あらすじ
日本人にもおなじみの「カレー」は、イギリスが植民地時代のインドに押し付けた概念である。インド人は「ダール」「サンバル」「コルマ」と細分化して呼ぶのだ――南アジア研究者がインド料理のステレオタイプを解きほぐし、その豊穣な食文化世界を案内する
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Posted by ブクログ
食を中心にインドの歴史、宗教、映画、外交関係、観光など様々な領域を網羅してるのは単純にすごいと思った。インド初渡航前に読んだため、紹介されている店に実際に行ってみたい、料理を食べてみたいと心から思う文章だった。著者のインド好きが溢れていて、それに巻き込まれる形で読んでる私もインドに親近感を持ち好きになった。
実際にインドに行ってみて「やっぱりカレーばっかりだ。。。」と思ったものの、「スパイスを使った料理」を総称してカレーだと呼ぶのだと料理を区別して見ようと意識していた。そのお陰か、インド料理をレパートリー広く楽しめたと思う。今度は派生したアメリカンインド料理やチャイニーズインド料理も食べてみたい。
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インド料理について、文化と歴史の面から包括的に書かれた本。この様な本はこれまでに、辛島さんやコリンガム氏の本があったが、この本はそれらの記述を踏まえつつ、自身のインドやパキスタンでの滞在時の経験を踏まえまた、インターネット上の情報や学術的な文献をも、渉猟しよく調べた上で書かれている。文章も読みやすい。
各種カレーがどの様に成立したのか、パキスタン独立がはたした影響、禁忌と宗教との関係、中華料理のインドにおける受容など、面白い話題を要領よくまとめてくれている。面白くて、一気に読み終えた。
また、映画や漫画、東京の有名店などにも言及しておりガイドブックの性格も持ち合わせている。
カレー好きの人には必読の書だろう。
Posted by ブクログ
インド料理はカレーだけではない。インド、パキスタンなど豊富な駐在歴を活かした、筆者ならではのインド料理の紹介。
日本のカレーライスはどちらかというとイギリスから。
CoCo壱番屋がインドに進出を図ったり、インドで独自の中華料理が発展したり、食のグローバル化は実に興味深い。
最近、ハヤカワ新書を読む機会が多い。独自のテーマ選定が自分には相性が良いのかも。SFは読まないけど、どこか不思議な感。
Posted by ブクログ
日本のインド料理はネパール人が経営しているという話をよく見聞きするようになり、興味を感じていたので読んでみた。
現代インドの食卓や外食がわかるだけでなく、日本のインド料理店の発祥や展開などもわかる。お店のガイドもあり、興味をそそられる。
カレーだけでなく、甘いとよく言われるデザートなども出てくるので、食べ物系の話が好きな人にはうってつけだと思う。
意外なところとしては、インドの中華料理。逆に八角が効いた中華カレーも街中華ブームで話題になっていることから、世界中でアレンジされている中華料理とインド料理の偉大さを感じられた。
Posted by ブクログ
読んでてお腹すいた本。
カレーだけじゃなくて、インド関連の食事の話。
インドへ行ったら「毎日カレーなの?」って聞かれる質問に、著者も戸惑ってる感じが共感できた。カレーって言っても色んな種類があって、インドのスパイス使った煮込み料理のことをカレーって総称してるだけで、っていうめんどくさい回答を堪えて「毎日カレー食べてた」って答えてるところが特に。
インド中華についても書かれてて、そういえばメニューの端っこに炊麺とか書いてあったのを思い出した。インドでも中華が根付いてるんだな〜。インドだけじゃなくて中華パワーも侮れない…笑
個人的にはRRRのくだりや、インド旅でトラウマ級に甘かったグラブ・ジャムンの話も出てきて、一緒に旅した友達へ勧めたくなった。
Posted by ブクログ
・唐辛子やカシューナッツは外来の種で、もともとインドにはなかった。ポルトガル人によってもたらされたため、ゴア産のカシューナッツは高級とされる。
・ムガル帝国(ペルシア語でモンゴル)時代の統治にペルシア人官僚が多かったことで、プラオから派生したビリヤニが生まれた。
・キーマもペルシアの食文化だ。暑さ厳しい場所では食肉をすぐに調理しなければならない。肉をそのまま焼くと硬くなるので、挽き肉にした。
・この流れが、宮廷料理となる「ムガライ料理」のベースとなる。
・バターチキン発祥の店、モティーマハルの店主はもともとパキスタンで食堂を開いていた。
・タンドリーチキン(これも発案)が日によって余りが出る。硬くなったチキンをフードロスの観点からソースと混ぜて作ったのがバターチキン。
・パキスタンが分離独立していなければ、タンドリーチキンもバターチキンも生まれていなかったかもしれない。
・甘さが特徴のインド料理といえばグジャラート州。「カッティミーティ」は「甘酸っぱい」を意味するグジャラート料理を形容する定番表現だ。
・ベジタリアンにも分類がある。完全菜食のピュアベジ、卵はOKのエッグダリアン、曜日限定型ベジタリアン。
・何を食べるか、何を食べないかがアイデンティティとなる。
・ジャイナ教徒の92%、ヒンドゥー教徒の44%がベジタリアン
・肉食禁止の前提は「不殺生(アサンヒー)」の思想である。生き物を殺さないだけではなく、すべての生物に危害を与えないことを意味する。
Posted by ブクログ
インド予習シリーズ流し読み
肉に制限あるってほんとクリティカルというか、独自性が強くなるよな〜と思った
東京のおすすめのお店が色々紹介されてるのも楽しい
インドグルメ楽しみ
Posted by ブクログ
会社の後輩と県内のカレー屋めぐりをするぐらいカレーが好きで、最近の日本でのスパイスカレーブームはすごいよなと思っていたので、読めて良かった。
日本人の中には寿司がアメリカで「カリフォルニアロール」など欧米化されて受け入れられていると、「日本料理の良さをわかってない」と目くじらをたてる人がいるけれど、日本人も同じようなことをしているよなあと思った。
「アメリカ風お寿司」「日本風中華料理」「インド風中華料理」のようなものも、文化の融合の結果うまれた素敵な料理の1ジャンルとして楽しみたい。
そして、意識して生きないと外国に対する情報は偏ったものしか入ってこない例が「インドといえばカレー」だと思うので、私たちは常に情報やイメージをフィルタリングされているということを忘れないでおきたい。
近所にガチネパのカレー屋さんを見つけているので行ってみようと思う。
Posted by ブクログ
「カレー」考察のみならず、インド国内の宗教の違いからくる食生活や国民性や歴史など、様々な観点から食文化を語り尽くす1冊。
ボリウッドってヒンディー語の映画の事だったのね。
『めぐり合わせのお弁当』良かったわぁ。
インド料理のレストランは東京に多いみたいなので、出てきたお店のいずれかには行ってみたい。
インドは手芸界でも存在感が増してきているし、いつかはお邪魔したいと思っている。
この本は初めてのデジタルボイス。
ここまで滑らかとは。ノンフィクションなら有り。と、思ったけれどやっぱり正直疲れた。書かれたものを朗読するという作業は変わらないんだけど、読み方や声音、速度の変化とか、思ったよりも多くの事を無意識に受け取って聴いていると言うことが改めてよく分かった。