【感想・ネタバレ】インド外交の流儀:先行き不透明な世界に向けた戦略のレビュー

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Posted by ブクログ

インドの外務大臣(外交官出身)によるインド外交論。台頭する大国は世界をどう見ているのか?を知るために読んでみました。
IT大国であるインド、「高度な人材を育成し、世界経済に送り出していける現実的な供給源はインドしかない」と言い切る自信は凄いモノだなと。

さて本著、読む前には「主人公を日本に置き換えて読むとどうか」「インドが日本をどう見ているのか」の2点を意識して読んでみようと思っていたのですが、前者に関しては「考えが違い過ぎて、ムリ!」と思いました(笑
例えば、本著に出てくる以下の表現は「悪法と言えども法なり」バリにルールを守りまくる日本人の思想とは相容れない感覚を持ちました。とは言え、グローバルスタンダードはこっちなんだろうなぁ。。
「ルール遵守のメリットとルール違反のコストをめぐる議論の…」
「ときどき違反する程度の国であれば、いつでも逸脱行為を正当化することができる」
「自分たちは拘束されずに行動する一方で、相手国に高い規範を守らせ続けるという戦術」

しかし、マハーバーラタを例に「インディア・ウェイ」を訴えた次の章で、真の障害は「教条主義的な考え」なのだと述べる…講演録が中心のようなので、その時々に色々な事情があったんだろうとは思いますが…
ある種一貫した考えはなく、その時々で是々非々の選択をしていく…まぁプラグマティズム宣言なんでしょうか。国の評判ってモノはこれで上がるのでしょうか…。

あと、翻訳については恐らく元の文章が格調高い感じなのか、訳文もそこまで読みやすくはなく、という感じでした。
細かいトコロで2点ほど。「煙突国家として」という表現は、注もなく、検索しても解説がなく、良くわからない表現だなぁと思ったり、「インドはかつて活力に富んでいた少しずつ生態系という意識をもたらそうとしている」は語順がおかしい?と思ったりもしました。

地政学やインドの政治面に関心がある向きは読んでみても良いのではと。

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2024年01月06日

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