木村千里のレビュー一覧
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メンタルが崩れる前に準備しておく取説です。「7つの習慣」に通ずる対策もありました。二つほどやってみたいことがありました。
1. 自分を大切にする、優しくする方法を探して、それを「道具箱・救急箱」に入れて用意しておく。困った時はそれを開ける。私はメモ帳にリラックスできる「行動」をメモしておこうと思います。
2. 思考(過去の嫌な出来事)が頭に浮かんだら、やり過ごす練習をする。どんなことか書き出して認識したり、脳が頑張って処理してくれてることを客観視して「処理してくれてありがとう」と感謝する。など、難しいけど訓練してものにしたいことがありました。お風呂やシャワーの歳、急に思考がやってくるので、その時は格好の訓練時間になると思います。 -
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原題は「ポジティブ・コンピューティング」ということで、ITあるいはデジタル技術をいかに人間のウェルビーイングにつなげるか、を問いかけた本になります。そのため前半ではウェルビーイングの定義やそれを規定する要因について、医学、心理学、社会学、経済学など様々な分野のアプローチを紹介し、どのような要因がウェルビーイングを構成しているのか解説しています。大きくは3つの因子が紹介されています。
1. 自己因子(ポジティブ感情、動機付け&没頭、自己への気づき、マインドフルネス、心理的抵抗力・回復力)
2. 社会的因子(感謝、共感)
3. 超越的因子(思いやり、利他行動)
そしてそれぞれについて、どうすればテクノロジーがプラスに働くのか、それはなぜか、ということが本の後半に様々な研究成果を通じて紹介されています。
私自身、デジタル技術をいかにウェルビーイングにつなげるかを社会学的な視点から研究をしているのですが、その意味で本書は様々な分野の研究成果を紹介してくれているので、最良のレファレンス本になっています。デジタル・ウェルビーイングに携わる研究者にとっての必読者だと思います。 -
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◾️概要
ポジティブコンピューティングの設計論を、自身の専門分野へ生かすため読みました。本書で最も印象に残ったのは、「ウェルビーイングと相関する因子は、全ての因子が全ての人にとって同じように良いわけではない。
自律性をどう刺激するか、ということが重要。」です。
◾️所感
テクノロジーが進歩したのに、人々の幸福が育まれていないのはなぜか?という問題意識を発端にしています。本書では、心理的ウェルビーイングと人間の潜在能力を高めるテクノロジーの設計および開発を、ポジティブコンピューティングと呼び論じています。今後、GDPに変わる指標として幸福感のようなものが採用される未来が来るかもしれません。その際、本書の知見があらゆる分野で活き、問題提起すると考えます。 -
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デジタルテクノロジーは私たちの生活に深く浸透している。人と人をつなぎ、知識を拡張し、より便利に、賢く生きることを可能にしてきた。では、テクノロジーは人々を幸せにしているだろうか?この問いに技術者として答えるには、そもそも幸せとは何か?幸せかどうかをどうやって評価するか?が分からないと難しいだろう。
著者は、心理学、神経科学の研究を根拠として、人の幸せにテクノロジーが貢献するための設計理論の構築に挑戦している。具体的には、ウェルビーイングの因子として、ポジティブ感情、没頭、自己への気づき、レジリエンス、マインドフルネス、感謝、共感、思いやり、利他行動を挙げ、それぞれの理論、文献、方法と尺度に整理することで、技術者が実践するための枠組みとすることを目指す。本書ではその中のいくつかの因子について、理論を簡単に説明するとともに、テクノロジーに実装する事例を紹介し、技術者が設計にウェルビーイングを取り入れる際のヒントになる。
テクノロジーを扱う技術者が、こうした研究を参考に、実利だけでなく心理的ウェルビーイングにも配慮することで、世の中は良くなるかもしれない。しかし、心の問題は奥が深く、簡単には答えは出ない。人によって、文化によっても異なりうる。一つの文献だけに依拠せず、実践と検証を謙虚に繰り返すことが重要である。 -
