笠井亮平のレビュー一覧

  • ワイルドランド:アメリカを分断する「怒り」の源流(下)

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    上巻と同様著者と所縁の深い3つの州都を中心に話は展開する。
    11ウエストバージニアが民主党から共和党に勢力図が変わった背景。
     化学企業による水質汚染と階級分断
    12トランプの大統領選出馬から共和党乗っ取り グリニッジの変化
    13シカゴの混乱 警察による黒人差別・殺害
    14戦闘思考 全米ライフル協会・銃規制・トランプの台頭 ウエストバージニア・グリニッジ
    15忠誠表明の文化・天然ガスの急成長(WV)・社会保障省庁の大幅削減
    16集会=ショー化する政治手法・奴隷制をめぐる論争(リンカン・ダグラス討論)
     連邦議会における暴力の歴史・妄想・知性に対する攻撃・Qアノン・政治闘争文化
    17抗体 経済的

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    2025年01月05日
  • ワイルドランド:アメリカを分断する「怒り」の源流(上)

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    本書のタイトルは、2018年カリフォルニア史上最大の原野火災が直接の原因(牧場主の過失による火花の発生=州から免責された)だが、本当の原因は何十年にも及び積み重なった要因が極限に達したことによる結果であり、アメリカの国家ないし価値の変容=荒野のような現状を象徴している。
    本書の対象とされる期間は、2001年9月11日の同時多発テロ襲撃から2021年1月6日の連邦議会襲撃事件の約20年間。
    著者は2003年から「シカゴ・トリビューン」の特派員としてイラク戦争を取材した後、北京支局長として赴任し2008年から2013年まで「ニューヨーカー」の特派員だった。
    著者が帰国後、多くの国内の変化に戸惑い、

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    2024年12月01日
  • インド外交の流儀:先行き不透明な世界に向けた戦略

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    インドの外務大臣がどんなことを考えているのか、直接触れられたことが希少。

    ・西洋がグローバリズムからナショナリズムに揺り戻されるのは時代の潮流。インドは元々多元主義であり、ナショナリズムをグローバルな関与と調和させるという伝統を持つ
    ⭐️現秩序と新秩序の架け橋となるポテンシャルを持つ

    ・多くの移民は、西洋が責任を負うべきもの

    ・2世紀にわたる植民地支配による富の流出は45兆ドルと試算される。中国の1世紀どころの話ではない
    ・しかし、歴史はさておき政治を中心に考えると、インドと西洋の間で利益や価値観の一致が形成されてきた
    ・自由で民主的な政治モデル、統治慣行、信頼度の高い市場経済、法の支配

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    2024年11月24日
  • 日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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    ネタバレ

    インド人の女性ジャーナリストである著者はスペイン人の夫とこども二人をつれて、夫の仕事の関係で日本に滞在することとなり、4年間日本に滞在する。
    著者のアイヤール氏は日本に来る前、ヨーロッパやインドネシア、中国に住んでおり、インド人として視点だけでなく、中国やインドネシアやヨーロッパとの比較もしながrた、日本という国の文化や社会を理解しようと努めたことと綴った本である。
    日本にくるまで、日本に関心はなく、ほとんど日本のことをしらなかったにも関わらず、来日後日本語を勉強し、句集を読み、徒然草、谷崎潤一郎の作品をはじめとして多くの文献やインターネットで情報を収集した上でこの本を書いている。巻末の原注が

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    2024年10月09日
  • ワイルドランド:アメリカを分断する「怒り」の源流(下)

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    20240916-0926 2024年1月6日の大統領選後、その結果を不服としたトランプ支持派による連邦議会襲撃にいたるまでの軌跡を、著者にのゆかりの地を中心として、そこに生きている人々への取材による人生の軌跡を描いている。もしかしたらアメリカ人なら名前だけで性別や人種(白人か黒人か)もなんとなくわかるのかもしれないが、日本人の自分にはすぐには見分けがつかなかった。
    上下巻を読んで、ここまで分断していると、「銃」だけが米国民をつなぐアイデンティティツールになっているのではないか、そんな気もした。

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    2024年09月27日
  • ワイルドランド:アメリカを分断する「怒り」の源流(上)

