根本聡一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ就活の選考として、学生8人がプロパガンダゲームに参加させられる。
プロパガンダゲームとは、戦争賛成の票がほしい政府対戦争反対の票がほしいレジスタンスに別れて広報戦略を競うもの。
試験は2時間にわたり、1時間後と2時間後に一般市民に投票を募り、最終的に多数派を勝ち取ったチームが勝ちとなる。
各チームには情報を買ったり扇動PRをするためのポイントが付与されているが、政府のほうがレジスタンスよりポイントが2倍も多い。
それぞれ自分たちのチームの条件や、一般市民の反応から戦略を練り、どのタイミングでどの情報を買い、どのようにPRをするかが描かれている。
すごく没入感のある話の進め方で、一気読みしてしま -
Posted by ブクログ
警察側の捜査が上手くいってほしいと思う反面、詐欺チームの作戦もケイパーものとして(不謹慎ながら)面白く、あっという間に読んでしまった。
若者の貧困問題・コロナ禍での社会不安がリアルに描かれており、掛け子や受け子に手を染める登場人物には同情や共感すら覚えてしまう。
ACジャパンのCMの、「こんなに頑張ってるのに私は一生追いつけないんですか」って言葉を思い出した。
ただ、「年寄り」という世代で括って主語を大きくし、仮想敵を作る思想は恐ろしいよな、と思う。(社会不安が蔓延している時は必ず起こることだけども。)
最後に伏線が回収されて全て繋がり、逆にリアリティない感じもするけど、構成が巧みだと思 -
Posted by ブクログ
「五十音順の作者を読む」第24冊目「ね」。
住民が口をそろえて「何もない」という宇多莉(うたり)町。そこに宇宙船が落ちたことから始まる、「異なる存在との向き合い方」がテーマの物語です。
宇多莉町出身の青年・青砥佑太は、故郷を追われ、近隣の市でフリーターとして生活していました。そんな時、とあるアイドルグループの握手会の短期バイトで、人気ナンバーワン・常盤木りさの担当になります。ところが、りさは佑太のことを知っているようで……。
地球人と宇宙人、自分と異なる存在をどう向き合うのか?
多様性が溢れている現在にも通じる物語でもあります。
SFとヒューマンドラマが好きな方におすすめの作品です。 -
Posted by ブクログ
根本聡一郎『詐欺の家 SWINDLER HOUSE』祥伝社文庫。
初読み作家。コンゲーム小説。『スウィンダラーハウス』改題作。
トクリュウによる特殊詐欺の急増や新型コロナウイルス感染禍といった世相を反映したリアルな設定と予測不能の展開でなかなか面白い作品だった。
しかし、終盤から結末に掛けて色々と詰め込み過ぎた感がある。映画『スティング』のようにコンゲーム作品なら、スパッと潔く終わらせた方が面白いと思う。
フードデリバリー配達員のアオイはハンバーガー30個の配達を依頼され、ある家を訪れるが、対応に出た美女に監禁される。その部屋に居たのは闇バイトに応募した若者や飛び込み営業で監禁された -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白い!
ここからどうなるの??どこに着地するの??と、ずーっとハラハラしていました
将来が決まる最終選考、有能さをアピールしなければならない状況とはいえ、騙し合い探り合いながらすすめなければいけないゲームの中、よくここまで理性的に振る舞えるのだなぁと感心してしまった
そして、それが崩れていく様にも人間らしさを感じられて良かったです
が、今最終選考中だよ!!!と我に返ってほしいと願う気持ちもありました笑
椎名くんの裏切り演説にはぞっとしながらも高揚しました
越智さんの暴露ターンもしびれましたし、香坂さんのピュアさ故にしたたかに映ってしまう感じもすっごく恐ろしくて好きでした
皆さま、良いキャラす