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2023年刊行。
社会学者、特に「幸福学」を専門とする著者による、どうすれば「人生後半」を幸福に満ちたものにできるかを解説した本。
本書における「人生後半」は40代半ば〜50代以降と定義される。
この頃、20代や30代の頃に保持していた柔軟な思考力、創造性、推論力が低下するため、これらの能力に頼った人性設計を続けるのではなく、異なる能力と価値観に沿った戦略を考えるべきだ、というのが大筋の主張である。
著者が想定する読者層は、「striver(ストライバー)」と呼ばれる、「不断の努力によってキャリア的に成功した人々」である。
これらの人たちは、優れた潜在能力に加えてハードワークを積み重ねることで、自分が望んだキャリアを手にすることができた人たちである。
社会的な地位と高収入を手にした成功者と言い換えても良い。
「striver」たちは、その成功体験故に、能力が下降する自分を受け入れることが特に難しい。
また、若い頃のハードワークがパートナーや友人との人間関係に支障をもたらしているため、老齢期に孤独に陥りやすく、故に不幸になりやすい傾向にある。
著者はこの事実を説明し、警鐘を鳴らす。
そして、若い頃のスキルとは別のスキルを獲得し、意図的・計画的に「第二の曲線」に飛び移らなければならないと説く。
これが本書の大筋の内容である。
内容としては、「なぜ多くの人が「第一の曲線」に固執してしまうのか?」「どうすれば「第二の曲線」に移行できるのか?」とその具体的なステップなどが書かれる。
最新の研究結果から、西洋・東洋の哲学までを駆使して論じられているため、納得感は一定ある。
クオリティが高い本であると感じた。
特に、「striver」たちの多くは、「仕事依存症」「成功依存症」に罹っているという提言は刺さった。
「幸福になるよりも特別な存在になりたい」という根源欲求を抱えていて、薬物やアルコール依存症の患者と同じように、身を粉にして働くことで得られるお金、権力、威信、称賛、承認に依存しているというわけである。
この主張は一理ある。
一方、本書の内容が唯一解ではないとも思う。
個人的には、「家族を大事にする穏やかな暮らし」よりも、仕事で圧倒的に成り上がって社会的・個人的自己実現を果たす方がプライオリティが高い。
結局、多くの選択がトレードオフである以上、「自分が欲しいものは何か?」を常に見極め、行動していく必要があるということだろう。
その文脈で、本書は有用だと思う。
「人生後半」にはまだ幾らか猶予があるこのタイミングで出会えて良かった本だった。 -
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ネタバレアーサー・C・ブルックスさんの「人生後半の戦略書」を読みました。前半は流動性知能と結晶性知能の話。流動性知能とはいわゆる「頭の回転の速さ」や「地頭の良さ」などその人本来の頭の良さを表す知的能力で、この能力は「これまでに遭遇したことのない状況で、既存の知識では解決できない問題を解決する能力」のことであり、記憶や計算、図形、推理などの問題から測定することができるようです。一方、結晶性知能とは、これまでの経験と近い状況で、獲得した知識を用いて問題を解決する知的能力であるとされ、主に語彙や一般の知識のテストによって測定することができるようです。問題は、流動性知能は加齢とともに衰えていくこと。仕事である程度のところまで行きついた人は、流動性知能が優れているケースが多いわけですが、この能力はやがて年齢とともに衰えていき、自分が思い描くパフォーマンスが出なくなるということ。いつまでもこの能力に、あるいはこの能力に依存した成果(それは地位だったり、経済力かもしれない)に固執していると、衰えていく自分に直面して幸せになれないという流れ。早めに結晶性知能を活かした領域にシフトし、目標もそれに合わせて変更していくことで本当の幸せになれるというと簡単にまとめすぎかな。おそらく、目標設定を変えていくというのは正しくて、仏教が引き合いに出されていたけど、物質的な欲望は達成した時こそ達成感がある一方で、すぐに別の欲望に取って代われれるものだから、どこまで追いかけても満足できない。家族や友人たちとの人間関係、精神的なものはそういう欲望とは異なる性質のものだから、大切にすることで、幸せに満たされるということはあるんでしょうね。この本のポイントは、単に結論だけでなく、仕事の面からも脳の特性から積極的なキャリアチェンジを進めていること。まあ、この辺はとても自覚しているところでもあり、説得力のある内容でした。