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    20240906-0915 ワイルドランド「野生の王国」かもしれない今のアメリカは。グリニッジに集う成功者たちの建てる家は、トイレが8つもあったりベッドルームが沢山あっても、なんか滑稽であんまりうらやましくはならないなあ。

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    2024年09月27日
  • インド外交の流儀:先行き不透明な世界に向けた戦略

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    何だか、分かったような、分からないような。
    深い意図があったとしても誤解されやすく、分かりやすいメッセージか、解釈しやすいメッセージでないと、受け手次第のところもあるような…。

    インドの歴史の勉強にはなる。

    核保有の意義・成功談などはやはりインド目線。

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    2024年09月08日
  • 第三の大国 インドの思考 激突する「一帯一路」と「インド太平洋」

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    中国の一帯一路が目指すところと思惑、対するインドの南アジアから国際社会、グローバルサウスの代弁者として存在感を増そうと画策するインドの動きと本音を解説。そこに日米やロシアとの関係やそれぞれの思惑も絡めて、インドの複雑かつ戦略的な立ち位置や行動原理が見えてくる。独立75周年からの25年をアムリト・カールとして100周年に向けたロードマップを示していること、2023年がG20議長国であったことも含めていかに重要であったかがわかった。

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    2024年08月27日
  • ワイルドランド:アメリカを分断する「怒り」の源流(上)

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    もしトラとかほぼトラとか確トラとかまだトラとか言われているので、トランプが生み出したと言われるアメリカの分断について読んでみた。
     金持ちと政治のwin-winにより庶民層が金銭的にも生活的にも政治的にもダメージを食らい、政府への不信感を生み出すのは、アメリカという国の必然ではないかと思う。
     アメリカ人の根底に大なり小なり独立心とリバタリアニズムがあるとすれば、政府に頼らない、政府の定めたルール遵守心が薄くなり、ひいては道徳よりも利益を偏重、ルールを変更してでも、ルール遵守の向こうにあるものを無視してでも、利益を得ようとするという行為の果てに、庶民層のルサンチマンが貯まる仕組みは必然であり宿

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    2024年08月06日
  • 『RRR』で知るインド近現代史

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    映画「RRR」はイギリスの植民地支配に対して武力で抵抗する話。一方有名なガンディーの「非暴力」闘争はこの映画では触れられていない。
    著者の案内でその両方を含めたインド独立闘争の流れをなぞることができる。インパール作戦やパキスタンとインドの分離独立などインドと他国(日本やイギリスなど)の思惑も入り乱れ、知的好奇心が刺激される。

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    2024年05月28日
  • インドの食卓 そこに「カレー」はない

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    日本のインド料理はネパール人が経営しているという話をよく見聞きするようになり、興味を感じていたので読んでみた。

    現代インドの食卓や外食がわかるだけでなく、日本のインド料理店の発祥や展開などもわかる。お店のガイドもあり、興味をそそられる。

    カレーだけでなく、甘いとよく言われるデザートなども出てくるので、食べ物系の話が好きな人にはうってつけだと思う。

    意外なところとしては、インドの中華料理。逆に八角が効いた中華カレーも街中華ブームで話題になっていることから、世界中でアレンジされている中華料理とインド料理の偉大さを感じられた。

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    2024年05月23日
  • インドの食卓 そこに「カレー」はない

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    読んでてお腹すいた本。
    カレーだけじゃなくて、インド関連の食事の話。
    インドへ行ったら「毎日カレーなの?」って聞かれる質問に、著者も戸惑ってる感じが共感できた。カレーって言っても色んな種類があって、インドのスパイス使った煮込み料理のことをカレーって総称してるだけで、っていうめんどくさい回答を堪えて「毎日カレー食べてた」って答えてるところが特に。
    インド中華についても書かれてて、そういえばメニューの端っこに炊麺とか書いてあったのを思い出した。インドでも中華が根付いてるんだな〜。インドだけじゃなくて中華パワーも侮れない…笑
    個人的にはRRRのくだりや、インド旅でトラウマ級に甘かったグラブ・ジャムン

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    2024年04月16日
  • インドの食卓 そこに「カレー」はない

