解説とそれに対する日米欧の反応、そしてインド、という感じ。とはいえインドについての基本的現状は一通りはわかると思う。文章が読みやすいのでサクサク読めた。本書を足掛かりにインドについての解説本を読むとよいかと思う。
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Posted by ブクログ
インドの外務大臣(外交官出身)によるインド外交論。台頭する大国は世界をどう見ているのか?を知るために読んでみました。
IT大国であるインド、「高度な人材を育成し、世界経済に送り出していける現実的な供給源はインドしかない」と言い切る自信は凄いモノだなと。
さて本著、読む前には「主人公を日本に置き換えて読むとどうか」「インドが日本をどう見ているのか」の2点を意識して読んでみようと思っていたのですが、前者に関しては「考えが違い過ぎて、ムリ!」と思いました(笑
例えば、本著に出てくる以下の表現は「悪法と言えども法なり」バリにルールを守りまくる日本人の思想とは相容れない感覚を持ちました。とは言え、グローバルスタンダードはこっちなんだろうなぁ。。
「ルール遵守のメリットとルール違反のコストをめぐる議論の…」
「ときどき違反する程度の国であれば、いつでも逸脱行為を正当化することができる」
「自分たちは拘束されずに行動する一方で、相手国に高い規範を守らせ続けるという戦術」
しかし、マハーバーラタを例に「インディア・ウェイ」を訴えた次の章で、真の障害は「教条主義的な考え」なのだと述べる…講演録が中心のようなので、その時々に色々な事情があったんだろうとは思いますが…
ある種一貫した考えはなく、その時々で是々非々の選択をしていく…まぁプラグマティズム宣言なんでしょうか。国の評判ってモノはこれで上がるのでしょうか…。
あと、翻訳については恐らく元の文章が格調高い感じなのか、訳文もそこまで読みやすくはなく、という感じでした。
細かいトコロで2点ほど。「煙突国家として」という表現は、注もなく、検索しても解説がなく、良くわからない表現だなぁと思ったり、「インドはかつて活力に富んでいた少しずつ生態系という意識をもたらそうとしている」は語順がおかしい?と思ったりもしました。
地政学やインドの政治面に関心がある向きは読んでみても良いのではと。