笠井亮平のレビュー一覧
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上巻と同様著者と所縁の深い3つの州都を中心に話は展開する。
11ウエストバージニアが民主党から共和党に勢力図が変わった背景。
化学企業による水質汚染と階級分断
12トランプの大統領選出馬から共和党乗っ取り グリニッジの変化
13シカゴの混乱 警察による黒人差別・殺害
14戦闘思考 全米ライフル協会・銃規制・トランプの台頭 ウエストバージニア・グリニッジ
15忠誠表明の文化・天然ガスの急成長(WV)・社会保障省庁の大幅削減
16集会=ショー化する政治手法・奴隷制をめぐる論争(リンカン・ダグラス討論)
連邦議会における暴力の歴史・妄想・知性に対する攻撃・Qアノン・政治闘争文化
17抗体 経済的 -
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本書のタイトルは、2018年カリフォルニア史上最大の原野火災が直接の原因(牧場主の過失による火花の発生=州から免責された)だが、本当の原因は何十年にも及び積み重なった要因が極限に達したことによる結果であり、アメリカの国家ないし価値の変容=荒野のような現状を象徴している。
本書の対象とされる期間は、2001年9月11日の同時多発テロ襲撃から2021年1月6日の連邦議会襲撃事件の約20年間。
著者は2003年から「シカゴ・トリビューン」の特派員としてイラク戦争を取材した後、北京支局長として赴任し2008年から2013年まで「ニューヨーカー」の特派員だった。
著者が帰国後、多くの国内の変化に戸惑い、 -
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インドの外務大臣がどんなことを考えているのか、直接触れられたことが希少。
・西洋がグローバリズムからナショナリズムに揺り戻されるのは時代の潮流。インドは元々多元主義であり、ナショナリズムをグローバルな関与と調和させるという伝統を持つ
⭐️現秩序と新秩序の架け橋となるポテンシャルを持つ
・多くの移民は、西洋が責任を負うべきもの
・2世紀にわたる植民地支配による富の流出は45兆ドルと試算される。中国の1世紀どころの話ではない
・しかし、歴史はさておき政治を中心に考えると、インドと西洋の間で利益や価値観の一致が形成されてきた
・自由で民主的な政治モデル、統治慣行、信頼度の高い市場経済、法の支配 -
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ネタバレインド人の女性ジャーナリストである著者はスペイン人の夫とこども二人をつれて、夫の仕事の関係で日本に滞在することとなり、4年間日本に滞在する。
著者のアイヤール氏は日本に来る前、ヨーロッパやインドネシア、中国に住んでおり、インド人として視点だけでなく、中国やインドネシアやヨーロッパとの比較もしながrた、日本という国の文化や社会を理解しようと努めたことと綴った本である。
日本にくるまで、日本に関心はなく、ほとんど日本のことをしらなかったにも関わらず、来日後日本語を勉強し、句集を読み、徒然草、谷崎潤一郎の作品をはじめとして多くの文献やインターネットで情報を収集した上でこの本を書いている。巻末の原注が -
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もしトラとかほぼトラとか確トラとかまだトラとか言われているので、トランプが生み出したと言われるアメリカの分断について読んでみた。
金持ちと政治のwin-winにより庶民層が金銭的にも生活的にも政治的にもダメージを食らい、政府への不信感を生み出すのは、アメリカという国の必然ではないかと思う。
アメリカ人の根底に大なり小なり独立心とリバタリアニズムがあるとすれば、政府に頼らない、政府の定めたルール遵守心が薄くなり、ひいては道徳よりも利益を偏重、ルールを変更してでも、ルール遵守の向こうにあるものを無視してでも、利益を得ようとするという行為の果てに、庶民層のルサンチマンが貯まる仕組みは必然であり宿 -
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読んでてお腹すいた本。
カレーだけじゃなくて、インド関連の食事の話。
インドへ行ったら「毎日カレーなの?」って聞かれる質問に、著者も戸惑ってる感じが共感できた。カレーって言っても色んな種類があって、インドのスパイス使った煮込み料理のことをカレーって総称してるだけで、っていうめんどくさい回答を堪えて「毎日カレー食べてた」って答えてるところが特に。
インド中華についても書かれてて、そういえばメニューの端っこに炊麺とか書いてあったのを思い出した。インドでも中華が根付いてるんだな〜。インドだけじゃなくて中華パワーも侮れない…笑
個人的にはRRRのくだりや、インド旅でトラウマ級に甘かったグラブ・ジャムン -
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・唐辛子やカシューナッツは外来の種で、もともとインドにはなかった。ポルトガル人によってもたらされたため、ゴア産のカシューナッツは高級とされる。
・ムガル帝国(ペルシア語でモンゴル)時代の統治にペルシア人官僚が多かったことで、プラオから派生したビリヤニが生まれた。
・キーマもペルシアの食文化だ。暑さ厳しい場所では食肉をすぐに調理しなければならない。肉をそのまま焼くと硬くなるので、挽き肉にした。
・この流れが、宮廷料理となる「ムガライ料理」のベースとなる。
・バターチキン発祥の店、モティーマハルの店主はもともとパキスタンで食堂を開いていた。
・タンドリーチキン(これも発案)が日によって余りが出 -
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外国人による日本賞賛のコメントは食傷気味であり、そういう番組自体を恥ずかしく感じる。
私も周りも、日常の会話から避けがちな話題を、この本では率直に、その背景から考察して論述されている。思い込みと想像だけでなく、インドはもちろんのこと、中国やインドネシアの歴史や文化等と絡み合っていて、客観視できる。
文化も制度も多様なる中で生まれ育ったインド人に、様々な国での経験が加わった視点で日本が暴かれていく。
日本人の根強い人種差別。
ラグビー日本代表でも時折耳にする…日本人以外…という言葉。
人種を意識しているのではなく、ただの見た目で判断する人がいる危うい社会。
ハーフという言語的区別と、羨望から -
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筆者の名前は「ぱらび」ではなく「パラビ」
(より正確には、「パーラヴィ」)
P84 「日本語には表音文字があるが、「ひらがな」と「カタカナ」という、それぞれ四六文字からなるものが二種類存在している。(中略)同じことはカタカナでも可能なのだが、こちらは漢字以上に驚くべき存在だ。
カタカナは単にひらがなと同じ音を表しているだけで、その目的の一つは元から日本にあった「固有」の単語ではない、外国由来の単語を表記することだ。賛否が分かれるかもしれないが、これは日本発祥か外国発祥かという、人種的存在論が言語そのものに刻み込まれていると言えないだろうか。」
「名前を全て読まなくても、外国人ということがわか -
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筆者はジャーナリスト、プライベートでは外交官の妻で二人の子供の母。
今まで長く中国での滞在経験もあり、ジャカルタ、日本、スペインと海外駐在を続けてきた。
もちろん日本の生活になれるまでの、苦労話も面白いが、日本に住んでいたのが数年と思えないほど、深い日本文化への考察、俳句の知識、政治についての洞察が詰まっている。
以下、ジャーナリストの視点から見た日本政治の分析が素晴らしいと思ったので抜粋
"日本だけが「民族主義的封建制」の国というわけではないが、政治がダイナミックさを欠き、硬直的になっているのではないか。日本の政治エリートが過去にこだわる一方で一般国民から乖離している状況は、二