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    ・唐辛子やカシューナッツは外来の種で、もともとインドにはなかった。ポルトガル人によってもたらされたため、ゴア産のカシューナッツは高級とされる。

    ・ムガル帝国(ペルシア語でモンゴル)時代の統治にペルシア人官僚が多かったことで、プラオから派生したビリヤニが生まれた。
    ・キーマもペルシアの食文化だ。暑さ厳しい場所では食肉をすぐに調理しなければならない。肉をそのまま焼くと硬くなるので、挽き肉にした。
    ・この流れが、宮廷料理となる「ムガライ料理」のベースとなる。

    ・バターチキン発祥の店、モティーマハルの店主はもともとパキスタンで食堂を開いていた。
    ・タンドリーチキン(これも発案)が日によって余りが出

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    2024年01月31日
  • 日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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    日本礼賛でもなく、単純批判でもなく、ありふれた日常を独自の視点で読み解いているのが面白かった。ただ、すごくエンターテイニングな本というよりは、知的な随筆を読んでいる感じ。

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    2023年07月27日
  • インパールの戦い ほんとうに「愚戦」だったのか

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    面白かった。著者の豊富な知識と多くの参考資料により内容の濃い書籍だった。一つの物事を表面的に見るのではなく、多角的な側面から見てみると非常に理解が深まり、面白い。

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    2023年04月05日
  • 日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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    外国人による日本賞賛のコメントは食傷気味であり、そういう番組自体を恥ずかしく感じる。
    私も周りも、日常の会話から避けがちな話題を、この本では率直に、その背景から考察して論述されている。思い込みと想像だけでなく、インドはもちろんのこと、中国やインドネシアの歴史や文化等と絡み合っていて、客観視できる。

    文化も制度も多様なる中で生まれ育ったインド人に、様々な国での経験が加わった視点で日本が暴かれていく。

    日本人の根強い人種差別。
    ラグビー日本代表でも時折耳にする…日本人以外…という言葉。
    人種を意識しているのではなく、ただの見た目で判断する人がいる危うい社会。
    ハーフという言語的区別と、羨望から

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    2022年11月13日
  • 日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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    インド出身の人が描いた比較文化論。
    エピソード含め、インドの人ならではの視点が面白い。江戸川区議のヨギさんの話などは印象的。

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    2022年08月25日
  • 日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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    多くの海外経験を持つインド人女性ジャーナリスト。日本文化を見る目は極めて冷静。コロナ禍での日本滞在経験は視点が独特。

    外国人から見た日本文化、定番のジャンルである。しかし本書は視点、知識、他国での生活体験が相まって類似本とは一線を画する内容。

    筆者の造詣の深い俳句が時に引用され、いい味を出している。

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    2022年06月29日
  • 日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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    筆者の名前は「ぱらび」ではなく「パラビ」
    (より正確には、「パーラヴィ」)

    P84 「日本語には表音文字があるが、「ひらがな」と「カタカナ」という、それぞれ四六文字からなるものが二種類存在している。(中略)同じことはカタカナでも可能なのだが、こちらは漢字以上に驚くべき存在だ。
    カタカナは単にひらがなと同じ音を表しているだけで、その目的の一つは元から日本にあった「固有」の単語ではない、外国由来の単語を表記することだ。賛否が分かれるかもしれないが、これは日本発祥か外国発祥かという、人種的存在論が言語そのものに刻み込まれていると言えないだろうか。」
    「名前を全て読まなくても、外国人ということがわか

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    2022年06月25日
  • 日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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    筆者はジャーナリスト、プライベートでは外交官の妻で二人の子供の母。
    今まで長く中国での滞在経験もあり、ジャカルタ、日本、スペインと海外駐在を続けてきた。

    もちろん日本の生活になれるまでの、苦労話も面白いが、日本に住んでいたのが数年と思えないほど、深い日本文化への考察、俳句の知識、政治についての洞察が詰まっている。
    以下、ジャーナリストの視点から見た日本政治の分析が素晴らしいと思ったので抜粋

    "日本だけが「民族主義的封建制」の国というわけではないが、政治がダイナミックさを欠き、硬直的になっているのではないか。日本の政治エリートが過去にこだわる一方で一般国民から乖離している状況は、二

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    2022年06月18日