藤井貞和のレビュー一覧

  • 源氏物語(一) 桐壺―末摘花

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    現代語訳の源氏物語を読んでから、一度原文で読んでみたいなあ、と憧れてました。
    見開き左に注釈、解説、右に本文になっていて左⇄右で読み進める事が出来て感動しました!
    本文が右にしかないので、話の進みはとてもゆっくりですが、長い目標として全巻読破できたらなぁと思います。

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    2022年01月17日
  • 源氏物語(二) 紅葉賀-明石

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    ネタバレ

    二巻目に入り、読むのも少しは慣れてきました源氏物語!やはり月に1冊のペースです。一も面白かったけど、二もなかなかでした。

    紅葉賀
    ここでの青海波が、のちに平家物語の中で維盛が舞う青海波が光源氏みたい!とたとえられる元ネタ、と思うと感慨深さもひとしお…。

    花宴
    での源氏の衣装の艶やかさ、併読している『源氏物語五十四帖の色』を開いてはうっとり…。


    今のところ女君でいうと圧倒的推しの、六条御息所。彼女がふと自分から立ち香る芥子の匂いに気が付いた場面は、ぞわっとしましたし、源氏物語きっての好きなシーンとなりました。ホラー!!
    (そして葵が死んで喪に服している間に紫の上に手を出すなよ…)

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    2024年03月05日
  • 源氏物語(一) 桐壺―末摘花

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    ネタバレ

    家に橋本治の源氏があるものの、今まで読んだことのある源氏は『あさきゆめみし』で、いつか・早いうちに読まねば(あまりにも全ての根幹になっているのだし)と思いつつ、手を付けてこなかった。一つには「所詮、男女の恋物語」というイメージがあり、私は好きではないだろうなと思っていたのが大きい。
    今年は大河ドラマが「光る君へ」で、かつ初回から面白かったので、やはりこれは今年読むべきご縁だと思い、読みだしました。原理主義者の自分が捨てられないため、現代語訳ではなく岩波文庫で読んでいますが、圧倒的に読むスピードが遅いため、最後まで読み通せるのか今のところ自信がない笑。今年一年かかってでも読めれば、と思っている。

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    2024年01月28日
  • 物語論

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    物語が「何」を示すのかそれ自体・物語の「読み方」ではなく、
    物語というものを構築する言葉に関心のある人向け。
    実践的な面では、四人称の理解や、古典を読む=本文を読み、「研究訳」を作る・注釈を付すための心得などを、わかりやすく学べる。

    個人的に好感度が高かった箇所。158頁
    「アイヌ語に文字はあるかと聞かれたら、どう答えるか。すこしまえまでなら、「ない」と答えるのがたしかに正解だった。また、アイヌ語は滅びゆく言語だという言い方をする人がいる。この言い方そのものが、成り立たない不可能な意見、つまり背理である。その言語を使わない人々だけがそのように言うことができるのであって、言語はそれを使う人にと

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    2023年01月02日
  • タブーと結婚 「源氏物語と阿闍世王コンプレックス論」のほうへ

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    返却期限がきたから一旦泣く泣く返す…

    難しく、
    とばしとばし読んでいたがインタビュー形式の章は
    目からウロコというか
    とても納得できた。

    現実に不倫や浮気は
    軽蔑すべきものとする考えが一般的なものの、
    不倫を題材にした歌やドラマ、小説、漫画の
    人気がある理由が
    "結婚"は社会を円滑に動かすためのあくまで"制度"であるからだということ、
    古語の似ているがニュアンスが異なる2つの言葉から"愛"という言葉が許容する意味の幅の広さを
    導き出すくだりが
    非常に面白かった。


    人間の心は
    社会制度の枠に
    おさまらないくらいに、
    情緒豊かで複

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    2012年11月10日
  • 物語論

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    「ものがたりをするとは、人と人とが向き合っての座談や、複数の人物による談話のたぐいをもともと意味した。」p.22

    「「かたり」という語に「もの」を冠して、話題のとりとめなさをそこにこめているのだ」p.23

    「ふることは、文字どおり『古事記』などの歴史叙述であって、助動辞で見ると「き」を用い、過去のこととして出来事を語る。…ふることという語は、古い固定的な詞章をさしたり、古歌、古詩、あるいは決まった伝承をさしたり、というような語として後代にまでずっと生き続ける」p.31

    「古代の叙述はけっして一枚岩的なものでなく、「ふること」という「かたり」の世界と、そうでないくだけた感じの「ものがたり」

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    2024年07月01日
  • 物語の起源 ――フルコト論

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    「…カタリゴトという語は古代歌謡のなかに、ごく特異な限定的意味を担って使われた語であり、それのみに用例がかぎられるのに対して、…フルコトは、上代から平安時代にかけて、さらには時代がくだる、…ごく基礎的な語彙としてある」33

    「動的な文化接触として、文学という文化が漢字使用の圏からおし寄せることに伴い、使いまわされて成立した新式の"大和言葉"なのではないか」34

    古語拾遺
    「フルコト(=古伝承、古叙事)の遺漏を拾う、という意味に取るなら、中身と命名とのあいだに齟齬はなくなる」41

    「最初の天皇であることを褒めたたえる、いわゆる称賛詞として、ぜひともフルコトの表現が必要だ

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    2024年07月01日
  • 日本文法体系

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    いやー難しい、というか、読みにくい、というか、ある意味「難解」な類いの本でした。
    古文を教えるのに参考になれば、と思い、読み始めたのだが…(; ̄ェ ̄)
    いわゆる「学校文法」を説明し直す=書き換える、という野心的な目的が本書にはある。“krsm-立体”からの説明は納得。ここに本書の特徴があるのではないか?
    高校生にはちと難しい。大学で日本語学とか日本古典文学とか学ぶ人には良い問題提起となる本だと思います。

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    2017年05月05日